2017/06/04 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 広場」にボブさんが現れました。
ボブ > (軽く酒場で杯を重ねた男はちょっと酔い覚ましを兼ねた散歩をしていて、
その脚で広場に辿り着けば噴水の縁の石台の上に腰を下ろし)

「ふぅ~……西の空が日暮れで赤く染まっていていい景色だな。
ここで少し酒が抜けたら、また別の酒場にでも河岸を移して飲むかな。」

(一つの酒場でそれほど長尻をしない男ははしご酒を想定しているような
独り言を漏らしながら、広場を通り過ぎる人影を何と無しに眺めていて)

ご案内:「王都マグメール 平民地区 広場」にリッツさんが現れました。
リッツ > 噴水の目立つ広場。昼間ならば人通りが多いこの場所も夜になれば閉店となる店も多いとあってか人の気配はほとんどない。
この時間に訪れる人間としたら酔っ払いか、交わりを人目に晒したがる男女か、或いは大声では言えない事を企む物か…。

しかしそのどれとも言えない人物が一人。
それは訪れるというよりかは流されてきたと表現した方が正しいだろうか。

「あぁー…も、もうだめだ…僕はここで死ぬのかぁ…」

情けない声を出してフラフラとした足取りで縁石へとしゃがみこむ男が一人。
ゲッソリとした顔で両手を自身の腹部に添えると「グゥ」と素直な音が響くだろう。
本人からすれば死活問題なのだろうが、正直情けない絵面である。

ボブ > (噴水に腰掛けて、酔い覚ましの人物観察をしているとフラフラッとした足取りでやってきて
急にへたり込んだ自分よりも若そうな男の姿を見つければ、人道的に救わなければいけないだろうと思い立ち、
その男の元へと駆け寄れば)

「おい、お兄ちゃん。大丈夫か?通り魔にでも切られたか?」

(へたり込んだ男の傍で片膝を付き、話しかけていけば……その男の腹が「グゥ」という
なんとも気の抜ける音がしてくるのを聞けば…)

「おいおいっ、こんな所で野垂れ死になんて格好つかないだろ? しっかりしろっ!!」

(へたり込んだ理由が空腹だと分かり、ため息を付きつつ、男の肩を掴み、起き上がらせようとしていって)

リッツ > 「うぅ…遂に僕にもお迎えが見えるようになっちゃって…って人…?」

朦朧とした意識の中、辛うじて現実と幻覚の区別がついた彼は男性の存在に気づけば男性の力を借りてなんとか起き上がるところまではできた。
ふらふらとした足取りで男性の方を向けばにへらと気の抜ける笑みを浮かべて。

「だ、大丈夫、大丈夫です。なんとかまだ生きていま…うぅ。」

健全であるアピールと、情けない所を見られた事に苦笑いをするもふらふらとした足取りは「やっと」と言ったところか。
「あの時までは確かにお金があったんですけど…。」とつい口に漏れたあたり遭遇したのは通り魔でなくスリなのかもしれない。

ボブ > (腹の虫を豪快に鳴らしている男に肩を貸して立ち上がらせていけば、何とか意識は保っているようで
こちらの言葉に返事を返してくるのを確認していけば)

「いやぁ~、まったく……一食だけよければ金を出してやろうか?
俺も一人酒はつまらないと思ってたし、戯言話の付き合いをしてくれるなら
メシくらいだったら奢ってやらない事もないぞ」

(「あの時まではお金があった…」という呟きを漏らしていくのを耳にし、
袖触れ合うも他生の縁という事もあるし、この男に奢ってやる事を決め、
ただ無償で奢られても相手が気にするだろうから、一つ仕事を頼むという名目で
奢られる後ろめたさが少しで無くなる様にしてみせていくか)

リッツ > 男からの誘いを聞けばこの世の終わりかのような表情から一転、パァっと輝くような笑顔を浮かべたことだろう。

「ほ、本当ですか!?」

と喜ぶもつかの間、戯言の付き合いと名目を立てて貰っても果たして初対面の相手にそこまで甘えても良い物なのか暫し迷いを見せるが…。

「お、お願い致します。僕もお兄さんのお話、是非とも聞きたいです。」

文字通り背に腹は代えられないと言ったところか、深々と頭を下げるとここは有難く彼の申し出を受けようと。
にへらと浮かべる笑みからは年齢よりも若干幼く見えることだろう。
みずぼらしい外見も相まって田舎者という印象が浮かぶ笑み。警戒心も申し訳なさも食欲の前には敵わなかったのである。

ボブ > (肩を貸している男はこちらが立てた奢られる名目にほんの僅かな躊躇を見せていたが、
空っぽになっていた胃袋からの猛抗議に折れたようにこちらの申し出を受ける事を決めたのを眺めれば)

「そんじゃいくか。 俺はボブだ、よろしくな。
ここからだと魚のツマミが多い酒場と肉のツマミが多い酒場とほぼ等距離だな。
お前の腹は魚を欲してるか?それとも肉か?」

(これも何かの功徳になるかと思い、哀れな腹ペコ少年に救いの手を差し伸べ、歩き始め、
空っぽの腹に何を入れたいか聞いていく男)

