2016/08/23 のログ
リン > 「ふーんなるほどなるほど……
 やっぱり危険なんだ。……むしろよく生きて帰ってこれてるね。
 奴隷都市とか、ノコノコ出向いたらきみのほうが商品にされそうだけど」

運ばれてきた冷たいコーヒーに大量のシロップを注ぎながら、適当に相槌を打つ。
辛辣にも思える感想だが本人としては特に悪口というつもりはない。
素直に思いついたことを口にしているだけである。

「あ、それシェンヤンのなんだ……変わってるとは思ってたけど……
 っとと」

油断してスリットから覗く脚を直視してしまう。
思わず顔をそむけ、コーヒーを呷る。
初心の振る舞いに見えるが、慎重にならなければいけない“体質”が理由としてあるのだった。

パトリック > そりゃあ危険だよー。 危なかったんだよね、奴隷都市ん時もねー。
潜入するのはいいけど、ミレーってバレたら大変なことになりそうだからね。
こう、欺瞞魔法を自分にかけてね、バレないようにしたんだけど…僕は魔術が苦手でね。
ドキドキしながら動きまわったんだけど、緊張したなあ。
(ゆるい感じで相手の言葉に何度もうなずいた。 なにかちくちく言われてる気がするけど、
 あまり気にするものでも無いだろう。 相好を崩したまま答えて。)

そうそう、シェンヤンのやつなんだ!着心地いいしさー、お勧めだよ。
…まあ、スリットがあるから男の人が着るのはちょっと勇気がいるかもね。
(目をそらす相手の態度に小さく笑った。 自分だってこれを気に入って
 着ているけれど、勇気を要するのは間違いないし。)

リン > 「……とか何とか言って、結構楽しんでそうだね」

ひょっとしてその緊張が病みつきになってしまっているのではないか、
そこまでは口に出して言わなかった。
おすすめだよ、と言われれば苦笑いを浮かべる。

「いや、さすがにそこまで大胆にはなれないかな……。
 きみには似合ってるけど……なんというか……誘ってるみたいだし」

目を泳がせて言いづらそうに言った。

パトリック > ふふっ、冒険家みたいでカッコいいでしょ? まあ実際はカッコいいところだけ語ってるんだけどね。
(娼婦になったり、女の子にされたり、おしりを思う存分蹂躙されたり…。いろいろ言えないこともあるのだ。
 苦笑いを浮かべる彼をにこにことみながら、獣耳をぴくぴく動かした。)

ふーん、誘ってるように見えるんだ。 誘ってない…わけじゃないよ。
誰かと会う時に、人は皆ここを見るわけ。 例えば誰かに追い掛け回されたりするときに、
ささっと着替えれば……皆僕の顔を覚えてないんだ。 スリットの深さは覚えててもね。
そういうふうに役に立つ衣装だからね、目を引くようにできてるってわけ。
(なんとなく言いづらそうにしてる相手に楽しげに答える。
 実際問題、人の視線を集中させるにはこの衣装は便利だ。
 若干人の視線を集めすぎてしまうところもあるが。)

リン > 「意外と考えあってのものなんだ。
 人は見かけによらないね」

相手の口にした衣装の理由に、目を丸くして率直な感想を口に出す。
繰り返すが嫌味を言っているつもりはない。

ふいに、ハッとしたように瞠目して。
そっと傍らのバイオリンケースに手を添える。

「……あぁ、ぼく、きみのかっこわるいところも気になるなぁ。
 教えてくれると、何かの着想になるかも……」

もう片方の手の、長い第二指を、自らの薄い唇の前に立てて、目を細める。
バイオリンケースが、揺らされているわけでもないのに微かにカタカタと鳴り始めた。
魔力を帯び始めていることが、わかるかもしれない。

「男にみだらな目で見られるのは好き?」

囁くような声。

パトリック > えへへ、そうでしょそうでしょー。 照れちゃうなー!
(ふにゃふにゃと相好を崩して相手の言葉に答える。
 獣耳が誇らしげにぴくぴく動いた。多分ほめてもらっているんだと思う。)

