2016/03/13 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にリーユエさんが現れました。
リーユエ > 大きな鞄を両手で持ち、一人の少女が平民地区にある宿の一つの前に立っていた。
この王都マグ・メールに到着したのは今朝方で、この王都の街並みを散策しながら見て回る。
お昼は小さな食堂を見付けてそこで済ませる。
それからまた散策を再開して、今日の宿泊にとこの場所へとやってきた。
これだけ歩いたのに、まだ平民地区の見てない所は沢山ありそう。
暫くは、こうして見て回るだけになるかもしれない。

鞄を地面に置いてから、なるべく音を立てないようにそっと扉を開き、鞄を持ち直して入る。
目に映る光景は、結構な人達が飲み食いしている酒場だった。
奥に見えるカウンターで忙しそうにしているのが店主の方なんだろう。
また鞄を置いて、扉を閉じて、鞄を持つ。
そんな動作を繰り返してから、やっとカウンターの席へと辿り着けた。

リーユエ > 丁度お腹も少し空いてきたところだからと、店主の方に近いカウンターの席へ。
足元に鞄を置くと、椅子を少し引いて、ちょこんと座り込む。
こういった椅子というのは、身丈の低い者向けとは少々言い難い。
だからといって、合わせた椅子を欲しいとも言えないからちょっと困る。
椅子に座った処で手が空いたのか、店主の方がこちらへと視線を向けた。
注文を聞こうというのだろう、そんな感じなんだけど、まだ注文は決めてもいない。

申し訳無さそうに、ペコリと頭を軽く下げる。
視線をカウンターテーブルへと向けて、メニューを探すのだけど…それはすぐ目の前にあった。
メニューを手に取れば、広げて注文を何にしようか決め始めた。

リーユエ > 見知った料理もあれば、見た事もない料理もある。
少し悩む時間も欲しかったのだけど、店主の方の忙しさを考えるとすぐに決めた方が良いと判断した。
結局、頼んだのはサンドイッチとオニオンスープだった。
パタンとメニューを閉じて、元の位置に戻す。
両手を膝の上に置き、注文した料理が届く間に店内を眺めてみる。

会話に耳を澄ませながら、変に見ているような印象を受けない程度に利用客を見る。
夕食の時間だし、ここで食事を取るのは冒険者や旅をしている方々なんだろう。
偶々気が向いて食事をしに来ている人もきっと居るかもしれない。
人の顔を覚えるのは、どちらかといえば得意な方。
これからこの場所で暫くは暮らす事になるのだから、覚えておいて損はないと思う。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にマルティナさんが現れました。
リーユエ > 調理に時間が掛からないものだというのもあってか、料理はそう時間も掛からずに目の前に並べられた。
視線を料理へと移し、いただきます、と両手を合わせる。
サンドイッチを手に取り、小さく口を開いて齧り付く。
味の方は思ったよりも美味しかった。
パクパクと少しずつ齧って食べながら、スープを合間に口に含む。
ペース的には、少しばかりゆっくり気味な感じかもしれないか。

国によっては食事が合わず、苦労をする。
そんな話を聞いた事があったけれど、ここでは大丈夫なのかもしれない。
その点でも安心出来るようで良かったと思っていた。

マルティナ > 当面の仕事は片付いて暫くは休暇。
という訳で今日も街を見物がてら軽くショッピング。
特に成果はなく、今日のところは軽く飲んでから帰ろうと適当に目についた酒場へと入っていった。
殆ど裸というか男性器周り以外は申し訳程度に乳首が隠れているだけの格好である。
当然人でごった返している酒場のようなところに入れば色んな視線や声が飛んで来る。
もういつもの事なので言い返してやりたいのを堪えて、表面上は平然としながら注文を済ませて空いてる席を探しに。

「お隣失礼します」

異国風の女性の隣に空きを見つけて腰を降ろすと、ビールジョッキに口をつけながら見慣れない服装をちらちら観察。

リーユエ > ゆっくりと食事をとっているところで、自分に次いで酒場に入ってくる方の居る気配。
そして、同時に店内の雰囲気が変化したのに気付く。
日常的な内容だった会話の一部にも、その変化が伝わる。
入ってきた人物によって齎された変化だというのはすぐに理解出来た。
気にはなるのだけど、食事の手を止めてまで自分も同じ様にするのは控えた。
しかし、その人物は自分のすぐ隣の席へと座る。
掛かる声は、自分とそうは変わらぬだろう少女の声だった。

