2016/01/03 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にジュリアさんが現れました。
ジュリア > (大通りから少し外れた小道。もう既に日は暮れている。
後は、夜の深みが増していくのみの時間帯。

宿屋で働く娘は、買い物を頼まれ、林檎を二つばかり買って。
其の帰路を辿る所であった。)

……遅く、なっちゃった……。怒られる、かな。

(宿屋の旦那に何をしていたのだ、と言われる前に帰りたい。
少しばかり小走りで、近道をしようと思い、大通りとは外れ。
人通りの無いに等しい小道を、駆けようとして。)

あっ……!

(小走りが過ぎたか。林檎が其れを嘲笑うかの如くに。
手元から転がり落ちてしまった。)

ジュリア > (転がっていった林檎は、数十歩先程まで。
思わず、小さく溜息をつく娘。手元にあるもう一つの林檎は、
落とさない様にしっかり持ち。)

落としちゃった……。買ってこなきゃ、かな……。

(落とした物を流石に提供はできまい。幾ら調理するとはいえ。
とりあえず、拾わなければ。諦めにも似た様な。
落ちた林檎を拾おうと、そちらへと歩み寄ろうとする。)

ジュリア > (ふと、足許が止まる。こういう時は、白馬の王子様とやらが
拾ってくれるのではないか、と。)

………そんなの、あるわけ無い……わ……。

(僅かな妄想であったが、言葉に出して小さく否定して。
そんな上手い話はあるわけがない、今までだって無かった。
あっても、何かしら裏がある。
世の中はそんなに甘くは無いのだ。)

(自分の中に言い聞かせ乍。僅かに苦笑いを浮かべつつ。)


………早く拾わない、と……。


(転がって止まった林檎を早く拾って、帰ろう。
止まっていた足許を再び歩め、林檎の元へと。)

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にアルフレートさんが現れました。
アルフレート > ええい!めんどくさい…なんでこの僕が道をそれないといけないんだ…
(屋敷に帰る途中の事だ
 折り悪く相性の悪い、それも高位の貴族の馬車と道がかちあってしまった
 顔を合わせればまたぞろ面倒に巻き込まれると判断して大通りから小道へと飛び込み…)

む……?
(タイミング悪く林檎を拾おうとした少女の前に飛び出してしまう
 直前まで馬車を睨みつけるようにして余所見をしていたため反応が遅れ…
 激突の寸前に両肩を掴むようにして柔らかく受け止め、ほう…と安堵の息を吐き…
 ぐしゃりと何か柔らかいものを踏み潰す感触に視線を降ろす

 鉄板で補強された格闘用のブーツは無残にりんごを踏み潰していて)

……
(視線をあげれば少女の手元には一つの林檎
 彼の中では自分がぶつかったせいで落とした挙句に踏み潰したのだという解釈になっていた
 あからさまに自分に非があるのだが謝るのは癪だという複雑な感情が渦巻き
 気まずげに少女を見下ろす)

ジュリア > (拾おうとした林檎が、目の前でぐしゃりと崩れた。
無残な風貌と化した林檎を見て、ぱちくり瞬いた蒼碧。
上を見上げれば、高貴な風貌、少なくとも己よりは位が
高いであろう、眼鏡の男。)

(娘の中で、”逆らってはいけない”という危機感と不安さで
いっぱいになり。思わず挙動不審気に言葉を紡いだ。)

……あ…っあの………。え……っ、と………。
も、もももも……申し訳御座いま…せんっっ……!

(踏みつぶされたのは此方だが、高位の方の靴を汚したという
不安と恐怖で思わずあたふたと謝罪の言葉を告げる。
思わず下を向いてしまい、男の顔を満足に見られない。)

アルフレート > ちっ…ええぃ…
(苛立たしげに舌打ちを一つ鳴らし、苦々しい表情で頭を下げた少女を見下ろす
 これがいけすかない相手や金持ち相手ならザマァ!とばかりに押しきるのだが
 見るからに粗末な服装の少女に謝られるのはどうにも居心地が悪い

 最初から偉ぶってる相手を卑屈にさせるのは大好物だが
 低い立場の人間が卑屈にしているのを見ると腹が立つ面倒なタイプなのである)

ぶつかったのは俺のほうだ、むやみに謝るな
というかいじめに見えて外聞も悪い、頭を上げろ
それで……いくらだ?
(吐き出すように謝罪の言葉を口にする
 神経質そうに眉間にシワを寄せて突き放すような口調で言うが
 実際は目の前の相手に腹など一つも立てておらず
 謝罪の言葉を口にするのが心底嫌なだけである
 ポーチを探ると小銭入れを取り出し、さっさと金で解決してしまおうと)

ジュリア > (眉間に皺を寄せ、不機嫌そうに放たれた言葉。
不意に顔を上げると、先程はよく見ていなかったが、
とても端正な顔立ちに絹糸の様な銀髪に、思わず目が釘付けに。
けれど、軽く首をぶんぶんと振れば、我へと戻り。)

あ……よ、よして下さいま、し……!
私の様な下賤な者如き、に……き、貴族様の手をわずらわせて、は……。

あ……っ……。

(余計にあたふたと言葉をしどろもどろ紡いでいる間に、
二つ目の林檎が隙有りと転がり落ちていく。)

申し訳、ありませ、ん……っ。鈍臭く、て……っ。
貴族様のご機嫌、損ねて、しまわれました、か………?