えー、かっこわるいところー? でもさー、やっぱり恥ずかしいでしょー?
君だってぼくに恥ずかしいところ話してって言われてうなずいたりしづらいじゃない。
(何かの着想になる、という相手の言葉には確かに協力したくなるけれど、
 自分のかっこわるいところって大概淫らなことばかりだ。
 可愛らしくおねだりするような相手の表情に胸がどきりと高鳴った。
 頭のなかに小さな音が響く。バイオリンケースが震えている。
 魔力の流れがあるような気がするけれど、それに気づけるほど聡くも、
 そして落ち着いた状況でもなかった。)

……すき…好き、です…♥
(問いかけには目尻をとろんと下げて、答えをぽろりとこぼしてしまう。
 ぞくぞくと背筋が震えるのは、被虐のためか、相手に従うことを
 喜びとしてしまう自分の浅ましさのせいもしれない。)
 

リン > ケースの上に置かれた手が水を泳ぐ魚のようにくねると、それがかたりと開く。
中では、手も触れてもいないのに弓が踊り、バイオリンを演奏していた。
ケース同様に青い、この世のものではない――さしずめ幽霊の音楽を奏でるその楽器が、
恐ろしい魔具であることを、あるいは知っているかもしれない。

「わぁ。随分と利きが早い……魔気に中てられたかな。
 ここじゃあなんだし、場所を移そうか」

藍色の瞳が、珍しい虫でも観察するように細められる。
二人分の勘定を済ませ、席を立つ。
もはやパトリックの身体は、促されるままに歩くこと以外に命令を受け付けない。
まるで糸繰り人形だ。

「さて、恥ずかしいところ……の前に、きみの名前を教えてくれる?
 ついでに年齢と、本当の身分も」

密やかに紗がこすれ合うような音の声。
これはこの少年のほんのついでの興味からの質問だったので、
精神が克てば答えないこともできるだろう。

どうあれ、二人の脚はカフェ近くの路地へと向かう。
青いバイオリンは、演奏を続けながら海月のように浮いて二人に追随する。
奏者の少年は、常にパトリックからある程度の距離を保ったままだ。

パトリック > あ、あ…♥ っは、はいっ…♥
(小さな音ともにケースが開き、中にあるバイオリンがひとりでに
 音を奏でているのが見える。 少なくてもまともな代物ではない。
 何か魔術的な付与が施されているのだと考えはするけれど、
 バイオリンの音色が聞こえるたびに頭の中が蕩けていくかのよう。
 とろんと夢でも見ているかのような表情で、のろのろと相手についていくしかできない。)

名前…名前は、パトリック・ティアニーです。22歳で…
マーグメルの第九軍の偵察をやって、ます……。
(相手の問いかけに答えてしまうのは、彼の持つバイオリンに支配されているからだ。
 なんとかしなければと思うものの、どうにも自由にならない。
 身体は勝手に彼の後を追従し、路地へと向かった。)

リン > 「安心して。ぼくは善良な一般人だし……
 命を取るような真似をしないから」

少なくとも、危険な地へ何度も赴いて命を落としていない理由はわかった。
こんな面白い玩具は、殺す以外にもいくらでも遊び方があるのだ。

「へえ。パトリック。……パティ。
 軍の人だったんだ。それに印象より年齢があるなぁ。同じぐらいかと思った。
 簡単にそんなこと口にしちゃって……もう、それだけで恥ずかしいね」

くすくすと笑う。自分の名前を教えようとはしない。
コーヒーの底に固まったシロップのような声がパトリックを責め立てる。
そうして二人とバイオリンが人の目のない路地へと入る。
パトリックは壁際へと立たされ、少年は数歩の距離で向き合う。
徹底して直接触れようとする様子はなかった。