「…あ、はい、どうぞ…?」

一体、この少女に周りの雰囲気を変える何があるのだろうか?
断る必要も無いと言葉を返すのだけど、視線がその相手に向いた途端に動きが止まった。
驚くとかそういったものはない。だけど、戸惑う。
周りの変化の原因はすぐに分かった、この少女の服装だと。
どう見ても普通の服装ではない程の露出度だ。
相手にとっても、自分の服装は変わったものに見えているみたいで、こちらへと向けられる視線も感じた。

マルティナ > どうもお互いに視線が合った気がする。
そのまま目を背けるのもかえって失礼な気がして、思い切って話しかけてみる事に。

「珍しい服装ですよね。旅の方ですか?」

物珍しさでいえば人のことは全く言えたものではないのだが、それは置いといて彼女が珍しい服装なのは確かである。
一応似たような格好なら全く見たことがない訳ではない。
しかしどの辺りの衣装なのだろうかそういった事は全く知らなかった。

リーユエ > こちらも視線を向けていれば、相手もこちらへと視線を向けて居る。
相手が視線を戻すようならば、自分も食事に集中しよう。
そう思っていたのだけれど、相手の方から声が掛けられた。
言葉を交わすならば、料理を手にしているのは失礼だろうと、食べかけのサンドイッチをお皿へとそっと戻す。

「…えっと、はい。北の方から、医学を学ぶ為に参りました。
貴女も個性的な服装をしておいでですが、お体の方に障りは致しませんか?」

ニコリと笑顔を浮かべ、頷きながら言葉を返す。
当然、本当の目的は言える訳がないので当たり障りの無い理由を伝える。
そして、もう一つは服装の事。
変に問うのは失礼なのでそれは止め、代わりに気になった事を聞いてみる。
温かくなってきているとはいえども、この服装では風邪の一つでもひいてしまうのでは?と思ったから。

マルティナ > いきなり体の心配をされてしまった。
だがその気持はよく分かる。
実際は見た目よりは案外平気なのではあるが。

「ええ何も問題はありませんよ。これでも冒険者なので、体が資本ですし」

色々とあって寒さや暑さには常人よりは遥かに耐性がある。
流石にこの時期全く寒さを感じない訳ではないのだが、このぐらいなら特に問題なく活動出来ている。

「北方の衣装でしたか。あまり縁のない土地ですので何だか珍しくて、ついじろじろ見ちゃってました、すみません」

嫌がられたりしたらすぐにでも退散するつもりであったが、とりあえずは友好的に会話が出来そうな相手でよかった。

リーユエ > 「…そうですか。体が資本となるからこそ、無理は致しませぬよう。
怪我や病気で一番怖いのは、慢心による油断ですので」

本人が大丈夫だと言うのだから、これ以上言っても仕方が無いかもしれない。
それでも、やはり気になるものは気になってしまう。
実際に大丈夫ではあるのかもしれないので、念を押しておくだけに留めた。

「…はい。そうですね、おいそれと気軽に行き来出来る訳ではありませんから、仕方ないですよ。
珍しい服装というものも、気になる方には気になるものですしね?」

他人を見た目で判断するのは愚かな事である。
さすがに、この少女の服装は少しばかり戸惑ってしまったけれど。
でも、こうして話してみれば礼儀正しい方だというのは分かる。
逆に戸惑いを見せてしまった自分に少々恥じる処があった。

マルティナ > 軽い食事を注文して尚も会話を続ける。

「ありがとうございます。ええ、体の事は常々気にかけていますので」

こんな格好でも普通に接してくれるしいたわるような事を言ってくれるから、とりあえず彼女は良い人そうという印象に。
そこまで考えてそういえばお互い名乗りもしていない事に気づき。

「ああそうだ名乗りもせずにごめんなさい。私マルティナ・ラーゲルフェルト。冒険者というか便利屋や何でも屋みたいなものなので、何かお困りごとがあればそれなりのお値段でお力になりますよ」

