2017/08/18 のログ
ノア > 「 .....まぁ、 確か に.. 」

これ以上料理の話を続けても良い事はないだろうと、 そろり 視線を逸らして..

「 自分の事なら素直にもなれるけど、 誰かが絡むとそうはいかない ってゆーか... 何てゆー か、 」

随分と、 歯切れが悪い。女自身キチンと整理出来ていない様で、 もやもやを振り払おうと ふるふる首を横に振り

「 じゃ.. 色男の時間を少し、 あたしに頂戴 ? 」

当然モテるだろうと思っているから、 否定などしない。長い髪を揺らしながら ゆるりと首を傾げ、 ドアを開けたまま貴方を迎え入れようと。自宅へ招くと中の光景も然程変わらず、 女の一人暮らしにしては殺風景なもので。キッチンへと誘導し、 紙袋を受け取って

「 お茶なら..... うん、 多分大丈夫。」

客人のリクエストに応えようと戸棚を数ヶ所開けて、 紅茶葉の入った容器を取り出すも.. 何やら不安げな面持ちで容器を見詰め、 唾を飲んだ。

スヴェン > 「他人の事情まで考慮してたらそりゃあまあ、素直になんてなれないか…」

それはそれで思いやり、みたいなものだとは思うしそれで悩んでしまうのが彼女の良い所なのかもしれない
悩む彼女にアドバイスできるような立場でもないから黙って見守る、ぽん、と振られる頭を撫でるくらいは
したかもしれないけれど

「少しと言わず、如何様にも」

彼女に続いて彼女の家にお邪魔する
手に持っていた紙袋を彼女に任せてキッチンの様子が見える椅子に適当に腰を下ろす
ぼんやりとキッチンに立つ彼女の背中を眺めていたけれど、その様子に堪らず席を立って

「俺がやったほうが早そうだな…
 オヤジに拾われた頃、洗濯から料理、掃除までやったからノアよりは出来ると思うわ」

今でこそ部隊の指揮を取る立場だがその下積みは長かった
当然、料理洗濯家事に掃除、武器鎧の手入れまで食うために何でもしてきたから一通りの事はできる
そこに座っとれ、と自分が座っていた椅子に座るよう彼女を促せば、ぱぱっ、とお湯を沸かし
慣れた様子で彼女の分もお茶を入れてしまう
……流石に紅茶の作法だとか、そういったものは考慮していないし知ったこっちゃ無いのだが

ノア > いくら首を横に振ってみても拭えなかった もやもやも、 ぽん と手のひらを乗せられたなら不思議と和らいで。久しぶりに貴方とゆっくり過ごせそうだと、 足取り軽くキッチンへ入る.. が、

「 ......... 」

数日前、 馴染みの店の女主人に貰った茶葉。ちゃんと聞いていなかったけれど、 確か.. なかなかイイ茶葉だった筈。これならば客人に出すのに相応しいだろう、 問題は.....

( どのくらい、 入れる.. ?? )

何でも格好から入るタイプ。ティーポットやカップ、 ソーサーやティースプーンやらは、 其れなりにイイモノを揃えてあるものの.. 戸棚から出した其れらが活躍するのは、 今回が初。 何から手を付け、 何をどのくらい、 どうしたら良いものかと立ち尽くしていると

「 .....っ、 そ.. そう ? じゃあお言葉に、 甘えて... 」

キッチンから、 強制退場。客に、 其れも異性に、 キッチンを占拠されるという情けなさと申し訳なさ。そわそわと落ち着かないのを誤魔化すように、 脚を組んでソファーへ座り

「 ありが と、 ほんと.. 手際良いのね。」

あっという間に二人分並んだ紅茶に、 はは.. と渇いた笑みを溢しながら。貴方が座れるよう席を開け、 香りの良い紅茶に口を付け

「 .........ん、 美味し..♡ 」

熱すぎず丁度良い温度と、 落ち着く香りに うっとりと目を細め。お茶の淹れ方くらい覚えよう とか考えつつ、 ほっ と吐息混じりに呟いた。

スヴェン > 全く使われた形跡のないティーセットに苦笑が浮かぶ
物の良し悪しまでは判らないのだけれど、品のある品々にそれなりの値段がするのだろう、という事は判る
作法だのは判らないけれども、カップを温めたほうが良いとか基本的なことは知っていたから、
その知識に従ってお茶を入れていく…他所のキッチンなのにも関わらずそこそこ手際よく、準備を終えれば
彼女のまつソファへお茶を持っていき、どうぞ、と彼女の前にカップを差し出す