リッツ > 「申し遅れました、僕はリッツ。リッツ=ロマリウスです。こちらこそ宜しくお願い致しますね、ボブさん。」

自己紹介から改めて友好的な人であると認識した少年はこちらも融和な笑みをもって返すことだろう。
財布を無くしてしまった時は途方に暮れてしまったが、こういう出会いもあるのなら神様はまだ自分を見捨ててないなどと考えていれば相手からの質問に思わず涎をこぼしかけ。

「ええと、肉…肉がいいです!」

思わず必死感が出てしまっただろうか、長時間の空腹故か求めている物に正直になってしまう。
やっとのご馳走にありつける喜びとはやる気持ちを抑えようと理性が追いついたのか周囲を見渡す余裕も生まれてきたようで。

「そういえばこの辺りってお店多いんですね。さっきまでは余り見る余裕はなかったんですけど、いい街並みですね。」
「…あれさえなければ、ですけど。」

店仕舞いしても豊かさを感じさせる街並みと、優雅さを感じさせる噴水。
しかし嫌でも目に入る晒し台には思わず目を細めて、若干の嫌悪感も出ていただろうか。

ボブ > (肩を貸しながら、少年に自己紹介をしていけば、少年の方も自己紹介をしてくれて…)

「おうっ!リッツだな。よろしくな」

(頼れるいい兄貴…そんな感じで改めて挨拶し、肩を貸していない方の手を差し出し、握手をしていき)

「ははっ、肉か。
いいぜ、いい肉を塊のまま焼いてドカンっと出してもらおうか?」

(カラカラッと明るく笑いながら、食事に対する期待感を盛り上げていけば…
唐突に少年が表情を曇らせ、視線を向ける方向に男も視線を向けていけば)

「ああ、あいつか……そんなにあれを煙たがるなんて…リッツ……お前後ろめたい事でもあるのか?
あの台に乗せられる事を抱えていなければそこまで嫌がることも無いだろう?」

(正直、ちょっと間の抜けたこの少年が晒し台の上に乗せられるような悪事をしているとは思えないからこそ
少しからかう様な口調で話しかけてみせていって)

リッツ > 「うわぁ、おっきい手だなぁ。お兄さん大分鍛えてるんですね。」

握った手の大きさと改めて見ると逞しい肉体の相手につい漏らす一言。
冒険者にしては貧相な体躯としては中々に憧れる肉体であり、比較してしまうと若干の後悔を覚えてしまう。
見た目に違わぬ豪快でさっぱりとした相手にはこういう兄がいればなぁとつい考えたり。

「骨付きで、丸焼きがいいですね!それにアルコールもあれば言うこともなしってところです。」

相手からの提案には楽しそうに、あれこれと想像が膨らむ。
想像してしまうと呆けた表情と涎が隠し切れない少年は己の食欲を洗いざらい白状することだろう。
こうも楽しい気分になるのは久しぶりに誰かと飲食をともにするからだろうか。

「あはは…恨まれたことがないと言えば嘘になりますけど、そんなたいそれたことはできませんよ。」
「罪に対して罰がいけないなんて言うつもりはありません。でも罰したのならそれ以上は…好きじゃないんだ、そういうの。」

口が滑ったことに対して後悔するも愛想笑いで誤魔化そうかと。
しかし次いで出る言葉からは「見せしめ」という事に対してだろうか、嫌悪感をあらわにして。
されるだけの理由があるという事は理解しつつも、大衆からの攻めに対して思うことがあるのかもしれない。

ボブ > 「ん? おうっ! 木こりだからなぁ~。ぶっとい樹を相手にしてたらこれくらいにはなるな…」

(男の手のひら…そして身体に関して関心を持ったような少年に今の職を明かしていく男。
決して昔の職をばらすような事はせずに、そこだけは絶対隠していき)

「おっ!丸焼きかぁ~、それなら鶏辺りがベストかな?
胸肉、モモ肉、手羽と味わいが違うのが楽しめるからな。
さすがに子豚辺りだとリッツがどれだけ腹を空かしていたとしても
食い過ぎになるだろうからな……」

(少年の腹具合とそして己の財布も考えた上でベストであるであろう注文の仕方を提案していき)

「確かにリッツはそんな大それた事はしそうにないよな。
まぁ……何処までが罪に値する罰かは当事者でないとわからねぇよな…。
当事者……被害者の関係者の心情は他人である俺らにしたら分からないもんだよ…」

(見せしめがいいものか悪いものかは分からない…そう答える男。
加害者にもなっていなければ被害者にもなっていない…それをとやかく言うのは
無責任の極みだと男は男なりの持論を少年に呈していって)

リッツ > 「へぇー、通りで!僕、一応冒険者なんですけど未だに鍛え上げられた感じがしないんですよね…。やっぱり普段からトレーニングしてないとダメなのかなぁ。」
「そういえば最近聞いた話だと、昔盗賊1000人…?を相手に戦ったすっごい体格をした傭兵がいたらしいんですよ。多分その人もこーんなでっかい人だったんでしょうね。」

