2017/05/22 のログ
シエル > やがて、果実水を飲み終えて部屋へと戻っていく。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からシエルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にノアさんが現れました。
ノア > 眠れない夜の事。王都平民地区の端、 貧民地区寄りに位置した住宅街の一角。細く入り組んだ路地に建ち並ぶ家々の内の一軒、二階の窓枠に片脚を放り出して座っている女が一人。

「 ............... 」

最近急に蒸し暑くなったからか、 その分夜風はひんやりと心地好く。何をするでも無く.. 外に放り出している方の脚を ゆらゆら揺らし、 長い髪を靡かせていた。

ノア > 日中寝腐っていた訳でもないし、 呑まなくては眠れない身体でも、 不眠症でもないけれど.. こうしてたまに、 眠れない夜がある。

「 ............... 」

そんな夜は、 最近の出来事をぼんやり思い出したり.. 遥か遠い記憶や、 胸の奥深くにしまっていた記憶を思い出してみたり。自分の中で、 自分に都合よく整理が出来たらまた、 胸の奥深くにしまい直したり。そんな作業を、 遠い星空を見上げながら ただ淡々と繰り返していた。

ノア > 大半の出来事は、 無理矢理にでも自分に都合よく処理出来る女だけれど.. 一つだけ、 深く残った恐怖がある。

「 .....っ、 」

とある村、 とある夜の出来事。女と其の友人は "何者か" によって、 狂い、 死の間際まで追い込まれた。其の記憶は勿論、 何より恐ろしいのは "何者か" の姿が思い出せない事。絶対にこの目で見ている筈の、 遭遇した筈の相手の正体を、 探る事も叶わない事。得体の知れない "何者か" に、 こうしてずっと囚われているような感覚は.. 答えなんて出ない問答を、 繰り返しループさせる。こんな夜は特に、 酷く思い出されて

「 こんな物、 何の為に残したの.. 」

"何者か" が残した真珠色の鱗と、 紅玉の指輪。其の二つの手掛かりが、 握り締めた手のひらの中 擦れ合った。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にノアさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にノアさんが現れました。
ノア > いくら思い出そうとしても、 顔がぼやけて思い出せない。誰かに助けを請おうにも、 其の特徴すら伝えられない。少しでも相手を調べようにも、 手掛かりが少な過ぎる。心当たりを訪ねてみたり、 あれこれと試してみたものの、 結果は.. 無知で、 非力な存在だと。そう思い知らされるだけだった。

「 ............... 」

いくら考えたところで無駄だと、 わかっている。見えない何者かに囚われ脅えているより、 この目に映る者との時が大切だという事も、 わかっている。こうしていつも同じ結論に至り、 また、 胸の奥深くにしまい込むのだから。

手のひらの中握り締めていた物を、小さな革の袋に戻す。其れをベッド脇のチェスト台に乗せると、 吸い込んだ夜の空気を細く長く吐き出した。

ノア > あぁ、 また同じ事を繰り返してる.. と、 自分でもうんざりする程。けれど恐怖というものは決まって、 忘れた頃にやって来るから.. 胸の奥深くにしまい込んだとしても決して忘れる事なく、 こうして時折問答を繰り返すのも.. 無意味なんかじゃないのかもしれない。

「 .........ふ、 ぁ.. 」

そうしていれば、 いずれこんな風に欠伸も出る。眠くもなるし腹も減る、 喉も渇く。どんな悩みを内に秘めていたって、 所詮人間そんなもの。白み始めた空に目を細めると、 小さな欠伸に涙が滲み

「 寝よ。」

ふら と窓枠から下り、 部屋へ戻る。日の光を遮るカーテンもしっかり閉めたなら、 無駄に広いベッドに思いっきり飛び込んだ。こんな日はシーツが皺になるのも構わず手繰り寄せ、 ぎゅぅ と抱き締めて.. 誰にも邪魔されず とことん気の済むまで、 深い深い眠りに付こう。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からノアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/市場」にテネブレさんが現れました。
テネブレ > 日中活気付く、多様な露店や出店が並ぶ市場。
平民地区内に自分の店を持てぬ行商人や、或いは成り上がろうとする者が参加するお陰で店の傾向は日々変わる。

