2017/04/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエナーシアさんが現れました。
エナーシア > 一仕事終えて宿へ戻る前に軽く一杯。
以前からの習慣のはずだが、どうもこの頃座りが悪いというか、落ち着かない。
原因は分かっている。この鎧姿だ。
必要以上に厚着をするのは好ましくないとはいえ、戦いとなれば無闇に素肌を晒すのは危険だ。
これまではそこまで気にしてなかったはずだが、一度意識してしまうとどうにも恥ずかしい。
周囲に視線を走らせるが、気にしている様子の者は誰もいない。
……こんな格好をしているのに誰も注目していないというのも、それはそれで少し傷つくのだが。
むしろ男たちの視線を集めているのは、小さなステージの上で腰をくねらせている踊り子だ。
乳房と腰に申し訳程度の薄布を纏い、きらびやかな装身具をあちこちに身に着けている。

「あんなものを見て、何が楽しいのか……」

思わず独り言を呟くが、それもすぐ喧騒で掻き消えてしまう。
必要以上の服を纏わず体の線を出している姿は私からすると中々好意的に映るのだが、かじりついて熱狂している男たちは何が楽しいのか全く分からん。
ひらひらしていたり装身具を身に着けているからだろうか。
最も好ましいと思う服装は極力体に密着し、体の線を隠さないものだが男からするとそれでは面白みがないのだろう。
しかしまあ、欲望に滾った視線を向けられないのなら大いに結構。
益体のない思考を霧散させるように、軽く頭を振ると視線を自分のグラスに戻す。
まだ半分程度残っている。
もう半分、ではなくまだ半分と思ったのは、やはり居心地の悪さが原因か。
だが分析してみせたところでさっさと帰るという事もなく、どうせ飲み終わるまで居座る事になるのだ。