2017/10/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/雑貨屋」にピングさんが現れました。
ピング > 今日の天気は曇天で、最近特に冷え込んでいるからか日中はお日様が無ければ肌寒い程。
心なしか通りの人も少ないのは―――場所柄まぁいつもの事か。
そんな折のとある雑貨屋は今日もやっぱり閑散としていた。

その店の中、カウンターから離れた棚の前。
他と同じく特に関連性がある訳でもなく、ででん、と大きな1人用の椅子が置かれていた。
『マッサージチェア』『ご自由に使用下さい』等と表示されたそれを見て、店主が一人満足そうに頷いており。
当然の様に普通のマッサージチェアではない事は、お察し。
見目には黒革張りのそこそこ高給そうな椅子なれども一度人が座れば拘束と共に各種ギミックが『マッサージ』をし始めるという代物。

まるで何かの罠の如く、やや店の奥まった場所に設置し終えるとカウンターの方へと戻っていった。
道具があった所で今すぐ何がある訳でもなく。結局は何時も通りの店番が始まるのである。

ピング > さてさて本日はお客が来たのかどうか―――
ご案内:「王都マグメール 平民地区/雑貨屋」からピングさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/広場」にライムウェルさんが現れました。
ライムウェル > 平民地区のとある広場。
日中は人が多いその場所の隅っこの一角に佇む頓狂な格好をした男が居た。
大仰な仕草で道行く人々―――主に女性に声をかけるその姿は非常に悪目立ちするだろう。

「どうですか、どうでしょうか。
 是非に、是非にとも!人々に心からの笑顔と、充実し、明日を生きる活力を与えるお仕事、してみませぬか!
 貴女の、貴女様の善行が言わば世の中を救うのです…!」

大仰なだけでなく大げさな。
熱孕む声にて心から勧誘しているのだから、その熱に寧ろ引く人が多いのは当たり前だと言えるやも。
先ほどから声をかける度に、女性は逃げる様に距離を取り、また別の女性を見つけては声をかけ、と繰り返していた。

ライムウェル > 広場の喧騒に紛れる声かけは尚も続き。
本日、協力者を確保できたかどうかは、さてさて。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/広場」からライムウェルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」にジェイルさんが現れました。
ジェイル > 久しぶりに訪れた行きつけの酒場。
気に入っているいつもの、店の隅の4人がけテーブルを一人で占拠する。
店員が注文を聞きに来るも『お久しぶりです。いつものでよろしいですか?』と聞かれた。

「ああ、まだ覚えてたのか。
 それでいいぞ」

冗談めかしてそう言うと、店員は笑いながら一礼して去っていった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」にフォークさんが現れました。
フォーク > 久々に悪い酒に酔っていた。

赤ら顔の男は千鳥足で、酒場の扉を開く。
そしてそのまま自分のお気に入りの席へと向かおうとする。
すなわち、先客の女がいる席だ。
店主が何か言おうと近づいてきたが、男は手を前に翳して制止させる。
そして女が座る四人テーブル席にどっかと腰を下ろす。
テーブルと挟んで女と向かい合う状態に。

「生憎だけど、ここは俺のお気に入りの席でね」

軽くしゃっくりをする。
明らかに性質のよくない酔っぱらいと女にもわかるだろう。

ジェイル > 女は大体、注文が届くまでぼんやりと考え事をすることが多い。
そしてそれを邪魔した男達―目的は主にナンパではあったが―は、言葉だったり力だったり何かしらの形で心に傷を負う羽目になっていた。
今日もいつものように、考え事にふけりテーブルに頬杖をついていたのだが。

「お前はこの席を専有化する金でも払っているのか?
 そうならすぐに場所を移るが。」

自分がここに座るのを店主が止めに来ない時点で、そうではないことなどわかっている。
わかっていて、聞いているのだ。
気怠げな姿勢を正すでもなく、目だけでじとりと男を見据えて。

フォーク > 「世の中全て金で権利が売られているわけじゃないってのは七つのガキでもわかる理屈だろ?
 それに別に場所を移れ……と言っているわけではないぜ。この店のテーブルはみんな俺のお気に入りってだけだからな」