思い出したかのように語る話には、つい新しい知識をひけらかしたい子供のように興奮気味に、両手を広げて大きさを例えながら話すことだろう。
実際に聞いた話は「1000人」ではなく「100人」だったのだが、こうして話は湾曲されて伝わるのだろうか。
もっと言ってしまえばその話の人物が目の前の相手だとは到底気づいていない。

「あぁ、それは素晴らしいですね!といっても僕はご馳走して頂けるだけでも有難いんですけども、それにしてもお兄さんみたいな人と一緒に食べられるってだけで今日はついてるなぁ。」

多少は相手の懐事情も考えつつも、それでも楽しみにしてしまう食卓。
食べる相手というのもやはり楽しみの一つなのだろうか、待ち遠しさを隠しきれず。

「無責任なのもわかっています、わかってはいるんですけど…」
「加害者からの怨念も、被害者からの憎しみも、あそこからあは全てが伝わってくるんです。…本当は誰もが傷つけあわずに済む世界であったならあれも必要ないんでしょうけどね。」

被害者と加害者の間にはどうしようもない物が渦巻いていて、そこに立ち入った事を語るのはエゴだとは頭では理解しているものの、心情としては全ては受け止めきれない少年。
相手のいう事に多少の冷静さも取り戻すが、やはり晒し台を見れば複雑な心境になるだろうか。

ボブ > 「まぁ、俺はトレーニングっていう感覚ではやってねぇよ。あくまで仕事、飯の種だ。
木を切り倒して、材木問屋に売らねぇと俺も今のリッツみてぇに腹ペコで倒れちまうからよ」

(元々は傭兵として戦場で生き残る為に鍛え上げた肉体がそのまま残っている状態だが、
そこは過去は捨てた身、あくまでも飯の種の為だと言い切ってみせる男。
そんな男に対して少年の口から飛び出してきたのは男が捨てたはずの噂話の更なる誇張版。
こめかみにヒクっと小さく引きつらせてしまいつつ)

「ほぉ~?1000人と戦ったってヤツがいるのか?
でもリッツ……人って剣で一斬りすれば倒せなくもないが、

木ってヤツはよ、重たい斧を何十発も打ち当ててやっと倒せるんだ。

お前もしばらく木を相手にしてみたら、1000人くらい倒せる冒険者になれるかもな?」

(木こりと名乗っている自分の事がその傭兵だとは気付かれないだろうが、
あくまでも木こりである事を強調するように木こりの誇りみたいなものを口にし、
トレーニング方法として木を相手する事を勧めていく男)

(もうすぐ迫る食事の時を楽しみにしている少年の姿とその後に晒し台を嫌悪する少年の姿を
肩を貸しながら見つめていき)

「傷つけあわずにいられる世界か……それはある意味、みんな傷つく世界とも言えるぜ。
人を傷つけないようにするために己を律する…それは自分自身を傷つけるような事だからな。
傷つけないように我慢して我慢して…って感じでな。」

(エゴとエゴのぶつかり合いの中…そんな戦場の中で生き抜いてきた男…
そこらへんの割り切れなさは身に染みて分かっているが、そこはまだ若い考えの少年に
言い聞かせるように…そして自分自身にも言い聞かせるように言い切っていくか)

リッツ > 「流石に1000人っていうのは誇張されてるのかもしれないですけどね。それだけ強い人がいたらしいんです。」
「なるほど…そういう考え方はしたことがなかったですね。そう考えると木こりってすごいんですね。毎日そんな強敵を相手にしてる人たちになんて敵わないですよ。」

相手の例えには思わず関心した様子で聞き入れる。
自信とも誇りともとれる相手の堂々とした様子を見ればにへらと笑みを浮かべて賞賛の声を贈ることだろう。
あながち木こりとして修業を視野に入れることも悪くないのかなと考えつつも、伝説の相手が目の前の男性であることにはついに気づかないまま。

「…悲しいことです、悲しくならない世界の為に冒険者になったはずなのに、結局僕の力では悲劇は止められないんです。」
「どうあってもどこかでは歪みあって、傷つけあって。そうしてできるのがあの台なのだとすると、僕はどうしてもやりきれなくなるんです。」

互いに傷つけあうという言葉に思わず漏れる言葉。
それはこれまで見てきた光景を連想させるには十分な一言であった。それ故か相手の言葉は少年に響き渡ることだろう。
個人の力だけではどうしようもない現実を知る少年からは無念の気持ちが溢れて止まらなかった。

ボブ > 「まぁ、機会があったらウチの村に来いよ。 宿は俺の家に泊めてやるから、
強敵たる大木に挑戦しに来いよ」

(あくまでも木こりのスタンスで武者修行に来いと誘いの声を少年に掛けながら、大通りを歩いていく男二人)

「まぁ、冒険者だと人と人との憎しみ合いなんてそうそう接する事ないだろう。
知らずに生きていければ幸いなんだが、知らなければ大人の男にもなれないからな…何とも辛いよな…」

(人とのしがらみで苦労した男はついついしみじみとした口調で話してしまい、
大通りから角を一つ曲がり、二人の視界から晒し台が見えなくなっていけば)