「それじゃあさ……
 自分でシてみよっか、パティくん」

口端を歪めて、眼前での自慰を要求する。
腕を掲げると、それに指揮されるように音階が変わり……
パトリックの内なる衝動をじわじわと昂ぶらせていく。
彼の秘された欲求を、暴かんと言うように。

パトリック > は、はいぃ…ありがとう、ございますっ…
(表情が蕩ける。死なずに住んだ事と言うよりも、相手が
 自分より完全に上の立場なのだいうことがわかった時の喜び。
 ”パティ”と呼ばれるだけで身体がぶるりと震え、甘い声が漏れる。
 彼の言葉ガ自分を苛み、その傷は快楽に転化されて自分を揺さぶった。)

は、はいっ…パティ、は、よく言われますっ…子供っぽいとか、
男らしくないとかって…っふ、んぁ…はい、とっても、恥ずかしい、です……
(可愛らしいアダ名で呼ばれるたびに、胸の奥が切なくなる。
 いつしか頬は朱に染まり、表情は被虐の快楽に染まりきっていて。)

じぶんで、ですか…? あ、うぁ…♥ っはーっ、はひっ、
わかりましたぁっ、えっち、ひとりでしますっ、ひとりで…♥
(バイオリンの音色が変わったとたん、自分のお腹の奥が熱くなる。
 どきどきと脈打つ疼きが、自分に残されていた本能を削りとっていった。)

んむっ…んっふ…っはっ、はぁっ……♥それじゃあ、自分で…
じぶんでひとりえっち、始めます……
(目の前の”主”に宣言してから、自分の指にたっぷりと唾液をまぶす。
片手を路地の壁について腰を突き出し、もう片方の手をお尻にやって。)

んんんっ…♥ う、うんふぅっ…っふ、ぁぁぁ……っ♥
(2本の指が、すっかり縦に割れて女の子の穴のようになってしまったおしりに
 苦もなく入り込む。 指を肉壁を刺激するように動かすたびに腰が跳ね、
 蕩けきった甘い声を上げて。)

リン > 「はしたないなぁ……。
 そりゃあしろって言ったけど、そこまでやれなんて言ってないよ。まるっきり牝だね。
 やっぱり誰かに仕込まれたりしてたんだ?」

穢らわしい物に直面したかのように、口元を覆う。
想像以上に淫乱だったが、こっちが中てられてはいけない。
冷えきった炎を胸のうちに遊ばせながら、
パトリックがその身体でみだらな音楽を奏で始めるのを、
位置を変えてさまざまな角度で観察する。

「ふうん……恥ずかしいんだ。
 じゃあ、その溜まってるザーメンを吐き出したら、
 パティってあだ名が似合うちっちゃい子供になっちゃう、っていうのはどうかな?」

《アクリス》の支配が十全に効いている今なら、肉体すら作り変えてしまえるだろう。
もっとも、実際にどうなるかはパトリックの精神力と意思次第である。

自らの革靴を脱ぐと、それを手に持って
パトリックの尻を叩き、さらに焼き印でも入れるかのようにぐりぐりと押し付ける。
弓の動きはますます情熱的になっていた。

「ぼくの名前はリンっていうんだ。
 イく時に、ちゃんと呼んでね」

パトリック > んふっ、ふうっ……♥ は、はぁいっ…牝、です…♥
いろんな人に、おしりえっち、してもらってっ、それ以来もう、
こうしておしりでえっちするのが一番っ、気持よくて……!
(冷たい言葉にぞくぞくと身体を震わせながらも甘い声をあげる。
 相手の視線が自分の身体を撫で回す感覚に打ち震え、
 とろんと表情を蕩けさせた。)

ちっちゃな子供、に……?やだっ、やだやだぁっ…♥
子供にされちゃったら、お仕事出来なくなるのにっ、っひ、あぁっ…♥
(頑張って抵抗するも、音色と魔力が自分を支配する。
 自らを慰める動きは強くなり、張り詰めた肉槍はとろとろと先走りを床に垂らして。)

