2017/07/27 のログ
■ガリア > (――言葉遊びは、程なくして終わりを迎える
僅かな間かも知れないが、響くのは女自身の呼吸と、喘ぎ
疼きが弾けて達しただけでは、きっと到底散らせぬだろう其の熱を
女の、此方を見上げる其の瞳の奥底に捕えたならば…己もまた、騎士で在ると同時に、雄、なのだ
駄目だ、と訴える其の唇が、けれど真逆を誘うのならば
――応えなぞ、一つだけ。)
―――……連れて行くさ、但し…、……俺のトコに、な。
(行き先は、彼女の願った場所と異なる。 其れが、応えだ。
刹那、口付けを奪うかに重ね、女の呼吸ごとを貪ろうとしては
片腕が其の腰を強く引き寄せ――そして、まるで、己へとしがみ付く事を促すかに
其の体躯を軽々と抱え上げ、そして、ゆっくりと歩き出そう、か
住処は、さほど遠く無い。 そして、裏路地を経由して辿り着ける場所に在る
我が家の扉を潜るまでに、女の理性を砕きに掛かるならば…果たして、辿り着く頃には
貪るような口付けは、枷を解き放った女の身体と心を、きっと只管に焦燥させる筈
扉を潜る其の時が――きっと、女にとって、最早後戻り出来ぬ背徳と背反の
――境界線と、為るだろう)
■ナタリア > (ことば、を介して理解しあうことより、欲望に震える肌を触れあわせる、
獣じみた方法を―――己はとうに、選んでしまっていたのだろう。
男を騎士としてで無く、ひと、としてですら無く、
ただ、雄と見るばかりの瞳のいろで。
彼にも、そう在って欲しいと―――今だけはどうか、其れを許して欲しい、と。
行き先を違える、と宣告されれば、仰ぎ見る眼差しを絶望に撓ませたけれど)
―――――― 何、を、言うの……。
駄目に、決まっ、て…… そんなこと、駄目に、決まって、
………あ、あ、やめて、……っ―――――
(理性が音立てて軋む様な、悲痛な声は全て、彼の唇に飲まれて消える。
もはや疑う余地も無く発情し切った、熱い身体を抱きかかえられ、
己の両腕はごく自然に、彼の首許へ抱き縋る形に絡まって。
彼の項へ添わせた掌は、時折、きつく其処を掴み、押し遣ろうとする様な、
あまりにも脆弱な抵抗を示しただろうけれど――――
ただ、其れだけ。
本気で抗うのなら、彼の唇を噛みしだき、腕の中から転げ落ちる心算で
身を捩り、四肢を振りまわせば良かったものを。
其のどれもせず、出来ずに抱かれ、口づけを受け容れるばかりだった
己の身体からはきっと、隠し様も無い淫靡な香りが立ち上る。
許婚では無い男の腕に抱かれ、彼の褥に運ばれる己の薬指で、
夜に紛れられぬプラチナの輝きだけが―――冷たく、細い軌跡を描いていた。
けれど其れも――――――程無く、夜より深い闇に沈んで消えて。
後にはただ、微かな百合の香だけが、人知れず漂うのみ、と)
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からナタリアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からガリアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にピアさんが現れました。
■ピア > 王都で付き合いのある同業者が病に伏したと聞き、急遽帰宅。
帰宅といっても家がないので帰る場所もないわけだが、目的はお見舞いなので良いとして。
目的だった彼女は思ったより軽症で、このまま全快まで遠くないことが窺えた。
とりあえず明日の朝また顔を見にくるからと彼女の家を出た少女は、遠くに見える王城に目を細める。
連日の宴ももう終わりが見えているという。
「終わる前にまた行ってみたかったけど……今はそんな余裕ないなー。
あのドレス売ったら今日の宿代くらいにはなるかな。」
現在、そんなレベルなのである。
体を売って得た微々たるお金もここに戻る馬車と薬に使ってしまったし。
そんな時に見つける、美味しそうな匂いの漂うプレッツェルを売る露店。
「…………」
ドレス売ってしまおうか。
物欲しそうな少女が露店の前で突っ立つので店主も若干気まずそうである。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にヴィクトールさんが現れました。
■ヴィクトール > 「ぁ゛~……」
かったるそうな声を溢しながら、肩に手を当て、首を左右に傾ける男の眉間にはシワが寄っていく。
連日の宴の合間、貴族やらに呼び出されれば兄絡みの機嫌伺いで飽きた持て成しをされ、それが終われば今度は城の警護で暇を弄ぶ。
その連日からやっと開放されると、こんな嫌気が混じった声も出るというところか。
凝り固まってしまったのか、小気味いい音が肩から響く。
このまま馬車で集落まで戻るか、それとも適当に娼婦でも引っ掛けて夜を明かすか。
そんな事を考えながら露店の並ぶ通りを歩いていくと、甘い香りが広がる一角へとたどり着いた。
何気なく店の方を見やると、店主が気まずそうな顔をしているのに気づく。
その視線の先をたどるように見やれば……以前、宴から連れ出す口実に貪った少女の姿があった。
「なんだ、輪姦から助け出してやった次は、腹空かせてうろついてたか?」
カラカラと笑いながら彼女の方へと近づけば、彼女の視線と無言の強請り方の子供っぽさに楽しげに笑っているのが見えるだろう。
近づき、手が届けばそのまま甘い色合いの髪を優しく撫でようとしていく。
■ピア > 祝宴のおかげで人が多く、騒がしい中に知った人の声。
振り返った少女は驚きの表情を浮かべた後、こんな格好悪い所を見られたばつの悪さに口ごもる。
「っ!ぇ、いっ、ぃえ、え、と……!」
幸運なことは人間ではないので空腹は感じず、腹の虫も鳴かないことくらいだ。
しかし人形だってたまには何か食べたい。現在一文無しで今日は何も食べていないし。
大人しく髪を撫でられている少女は照れくさそうに視線を俯かせた。
「お…お腹は空いてないんですよ?でもちょっと…匂いが…―――。
ヴィクトールさん、今日はこの辺にいらっしゃったんですね!