「ふんふんっ……おっ!肉が焼ける匂いがしてきた。このタレの匂いはあの店のだな。
まずは酒で舌を滑らかにしてから戦闘開始だぞ……準備はいいか? リッツ 」

(男は鼻を鳴らし、鼻に届く匂いで目的の店が近づいている事を少年に伝えると
肉との格闘戦の準備をしていくように告げていくか)

リッツ > 「それも悪くはないですね。是非、お邪魔させて下さい。ボブさんの村も見てみたいですしね。」

ここまで来ると武者修行、というよりも相手の村に興味が出てきたのか、誘いに前向きな姿勢を示す。
色んな町や村を歩いて来た冒険者にとって、住処という処には様々なドラマがあるものだ。ある意味では観光のような心境で見知らぬ土地に対して強い好奇心があるのかもしれない。

「普段はそういった場に会うこともないんですけど、たまにいがみ合いに遭遇することもあるんです。それが小さい事であればいいんですけどもね。」

この辺りからこの男性も過去に何かしらあったのかもしれないと察し始める。勿論、それを口に出すほど野暮ではない。
しかしそんな相手だからこそ、ここまで気持ちを吐露できたのかもしれないと思うと、ふと申し訳なさと感謝の気持ちを覚えるだろう。
気づけば随分と離れた場所まで来た、匂いが鼻に到達すると先ほどまでの空気はどこへやら、目を輝かせて店の一口一転を見据えるだろう。

「ああ!もう僕待ちきれませんよ…!もう準備満タンですよ、一番乗り頂きますっ!」

頭の中にあるのはもはや香から想像された肉のことでいっぱいであった。抑えてきた食欲を一気に解放するかのように、待ちきれなくなった少年は男性を差し置いて元気よく駆け出して行った。

ボブ > 「おうっ!村の場所に関しては食いながら話すから、覚えておいてくれよ。」

(前向きな姿勢で捉えてくれた少年に修行先の師匠然とした感じで受け入れ態勢を整えていく男)

「まぁ、俺としてはリッツのその真面目さが眩しいよ。
俺はもうすっかり諦めの姿勢で汚くなっちまったからなぁ~」

(少年の生真面目な姿勢がすっかり人に諦めの気持ちを持ってしまった男にとっては本当に眩しく見えてしまっていて)

「おいおいっ!さっきまで立ってるのもやっとだったヤツが走るんじゃないっ!!」

(店が近付き、食べる準備をしろ…と話しかけた男を置いていくように駆け出した少年に突っ込みを入れつつ、
男は少年の後に続いて店へと入り、少年にとって久々の食事と共に取り、
夜遅くまで少年の冒険話や男の山村暮らしなどの話で盛り上がっていくだろうか……)

ご案内:「王都マグメール 平民地区 広場」からリッツさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 広場」からボブさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/大通り」にテネブレさんが現れました。
テネブレ > 人の多く通る、大通り。その一角のとある区画は今、不思議な力に覆われていた。
人外の力に敏感な者であれば、或いは違和感を持てるかもしれないが、精霊の力を遺憾なく発揮した無駄に隠密性に長けた力。

その力に敵意は無く。
攻撃的な意思も見られない。
只管にエロを目的とした空間なのである。

「ふひゅー。テネがんばったー☆」

どっかのお家の上から見下ろしながら、自画自賛。
目に見えぬフィールドは半径500m程。
自然、その範囲内から女性が徐々に離れてゆき、店や道に男しか残らない。
そしてその中に残る男達の常識は、改変されていた。

セクハラや性的接触が日常行為になるようにと。
範囲内に居る女性に次から次に構うべしと。
つまりは男性限定のエロエロ日常空間の設置である。

それをただ眺めるか、それとも一緒に無垢を装い悪戯するかはまだ決めかねてはいるものの。
さぁ、力を沢山使った、盛大でお馬鹿な悪戯を始めよう。

今は女性を遠ざける力を働かせているのだが、次にこのエリアを通過しそうな女性が現れればその一人を対象から外すと決めた。
勿論、その女性の認識を弄るという野暮は行わない。
突然のエロに慌てるか、はたまた乗りに乗るかを見るのが楽しいのだから。

テネブレ > さてこの大掛かりな悪戯。
果たして成功したのか否か。

ルンルン♪と尻尾をふりふり揺らしながらクマが楽し気に見下ろしてる。
楽しい楽しい催しが盛り上がればいいなぁ、と見下ろし続けるのだった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/大通り」からテネブレさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にシャルレさんが現れました。
シャルレ > 夕方の少しの空き時間、平民地区にある隊舎近くの屋根の上。
温まった屋根のとこで白いネコがコロンコロンと転がって遊んでる。

遠目には、白く毛玉が転がってる感じに見えるか、夕方のちょうどいい気温の中で日向ぼっこ中。

周囲は静かで、どこかで鳥が鳴いてる。
仰向けになって金色の瞳が鳥の姿を探しに動くけど、声だけで見つけられない。
ゆっくり瞬きをして、手足を伸ばし体が長く伸びる。

シャルレ > もう少しで夜ごはんの用意。
昨日のりんご飴はキッチンに置いてもらってたから、お仕事が終わったら続きを食べよう。
そんな楽しみ、ネコの表情はわからないけどヒトで言うなら、ほおは緩みっぱなしになってた。