「なんでも手際よくしないと怒られたからな
 …というか、お茶の一杯くらいは入れられると思ったけれど、これじゃあ外食が多いのも納得だな」

彼女が開けてくれた箇所に腰を下ろせば自分も紅茶を一口
香りがよくこれも品が良い事くらいは判る…銘柄を当てられるほど詳しくはないけれど
半分ほど紅茶を飲み干せばテーブルに戻して、深くソファにかけ直すとちらり、と彼女へ視線を向ける

「それは結構…まあ良い茶葉のようだし本当はもっと丁寧に入れるべきなんだろうけど…
 その辺は興味があるなら、自分で努力してみてくれ…俺はそこまでお茶一杯に拘りはないから」

肘掛けの部分に肘をついて軽く頬杖を突きつつのんびりと
久々にあった彼女をじ、と眺めたりする。別に深い意味があるわけではないけれど

ノア > 自宅のソファーの背凭れに寄り掛かり。緩やかに波打つ白髪や、 其の隙間から覗く瞳や鼻筋を横目に見ながら飲む温かな紅茶の味は.. 騒がしい酒場で荒くれ者らと呑む酒の何倍も美味しくて、 そして何より落ち着くもので。直ぐ隣から聞こえる声もまた、 このところ荒れ気味だった呑んだくれを穏やかな気分にさせる。

「 あぁ、 紅茶は来週覚える予定だったの。」

適当な事を言っては くすり、 愉しげに肩を揺らし。此方も何口か飲んだところでカップを戻し、 ぽふん とソファーに背中を預け。

「 厳しかったのね。けど.. 楽しそうにも聞こえる。ほら、 あたし集団生活ってゆーの ? してきてないから... ちょっと羨ましいかな。まぁ..... 紅茶も淹れられないようじゃ、 "親父殿" にどつかれそうだけど。」

他愛もない話の中、 集団の中で生きる自分を想像してみたり。そうこうしている内に、 気付けば.. 愚痴っぽかった数分前に比べ、 随分と笑みも増え。

「 今更、 とか思ってたけど.. 努力してみよっかな。あ、 毒味よろしく。」

スヴェン > 紙袋の中にはちらりと酒瓶も見えたように記憶している
それなのに酒でなく紅茶を飲んでいる彼女。肌荒れするほど呑み歩いたようだが、それでも大人しく紅茶を飲む
彼女の姿は珍しいというか、新鮮というか…出逢えば大概、どちらも酒を飲んでいたというのもあるのだろうけど

「それって、何時まで経っても手を付けない口上だな
 今夜、俺と出会わなければティーセットも埃を被っていたろうなあ…」

彼女が愉しげに肩を揺らすに合わせて此方も同じようにして笑い声を零す

「…辛い事も沢山あったけどな、仲良し集団ってんじゃあないから
 それでも、辛い事は一緒に受け止める誰かがいるのは悪い事じゃあないな…
 なに、美人は雑用が出来なくても戦えなくてやりようはあるだろ?そういうやつは大抵、居た堪れなくなるけれど」

心無しか彼女に笑みが増えたような気がする
まあ、他愛のない話を愉しんでくれるのはありがたいし、自分も彼女の心持ちが軽くなるのは
悪いことではない

「新しい事を始めるのも気が紛れるかもな
 ヤケ酒で肌が荒れるよりは幾らも建設的だろ?
 ……構わないけれど腹を下すのはゴメンだな、矢傷に倒れたほうが余程、格好がつく」