り、リンさまぁっ♥ そんなふうにっ、っひうぅっ♥ っはーっ、ふぁ…
んぁぁっ、も、もうぼくっ、だめ、だめですっ、リンさま…いくっ、いっちゃうぅっ♥
(革靴でおしりを叩かれ押し付けられるたびに蕩けきった声が漏れ、
 腰が何度も震える。ぱんぱんに張り詰めた肉槍をぶらつかせながら、
 教えこまれた事に従順に従う。最早魔力でそうさせられているのか、
 自ら望んでそうしているのかわからないくらいに快楽で頭の中は埋め尽くされて。)

リン > 「いいじゃない、仕事なんかできなくたってさ……。
 ミレーだし、奴隷として飼われるのが似合ってるよ、パティは。
 パティがちっちゃな子供になったら、きっとかわいいし、高く買ってもらえるだろうなぁ」

陶然とした口調で言っている間にも、パトリックの口調は駄々をこねる子供のようになっている。
魔力や発情に精神が先に蝕まれたのだろうか。

「靴で嬉しくなっちゃうんだ。本当見境ないな」

リンの声は残忍な喜びに満ちて、しかし冷たい。
股の間で無様に揺れる猛る肉棒は、まるで熟れきった果実だ。
靴の踵がひときわ強く押し付けられ、呪われし楽器が変調を奏でると、
見えない拳がパトリックの下腹部の中心の
性感帯をきつく握りしめるような感覚を与える。
精液を一滴たりとも残さないと言うように……

そうやって白濁を吐く律動ごとに、パトリックは言葉通り子供になっていく。
どこまで幼くなってしまうかは、奏者でさえ知らないことだ。

パトリック > どれー…やめっ、やめてくださいっ…♥
やだぁ…どれーやだぁぁっ♥ リンさまっ、おねがいします、
どれーなんかにしないでっふ、ぁ、あぁぁっ♥
(強烈な快楽が自分の頭のなかを染め上げる。
 奴隷にされてしまうかもしれない、そんな恐ろしいことを
 言われているのに、口にするのがリンだというだけで快楽になり、
 自然と媚びるような、甘えるような声を上げて。)

ごめんなさいっ、リンさまぁ…みさかいなくてっ、ごめんなさいっ♥
あ、あぁ…ッ、いくっ、いっちゃ、う―――♥
(冷たい言葉で切りつけられるのが止めとなって、身体をぎゅっと固くする。
 その途端、限界まで張り詰めていた肉槍から、濁った水音とともに
 白濁が溢れた。 それは一回で収まる事無く、二度、三度と続き、
 繰り返されるたびに上げる嬌声が甘く、幼くなっていく。
 十数回の射精を終え、一滴も出ないとばかりに肉槍が力を失った頃には、すっかりその肉体は変容していた。
 オスとしての成分を全て吐き出してしまったからか、その容姿は股間を除けばまるで少女のようである。
 地面につきそうなくらいの長い髪、そして大きな瞳…華奢な身体だけ見れば、まだ年齢は
 十にも達していないように見えるだろう。)

あ、ふ、ぁ……ぁ…♥
(壁にもたれかかるようにして荒い呼吸を繰り返す。
 幼くも甘く、人に媚びるような色を含んだ声が漏れた。)

リン > 激しく何度も繰り返される吐精によって、濃い性臭が路地に立ち込める。
パトリックの退行は終わり、同程度だった体格は今や見下される小ささとなる。
これが魔具の力だというのか、パトリックの変容した姿は、
どこか親しみを覚える以前の印象とは違い、幼くも妖艶な、魔性の魅力を湛えるものとなっていた。
これを手放したくない――リンは息を呑んで胸元を抑えるが、それも一瞬のこと。
自らの持つ“呪い”を忘れたわけではなかった。

いつのまに用意していたのか、首輪を投げ渡す。今のパトリックにちょうど合ったサイズだ。

「さあ、行こうか」

微笑んで、それを嵌めることを促す。首輪から伸びた鎖は、藍色の少年の手にある。
ひどい扱いを受けるミレー族の奴隷など珍しくはないし、今のパトリックを識別できるものもいない。
このまま表に出ても、咎められることはないだろう。