実は…王都から出る機会があったのでヴィクトールさんに会いに行こうと思ったんですけど…
………―――――世界って広いし、結構物騒なんですね。」
何だか墓穴を掘りそうだったので自分のことではなく、彼のことを聞こうと思ったのだが。
しかし山賊に全財産奪われて戻ってきました、とまでは言えない。
格好悪いの上塗りである。
■ヴィクトール > 慌てふためく様子に、変わらぬ笑みを浮かべながら髪を撫で続ける。
あの夜と変わらぬ、子供っぽく、可愛がりたくも意地悪もしたくなるそんな魅力。
普段は獣のように鋭い眼光をする男も、今は少しガラの悪い男ぐらいに鳴りを潜めていく。
「甘い匂いに唆られてウロウロしてたんだろ?」
大体女は甘いものに弱い気がする。
それは集落や嫁やらを見ていると、そんな傾向を何となくと言った様子に覚えたからだろう。
言い訳じみた言葉へ突っつくように答えながら、ニヤリと笑った。
「まぁな、仕事帰りってやつだ。ほぉ~……あれか、馬車の発着場行くまでに、身ぐるみ剥がされて食われちまったか?」
山賊ではなく盗賊、そんな想像をしたのは、王都と集落を結ぶ馬車のラインで、自分の名前が使えるところを教えたからだろう。
まさか歩きで行くはずもなかろうなんて思えば、山賊という想定は遠ざかってしまう。
だが、身ぐるみ剥がされたのは、露店の食い物に躊躇う辺りから想像したのだろう。
結局どうするんだと言いたげな店主の視線が刺さると、わりぃと呟きながら苦笑いを浮かべ、プレッツェルを一つ頼むと、店主に代金を放り投げた。
「ほらよ、俺もピアを食いてぇなと思ってたし、サービスだ」
店主から受け取ったプレッツェルを彼女と差し出しながら、少し欲に塗れた再会の喜びをかけた。
■ピア > 「う"………」
彼の言う通り。
食べなくても生きていけるのにこうして執着してしまうのは、少女もまた他の女性と同様に甘いものが好きなのだ。
「身ぐるみ剥がされてませんよ!?リュックは持っていかれましたけど!
食べられてませんし!ヴィクトールさん言い方が相変わらず意地悪ですよー!」
そういえばちょこちょこ意地悪な人だった。
必死に否定するものの、助けてくれた人がいたからここにいられるわけで、
いなければ少女自身が奪われてどこぞに売られている頃だろう。
世間知らずの旅は危なっかしく綱渡りし、現状一文無しという、まだマシな結末で一旦終了した様子。
いつだって余裕たっぷりな相手とは逆に表情くるくるさせていると、
衣装を売らなければ食べられない筈だったプレッツェル差し出されて目を丸くする。
「……良いんですか? …わー…わぁー!嬉しいです、ありがとうございます!」
何だかサラリとプレッツェルと同等な感じに扱われた気がするが、嬉々と受け取る。
餓えることはない筈なのに、はむ、といきなり一口食べた。
そういえば意地悪だが、優しい人でもあった。
食べ物にありつけた嬉しさ以上に、彼の優しさに少女は顔をほころばせるのだった。
■ヴィクトール > この子供っぽく素直な反応が愛らしい。
言葉の詰まった返事に、意地悪な笑みを深めながら、可愛いやつだと呟きつつピンク色の髪をなで続けた。
「……まぁ、悪党に金目のモンもってかれて、一文無しってこったな。別に意地悪なんざいってねぇよ? 金とピアを食うのだったら、俺ならお前を一晩中抱いて、閉じ込めて、俺用にしちまうだろうしよ?」
多少の金なんかより、可愛らしい見た目に、純な中身をした少女を、性欲に沈めてドロドロにする方がいい。
檻から逃げ出したくなくなるほど犯して、縛り付けたほうが何よりも価値がある。
そう思えばこそ、若干口説き文句気味な言葉が、ニヤッとした自信満々の笑みでさらりと出てくる。
「おうよ、ということで、あの夜みてぇに相手してくれよ?」
甘いお菓子を手に、直ぐにかぶりついた様子にクツクツと楽しげに笑う。
この素直さが、この王都にあっては心地よい清涼感を覚える。
そしてそれがドロドロに蕩けるほど抱くのがまた、心地よい。