クスクスと笑いながらカップに手を伸ばせば紅茶を一口

ノア > 「 口上って、 何のコト ? 確か..... 再来週が料理だったかな、 ふふ。」

貴方の言う通り、 こんな機会が無ければ使われずにいただろうティーセット達。心なしか控えめにあしらわれた縁の装飾も、 嬉しそうに輝いて見える。エプロンが死ぬ程似合わない事も、 其れどころか紅茶すら満足に淹れられない事も、 とっくに見透かされているけれど、 尚戯れ言を。

「 辛い事を一緒に受け止める誰か、 かぁ.. 」

甘っちょろい世界ではないと、 わかっているけれど やっぱり憧れてしまう。貴方の言葉を1つ、 ぽつりと繰り返すと.. はたして自分には、 そういう相手が居るだろうかなどと。ぼんやりとカップを見詰め

「 ちゃんと練習してから出すよ、 多分。.........で、 参考までに訊いとくけど好きな料理は ? 嫌いな食べ物とか。」

他愛もない会話の中、 ふと気付く。今更だけど、 貴方の事は知らない事ばかり.. 知っているのは傭兵団の隊長を務めている事と、 お酒がそんなに強くない事くらい。

スヴェン > 「来月は裁縫、その次は掃除あたりか?何でもかんでも熟せるようになる頃には婆さんだな」

彼女の冗談に冗談を重ねて笑う
紅茶のよい香りも手伝ってかのんびりと穏やかな時間が流れていく

「辛い事、なんていうと大袈裟だけど思い悩むようなことじゃないだろ?
 損得抜きで理不尽に文句を一緒にたれて、愚痴を聞かせる相手…1人くらいは顔が浮かんでくるだろ?」

軽い調子でぼんやりカップを見つめる彼女を眺めながら続ける
空になったカップをソーサーの上に戻してソファにゆったりと座った姿勢

「練習の最中に腹の調子をくださないよう祈っておくよ
 嫌いなものはないな、好きな料理って言われると悩むけれど…」

そうだな、と腕を組んで好きな料理を色々と考えてみるが、偏食もなくなんでも割りと食べられるから、
好きなもの、と言われると悩んでしまって1つに絞りきることは出来ない
苦笑を浮かべながらゆっくりとソファから立ち上がると、彼女の淡い紫の髪に手を伸ばして触れようとしながら、
琥珀色の瞳を覗き込んだ

「まあ、次までには考えておく
 見かけた時は久々に押し倒してやろうかと思ったけれど、そんな空気じゃないから止めておくわ
 それじゃ、あんまり悪さするなよ?…家事はまずは洗い物から始めると良い」

そっと彼女の頬へ唇を掠めさせるよう顔を寄せる
そうして立ち上がれば、おやすみ、と手を振りつつ入り口から立ち去ろうとするはずで

ノア > 「 スーパーお婆ちゃん.. モテないかな、 手遅れ ? 」

ふふ、 と貴方の鋭い指摘に笑みを溢し。時折紅茶に口を付け、 他愛もない会話を楽しんで

「 .....そう、 ね。一人で生きてるつもりでも、 結局色んな人に助けられてるかも。」

軽い調子で返してくれるから、 下手に思い悩まずに済むのかもしれない。貴方も含め、 数人の顔が浮かんでは.. 長い睫毛を伏せ、 こくんと頷いて。

「 その "何でも" ってのが一番困るの、 ちゃんと考えておいてね ? 」

髪を撫でる手にも近付く顔にも、 一切避ける仕草見せずに。覗き込まれた琥珀色は、 深い夜色の瞳を見詰め返し

「 なぁに、 そうだったの ? じゃ、 毒味して生きてたら..... ね♡ 」

頬に触れた唇に うっとりと目を細めるも.. 押し倒してやろうと思ってた などと聞けば、 小さく吹き出して。態とらしく首を傾げ上目遣いして見せてから、 貴方を見送るべく立ち上がりドアまで