屋根も暖かいし、適度な日陰になって風も流れてる。
ウトウトしかけてたら、隊舎側から名前を呼ばれてる気がした。
三角の白い耳をクルンと向けて、コロンコロンしてたのから起き上がれば、隊舎のほうへと帰っていく。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からシャルレさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にノアさんが現れました。
ノア > 大通りより一本外れた細い裏通り、 其の一角.. 椅子に座り、 テーブル代わりの小さな台に水晶を置いた占い師が居た。

『 何か、 お悩みですか。』

占い師は目の前を通り過ぎようとした女に、 そう声を掛ける。其れも其の筈、 女は額に "絶賛悩み中" とでも書いてあるかのような.. そんな顔をしていたのだから。

「 .........っ、 ん.. ? 」

カモ、 発見。胡散臭いローブを纏った占い師はフードの下、 胡散臭い笑みを浮かべ、 胡散臭い言葉を口にした。

『 あぁ... 感じます。今、 貴女の心は.. 』

「 心、 は..... ? 」

『 .........えぇ、 と.. 迷宮の、 中 に... ? 』

心が弱っていたり、 何か悩みを抱えていたり、 そういう時人はとても脆い。とはいえ.. 稀にみる、 カモっぷり。気付けば女は脚を止め、 すがるように占い師の手を握っていた。

「 すごい..... 何でわかるの ?! 」

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にウィルバーさんが現れました。
ウィルバー > 仕事終わりに、飲みに連れられた帰り道。
それほど酒に弱くない身体だが、相手が酒の神の化身とでもいわんばかりの蟒蛇だったので、付き合っているうちに最後はだいぶ顔が赤くなっていた。

「うへ~~~、あの人やばいなあ。」
とはいえ、これも仕事の一環である。 事実、周囲の力添えで割の良い仕事を貰ったりしていることも多い。
そして、最近は色々と金のかかる用事が増えてきた。 割の良い仕事は多ければ多いほど良い。
なので、無下に断るなど出来ないのだ。

そういうわけで、千鳥足でフラフラと歩いていると見慣れた女が辻の占い師らしき人物と会話をしている。
ここからだと、会話の内容も聞えなかったので、もう少しだけ寄って聞き耳を立てることにした。

放し飼いにすると決めている以上、何をしていようととやかく言う気はないが、見かけた以上は放っておくわけにもいかない。

そして、彼女が普段どんな感じで過ごしているのかも見てみたかった。

ノア > 『 何で、 って そりゃ.... ゴホンっ..
  ── 全ては、 水晶の導くままに。』

「 すいしょーの、 みちびく まま.. に ? 」

いよいよ、 カモから信者へ。最早占い師の言葉は神の声、 といわんばかりに喰い付いている。本来向かいに座るところを、 女は占い師の真横でしゃがみ込んでいた。有り難き其の御言葉を、 聞き逃さぬようにと..

『 その悩みとは、 ── えぇ、 と.. 』

「 .........そ、 自分がどうしたいのか わかんなくて..... あれこれ考えても答えなんて出ないし、 そもそも.. あたしなんか、 何も出来ないし... で、 呑まなきゃやってらんなくて..毎日毎日呑み歩いてたら肌も荒れるし。もう最悪っ 」

『 .....そうでしょう、 わかります。全て、 わかっていましたよ。』

「 すいしょー すごい.. 」

決して、 言い当てられた訳ではない。女が勝手に つらつらと喋っていた、 ただ其れだけの事。こんな姿を、 まさか主に見られているとも知らず.. ポンコツっぷりは、 更に加速して..

『 普段は売ったりしないのですが..... これは、 御神木で作られた彫像 ─── 』

「 いくら ? 」

ろくに説明も聞かず、 聖なる (単なる) 御神木 (廃材) で作られた 彫像の購入を決意していた。

ウィルバー > 今時いるんだ、こんな手口にかかる人とこんな手口で売る人。。。
顎が外れ落ちそうな感覚を覚えるが、とかく今は彼女を止めないと。

「ノアじゃない、こんなところで何してんの?」
後ろから突然、酔っ払いが絡んできた体を取って助手の頭を掴むとわしわしと髪を掻き回している。

「うちの助手が何やら面倒かけてすいませんね~。 えっと、お題はこれ位ですか?」
1000ゴルド程、財布から取り出すと占い師に押し付けるように手渡す。

「あと、この辺は最近危ない人とかうろついてるんで、今日は早めに引き上げた方が良いですよ?」
いきなり絡まれて驚いている占い師に向かって、金色の瞳で見つめる。
すると、急に占い師は何も言わずに荷物を片付けるとそそくさと帰って行った。

「ノア~~~、ああいう手合いにほいほいお金出したらダメだよ?」
占い師の姿が見えなくなった頃を見計らい、深くて酒臭い息を吐く。
とは言え、降ってわいた事態のおかげですっかり酒は抜けてしまった。