リーユエ > 考え方の違いだろう、こちらは食事の手を止めたままでの会話。
戸惑いも失せれば、普通に笑顔を見せているだろう。

「…はい。それでも、もし何かあるようでしたら仰って頂ければ私なりに診断や処方を致しますね?
医術に関しては他の方々に勝らずとも劣らずに行えますので」

この地の医学を学びに来た医術師、ここではそうあるつもりだ。
それを伝えるも、他人と比べるのは苦手な為に優劣に関しては控えめになってしまう。
相手が名乗りを行うならば、自分も名乗り返さねば悪いだろう。

「…いえ、こちらこそ。リーユエと申します。
先のお話で分かります通り、医学を学びに来た医術師です。
何か私の力が必要でしたら、いつでも仰って下さいね?」

言葉を言い終えた後、ペコリと会釈する。

マルティナ > 「リーユエさん、ですね。お医者様のお世話になるような事はなるべく避けたいですけど、もしもの時はお願いします」

会釈を返して軽くつまみに手を付ける。
こうして軽くおしゃべりをしながらのお酒は黙って一人で飲むよりも美味しいものなのだが、リーユエの食事の手が止まっている辺り邪魔をしてしまっているのだろうか。
文化や習慣の違いというものも影響しているのかもしれない。
とりあえず今日のところはあまり気を使わせずにこのぐらいにしておこうか。

「それでは、何かご用がありましたら冒険者ギルドの方で名前を出せば連絡がつくと思いますので」

軽食を平らげ、ビールも飲み下すと程よい満足感で酒場を後にする。
なかなかいい人そうなのでまた会えるといいなあ、などと思うがこちらから押しかけるのは迷惑でないか心配になる小心者なので一応の連絡方法を伝えて家路につくのであった。

リーユエ > 「…はい。別に医師とは言いましても、怪我や病気をした時以外でもお気軽においで下さい。
定期的な健康を診る事も、常日頃の健康を保つ為には良い事ですので」

よく言われる事ではあるが、医術師に関わる理由として挙げられるものは幾つかある。
強制するものでもないので、その辺りは本人任せとなるのだけれど。
気が付けば、相手の食事は終わっていた。
話を切り上げる様子に、その辺りでまた気を使わせてしまったかと、こちらも思ってしまう。
気にせずに食を進めるなり伝えて貰えば行うのだが、それを理解している訳でもないのだから仕方ないか。

「…そうですか。はい、覚えておきます。
私の方はまだ来たばかりで住まう場所とかも決まっておりませんが、一先ずはここで暫くは留まろうと思います。
何かありましたら、この宿に連絡して頂ければ良いでしょう」

食事を終え、会計を終えて酒場を後にしようとする少女。
こちらも、同じように連絡の先を伝えておく。
酒場を出て行くまで見送れば、途中だった食事を再開する。
食事を終え、部屋を取り、今日の処はゆっくりと休む事にした。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からマルティナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からリーユエさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にヴィールさんが現れました。
ヴィール > 昨晩の頃、いつものように部屋を抜け出して夜の街へ繰り出した後のこと。
帰宅するや否や待ち構えていた母に痛烈な御灸を据えられた。

兄や姉の告げ口では無いらしい。
誰に怒りをぶつけるかもわからぬまま、懲りずに抜け出して来て――今に至る。

チッ、と舌打ちをして傍らの木箱を蹴っ飛ばす。
つま先に走る痛みは鈍い。それでも苛立ちは収まらない。

ヴィール > 「くそったれが……」

普段は滅多に口にすることもない捨て台詞。
それ程腹に据えかねているということだ。とはいえ……

「覚えてろよ……くそっ」

この夜もいずれ部屋に帰るしかない。帰る先も其処しか無いし、結局悪いのは自分だ。
逆らう気概こそあったが、その正当性はあまり無い。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にヴィールさんが現れました。
ヴィール > どこか家以外に逃げ込める場があれば良いのに、と思う。そんなものは無い。
ため息を吐き薄汚れた壁に手をついた。

「……帰るか」

暫く苛立ちのままに歩き回って疲れたなら、眠気が襲ってきた。
よく回っていた唇を噤み、踵を返す。
重々しい足取りで帰路につく。なるべく邸宅に辿り着くまでの時間を稼ごうとするかのように。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からヴィールさんが去りました。