2017/11/14 のログ
■リューテ > 歌声は闇と共に。闇は心と共に。少年の通り過ぎ去ったあと。瞳から僅かに零れ落ちる金の魔力の残滓だけが魔王の存在を現世に物語る。
少年に魔王の自覚無く。魔王もまた、自らが変質しつつある事を自覚出来ず――。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からリューテさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/ワークショップ『アルムスター』」にノーラさんが現れました。
■ノーラ > 平民地区の職人街に、一際大振りな建物がある。
代々何かしらの職を手につけ、この家で商売をしている一家の工房だ。
ここに行けば頼めないものはない、なんて言われる所では言われていたりするらしい。
「ありがとうございますー、またのお越しをー♪」
満面の笑みで客を送り出したこの看板娘。
彼女のオーバースペックもまた、近所の職人の間では割と知られていたりする。
気がついた時にはハンマーを握り、手が真っ黒になるのを嫌がるどころか面白がって育ったのだから仕方がないのかもしれないが。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/ワークショップ『アルムスター』」にアイサックさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/ワークショップ『アルムスター』」からアイサックさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/ワークショップ『アルムスター』」にアイザックさんが現れました。
■アイザック > 「確かこの辺りだったな…」
本当に久しぶりにと舞い戻ったマグメールの王都。
ギルドに再登録の顔を見せ、武具を整えるためにと紹介された店を探して歩く。
地図を頼りに職人街を歩き一際大きな建物を見つければ足を向け、
そこにある看板を見れば間違いないと足を踏み入れる。
「邪魔するよ。ギルドに進められてきたんだが武器の修理は頼めるか?」
足を踏み入れればこの工房の人と思われる娘が目につき。
来た理由を告げて近づいていく。
■ノーラ > 「いらっしゃいませー♪
修理ですね、状態ですとか物によってはお預かりすることになりますがよろしいですか?」
飲食店の従業員が同じ流れで客を出迎えるように、流れるように対応していく。
時々折れた剣を持ち込んできたりする者まで居るので、先に断ることは断っておきつつ暗に現物を確認したいと言っていこうか。
■アイザック > 「少し雑に使いすぎて修理が必要になってな。
それは構わない。これなんだが大丈夫か?」
飲食店に入ったようなテンポで話を進める娘に目を向けて頷いて見せて。
これなんだがと腰に下げた剣を鞘ごと外して娘に差し出して。
抜けば刃は零れ明らかに重心が歪んでいるのが判るほどに傷んでいる剣で。
■ノーラ > 「あらあらー……。
拝見させていただきますね」
失礼します。とひと声かけてから剣に手をかけた。
ゆっくりと、鞘と柄にそれぞれ手を添えて剣を抜けば目を細めて。
「…大分痛みが酷いですね…刃こぼれもですけど、抜き差しし辛くありませんでしたか?」
微妙な歪みも、彼女の感覚には引っかかったように感じる。
うーん、と少し考え込んで。
「これは…少しお時間を頂くことになると思いますね…。」
■アイザック > 剣を手渡して娘が鞘や柄に手を添えて調べていく間に店内を眺めたりとして。
「少し大物とやりあってその時にな。討伐の後に差す時が少し辛かったが…刃こぼれ以外にもか?」
そんな感じはあったが告げられると刃が欠けた以外にもあるのかと見返し。
考え込む姿に修理ができないのかと心配になり。
「そこまでか……それでも修理は頼みたいな。
その間の代用に使える武器はあったりしないか?」
修理の間に武器がないと仕事にならず、それならと一本予備に買うつもりで問いかけて。
■ノーラ > 「納めづらいっていうのは、剣が歪んでるっていうことですから…。
直せないことはありませんが、先約もありますし暫くお預かりすることになりますね」
そう言うと、代用品を求める男にカウンターの隅を上に持ち上げて外へと出てきた。
店頭に並んだ剣の中から、迷うことなく1本を手にとって差し出して。
