2016/06/09 のログ
■テイア > 「なるほどな。自分が恙無く生活できていると知らせるには、その名声を轟かせるしかないわけ、か。」
巣立つ分、より深い愛情をたくさん受けて彼らの一族の子は育つのだろう。
そして、巣立ったあと己の存在を一族に伝えるのは響かせたその名声。
鳴かず飛ばずでは、彼らの一族にとって死んだも同然となってしまうのだろう。
「流石にな…。」
小瓶の中身について、男が予想した通りになった。
言葉に苦笑しながら頷いて。
「本当に元気だ…。小麦色の綺麗な肌をしている。髪も、そなたに似ているな…。」
生まれた赤子に対して、蕩けた笑みを向ける父親の姿を目にいれて涙を滲ませながら、その目を細めた。
部屋に響き渡るほどの産声を上げながら、生まれいでたのは女の子。赤の産毛と小麦色の健康そうな肌。
母親とのつながりを絶たれ、その残滓を臍からぶらさげる我が子を抱く。
ずっしりと重い、命の重みを噛み締めて頬を寄せる。
しばし、そうやって我が子を愛でていれば次の陣痛の周期がやってくるか。
そっと赤子を父親の手へと返して、もうひとりの命を産み落とすための準備に入る。
「…んっ…くぅっ…」
麻布をつかみ直して、子宮の収縮に合わせて息む。
子宮口を頭が通り抜け、また再びその白い頭が膣口から覗いてくるか。
時間をかけて、何度か息み。そしてふたり目の命がこの世へと生まれでてくるか。
■イーヴィア > 鍛冶屋として生きて行く為にゃ、退路を立つって訳さ、だから、故郷を出る時は可也の長旅になる。
俺だって此処に辿り着くまでは、1年以上掛かってるからな…。
(決して、家族との繋がりが乏しい訳ではない。
己のこの身体には、間違いなく彼らと同じ血が流れて居るのだから
だから、家族の大切さは、誰よりも良く判っている心算だと、そう呟いて。)
―――……俺に似た女の子だと…、……クク、御転婆な未来が見える気がするなァ…?
つーか…多分、おまえの事よく蹴っ飛ばしてたのは、この子だな。
(じたばたじたばた、脚を暴れさせる、まだ、産まれたばかりの赤子の姿。
けれど、確かに、己と、この女の血を受け継ぐ子なのだと判る、感じられる。
娘を抱く女を、今度は己がそっと腕回し抱き締めては、一緒に頬寄せ、我が子を見守ろう。
そして、程なくして始まる再びの陣痛に、娘を預かり、赤子用の寝台へ寝かせては
再び、女が産み落とす新たな命を、其の掌へ受け止めようか
膣孔から此の世へと産まれ出でる――息子の、存在
娘とは違い、白い素肌らしき其の体躯は、きっと女の遺伝子を色濃く受け継いだのだろう
もう少しだ、と、最後だ、と、息む女へ、励ます声音を掛け続けては
――再び、女の視界に。 抱え上げられる、二人目の命
先に産まれた娘に比べて控えめながら、安心出来るほどに産声を響かせるなら
また、へその緒をクリップで括り、はさみで、女との繋がりを断ち切ってやり)
……、…テイア。 ……二人とも、無事に産まれたぜ。 ……良く、頑張ったな…。
(程なくして、また、タオルに包まれた男の子が、女の胸元へと運ばれる
其の腕に、抱かせる我が子の姿。 其の愛らしさに、どうしても、胸の内に湧き上がる歓喜を抑えられはしない
思わず、女へと、静かに囁き掛ける、か。 ――ありがとう、と。)
■テイア > 「中々に厳しいものだな…。また、少しずつそなたの話を聞かせてくれ。」
彼の故郷は、ここから随分と離れた地にあるとのこと。
此処まで来るまでにどんなことがあったのか、此処にきてから如何なることがあったのか。
少しずつでいい、男のことを知りたいと。
呟きにはしっかりと頷いて。
「ああ、おそらくはそうだろうな。生まれたばかりだと言うのに、本当に元気な子だ…。」
腕に抱いている間も、少しもじっとはしておらず元気に暴れている女の子。
腹をよく蹴飛ばしていたのはこの子だろうとの言葉には、否定のしようがなく可笑しそうに笑い。
娘ごと、男の腕に抱きしめられて頬を寄せ合い。
そして始まった陣痛。
膣口から頭が覗き、励ます男の声に最後の息みをかければずるりとふたり目がこの世に生まれ落ちた。
響く産声は、先ほどの娘のものに比べれば小さく聞こえるがこちらが普通の産声なのだろう。
抱え上げられ、視界に入る白い肌。赤い産毛と違い、その子の産毛は殆ど見えなかったがおそらくは銀髪だろう。
同じようにへその緒をぶら下げた男児が、胸へと抱かれる。
「ああ…よかった…。二人共、なんて可愛らしい…。イーヴィア、そなたのおかげだ。ありがとう…」
女の子の時ほど、その子は暴れるでもなく大人しくその腕に抱かれている。
二つの産声が部屋に響いて、嬉しそうに涙を零しながら頬を寄せ。
囁きかける男を引き寄せて、その頬に口づけをしながら女からも礼を述べる。
自分の子が、こんなにも愛おしいとは思わなかったと。
出産を手伝ってくれた事ももちろんのこと、この二つの命を贈ってくれた男へと伝えきれないほどの感謝を。
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■イーヴィア > 勿論、っても、国の英雄さんに比べりゃ小さな冒険だがね。
寧ろ、俺も色々聞きたいよ、本人が語る、歴史の逸話って奴をなァ?