《アクリス》は演奏を終え、パトリックに働いていた強制力も失われつつあった。
――故に従わないという選択肢も、あるかもしれなかった。

パトリック > (憂いと快楽に潤んだ瞳で目の前の相手を見やる。
 すでに自分よりもずっと大きくなっている彼は、圧倒的な存在に見えた。
 ぽんと相手が何かを投げる。反射的にそれを受け取った。)

これ…
(首輪だ。 心臓が早鐘を打つ。視界がぐるぐると回る。
 目の前の首輪が、早く元にもどれと自分に言い聞かせているかのようだ。
 人間の振りなど今すぐやめて、人に傅き、人に媚び、人に奉仕する存在に”戻れ”と。
 ダメだとわかっているのに、震える手が勝手に動く。 革製のそれが首にするりと巻き付く。
 最後に留め金を取り付ける。かちんという小さな音が響いて、身体が震えた。)

……おまたせ、致しました……。
(まるで千回も繰り返したかのような慣れた動きで、鎖の持ち主に頭を垂れる。
 先ほどまであった快活さは最早無く、そこにあるのは憂いと被虐の快楽に染まりきった、一匹の小さな獣…。
 人に支配されることを無上の快楽として魂に刻みつけられた、ミレー属の奴隷であった。)

リン > 「…………」

完全なる主人が奴隷を魅了するように、
完全なる奴隷もまた主人を魅了する。
先ほど萌芽した、他の誰のものにもしたくないという考えが
リンの中でどんどん膨れ上がっていく。
魔具に倫理を喰われているとはいえ、彼はまだ人の心の持ち主だった。
――が、それをつとめて意識の外に追いやった。これもまた、慣れた話だ。

「いい子だ。パティ。
 この世で一番かわいいよ」

頭を撫でることすらしない。
バイオリンをケースに収めて肩に提げ、鎖を引き、路地を出る。
パティの小さな歩幅に合わせようとはしない。
行き先はまだ決めていなかった。

パトリック > ありがとうございます、リンさま。 わたし、リンさまに褒めて頂けて、とっても幸せです…。
(優しい相手の言葉に目を細め、再び頭を垂れる。 鎖に引っ張られるようにして小走りで主についていく様は、
 まさしく子犬かなにかのよう。 主の少し後ろを歩きながら、どこか安堵したような、幸せな表情を浮かべていた。)

ご案内:「王都マグメール 平民地区 カフェ」からリンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 カフェ」からパトリックさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にイグナスさんが現れました。
イグナス > 「ああ、やれやれ。」

つい、ため息が出た。
こんなにも空は明るくて、心地のよい模様なのに。
なんだって己は、こんな路地裏の隅っこでちんぴらを殴り倒しているんだろうか。
――そういえば昨晩もそうだったし、そもそも、昨晩酒場で大暴れしたのが原因で、こうして因縁つけられてんだけども。

「だからッてお前なー、こんなところでよう、襲ってくるか普通、おい。こら。」

げしげし。襲ってきて、そして倒されて転がってるちんぴらたちのうちの一人を足蹴にする。
昨晩も同じようなことをしていた気がするぞ。
よいしょ、とうめいて、転がってる一人の上に座った。
下からカエルの潰れたような声が聞こえたけども、気にしないこととしよう。
空をふたたびあおぐ。お昼時、ちょうど、お天道様は天の上だ。

「ああ、…腹減った…。」

眺めながらひとり、ぼやく。

イグナス > …こんなとこでぼんやりしてて、おなかが膨れるわけでもない。

「しょうがねエなあ。」

動くのは億劫だけど、食べねば死んでしまうし。男はやれやれと息を吐いて立ち上がる。
そのまま、男たちをおいて路地裏から広場のほうへ――

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からイグナスさんが去りました。