女の理路整然に対して、男は妙な屁理屈を捏ねた。
要は女に因縁をつけているのだ。
この男、酒が悪い方に入ると狂人すら恐れる怪物と化す。

「この店のテーブル使うなら、俺の『許可』も必要なのさ」

ならば他の客も同等であるのだが、男はなんとなく理解しているのである。
彼女のようなタイプは、他の客や店長を巻き込むような言動はしない、と。

「そして俺の『許可』が必要な場所は、今も広がり続けている」

ふわっと男は太い両腕を左右に広げる。
つまりこの店から出ても無駄だぞ、と暴論をぶち撒けているのだ。

ジェイル > 「……これだから酔っぱらいは好かんのだ…」

はぁ、と露骨すぎるため息を付いてみせる。
伊達に酒場の常連ではない、絡まれる事自体は慣れている。

「なら他の連中はその許可とやらがあるんだな?
 これだけの人数だ、何か証明があるんだろう?
 その証明を見せろ。全員に持っているか見せてもらってくるとしよう。」

これも先程と同じ。
ないことなどわかっていて、売られた喧嘩を買っているのだ。

「ほぅ?それは御大層なことだ。
 そのうち世界征服が出来るわけか。」

はっ、と鼻で笑ってみせた。
注文を持っていってもいいものか困惑している店員に、頬杖にしていない手の人差し指で自分のそばをとんとんと叩いてそこに置かせればつまみのチーズを一つ口に放り込んだ。

フォーク > 「なんだ、お前知らんのか?」

ぷわっと男は酒臭い息を吐いた。
そして子どものように両手でテーブルをバンバンと叩く。

「俺が許可した奴の名前は、テーブルの裏に名前が彫られているのさ。
 もし嘘と思うならテーブルの下に潜り込んで確かめてみろ。
 このテーブルにはまだ、お前の名前はないだろう?」

男は女にテーブルを確かめるように挑発した。
もしも女がテーブルの下に潜るなり、テーブル本体をひっくり返して確認しようとするなら、
男は躊躇なく、女の死角となったテーブル板の向かい側から、女めがけて掌底を打ち込もうとする。
その場合、テーブルはもちろん破砕されるが、クリーンヒットすれば女を昏倒せしめることもできるだろう。

女が喧嘩を買っているのは理解できた。
しかし腕も立ちそうな気がする。もしかしたら自分よりも強いかもしれない。
ならば挑発とハッタリと奸智で補う。純粋な力比べはなるべく避ける。それが傭兵の戦術だった。

ジェイル > 「…なるほどな、では確かめるとしようか。」

狭いテーブルの下へのわざとらしい誘導。
単に察しが良い者なら、諦めるか口論を続けるのだろう。
だが、女は敢えて乗った。
万が一蹴られた所で、避けることと逃げることに本領を発揮するタイプだからこそだ。

かと言って、人間の前で本気を出すことは出来ない。
自分の横の椅子を押し出すようにしてどけると、距離を取った状態でしゃがんでテーブルの下を覗き込んだ。
当然テーブルの下は時間が時間であれば薄暗いが、暗闇でも目が見える女には大して関係ない。
男の足の長さを警戒しながら、慎重に体をずらしていく。

フォーク > 女がテーブルの下を覗き込んだ。

(ニヤリ)

男は己の豪腕を振り上げる。そして掌底の構えを取った。
女は確認するといいつつ、おそらく自分を疑っているだろうと……と男は考えた。
なので脚の動きでこちらを悟らせるようなことはできない。

「どうだ。テーブルの真裏……ど真ん中のところに小さく彫られてるだろ?」

そして渾身の掌底をテーブルに撃ち込んだ。
その衝撃は、テーブルの四本足をぶっ壊し、割れた板丸ごとが床に落ちることになる。
『暴力』と『武力』。二つの『力』の結晶のような掌底だった。

ジェイル > 女は元々斥候だ。
物だけでなく人も見る。
相手が相当な剛力の持ち主だろう事など言われるまでもなく分かるし、先程の会話からしてそこまで阿呆というわけでもないようだ。
そして何よりも、明らかに深酔いしている。
そういう輩は何をしてくるかわかったものではない。