(騎士としての経験や見聞、と言う一点において、彼女に勝る者は居ないだろう
己よりも余程世界を、国を見て来ただろう彼女の話こそ、己には財宝の様な物だ
代わりに聞かせてくれよ、と。 己もまた、女の事を知りたいと告げて笑っては
其の掌に、腕に抱く新しい命を、女の下へと)
……完全に、御前似だな…? ……見ろよ、とんがった可愛い耳してるぜ…。
……感謝するなら、寧ろ俺の方だっての。 お疲れさん、良く頑張ったな、テイア…。
(褐色肌の己とは異なる、其の白い肌は。 きっと、女の血を濃く受け継いでいるが故なのだろう。
エルフとしての特徴を濃く残し、其の代表とも言えるとんがり耳に気付けば、くつくつと笑って伝えるか
女の体力と普段の鍛錬からか、この双子を産み落とすにしては、きっと酷く安産だったのではないかと思う
とは言え、まだまだ、これで終わりと言う訳ではない。 女の膣孔から下がっている臍の緒を、二本纏めて紐で縛れば
中へと引き込まれない様に、小さな重しを括り付けて置き。 其れから、テーブルの上、紙へと滑らせるのは連絡の伝え
其れを、一度部屋を出た先、廊下の奥で飼っている伝書鳩に括り付けては、女の屋敷へと向けて放つ、か。
流石にこの後は、素直にシルキーの力を借りるべきだろう。 鳩が到着して、シルキーが気付いて
此処に到着するまでは、まだ時間は掛かる――と、思うけれど、果たして。)
――――……まだ、暫く休んでな。 後産があるし、暫くは腰が立たないだろうし。
……其の子も、一旦預かる。 身体だけ拭いてやってから、また抱かせてやるから。
(生まれたばかりの子は、けれど、其の身体にさほど汚れも見当たらぬ。
恐らくは、女の側に殆ど出血が無かったからだろう
だから、せめて其れまで包まれていた羊水を拭き取るべく囁いては、傍の湯桶に布を浸して
ぎゅう、と絞り)
■テイア > 「楽しみにしている。…ああ、私の話でよければいくらでも。あまり話すのは上手くはないがな。」
とはいえ、騎士としてずっと国に仕えてきたから見ていたのはほとんどが国の内側のこと。
それでもよければ、と女も笑みを浮かべて快諾したか。
「いや、どうだろう。顔立ちはなんとなくそなたに似ている気がするぞ?しかし、赤子といえどやはり重いな。…本当に、ありがとう、イーヴィア…。」
生まれたばかりで顔立ちはまだはっきりとは分からないが、どことなく柔らかな顔つきをしている気がする。と男の方に男児の顔を向けてやり。
おそらくは、二人共その重みは通常の生まれたての赤子よりもずっしりとしているのだろう。
後産の準備や、シルキーへの連絡をてきぱきと行ってくれるのに礼を言う。
本当に、手馴れていると少々驚いたりもしつつ。
「ああ、よろしく頼む。…姉さんと一緒に綺麗にしてもらおうな。」
ふやふや、と泣き声をあげる息子に優しげに声を掛けてそっとその体を男へと託す。
弟の方は泣きながらも、大人しく体を清められていくのだろうが問題は姉の方。
暴れて湯おけに落ちそうになったりして男の手を焼かせるか。
■イーヴィア > 話術なんて求めてないさ、御前が見て来た真実ってのが語られるだけで、充分過ぎるよ。
(それで構わない。 其の二つの瞳が見て来た事ならば、十分だ、と。
己に向けられた男の子の顔、覗き込みながら、小さく笑っては
其のほっぺたを、軽く擽る様にして指先で触れて、其れから其の身体を受け取ろう
広い寝台の上に、姉弟を並べて寝かせては、お湯で濡らしたタオルにて、赤子の身体を拭いて行く
大人しい弟は、何の手間も取らせずに清める事叶ったけれど
もう、産まれる前から御転婆だとか確信していた姉の方は、案の定、暴れる、暴れる