そんな人で賑わう中、ふよふよと浮かぶ白い物体。
人々の頭の少し上を漂っているものの、不思議と誰の注目も集めていない。
それは不規則に漂いながらもキョロキョロと何かを探す様に視線を巡らせ、時に視線が止まる先には決まって女性の姿があった。

声帯も無さそうなぬいぐるみめいた身でありながら、ふむー、と首を傾げて唸っており。
暫しふよふよぱたぱたと漂いながら物色めいた動きを見せていた。

テネブレ > 何を基準にするでもないが、兎に角、びびっと来る人が良い。
理屈めいた物は何も持たず、ただインスピレーションに従って目的の人物を探すのだ。

そうして暫く漂った後、ついに、見つけた。
びびっと来たのだ。
特にこの感覚が確実に当たるとは言えないものの、失敗するにせよ自分の感覚に従いたい。
くるんっ、とその場で回転するとぽふんと煙となってその場から消え。

「おねーさん!こんにちはー☆」

ぽんっ、と小さな煙と共に唐突に。
女性の胸元にぬいぐるみが現れて明るく喋った。
移動中か、それとも買い物、または商談中だったかもしれないがそんな都合は知らぬが如く。
不思議は重なるもので周囲の人達はその光景を見ても何ら変に思うことは無く、特に騒ぎ立てる様子はない。
ぬいぐるみか、或いはペットでも抱いている様にしか感じていない模様。

――――ただ、挨拶をされた女性だけは状況を正しく認識し何がどうなってるのかと混乱するかもしれないが。

テネブレ > 「えっとねー。あのねー。テネブレです!おねーさんにお願いがあってー…」

無邪気を装うぬいぐるみめいた精霊。
きらきらとお願いをきっと叶えてくれるに違いない、と期待したつぶらなおめめで相手を見上げ。
お喋りの間も、まぁるい手がてしてし、ぽふぽふとお胸を叩く。
嫌に的確に胸先ばかりを狙うように叩いている事実は愛嬌で誤魔化しておきたいところ。

―――果たしてその「お願い」の内容はどのようなものか。
市場の一角で、碌でもない精霊のお眼鏡に叶った女性のしょうもない苦難が始まるのだった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/市場」からテネブレさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/広場」にカタナさんが現れました。
カタナ > 王都の平民地区。…貧民区に比べれば遥かにマシではあるが、富裕層地区に比べれば矢張り油断はならぬ地区。
とはいえ、それはそれ…平民地区の広場にて、適当なベンチに腰掛けてダラダラとしている青年が一人。

白と黒が半々に入り混じった特徴的な髪の毛、簡素な紺色の和装、そして年季の入った刀。
刀は膝の上に置きながら、閉じた瞳のままボケーッとしている。今日は用心棒の仕事も無い。

「……平和じゃのぉ」

世の中がどうの、ではない。今の自分とその周りは少なくとも平穏だ。
退屈でもあるが、元来ノンビリダラダラするのは嫌いでもないし。

カタナ > そういえば、用心棒家業だけでは退屈だと副業でやり始めた冒険者生活…だが、何の成果も出せていない。
そもそも、副業だというのもあり登録してから結構時間が経過しているが…未だに最低等級、無名も無名だ。

「……うーむ、そろそろ遺跡とかも巡ってみるかのぉ。お宝とやらがあれば儲け物じゃが…。
無かったら…まぁ、腕試しにはなるかのぉ。強い魔物とかおれば…」

そのまま、ベンチを占有して寝転がりそうな程度にはダラけながら呟く。
瞳は大体寝てもおきても閉じている事が多く、それでも五感が冴えているので周囲の状況は手に取るように分かる。

特にこれといって目を引くものもない日常的な光景だ。平和といえば平和、退屈といえば退屈。