ノア > 「 う、 ゎ.... !? 」

掛けられた声に顔を向けるより先に、 わしゃわしゃと髪が乱される。其の手が主のものとわかったのは、 すっかり薄紫色の髪が乱れきった後だった。

「 買ってくれるの ? 」

財布からなかなかの額を出した貴方に、 一瞬調子の良い笑みを浮かべたのも束の間.. 占い師は突然、 何かに取り憑かれたかのように商売スペースを畳み始めた。其の場に残されたのは..... 何故だか占い師が頑なに受け取ろうとしなかった 1000ゴルドと、 彫像。

「 ぁ..... 待っ、 て.. 」

手を伸ばし、 すがる思いで引き留めるも.. 占い師はそそくさと、 何処かへ行ってしまった。女には其れが、 貴方の精神操作だと すぐにわかったから.. 何故 ? と。唇尖らせた顔で、 主を見上げるも

「 だって......... ごしんぼく、 って 」

其処で、 言葉は途切れた。流石のポンコツも、 状況に気付いた様子で

「 .....はい、 以後気を付け ます.. 」

ウィルバー > 「あらら、術が効きすぎたかな。 最近おいしい血を立て続けに呑んでるからかな。」
彫像と、渡すはずのゴルドまで残ってしまう。 これは少々予想外。

「まあ、いずれ身元はわかるだろうし、お金とこの彫像は後日渡しておくか。 ノア、要る? 要るなら代金僕の方で払っておくけど。」
ゴルドは財布に一度戻し、彫像は汚れぬようにと手に持ってから助手に尋ねる。
最近、城内で仕事に就いた為に当局に問い合わせをすればこの程度の処理はどうにでもなるようになった。

「まあ、ノアに被害がなくて良かったよ。 そうだね、今後は高い買い物をする前に僕に相談してからにしたら? 必要なら僕の方から払っておくし。
最近お城の宮廷魔術師になったんだよ。 だからお金のことは心配しなくても大丈夫だよ。」
抗議する気だった助手がしょぼくれてしまう。 これはこれで可愛いが、やはり元気な所を見せて欲しいのでもう一度頭を掻き回して。

「…所で、毎日飲み歩いてるんだって?」
そして、ここからが本題である。
ちょっと、色々お話しする必要がありそうだ。

ノア > 「 いえ.. 流石です、 せんせ..... 」

余程術が効いたのだろう、 占い師は貴方の想定以上に "イイコ" となってしまって。美味しい血を.. なんて言う貴方に珍しく助手らしい言葉を口にしたのは、 自分の失態に十分気付いたからだった。彫像を、 要るかと問われれば

「 .........結構、 です.. 」

冷静になって見れば見る程、 全くもって欲しくない。

「 .....宮廷魔術師、 って... 宮廷魔術師 ? 」

新たに知った、 別の顔。いつも我儘を言ったり悪態吐いたりしている相手が実は、 すごい人だったと知り.. 助手、 口半開き。オマケに未だ しゃがみ込んだまま、 其れに気付くと気まずそうに立ち上がって。すると.. 貴方の吐息に酒気を感じ。ゆるり と首を傾げ、 ほんのり血色の良い顔を覗き込んだ。

「 ......... ぇ、 」

本当は「 呑んでたの ? 」と、 此方が訊ねるところだったが.. どうやら話を聞いていたらしい主に、 先を越されて

「 ん... 呑んでる、 割と 毎日。」

また わしゃわしゃと、 貴方の手に髪を乱されながら。時に悪びれる様子もなく、 きょとんと答えた。

ウィルバー > 「どうしたの、今日は随分としおらしいじゃない。」
流石なんて言葉、嬉しすぎて視界がにじみそうになる。

「そう? じゃあさっきの代金と合わせて後日払っておくよ。 でないとあっちも可哀想だし、何より君に余計な言いがかりとかされても困るしね。」
どうやら、助手の頭は随分と冷静になってくれたようだ。 これで少しはああいうのに騙されなくなってくれると安心できるのだが。

「そうだよ。 まあ、城にはちょくちょく呼ばれたりしてたからそのツテでね。 ほら、君に楽させてあげようと思うとそれなりに要るからね。」
要はコネ採用なので、たいしたことないと言いたいのだが、お口あんぐりの助手に上手く伝わってくれるだろうか。
顔を覗かれると、照れて後ろに下がってしまう。

「そっか。 飲むのはいいけど、体にわかる不調でるまで飲むのは止めた方が良いよ。 あ、吸血鬼になったら再生できるようになるから関係ないよ。
だから早く吸血鬼になろう!」
と、茶化しながら頭を弄った。

「でも、なんでそこまで思い詰めてるの? やっぱり、君の好きな人の事?」

ノア > 「 いつもです、 せんせ。」

つい、 素直になってしまった と。態々返す必要のない返答をしながらも.. 聞いてみれば貴方の話は、 女に言い掛かりを付けられぬようにだとか、 楽させてあげようと思ってだとか.. どれも、 女が関わっていて。

「 何てゆーか、 もっと..... 自分勝手に生きればいい のに.. 変なの。」

困ると言えば困る、 申し訳ないと言えば申し訳ない。嬉しくないと言えば.. 其れは、 嘘になるけど。そんな風に、 ぼそりと呟いていたのも束の間

「 そうだ、 吸血鬼になろー♡

  .........なんて、 賛同するとでも.. ? 」

思わずノリ突っ込み。頭を弄る手から ふるふると首を振って逃れると、 手櫛で髪をとかしながら..