一瞬、寝台の上で暴れて寝返りみたいになっては、湯桶に落ちそうになり
慌てて其の寸前で阻止したけれど、恐らく、今宵一番冷や汗を掻いた瞬間だろう
ふぅぅ、と安堵の吐息を零しては、今度は落ちぬ様な位置で、手間取りながらも身体を清め終え。)
――二人分の重みさ。 ……つーか、今の今まで此れを胎に抱えてたんだ、そりゃ疲れるさ。
もう直ぐシルキーが来る。 何人来るかは判らんけど…まぁ、到着したら、俺は説教されるだろうから。
其の間に、この後の事とか、色々準備とか、教えて貰ったりすると良い。
(両腕に、赤子二人を抱えて、再び女の元へと戻れば。
其の両腕に、其の小さくも確かな重みを、抱かせてやろう。
先刻よりも綺麗になった顔は、けれど、今は元気な泣き顔でしわくちゃ
けれど其れこそが、赤子の証でも在るから、己は覗き込む形で、親子三人の姿を眺め
そして、女の頭を軽く抱え込み――そっと、口付けを、重ねよう、か)
■テイア > 「ふふ、そう言ってもらえると気負わず話すことができるかな。――っ…ははっ、本当に元気すぎるな。生まれたばかりだというのに。」
姉弟が寝台の上に並べて寝かされる。
姉のほうは、常に手足をばたつかせながら大きな声で泣き、弟の方は、大人しく横たわりながら泣いている。こう見るだけでも対照的だった。
手のかからなかった弟の方は、手早く清められるが姉の方。
まだ寝返りなどできるはずもないのに、暴れてころりと湯おけに落ちそうになったときは、思わず女も寝台の上を動こうとしたか。
その寸前で、男の掌が娘を受け止めて阻止したのに女も安堵の息を吐き出し。そして可笑しそうに笑い。
「そうだな。大切な重みだ。腹に抱えている時は、体全体で重みを支えていたからな…それはそれで楽だったんだと今は思う。…ふふ、説教をされるなら私も同じだろう。」
両腕に赤子を抱きなおす。改めて感じる重みに目を細めて、順番に頬を摺り寄せ。
体の中心に抱え込んでいたのと、今こうやって腕だけで抱いてみるのとでは重さの感じ方も違うと笑い。
「生まれたては猿のようだとは聞いていたが、本当にしわくちゃだな。…ん…」
己が見てきた赤子は、どれも生まれてから日が経っている子達ばかりだったから生まれたての子を見るのは初めてだった。
しわくちゃの顔がとても愛おしい。
そっと重ね合わさる唇に軽く瞳を閉じて。とても穏やかで幸福そうな表情をして。
――と、そんな風に触れ合っていればコツコツと窓のガラスを叩く音が聞こえたか。
外には鷹が一匹。その足には男の掌ほどもある大きめの鍵が括りつけられており。
シルキーから、彼女たちは家に付く妖精のため一度付いた家からは、見限ることがない限り遠く、長くは離れられない旨の手紙がついていたか。
鍵を扉に挿して、回してから開けるようにとも鍵について指示があり。
鍵を扉に挿して回せば、開いた扉の先にシルキーが立っていたか。
どうやら、屋敷との扉と空間が繋がっているようで。
■イーヴィア > 俺と話すのに、今更何を気負うんだっつー話さ。 ……はぁ…コイツはアレだ、先が思いやられるぞー。
(――とは、言いつつも。 表情は嬉しそうに笑っているのだから、あくまで言葉だけ
動こうと身を乗り出しかけていた女に、大丈夫だと制止を掛けては、口付けを重ね、暫し
ふと、程なくして窓を叩く音に、一寸瞳を瞬かせる。 振り返れば、窓の外には鷹。
――少しだけ、遣いの鳩が食われていやしないかとか、そんな事が過ぎったりもしたが
窓を開ける前に、一度廊下を覗き込み、戻ってきた鳩が餌を突いているのを確かめて安心してから
鷹を、部屋の中へと招きいれよう)
――…鍵? ……あー…なるほど、そう言う事か。 ……いや、良く判らんが、こう言う事か?
