2017/04/10 のログ
■スヴェン > 歩いていれば不意に声を掛けられて振り返った
そこに立っていたのは顔見知りの商人で軽く挨拶し世間話を軽く交わせばずいぶんと景気が良さそうだった
相槌をうちながら話を聞いていれば、立ち話もなんですからと近くの酒場で情報交換することになり
彼の後に続いて酒場の門をくぐるのだった……
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からスヴェンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエレイさんが現れました。
■エレイ > 「───くーわわわ……」
夜。
人気のない裏路地を、大欠伸をぶっかましながらざしざしとと闊歩する金髪の男が一人。
退屈げな色をたたえた目元を指で軽く擦ると、へふ、とため息ひとつ。
「……んーむ、ここいら辺も相変わらずかぁ……まああ三ヶ月かそこらで大きく様変わりとかするもんでもないかねぇ」
軽く辺りを見渡しながら、そんな独り言。
つい先日王都に戻った男は、何か以前と変わったことでも無いかと思い街中を散策中だった。
……現状、これといった変化は見つかっていないようだが。
表通りは明るいうちにチェックし終えているので、今こうして裏通りを歩いているワケである。
別に夜でなくても良かったのだが、こういう所は夜のほうが何かに遭遇しそうだ──という思惑も少しあったりなかったりする。
ともかく、男はのんびりと歩を進め続けるのだった。
■エレイ > そうして男が何処まで行ったのかは──また別の話。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にプルメリアさんが現れました。
■プルメリア > ぽろぽろと、夜の酒場に零れるリュートの音色。
店の奥、火の入った暖炉の近くに少し高い檀上に、詩人の女が居た。
柔らかな歌声、紡ぐ言葉は王都の流行歌。 王子と姫の悲恋の歌。
あまり見かけない褐色の肌に、薄手のドレスと同じ純白な長い髪。
異国の歌姫は一人、歌を歌い上げる。
ぱらぱらと生まれる拍手に小さく頭を下げる。
うっすらと顔を隠すヴェールの奥、微笑む表情は穏やかに。
いくらか放られる金を、しかし拾う手は無い。 …閉ざされた眼では拾えないのだ。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエズラさんが現れました。
■エズラ > ちゃり、ちゃり、ちゃり、と音がする。コインを拾う音である――盲目の歌い手を尻目に、対価を盗み取ろうとするコソ泥――では、なかった。
「……あんた、良かったぜ――」
低い男の声が響く。ほっそりとした褐色の手をやんわりと握り、その手のひらに拾い集めたコインを載せた。そして、それらの上に、もう一枚。自分のポケットから取り出した新たなコインを上乗せて。
「休憩がてら、一杯おごらせてくれねぇか――っと、歌い手に酒は御法度かな。」
少し申し訳なさそうな声が聞こえる――
■プルメリア > 硬貨を拾う音を聞けば、女はちょっと困ったように首を傾げる。
「出来れば、今日の晩御飯のお代だけは残してほしいのですけれど…」
何度も盗まれた経験があるのだろう、口をついて出たのはそんな言葉。
しかし、足音は近づいて、自分の手を握った大きな手の感覚。
ごつごつしたその手は、多分、闘う事が出来る男の人だろうな、と思う。
そして、そんな怖い手をしているのに、優しい声だ、とも思った。
「ごめんなさい、私、勘違いしてしまったみたいです
…嬉しい、少しは楽しんでいただけたかしら?」
薄いヴェールの向こうで微笑んでも、目は閉ざされたまま。
上乗せされた重さに気付けば、嬉しそうに頷いた。
「いいえ、今日はこれで終わりの時間ですから、もし私で良ければ、貴方のご相伴に連れてくれませんか?」
お金の重みを腰の袋に納めてから、男の手に改めて手を置いてゆっくりと立ち上がる。
立てかけてあった杖を手探りでとれば、エズラに手を引かれるままに段の下、カウンターの席に。
「優しいお兄さん、私はプルメリア お名前を聞いても?