「こちらが、お預かりする剣に一番近いと思います。
グリップの調整ですとか、ご希望があれば多少なら可能ですので…」
試してみて、と鞘のまま差し出した。
■アイザック > 「それで収めにくかった訳か。歪むほどの相手を切ったつもりはないんだが…。
それは結構かかったりするのか?」
長く使っている愛剣だけに早く手元に戻したいだけに預かるならどれぐらいかと気にして。
代用品を頼めばカウンターから出てきて迷わずに一本の剣を差し出されて。
「確かに長さは似た感じだな。
そこまでして貰えるものなのか?」
差しだされた剣を受け取りグリップを握り重心や持ち具合を確認して。
■ノーラ > 「鞘は御存知の通り木ですから…曲がった剣に合わせてくれませんからね」
眉尻を下げながら言いつつ、カウンターの中へ戻ると予約帳を確認していく。
予約帳にはずらりと名前と品目が書かれており、処理中の物もそれなりにあることが伺えた。
「早くて……そうですね、1週間程度見ていただければ…。
武器はお客様の命を守るものですから、当然です」
にっこりと笑うと、そう言い切った。
にこにこしながらも、普通の客を見るのとは少し違う様子でちらちらと視線を向けているのが男になら分かるだろうか。
■アイザック > 「木が一番手軽に使えるから使ってるんだがやはり曲がると合わなくなるか」
娘の説明に納得をしてよほど雑に剣を扱ってしまったのだと実感をして。
カウンターに戻り何かを確認している姿を横目に代用品の剣の具合を確かめて。
「1週間か。それぐらいなら何とかなりそうだ。
ここは進められたとおりにいい店だ。そこまではしてくれない。
……どうかしたか?」
言い切る姿にこの店が繁盛して進められる理由に納得し。
笑いながらも何か視線に客ということ以外の何かを感じて思わず聞いてしまい。
■ノーラ > 「はい、そのまま無理にしていたら鞘も交換になるところですが…こちらはそのままでも大丈夫そうですね」
にっこりと笑ったまま言いつつ、予約帳をしまい直して。
「では、お預かりさせていただきますね。
お褒めいただけて嬉しいです。
あの……どこかで、お会いしたことありましたっけ…?」
男に視線を悟られたことに気づくと、言いづらそうに口にした。
なんだか、どこかで見た覚えがある気がしてならないのだ。
■アイザック > 「剣の修理だけでもかかるのに鞘の交換まで来ると流石に出費が…使えるなら助かった」
娘の言葉に修理のほかに掛ったかもしれないと聞けばよかったと安堵の息を吐き。
「あぁ、よろしく頼む。
この剣は買わせてもらう、グリップはこのままでも大丈夫だ。
会った事……?」
言い辛そうにする娘の言葉にじっとその顔を見て。
今日初めて会うはず……いや、どこかで見た気がすると思い出そうとするように見つめて。
■ノーラ > 「削ってどうなるものでもないですからね…。
良かったです」
商売人だが、無駄な出費をさせまいとするのもこの店の評判がいい理由だろうか。
買い取ると言われれば、嬉しそうに笑って見せて。
「ありがとうございます♪
それ、私が打ったんですよ。
はい…その、気のせいだったら申し訳ないのですが…」
気のせいではないはずだ。
仕事柄人の顔を覚えるのが得意な自分が、見たことがない人間を勘違いすることはまずない。
となれば、久しぶりすぎて変わってしまった誰かということになるのだが…
■アイザック > 「全くだ。木とはいえ鞘の新調は高くつく」
他の店ならばきっと剣も修理どころか買い替えを進められていただろう。
本当にいい店を紹介されたと感謝して、打用品の剣の代金を置き。
「1週間後にまた取りに来る。
そうなのか?これはな……俺の昔馴染み…幼馴染か?
それに貰った剣でな。」
意外な言葉に剣と娘を交互に見てしまう。
まさか愛剣を打ったと言われればそうなるのも仕方なく。
娘の顔をじっと見て…剣をくれた幼馴染の顔を思い出そうとして。
■ノーラ > 「他所だったら買い替えてくれという店もあるかもしれませんが…思い入れをお持ちのお客様も多いですから」
長く使えるものだからこそ、愛着も湧くだろう。
そういう武器を作りたいし、壊れたなら出来る限り治したい。
彼女はそういう職人だった。
代金を確認すれば、レジへと収めていって。
「はい、お待ちしてます。
あら…鍛冶師のお知り合いが?」
こちらも意外そうな顔をして。
忙しく毎日働いている間に忘れている何かが、出てきそうなこなさそうな、そんなむずむずした感覚を覚えた。