2017/10/28 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 路地裏」にカルニーツォさんが現れました。
カルニーツォ >  薄暗い路地に灯るランプの明かり。それに照らし出されるのは鉄細工で作られたフクロウの看板と「本日のオススメ パンプキンパイとシナモンティーセット 薔薇の形の角砂糖添え」と書かれたブラックボード。

 カウンター席と小さなテーブルが二つだけの狭い店内には隠すこともなく大あくびをしている店主が一人。

「相変わらずですが暇ですねぇ」

 冷め切ったコーヒーを一口啜ると、ゴリゴリと薬研を転がしはじめる。転がす度に室内にどことなくほこり臭い薬の臭いが漂っていく。
 しばらく薬をすりつぶし、具合を見る。そして後ろの薬棚から木の値を取り出すと、小さなまな板の上で、小さなナイフで細かく刻み、薬研に追加するとまたゴリゴリとすりつぶしていく。
 薬研を転がす間も、絶えず大口を開けて欠伸をし続ける。

「そろそろいいですかね?」

 薬研の中の粉末を摘まみ、指先で擦って具合を確かめる。続けてコンロに火を付け、土瓶をかける。
 湯が沸くと薬を中に放り込むと火を弱め、頬杖をつき、片手にコーヒーカップを持ってぼんやりと立ち上る湯気を眺めている。

カルニーツォ >  湯気から漂う薬の臭いが徐々に強くなり、店内に充満していく。蓋を開けて、匙で中身をかき混ぜる。匙についた焦げ茶色のトロリとした液体をぺろりと舐める。

「そろそろですかね」

 火を落とすと、小さな陶器の壺と茶漉しを取り出す。布巾で取っ手を掴み、液体を濾しとる。そのまま蓋をすると棚に壺をしまう。
 大きく一つ伸びをすると、店の外に出てブラックボードを片付け、店の明かりを消す。
 灯りが落ちればそのまま周囲は闇に包まれていく。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 路地裏」からカルニーツォさんが去りました。
ご案内:「酒場『転がる金の林檎亭』」にエインセルさんが現れました。
エインセル > からん、と来客を告げる鳴子が音を立て、一人の少女が酒場へとやってくる。
抱えているのは、丈夫な布製の採取カバン。服は暖かそうな黒のローブと、その中にふんわりしたワンピース。
腰ほどまでの栗色の髪を揺らしながら、向かうのは酒場のカウンターだ。
席を一つ確保すると、店主に一度頭を下げて。

「頼まれていた採取物。ハーブが数種類と、ウサギの肉を二匹分。
 ……ん、報酬は、お夕飯の代金を抜いて出してくれれば、それで」

簡単な採取の依頼を終えた少女は、これから待ちに待った夕飯の時間。
この店は何でも林檎料理が有名とかで、店の中はほんのり甘酸っぱい匂いが漂っている。
くりぬいた林檎の器を使ったグラタンなど、不思議な料理の数々が掲載されたメニューを見ながら、どれを頼むかしばし悩む。
味と見た目に思いを巡らせる時間は、最も幸せな時かもしれない。

エインセル > やがて注文したのは、店主のお任せコース。
林檎を器にしたグラタンとか、林檎のすりおろしをソースに使った肉料理とかが少女の胃袋に入り込む。
そして残りの金貨を報酬として受け取ると、少女は上階の宿へ。
そうしてそのまま、幸せ気分でおやすみなさいなのである。

ご案内:「酒場『転がる金の林檎亭』」からエインセルさんが去りました。