2016/10/19 のログ
■砕華 > 「…………!」
(薬を作る、薬師であるからこそ、その匂いには敏感に反応した。
魚の、香ばしい匂いに紛れて漂ってくるのは、甘い甘い、とても危険な薬の香り。
しなやかに引き締っている、筋肉からあふれ出す、その体液の匂いは、薬師の砕華には、とても敏感に感じ取れた。
とっさに、袖で口と鼻を塞ぎ、それ以上匂いを吸い込まないように。
双でなければ、発情するのはハナビではなく、砕華のほうだ。
ちら、とあたりを真綿スト、既に八百屋の主人は、家で晩酌を楽しんでいた。
周りでも、そんなに人がいるわけでもない、風向きを見ても、こちら側が風下。
媚薬が、誰かに効果を及ぼすわけでは、なかった。)
「…構いませんよ、その代わり……少し、店の中に入っていただけますか?
汗をかいているようですし、少し、湯浴みでもしてはいかがでしょう?
狭いですが、湯船がありますので、其処で汗を流してから、少しだけ…お話をさせてくれませんか?」
(うっすらと、その瞳が開かれた。
あいているのかいないのか、よく分からない瞳の、その奥のブラウン色の瞳。
それを向ければ、サンマが乗っている皿とお箸を、ハナビへと差し出し、ゆっくりと立ち上がる。
肩越しに、ハナビを見やると、少しだけ笑って。)
「本当はもう、店仕舞いなんですけど……ね?
私は砕華(ソイファ)、見ての通り、しがない薬屋の女主人です。」
(にこり、と笑みを浮かべるその仕草。
ハナビに向けられた、その顔は決して、『友好的』とはいえそうもないものだった。
かといって、敵意というわけでもない。
それは、ハナビもよく向けているような表情、『好奇心』であった。)
■ハナビ > 「・・・ん?」
当の本人は自覚があるのかないのか、首をかしげて女性の僅かな反応に疑問符を浮かべた。自制である程度コントロールしてるとはいえ、体臭にまで染み込んだ呪いのような媚薬はそうそう完全に消せるものではない。しかし当の本人には漏れているという自覚が無かった。
それもその筈で、自分の体臭がわかる人などほとんどいないだろう。いくら鼻が利くとはいえ自分の匂いがやや漏れてることまではさすがにわからなかった。
「え、いいの? ・・・うん、ありがとう!」
受け取ればぱぁっと笑みを浮かべてまずはあむっ、っと焼き魚を頬張る。柔らかくなった白身がほぐれてとても香ばしい。もきゅもきゅと頬を膨らませながら幸せそうな笑みを浮かべている。
その笑顔に邪気はなさそうだが、時折漏れる邪悪な魔力が無害を否定するだろう。言うなれば小悪魔やお忍びの魔王、のよう。
「あ、そういえば今日は冒険者のお仕事で荷物運び手伝ったから汗かいたかも・・・うん、それじゃお言葉に甘えておじゃましまーす」
そこで初めて自分の体に汗が滲んでるのを自覚し、あははと苦笑しながらついていくことにした。小さく開かれた瞳を見つめてから、食べ終えたお皿を返却し
「薬屋さんなんだ・・・そういえば昔、路地裏の薬屋さんで間違えて媚薬飲んじゃって酷い目にあったっけ・・・」
遠い目をしながら、この街に来た頃を思い出した。希釈するはずの媚薬を原液で飲んでしまって三日三晩発情が止まらなくなった時期があったようだ。
「ボクはハナビ。見ての通り冒険者だよ。獣人だけど好きにさせてもらってるの。普段は帝国のほうにいるんだけど、久しぶりに戻ってきたんだ」
尻尾を揺らしながらさして警戒もせず、ついていくことにした
ご案内:「王都マグメール 平民地区」から砕華さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からハナビさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にネネさんが現れました。
■ネネ > 跳ねるように歩いて帰る途中
腕に大事に抱えるようにして持ってる荷物、とても軽くて柔らかいもの
街の通りから少しはずれたとこにある公園に寄り道
明かりに照らされてるから夜でも、明るいくらいの公園で
人は誰もいない
木もたくさんあって整備もされてる
ベンチもいくつかあるから
街灯の下で、植え込みの傍にあるベンチに腰掛ける
■ネネ > 街で過ごすようになって…見つけた公園
貴重な自然いっぱいの場所。
木の葉が風に揺れる音がよく聞こえるここは
時々、外に出てきて過ごすお気に入りのとこ
街灯の明かりが、広がる木の葉の繊維を写してる
荷物を抱えながら、頭上の明かりと葉っぱを
ぼんやりと眺めてる
外の大通りより少し入っただけで
音は静かに、目を閉じてると森で過ごしてた時のような錯覚さえしてしまうように
■ネネ > 少しの間、そうして風の流れや
木の葉の音や人の声がない場所で過ごしてたけど
ゆっくり立ち上がれば、柔らかな包を抱えて部屋への帰り道をとる
今度は寄り道もしないで、すぐつくだろう部屋へと
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からネネさんが去りました。