「 最初は誰かのせいで悩んでると思ってたけど、 そーじゃなくて.. 結局、 何も自分で決めらんない自分が嫌で悩んでるってゆーか..... よく、 わかんない。」

結局のところ.. 何がわからないのかも、 わからない状態。解決出来ないのも当然で.. 結果、 胡散臭い占い師のカモにされていたのだった。

ウィルバー > 「おお、即座に嘘をついてきたね。」
速攻でいつもの調子にもどった助手に思わず笑いが零れる。

「え、割と勝手に生きてるよ? 勝手に眷属にしたじゃない。」
助手の呟きには金色をぱちくりさせて。 

「ええ…? この流れはどうみてもガブっと言っちゃう流れだと思ってたのに~~~。」
既に噛みつこうと、歯まで出していたのに。 がっくりくるも、素直に諦める。
助手が頭を振ると、素早く手を離す。

「そのさ、僕は不老不死で時間がいくらでもあるからあまりわからないんだけど、そんなにすぐに結論出す必要ってあるの?
一端保留にしておいて、状況は変わった時に判断すればいいんじゃないかな?」
手に持っている彫像の顔とにらめっこしながら、口を出す。
ついでに、不老不死の素晴らしさも説いておこう。
とはいえ、現時点で不老の助手も半ば時間はいくらでもあるに近い状態ではあるのだが。

ノア > 「 嘘 って......... ぇ、 何がです ? 」

こうして すっとぼけたり、 ノリ突っ込みをするくらいの余力は残っている様子。笑ってくれれば、 結局はつられて笑ってしまうけれど。

「 .....まぁ、 確かに ───
  って... ガブ はダメ、 絶対っ 」

自身の眷属化に至るまでを思い出せば、 妙に納得し。其の直後.. ちらり 鋭い牙が覗けば、 慌てて貴方の口元へ指を添え制止した。

「 言う通り、 なんだけど.. いつまでも解決しない もやもやって、 気持ち悪いじゃない。イタチごっこの兵法より、 あたしは1+1=2の方が好きなの。」

触りだけ聞いていた、 貴方の授業を思い出す。一方が新たな攻め方をみせれば、 一方は新たな守り方を生み出し.. また、 其れに対抗すべく新たな攻め方を生み出し、 其れに対抗すべく新たな守り方を..... そんなの、 キリがない と。だから..... 寝た。

「 てゆーか..... せんせーこそ、 今日はまた随分と血色が宜しいようで。呑んでたの ? 」

ウィルバー > 「いやあ、ノアはあいかわらずだねえ。 この間の従順さはどこに行ったのやら。」
ロッジでのやり取りを思い出し、にやけている。 笑いは笑いでも、少々内容が変わっていく。

「ガブだめなの? じゃあ、代わりに。」
口元に助手の可愛らしい指がやってくると、空いてる方の手で助手の手首を捕まえ、指をチュウチュウと赤子のように吸っている。

「どれは分かるけど、世の中はずっとイタチゴッコしてるような物だからね。 毎回いつでも同じやり方でクリアは無理だよ。
それがしたいなら誰でもひれ伏すような力でも付けるしかないね。 あ、それか考える担当を僕に任せるかい?」
どこかで常に新しい動きが生じ、その波紋が広がる。 ならば常に時代に合わせて対応するしかない。
それが僕の考えだ。 常にアレコレ考えるのは面倒くさいが、凡人である僕にはそうするしかないのだ。

「お、分かる? 仕事の絡みで付き合ってたんだけどこれが凄い飲む人でさあ。 口直しにノアの血が欲しい位だよ。」
すっかり、目の前の助手をドリンクサーバーか何かと認識していた。 それくらい、最良の飲み物ではある。

ノア > 「 あの時、 は......... っ、 ン.. !
  ─── ちゅー もダメっ.. 」

ロッジでの時間を思い出せば、 途端に歯切れが悪くなるも.. 代わりにと指先吸われては、 また きゃんきゃんと抵抗して

「 全てを平伏す程の力 なんて.. きっと、 来世でも無理。考えるのを全部せんせーに任せたら......... 」

琥珀色は、 じぃ.. と真っ直ぐ貴方を見詰め

「 "そうだ吸血鬼になろうルート" しか、 想像付かないんだけど。」

真剣に、 親身になって聞いてくれている事は、 よくわかっているつもり だけれど.. 取り敢えず、 いつもの調子で返した。ふと視線を貴方の手元、 聖なる彫像へと向ければ