「 食器洗いね、 了解 ー  手料理楽しみにしてて♡
  おやすみ、 スヴェン。」

開けたドアに寄り掛かり、 ひらひらと指先揺らし。其の姿が見えなくなるまで見送れば、 早速.. 先ずは食器洗いから との教えの通り、 ティーセットを綺麗に洗ってみよう。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からスヴェンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からノアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にノアさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からノアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にノーガルトさんが現れました。
ノーガルト > (リハビリも兼ねて、今日は公園に散歩にやってきた。
トリシューラを獲得して、しばらくは安静にと言われたものの、もはや痛みもない。
ならば、と少し遠出してくると家族に言い残し、ダインとトリシューラ――シューラを連れて。

時刻は夕方、その手には近くで買ったホットドック。
まあ、晩飯の前のちょっとした腹ごしらえというやつだ。
食事制限をされているわけではないので、たまにはこういう買い食いもいいだろう。)

『ふーん…これが人間の世界なのね。あたしが知ってるのとは全然違うわね。なんていうか、活気があって。』
「人口もまったく違うからな。」

(頭の中に響くのは、ソプラノよりもちょっと低いくらいの女性の声だった。
ここ1週間で話してみて分かったが、シューラは一般的に言えば女性と分別できるようだ。
剣でも男と女という違いがあるのか、と驚くとこっぴどく怒られた。
ノーガルトにしか聞こえない声なので、耳をふさいでいると住人の一人に何事かと心配されてしまったが。)

ノーガルト > 『ずっと洞窟にいたから、なんか新鮮だわぁ。ねえ、ノーガルトさん。あの店、あの店に行ってよ!』
「……分かった、わかったから少し黙っててくれ…。」

(ディンもやかましかったが、シューラは逸れの上を行くやかましさだ。
自分にしか聞こえない声だから別に構わないのだが…それでも男と女の違いというものがある。
ノーガルトはいまだに痛みが残る足で、シューラが希望した店。
冒険者の雑貨屋へと足を運んだ。

所持している魔剣とは、感覚を共有できる。
ノーガルトの目はシューラの目であり、耳になるのだ。)

『へぇ~……すごいわねぇ。人間ってこういうのを全部自分で作っちゃうんでしょ?』
「…………。」

(わからなくなってきた、この魔剣たちは本当はどこかの時代で人間だったんじゃないだろうか。
皮肉屋のダイン、自信家のディン、紳士のハバキリ、そしてこのおてんば娘。
そう考えると、実はこの魔剣たちはもとは人間、もしくは魔族だったんじゃないかと、ノーガルトは最近になって考え始めている。
この分だと、最後の一本―――呪剣ティルフィングも、覚悟した方がよさそうだ。)

ノーガルト > (そうして、今日一日…シューラのために町中を引き回されるのであった。
家族の話では、帰ってきたときにぐったりとした彼を見るのは、初めてだったらしい。)

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からノーガルトさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にノアさんが現れました。
ノア > 自宅から程近い、 平民地区の酒場にて。馴染みの酒場、 いつものカウンター席、 いつも通りに脚を組んで座っている。一つ違うのは.. 呑んだくれていない、 という事。一番隅の席を陣取り、 隣のスツールには紙袋、 そしてカウンターには

「 頂きます♡ 」

美味しい料理と、 其れに合うワインが一杯。マスターに にこりと笑みを向けてから、 其れらをゆっくりと味わう。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にイルマさんが現れました。
イルマ > 早々に店を閉めて、息抜きにと訪れた先はとある酒場。
今日はいつになく繁盛したから、懐には余裕があった。ちょっとばかりの贅沢も良いだろう……そんな思いを抱きながら扉をくぐる。

良い席はないかと見回すや否や、カウンター席に腰掛ける見覚えある姿が目に飛び込んできた。
一瞬驚いたように瞬いた後、足早に駆け寄る。

「………ノア!」

久々の再開となろう友の名を呼び、その隣にいそいそと腰を下ろした。

ノア > 料理に挑戦してみようと決めたのが、 昨日の夜。早速、 あれこれと買い出しに出た帰りだった。隣に置かれた大きな紙袋には様々な食材が、 もう一つの小さな紙袋には真っ白なエプロンが それぞれ入っている。似合わないかもしれないけれど.. どうせやるなら何でも格好から、 という意気込みで。