(括り付けられていた手紙を読めば、彼女が此処に居ない理由に納得を
けれど、もうひとつの方の鍵への指示には、一寸疑問符を浮かべたか
ともあれ、何か意味は在るのだろうと、部屋の扉の内側から、鍵穴に鍵を挿し
鍵を回して、指示のままに扉を開いて――)
―――――………そう言う事か。 あ、いや、うん、正直悪かったとは思ってる。
(扉の向こう側、どーん、と待ち構えていたシルキーの姿に、一寸呆気に取られた。
今しがた開けた扉が、女の屋敷へ繋がっているのだと理解するまでに、少々時間を要しつつ
ともあれ、じーっと此方を見ている妖精と、一寸黙して向き合っては――胸を張って、堂々と、謝罪した
悪かったと思っているのは本当だが、男、全く反省していない。
ともあれ、道を開けて、シルキーを部屋の中へと招き
或いは、女を屋敷の方へ連れて来いと言う意味ならば
大きな柔らかいローブを羽織らせ、両腕に抱えて運ぶ事になるだろう)。
■テイア > 「いや、下手をすると何十年単位で話が前後してしまってな…。…本当に、元気でなによりだ…。」
思い出しながら話をすると、時系列がばらばらになってしまうんだと苦笑して。
鳩では鍵が重すぎて飛べないという気遣いから、体も大きく飛ぶ力を持っている鷹を使いとして使ったのだろう。
鷹は、鍵と手紙を外されるとまた窓から大空へと飛び立っていったか。
「ああ…そういえば、割とよくほかの屋敷のシルキーがいたりするのはこの鍵を使っているのかな…。」
男からシルキーの手紙を受け取って、中身を読めば思い当たる節があったのかそんなことを呟いて。
指示通りに鍵を使って扉を開いた男。
その先は見えなかったが、おそらくはシルキーがたっていたのだろう事は容易に想像が出来て。
二人共黙したまま対峙すること、一分弱。
緊張が走る。
堂々とした謝罪が行われると、はぁっとシルキーはため息をついて部屋へと入ったか。
そして扉を一度閉めると、鍵を再び回し開ける。
その先には別のシルキーが全く同じ様子で立っており、同じように入っては、また鍵を回して扉を開ける。
マトリョーシルキー。
合計で、三人のシルキーがで揃い一人は後産に、一人は女児に、一人は男児の世話へと動いていったか。
鍵で繋いだことで、ひとつの『家』として認識されたという説明がなされる。
産後の療養をどうしたいか、というシルキーからの問いかけに男の方をみやって、どうする?と女は問いかけて。
■イーヴィア > ……其れは其れで面白そうだから、良いと思うけどなァ?
ちょっとした事でも、俺に取ったら得がたい知識で、話のタネさ。
(無論、オフレコにして置いた方が良さそうな事はあるだろうから、そう言う事は門外不出にする予定
空へと飛び立つ鷹を見ては、流石に鳩とは比べ物に為らない力強さに、スゲーな、と暫し見送り
其れから、もう、程なくして増えて行くシルキーの、何か、こう、上手く言葉にならない
シルキーがシルキーを呼ぶ其の様を、物凄く茶化してやりたい衝動に駆られたけれど
先刻怒られそうに為ったばかりなので、そこは、ぐっと堪えた。 ずるい。
女からは、物凄く何か言いたそうにうずうずしている様子が見て取れたやも知れない。)
―――テイア、見ろよ。 此れが本当に慣れてるって奴だぜ。
(計3人のシルキー、一堂に会する。
実は、恐ろしく珍しい光景を見ているんじゃないかと思わなくも無いが
ともあれ、早速てきぱきと状況を把握し、そして始まる丸で無駄の無い準備に処理に
寝台に横たわる女へと、流石にこれには適わない、と諸手を挙げて見せるか
とは言え己が家の中、必要な物や間取りに関して質問が飛べば
何処にあるだとか、或いは自ら運んで来たりだとか、動くだろう)
―――……流石に、暫くは屋敷に居た方が良いんじゃないか?