「 .....っ、 何見てんのよ.. 変な顔。」

などと、 木片相手に毒吐いてみたり。するとどうやら、 女をマイボトルくらいに考えているらしい貴方に.. じとり、 不服そうに目を細めて

「 燃費悪すぎっ.. 1回の "ガブ" でもう少し持たない訳 ? ちょこちょこちょこちょこ呑むから、 こんなんなっちゃったじゃない ! 」

首元を覆うデザインのドレス、 其の襟を掴んでずり下ろし.. かぷかぷと、 貴方の噛んだ痕があちこち残る首を見せた。

ウィルバー > 「ちゅうだめなのか? 困ったなあ。」
眉を八の字に下げるも、今度は指の腹から爪を舌でねっとりと舐めまわしている。

「まあ、そんな力恐らく誰も持っていないよ。 それこそ魔王クラスでもね。 …お、大正解。 ご褒美をあげよう。」
指先がふやけるまで舌で舐めまわしていたら、助手が面白い答えを返してきたので、今度は手の甲に口づけを。

「え、さっきまでこいつのこと金払ってまで手に入れようとしてたじゃない。 ひどーい。」
彫像に毒づく助手の対応に腹を抱えて笑ってしまう。

「一回のガブで持たせようとしたら、毎回貧血で倒れちゃうよ? あとね、モツとか持たない以前に飲むと凄く具合がよくなるんだよね。
相性がいいのかな? 味もね、最高なんだよね。」
すっかり助手の血のトリコになっていた。 不服そうな目線を向けられても、こればかりは止められない。

「あ~、やっぱりそれ人から言われたりする? まあ、どうみても彼氏にDVでもされてるみたいだもんね。
でもさ、これでも我慢してる方なんだよ? 本音言うなら、一度ノアを拷問かけてみたい位だし。 あ、そうそう、後は僕狼とかにもなれるんだよね。
ノアは獣姦とか興味ある?」
痛々しい跡が無数に残る首筋を見せられると、罪悪感と同時に無性に目の前の助手を襲いたくなってきた。
そして、いまだノア相手には出来ていないプレイを口にし、彼女がどこまでOKなのか確かめようと。

ノア > 「 ゃ..... 違っ、 ん..
  ─── ぺろ もダメっ.. ! 」

絶対に 困ってなんかいない、 これは.. 次の悪戯を考えている時の顔..... 予想は見事的中、 今度は指先を意地悪な舌が舐め始める。ぴく.. と僅かに指先震わせながら最早、 決まり文句のように制止を。しかしながら女の制止くらいで止まる貴方ではなく.. 結局 手の甲に褒美の口付けが与えられるまで、 指先を舐められてしまった。

「 もっと色んな味を試してみるとか..... ほら、 食べ物も。好きなモノばっか食べてても身体によくないし、 好き嫌いはダメって..... えーと、 確か.. 死んだお婆ちゃんがよく、 言ってた... うん。」

先日の小旅行中、 軽く出生についての話もしていた女。当然.. 祖母など、 顔も見た事はない。

「 言われたっ..... 久々に逢った恩人にも、 あの人にも.. って、 これの何処が我慢し......... 拷問っ ?! ちょっ.. 酔ってる ? きっと今日は、 呑み過ぎて ── 狼 ?! ぇ..... ジュー、 カンて.. 」

この際だからと首筋見せながら、 傷が残る問題について話しておこうと思っていた が ── あれよあれよ と、 話の方向性は思いもよらぬものへ。女の頭の中では、 未知の世界が広がって..

「 ...............っ、 」

ぷしゅ ぅ.. と。頭から湯気が噴き出しそうな程、 羞恥とパニックとで其の顔を真っ赤に染めていた。

ウィルバー > 「あれもダメ、これもダメって随分とわがままだなあ。 僕はそんなワガママにした覚えはないよ?」
まるで親が叱るような口ぶりだが、ここ最近散々甘やかしているのは恐らく僕であろう。
まあ、僕も今みたいに散々甘えているので何も言えないが。

「吸血鬼は人間と違って、好き放題の堕落した生活を送っても大丈夫なのです。
もともと、魂の堕落した奴が多いんだよね、魔族って。
だから君も早いとこ次のステップへ行こうじゃないか。」
酔った勢いも合わさって、再度の勧誘モード。

「そりゃそうでしょ。 吸血鬼に常習的に抱かれてる人間なんて、普通心配されるよ。」
サラリと、自分たちが常軌を逸した関係であると、言ってのける。
だが、それを改めようと言う気などサラサラなかった。

「いや、前からず~~~~~~~~~~~っとやりたかったんだよね。
やっぱり、僕も魔族なわけじゃん? 眷属である君に首輪付けて庭を散歩したりとか、ムチで体中傷だらけにしてみたりとか、蝋燭垂らしたりとか、木馬に座らしたりとかさ、
あとは犬とか狼とかになってこう後ろから犯してみたいんだよね。 まあ、いきなりやって君に何かあっても困るからこうして言えるような機会を待ってたんだよ。
あ、そういう意味ではノアが今抱えてる問題も言えるチャンスが来るのを待つのもいいかも知れないね。」
顔を真っ赤にさせ、熱暴走でも始めそうな助手の前に、それこそ本音をぶちまけまくっている。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からウィルバーさんが去りました。
ノア > 【 継続予定 】
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からノアさんが去りました。