「 .................. 」

どんな物が入っているのだろうと、 じっくり料理を味わい.. いつもより時間を掛けた食事を終えると、 ワインを上品に飲み干した。すると、

「 ── っ、 何処で何してたの ?! 」

不意に名前を呼ばれ振り返れば、 其処には久しぶりに見る友人の姿が。取り敢えず紙袋を退かし足下に置きつつ、 喰い気味に詰め寄った。

イルマ > 名を呼んだ途端、弾かれたように詰め寄ってくる友人に少したじろぎつつ、とりあえず落ち着かせようとその両手を握る。

「ちょっと、お店を閉めて王都の外へ、ね……仕入れに行ってたっ」
「あまり長く空けるつもりはなかったんだけど……向こうで時間食っちゃってねぇ」

ずっと会えないでゴメンね、と苦笑しながら謝罪の言葉を紡ぐ。

ノア > 「 仕入れ..... ? 」

長く店が閉まっていた為、 何かあったのかと思っていたけれど.. 何事も無く元気そうな貴女に両手を包まれると、 へにゃり 肩の力が抜けて

「 面倒事にでも巻き込まれたかと思ったじゃない。まぁ、 良かった.. 元気そうで。」

隣のスツールに腰を下ろした貴女を、 安堵の吐息溢しながら見詰め。柔らかな笑みを浮かべてから、 ほんの少しだけ唇尖らせ。

「 店くらいしか生存確認出来ないんだから、 今度はちゃんと言っといてよね。次黙って店閉めてたら、 不法侵入して乗っ取ってやる。」

拗ねた様な口振りだけれど、 久々に逢えた嬉しさが勝ると其の表情は楽しげで。貴女に何を呑むかと訊いてから、 自分の分のワインと共に注文した。

イルマ > 「うん。それに……取引もちょっとね」

キュッと両手を握りながら、大丈夫、と言うかのように何度か上下に揺らす。
スツールに腰を下ろした後は、知らぬ間柄ではないマスターに笑って手を振って。

「あれ、心配してくれてる? ノアも……どう?調子は」

楽しげに言葉を交わしながらも、相手を気遣うような声も忘れない。
顔を覗き込んで問う。飲み物は彼女と同じワインを注文した。

「はいはい、次からは気をつけます。乗っ取ったのなら、ちゃんとノアが店番してね?…なーんて」

ノア > 王都から飛び出して女一人、 仕入れや取引に忙しくしていたという。見た目は若く美しい女商人だけれど、 中身はなかなかに肝の座っている貴女の事。其の取引だって、 きっと上手く事が運んだのだろうと勝手に解釈して

「 じゃ.. まずは乾杯、 と♡ 」

二人の前に差し出されたワイングラス、 其の内の一つを手に取りグラス同士を軽く合わせ。こくりと一口、 ワインに口を付けてから

「 あたし は..... うん、 少し空回り気味かな。」

グラスの縁を指先で拭いつつ、 やや苦笑い。

「 ヤケ酒ばっかしてても肌荒れるし、 心機一転 !! 家事でも極めてみよーと思ってね、 ふふふ...

  じゃーーーん♡ 」

足下の紙袋から取り出したのは、 真っ白なエプロン。お世辞にも似合いそうとは言えない清楚な其れを、 得意気に広げて見せた。

イルマ > 勿論、危ういことも色々あったけれど。どうにか五体満足でこの街に戻ってこられたからよしとしたい。
グラス同士を合わせて乾杯、ワインを一口。鼻先を柔らかく擽る香りに頰を緩めた。

「……そう。もしよかったら、またうちに来てね? ノアならいつでも歓迎だから」

ぜひ、良いものを持ってきてね。そう冗談めいて囁き、笑った。
そして得意げに広げられた白いエプロンを、目をまん丸くして見つめる。

「へぇぇ……家事! なら、作った料理はぜひアタシに食べさせて♡」
「というか…今度、ノアの家に遊びに行くよ! いいでしょー?」

極めると言うのなら、美味しいものができるのだろう。きっと。
早速とおねだりをしてみる。そしてまたワインを一口飲み、蒼い瞳を細めた。