「……真裏、な。」

言いながら、ホールの他の客や店員を観察する。
男が腕を振り下ろすその瞬間、ざわめきが起こった。
それと同時に、陸上のクラウチングスタートのようにつま先で床を蹴って…

「……っつ…。
 まさか堂々と器物損壊までするとはな…」

完全に下敷きになるのは避けた。
しかし、床を蹴って伸ばしていたその足の膝から下が間に合わなかった。
それなりにしっかりとした木材を使った、重みのある天板に打ち付けられ、床と挟まれ。
舌打ちしつつ、その足を引き抜こうと。

フォーク > 女が脚を引き抜こうとするなら、女の脚を挟んでいる天板を強く踏み、逃げられなくしようとする。
男の顔はそれはそれは悲しそうな表情だった。
その眼にはほんのり涙すら浮かんでいる。

「俺の大好きだったテーブル……壊れちゃった」

さらに強く天板を踏んだ。もしかしたら女の足首に軽い捻挫が起きるかもしれない。
悲しみながらも冷徹に相手の機動力を奪おうとする所に、男の狂気があった。
次の瞬間、泣き顔が急に憤怒の表情へと変わる。

「お前のせいか?お前のせいだな。いや、そうに違いねえそうに決まった!」

理不尽なまでの怒りを見せる男。
動きづらくなった女の髪をむんずと掴み、引き上げようとするのであった。

「テーブルちゃんの仇、取らせてもらうかなら……」

ジェイル > 「っぐ……っぁ……!」

天板を踏みつけられれば、痛みに顔が歪んだ。
客達はざわざわとこちらを見てはいるものの、男のターゲットになるのが怖いのだろう。
近づこうとする者は誰一人いなかった。

「―――っっ…!!」

2度めの衝撃。
本当なら、痛みに苦痛の声を上げてもおかしくはなかった。
だが、女の妙な意地がそれを堪えた。
こいつの前でだけは。そんな意地だ。

「は……っ、私に…そんな力があるなら…っ、とっくに、貴様を……っ殴り倒してるな……!」

髪を掴まれ、引き上げられればそんな言葉を浴びせかけた。

フォーク > 女の髪を掴んだまま、片手の腕力だけで女を天板の下から引き上げる。
店主や他の客が近づけないのも無理はない。男の理不尽は理屈も糞もないのである。

「泣いて謝ればまだ可愛げもあるが……そこまで意地を張られちゃこっちも意地だ」

髪を掴んだ手を離さずに、床に女を落とす。
そのまま女を店の奥にあるトイレへと引きずっていこうとした。

「たっぷりと啼かせてやるからな」

舌なめずりして女を見下ろすのである。

ジェイル > 「………っ!」

ぎり、と歯を食いしばって足が引き抜かれる痛みに耐えた。
ギャラリーは心配そうにその様子を見ている。

「誰が……謝るか。」

こちらは間違ったことはしていないのだから謝る必要などない。
それも余計に意地を張らせていて。
どこぞへと引きずられれば、抵抗しようとはするのだが片足が使えなければ踏ん張ることも出来ず。
そのまま足を引きずりながら連れられていった。

フォーク > 女を個室トイレに押し込んだ。
中は狭いが、二人くらいはなんとか入れる広さだった。
女の負傷した部分を抑えながら、男は笑う。

「俺は戦場で色々な奴を見てきたが……お前、もしかして斥候か?」

彼女の注意深さと俊敏さは、一流の斥候と酷似していた。
斥候にとって素早さは命。彼女の片脚を負傷せしめたのは、男にとって僥倖といえるだろう。

「もしかして夜目も利くのか?」

斥候は暗夜でも行動できる訓練を積んでいる。彼女が夜目が利いてもおかしくない。

「ああ、答えなくてもいいぞ。夜目が利くかどうかなんて関係なくなるんだからな」

男は女のズボンを強引に引き脱がそうとする。
そしてそのズボンを彼女の顔に巻いて、視界そのものが使えなくしてしまおうとした。