嬉しそうな様子を笑みのまま眺めながら、彼女の片手を引いて露店から少し離れる。
適当なベンチのところまでつれていけば、軽くホコリを払ってから、座るように促し、その隣へ腰を下ろす。
■ピア > 餌を与えられて撫でられて、今すでにペットのような扱いを受けている気もする。
しかし彼の言葉はいちいち心臓に悪く、喉が詰まってあれほど食べたいと思ったプレッツェルの味が分からない。
「んっ、…んッ!? ヴィクトールさん素面ですよね?」
たぶんベッドの上でそう言われたなら少女も勢いと、彼の魅力に溺れる形で
恥ずかしい台詞の1つや2つ吐くのだろうが、現在理性しっかり。
一瞬で自分の頬が赤くなるのが分かった。
しかも先程さらっと言われた食いたいとの言葉は冗談ではなかったことに、狼狽が増す。
露店の並ぶ通りから離れると、賑やかさも遠くなり不思議と外界と壁を1枚隔てたかのようだった。
ベンチのホコリにまで気を払う姿に、口調は粗野でも女性の扱いに
関してはきちんと教育を受けていることを垣間見つつ、すとんと座った。
言葉に詰まって、代わりにもくもくと食べていたプレッツェルの最後の一口食べてから。
「……ここでですか? 誰かきそうですね。」
緊張に思った以上に掠れた声が出た。
躊躇うような言葉のわりに隣に座る彼を見つめて、甘え気味に、そっと身を寄せる。
慌てたり忙しかったが、落ち着いてみると再び顔を見られたことが嬉しいという実感が湧いてきた。
■ヴィクトール > ある意味餌付けみたいになっているが、それで懐いてくれるなら安いものだと笑うだろう。
喉につまらせかけたのを見れば、大丈夫かと軽く背中を擦り、心配そうにその様子を見やる。
「そらな、まだ酒なんて飲んでねぇよ?」
真っ赤になる様子に可愛いなと思いながらも、恥じらい始めた理由がわかっていない。
何か妙なことを言っただろうかと思うものの…可愛い顔が見れるなら、それでいいと考えずに落ち着いた。
ニヤッとした笑みを浮かべながら、ベンチの方へと連れて行くと、そのまま無言の様子で貪るのも気にせず、感触を楽しむように桜色の髪を指の間で滑らせていく。
「……普通に宿でって思ってたんだけどな? そう覚悟決められちまうと、恥かかせられねぇだろ」
体を寄せて、身を委ねる少女にぞくりと興奮の熱が電気のように体を満たす。
撫でていた掌を肩に添えて抱き寄せると、覆いかぶさるように顔を近づけていく。
反対の手で小さな顎に指をかけ、上向きにさせていくとそのままぐっと唇を奪う。
重ねるだけのキスを何度か、そのうちに啄むようなキスへと代わり、舌先が唇の割れ目を広げようと擽っていく。
そこに残った甘みの残滓が、彼女そのものの甘さのようにも感じて、もっと貪りたいと抱きしめ、舌を絡ませあわせるように可愛がろうとするだろう。
■ピア > お酒抜きで先の物言いは彼らしいといえばらしいが、非常に危ういとも思う。
翻弄され、空回りするのが目に見えているので彼にはあまり深入りしない方が良いかもしれない。
――――こうしていると、もう遅い気もするのだけれど。
「えッ?ぇ? ここじゃないんですか、――――…」
何だか自ら拙いことを口走って自らを拙い状況に追いやっている、早速の空回りっぷり。
おかげで少女の貌は色気とは程遠い、恥じたり困惑したりの表情だが唇が近づくとどうでも良くなってくる。
唇が触れ合い、温かな呼気を感じるだけで酔いが回ってくるような心地。
遠くで聞こえる喧騒と、口元で聞こえるリップノイズと。
不思議な違和感を覚えながら目を閉じた少女は彼の舌を受け入れるように唇を薄く、開ける。
彼に縋りつくように顔を上げたまま微かに震える喉を晒して、は…、と時折息を吐いては吸う音が零れる。
口腔で舌同士が触れると途端に口づけの音は水気を帯びて、甘い唾液が舌を淡く刺激する。
無意識に相手の背に片腕伸ばし、自らも抱き着くように力を込めた。
最初から甘えた全開であることに、気づいているのやらいないやら、今は口吻に必死であるけれど。