俺も店が在るし、子供の世話に関しても、森の中が一番良い環境だろうしなァ。
(我儘は、もう、適えさせて貰った。 此処から先の事は、己の我儘よりも
女と子供達にとって一番良い方法を選択すべきだと思うが故に。
まぁ、一番の理由としては、この扉が所謂屋敷直通の入り口に為るんだったら
己も気軽に逢いに行けるだろうと言う、そんな考えも在っての事だけれど)
■テイア > 「まあ、実際に話を聞いてみれば分かる。聞いているうちにどれがどの話だったか分からなくなるからな。」
もちろん、最近のことであればちゃんと順序建てて話をすることはできるのだが、如何せん年月が長すぎる。
それでも、面白そうだと言ってくれるのは悪い気はしなくて、乞われれば思い出しながら話をするのだろう。
ものすごく何かを言いたそうな様子が見て取れる。
その視線の先にあるのは、マトリョーシルキー。
大体言いたいことの予測がついて、小さく吹き出し。
「いや、そなたの手際も十分に慣れていたと思うが…もう彼女たちのは次元が違うな…。」
泣いていた双子がぴたりと泣き止み、シルキーにあやされて眠りに落ちる。
後産の方も、滞りなく行われ体を清められながら諸手を上げる男へと、女自身も、改めて彼女たちの能力の高さに驚かされていて。
けれど、腹部の紅い痕を清めていたシルキーに見られて赤くなりながら、やや視線を逸らし。
「森、となると城の方か。…準備は…ああ、うん。愚問だったな。」
男の言葉に頷いて、今まで過ごしていた王都の屋敷ではなくルミナスの森の方の邸宅の準備を確認…するまでもなかった。
当然です、といわんばかりの森の城を管理するシルキーが胸を張る。
そして、扉に刺さったままになっていた鍵を男へと手渡していくか。
ほかの場所では使わないこと、落とさないこと、など注意事項と使い方を説明しつつ。
■イーヴィア > 其のうち、話聞いてる間に年表でも作り出す事に為るかもなァ?
いっそ、覚えてる事を纏めて本にでもしてみれば良い。 発禁本に為らない程度にだけど。
(まぁ、たとえば女の家の中、書庫の中にこっそり留めて置く位のモノなら、大丈夫だとも思うが
其れこそ存外面白そうだと、発案するだけは自由だとばかりに好きに告げてみるだろう
其の内に、己が見せの中やら、部屋の中やらの事を大よそ把握したらしいシルキーたちが
己の指示無くても、もう勝手知ったる感じで自由に動き回るから
己は椅子へと腰掛け、女の隣で片腕だけを伸ばして、女の掌を握り締めていようか)
――まぁ、専売特許だからな、完全に。 寧ろうちの店にも居て欲しい位だわ、看板娘的に。
(女店員も居るには居る、が、盗賊上がりだったりする為、割と男勝りなのばかり
恐ろしい勢いで店の中が片付きそうだと笑うけれど、まぁ、流石に本気で頼む心算はない
其れよりも、寧ろ今まで通り女の世話に尽力してくれた方が己としても安心出来る故に
――何時の間にか、すやすやと眠った赤子たちに気付いて、若干驚愕しつつも
兎も角、女が暫く、森で過ごす事を推しては、多分、どの屋敷で療養することになっても良い様に
三者三様で準備して居ただろうシルキー達へ、ひとりひとりに、宜しく頼む、と
其れは、緩んだままの表情では無く、あくまで真剣に、頼む事だろう
もし、女へと逢いに扉を開けるだけのショートカットが許されるのなら
正直、今まで手に入れたどんな財宝よりも実用性で勝る物は無い。
悪用されない為に、だろう。 注意事項を説明されれば、判ったと頷いて、受け取るか)
■テイア > 「日記なら一応つけてはいるがな…もうえらい数になってしまって最初の頃のは掘り出すのも一苦労だ。…本ねぇ…文才はないから難しいかもしれないな。」
日記を保管している場所の事を思い出して、その量の多さに困ったように眉根を寄せて。本を出せばいいと気軽に言われるが、まとめられる自信がないな、と苦笑して。
彼女たちの領域となった部屋。その把握もすぐに終わるか。
それぞれが、男の指示なしで動き始めれば男が傍へと戻ってくる。
掌を握る体温に、ふっと表情を和らげて男を見上げ。
「店まで彼女たちの領域になったら、楽な反面大変な部分もあるとは思うがな。領域侵犯でもしようものなら追い出されてしまう。」
おそらくは冗談だろうとは思うが、一応は忠告を。
それだけ彼女たちには気難しい面もある。いろんな人が出入りする店などには彼女たちは不向きだろう。
男なら十分に彼女たちの特性は理解しているだろうが。
シルキーたちも、真摯に頼む男に対してひとりひとり、承りましたと丁寧に頭を下げていくか。
屋敷同士を繋げて、ひとつの『家』としてしまうシルキー達の秘宝ともいえるマジックアイテムを渡すのは、女が番として選んだ男に対する信頼のようなものの現れであったか。
女は、寝入った双子を優しく撫でながらその様を微笑ましく見守り。