2017/09/04 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/大通り」にリュシーさんが現れました。
■リュシー > (ざくざく、ざくざく。
人波を縫うように歩いて振り切ろうとしたのだが、相手は存外しつこかった。
変なことなんかしないから、ちょっとだけその辺でお茶でも、
なんてニヤけた顔で繰り返しているが、己にその手は通用しない。
何故なら、今、己に誘いをかけている貴族の男は、かつての「同好の士」なのだ。)
っもう、本ッ気で、しつこいなあ……っ!
(ぶつっと、頭の片隅でなにかが切れた。
このままでは埒があかないと立ち止まり、くるっと振り返って仁王立ち。
これ幸いと近づいてくる男の額めがけて、思い切り振りかぶり―――
びたん、と、もみじの手形をつけてやり)
バカ、このうすらバカ!
ぼくだよ、リュシオンだよ、このバカ野郎!
わかったらとっとと失せろ、ッ!!
(苛立ちのあまり、ぶつける言葉はほとんど、金切り声に近かった。
罵声のレベルも10代を通り越して、幼児の喧嘩レベルにまで落ち込んでおり)
■リュシー > (己としては、古馴染みの男に鋭いツッコミを与えただけのつもりだが、
第三者の視点からどう見えるか、については、完全に失念していた。
一見して貴族風と知れる身なりの優男に、全力で罵声と平手を浴びせる、
平民風の少女、という―――――衆目を集めるのも当然のことであろうし、
目撃者の中にちょっと性悪の貴族でも居れば、衛兵を呼ばれてもおかしくない。
しかして、ひっぱたいた己は涙目である。
思い切りいったので、地味に掌がじわじわと痛かった。
ひっぱたかれた方は呆然と、口も半開きの間抜け面でこちらを凝視しており)
………いや、なんでそんな顔、……き、聞こえなかった?
(痛む掌を逆の手で揉み解しながら、おそるおそる声をかけた、
その段になってはじめて、周囲がやけに静まり返っていることにも気づく。
そっと窺い見た周囲の人々が、明らかにこちらを注視しているので、
―――たらり、冷や汗が額を伝い落ちた。)
……いや、あの、えっと……その……。
(もしかして、ものすごくマズイことをしたのでは。
せめてもう少し、ひと目のないところでやるべきだったのでは、と、
今更考えてもあとの祭り、で)
■リュシー > (―――正面に立っている男が、やっと正気に返ったのか、何ごとか言いかけた。
しかし、この状況で下手なことを言われたら、本当にまずいことになりかねない。
咄嗟に男の襟元を掴み寄せ、にっこり笑って―――たぶん、
目はちっとも笑っちゃいなかったが―――そのまま、男を引き摺るように歩き出した。
話をつけるにしてもなんにしても、とにかくひと目のないところへ移動するのが先決である。
かくして、貴族の男を引き摺ってどこぞへ連れ去る、奇妙な小娘の噂が、
ほんのひと時、界隈をにぎわせた、とか、なんとか―――――。)
ご案内:「王都マグメール 平民地区/大通り」からリュシーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエレイさんが現れました。
■エレイ > 「──くーわわわ……」
夜でも人通りの絶えない大通りを、大欠伸をぶっかましながらのんびりと闊歩する金髪の男。
目元に滲んだ涙を指で軽く拭い、ふぃー、と息を吐き出し。
「……しっかし夜とかはすっかり涼しくなった感。秋の気配的なのがもう近づいてきたのか! はやい! という顔になる」
盛大な独り言を呟きながら、街行く人たちを適当に眺めてみれば、彼らの格好も
薄着のものが減ってきている。
季節の移ろいが感じられ、寂しいような、なんとも言えない複雑な気持ちが湧いてくる……ような気がする。
「──まああそれはそれとして。今日の宿はどーしょうかねぇ……」
と、去来したセンチメンタルな気分をあっさりと脇に置き、頭を掻きながらそんな事を呟く。
感傷よりも、今宵の宿の確保のほうが男にとっては重要だった。