2017/09/05 のログ
エレイ > 「いやまあ、宿とかどこでも良いっちゃ良いんだが……できればこうなんちゅうか、
親切な女の子でも現れて泊めてくれたりとか……って、前にもそんな事を
言っていた気がするのぅ」

ブツブツと都合の良い妄想など口にしかけて、以前にも同じような発言をしていたのを
思い出せば、こめかみに人差し指を押し当てる。

あの日も、今日のように宿を確保できていない状況だったはずだが──その後は結局どうしたのだったか。

エレイ > 「……あーそうそう思い出した。アレは……結果的に望みは叶ったことになるのかな?
思ってたのとはちょっと僅かに違う形ではあったが……」

あの日遭遇した、目つきと口の悪い美少女の姿を思い出しながら独りごちる。
高級娼館のトップランカーを名乗るその少女の部屋に、なんやかんやあって泊めてもらうことになったのだった。
ただ残念な事に彼女は男の好みから外れていたので、同衾しておきながら艶っぽい展開は一切無かったのだが……

とはいえ、他の娼婦たちともちょっとした顔見知りになったり、眠気が訪れるまでの間に
娼館の裏話だの仕事の愚痴だのを聞いたりと、あれはあれで楽しく有意義な時間ではあった。
ふ、と思わず口元に笑みが浮かぶ。

「あやつは元気にしてるかねぇ。……とりあえず今日はあんな感じの縁もなさそうなので
適当な宿に入ることでこの問題を解決することにした」

ふぅ、とひとつ息をついてそう言うと、改めて宿探しを再開してゆく。
良さげな部屋がなければ最悪馬小屋でもいいや、なんて考えつつ。
そんな男の姿は、程なく雑踏の中へと紛れていって──。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエレイさんが去りました。