ふふ、ごめんなさいね、最初、お店の小僧さんがお金をかっぱらおうとしてるのかと思っちゃったんです
代わりに拾ってくれる人なんて、今まであまりいなかったから…」
勘違いしたことを素直に謝り、恥じ入るように頬に手を当てる。
■エズラ > 相手の手を取り、カウンターへ。相手が腰かけたのを見届けた後、自分も隣へ座る。
「ハッハ……!ま、そう思われてもしょうがねぇだろうな――オレはエズラだ。そこいらのゴロツキとそう変わりゃしねぇぜ。」
簡単に名乗りながら、改めて相手の風体を眺めている。以前から、幾度か彼女の演奏と歌を耳にしてはいたが――今日はたまたま、間近の席でその姿を目にし、気付けばその声に心奪われていたのである。褐色の肌に、加齢によるものではない美しい白髪。そして、その身を支える杖――相手が盲目であるということには、当然気付いている。
「オレもそいつに似た楽器を、昔ちょいと囓ったことがあるが――歌いながら、っつーのは到底無理だ。」
酒場の店主に手を挙げて合図――男のキープボトルが到着し、小さなグラスに蒸留酒を注ぐ。ただし、一方には酒と同量程度の加水を施す――強い酒は喉に毒であろう。もう一度相手の手を取り、グラスを包み込ませる。
「さ、乾杯といこう、歌姫様――少し強いがクセはないぜ。」
グラスの交わる小気味良い音が響いた。
■プルメリア > 「ゴロツキはお金を拾ってくれないし…
…ふふ、ましてや、女が座るまで立って見守ってくれるなんて」
荒っぽい発音の男の声だけれど、女は怖がることも無く可笑しそうに笑って返す。
エズラ、エズラと何度か舌の上で相手の名前を転がしてから、蕾が綻ぶような笑みを零す。
「エズラ様、貴方の声はどこかで聞いた気がします …この酒場の常連さんかしら
あら、私も子供の頃には歌いながら弾くなんて、と思ってましたよ 今では生業だけれど」
そんな事を言って、小鳥のように首を傾げる。
エズラの顔は見えないけれど、一言一言に耳を澄ませるようにエズラに顔を向ける。
自分にかける男の言葉の一言一言が大事だと言う様に。
その手にグラスを渡され、落とさないように両手で包むように持つ。
その手を外から包まれれば、子供の様に照れ臭そうに微笑む女の表情。
「いただきますわ ええ、親切なならず者のエズラ様? ふふ、ご一緒に」
触れるグラスの音。 その音の残響に耳を澄ませる姿は、盲目故の酒の楽しみ方をエズラに見せる。
そして、そっと一口。 もう一口。 小さく嚙み締めるように味わい、ほう、と息を漏らす。
「飲みやすいですね …ううん、でも、だから飲み過ぎてしまいそう 美味しいです」
意外といける口なのか、もう一口。
■エズラ > 「まぁ、常連と呼んでくれてもいいと思うぜ――店主の親父の愛想はちっともよくなりゃしねぇがな。」
店主に聞こえるようにそう言うと、こちらをジロリと睨んでくる。クックッ、と喉を鳴らし、自分もグラスに口を付ける。
「おおっ、いける口の歌姫様のようだな――」
意外にするすると酒を飲む姿を見て、楽しそうな声をあげる。酒精を帯びたその姿は、ますますエキゾチックな魅力を彼女に付加しているのであった。すす、と気付けばその耳元へ唇を寄せている――
「なぁ、どうだ――今日の寝床が決まってないなら、部屋に来ちゃくれねぇか。もう一曲頼みたい――」
もう一曲――それは偽りない本音。静かな場所でじっくりと彼女の歌を堪能したかった。しかし、その裏側にある助平心も、隠さない声のトーン。緩くその華奢な腰に手を回して。
■プルメリア > 「あら、此処の店主さんは言い方ですよ? こんなどことも知れないめしいた女を雇ってくれるんですもの」
ねえ?と店主に声を返せば、強面の店主がちょっと決まり悪そうに頭を掻いてグラスを拭き始める。
そんな様子に気付く事も無く、ぷは、といかにも旨そうに息を吐く女。
ほんのりと染まった頬、酒に強いわけではないようで。
耳元に寄った声にちょっとくすぐったそうに声を漏らして。
「…歌がお望みかしら?」
そう尋ねる声は艶やかで。 エズラも噂を聞いたことがあるだろう。
旅の歌姫を称しているこの女も、誘えば娼婦として抱くことができる、なんて…。
しかし、女の表情は、艶やかな物からちょっと恥ずかしそうな子供っぽい表情に変わり。
「でも、ふふ、歌を聴きたいなんて誘われ方、歌唄いとしては嬉しいお誘いですね
…そう言う事を望む人は、大体、強引に腕を引っ張って連れ込むものだから
だから、…はい、エズラ様 貴方の褥で歌わせて下さい 私から、お願いしますわ」
助平心も分かっているけれど、それ以上に、本音で望むもう一曲、その気持ちが嬉しかった。
エズラが普段抱く娼婦とは違う感覚。 どこか生娘の様な無邪気さで、腰に回される腕に甘える。
■エズラ > 抱いた腰の感触は、ともすればくしゃりと折れてしまいそう――それでいて、薄いドレスの胸元が豊かに量感を主張していた。思わずごくりと唾を飲む音。ゴホ、と慌てて酒を含み、誤魔化すけれど、無駄だろう。
「おっと……こいつぁ嬉しいね。んじゃ、行くとしようぜ――」
グラスを空にし、代金をカウンターの上に放ると――相手の片手を取り、立ち上がるのを待つ――そしてそのまま、異国の歌姫と連れ立って、夜の街へと消えていく――
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエズラさんが去りました。
■プルメリア > 歌姫の鋭敏な耳は、ちゃんと誤魔化す前の音も聞こえてしまっていたけれど。
立つ自分の手を取るエズラの手の温かさに免じて、指摘しないでおくことにした。
誘われるままに消えるのは、酒場の外、夜の街…。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からプルメリアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にロイナさんが現れました。
■ロイナ > 夜とはいえ人も疎らに歩いている中をスイスイと通り抜けていく。
美味しいものはないかな…と街中に繰り出して、結局何も見つけられずにまだうろうろしていたところ。
性分なのかスパッと諦めることもできない。だらだら、だらだらと。
「……もー。あっちの方は吸取り放題なのになぁ」
精気の方は王都に住んでいれば苦労もなく手に入るのだ。
もう少し娯楽を強めてほしいな…なんて、音楽堂やら劇場やらを差し置いてぶつくさ愚痴る。
■ロイナ > 「ま、いーけどね。どうせこの時間帯だし、たいしたもん置いてないし」
拗ねたような口ぶりでぶぅぶぅ言い始める。
興が削がれた。いっそこのまま、憂さ晴らしという形で女の子でも拾って楽しもうか…と考え始める淫魔。
今しがたスイスイと通り抜けてきた道を、踵を返して逆に歩き始める。
つまりは来た道をそのまま引き返している。