(挙動不審な儘、手元に落ちていった林檎を再び拾おうとし乍、
恐る恐る男の方を見上げ、問いを紡いで。)

アルフレート > ええい、誰が貴族だ誰が
あんな血の粘ついた権勢の妖怪どもと一緒にするな
(思わず反射的に不機嫌そうに吐き捨て
 すぐに苦虫を噛み潰したような表情に変わる
 目の前の娘の態度を見れば余計に混乱させてしまうのは目に見えている)

俺は貴族じゃない、宮仕えだが位は平民だ
へりくだられる必要もないし、それに背筋がかゆくなる
(これがついさっきまで調子に乗ってた大貴族の娘とかであれば別の理由で背筋がゾクゾクとしただろうが
 今はひたすら居心地が悪く、卑屈な態度に無性にイラだたせられる)

りんごをダメにした謝罪と弁償をしよう、と言っているんだ
どん臭いのは……その通りだがな
(ふん、と面白みを覚えたらしく笑みを浮かべ
 さっさとりんごを拾ってやると押し付けてやる
 ぐり…と)

ジュリア > (貴族様にはむかってはならない、とよく教わっている。
不機嫌にさせてしまったか、と落ち込んでいた娘だったが、
”貴族じゃない”との言葉に、眸が再び瞬いて。)

あ……、貴族様、ではない、の、ですか……。
とても気品が、漂って、いましたので………。

(其れでも少しだけ、安堵したのか硬い表情が少し和らぐ。
苦虫を噛み潰した様に顔を歪ませている男に、矢張り未だ
申し訳無さそうに、眉尻を下げ乍。
再び林檎を拾ってもらい、押し付けられるように渡されれば、
其れを恐る恐る受け取り。)

あ……あの……本当に宜しいの、ですか……?

………有難う、御座います………。

(そう言うと、少しだけ眸を細め、唇が弧を描き表情が緩む。)

何時か、お礼をさせて頂きたいのです、が………。
差し支えなければ、お、お名前、を……。

(ゆっくりと立ち上がれば、矢張り目線は合わせられなくて。
其れでも如何にか、名前を伺おうと問いを訪ねるか。)

アルフレート > はっ、貴族で本当に気品を持った奴など居るものか
大体が金のかかった装身具で無理矢理自分の価値を底上げしているような奴らばかりだ
だが、俺に気品を感じたという感性だけは褒めてやろう
(気品が漂うと言われれば恐れ媚びているのだろうと頭で理解はしていても頬は緩み
 ふふん、といい気になってしまう
 卑屈にされるのは好かないが、崇められるのは大好きだ)

構わない、と、いうかここでりんごをダメにして見て見ぬ振りをしてみろ
間接的にお前を叩き落すようなものだろう
身なりを見れば察しも付く
礼…か……
(こいつに出来る程度の礼など…と、思い考えなおす
 元から強い魔力を増強させる霊薬より、素人に魔法を使える程度の魔力を与える霊薬の方がハードルは低いか?と
 無遠慮に足先から頭まで視線をやって)

アルフレート・グレイホークだ
霊薬の実験に付き合えばこちらから礼をしてやっても構わんぞ?

ジュリア > (煌びやかな装飾で固めているだけ、と告げられ。
余り立場上、貴族という身分に関わりの無い娘にとっては、
其の言葉に、軽く首を傾けて。)

……そうなのです、か?
私には、貴族様は、輝いてみえるのですが、
お飾りのせいなのでしょう、か。

貴方様の様な、飾りなど無くとも輝いていらっしゃる方は、
少ないのです、か……?

(恐る恐る尋ね乍、ようやく視線を少しだけ合わせる。
だがやはり整った容貌に、緊張してしまい、
自然と目を逸らしてしまう。)

……霊薬、とは……?
私に出来る事、なら、何でも手伝わせて、頂きたいです……。

(出来る事は些細な事ですが、と付け加え乍。
隅々まで眺められてる視線に、ややおどおどと挙動不審になり。)

……どうかその、お薬の、お手伝い、させて下さいま、し。
アルフレート様……。

アルフレート > はっ、体面を保つために人生を賭けているからな奴らは
中には本物と呼ぶべき人種も居るのかも知れんが、俺が知るのはどいつもこいつも魔物の一種のようなものだ

褒められて悪い気はしないが
俺の身ぐるみを剥がしてしかるべき筋に売り払えば貴族地区に家を建てられるかも知れんぞ?
(飾りはなくとも、と言われれば思わず笑い声をもらし
 冗談めかした口調で言う
 身に着けたマジックアイテムはどれもこれも高価な物で)

簡単だ、試作の霊薬を飲むだけだ
そのあと色々試し反応を記録すれば終わりだ
まあ体調が崩れたりはするが命に別状はありはしないし後遺症もない
なんだ、今からか?
(おどおどとこちらの顔色を窺う姿には未だにいらだちも覚えるが
 それと同時に嗜虐心をくすぐられ
 にぃ…と笑みを浮かべる。嗜虐的で、甘い笑みを)

ジュリア > 魔物……の様な……方々、なのですか……。

(想像しただけで身震いがした。
やはり、貴族には歯向かわないのは正解な様だ。
少しだけ眉尻が下がり、想像した恐ろしさで顔が歪む。)

……そ、其の様な……!
貴方様にはお情けを掛けていただいて、其の様な事は……。

(相手の冗談めかした戯言にも、真面目にあたふたと答えて。
少しだけ困惑した様な表情を浮かべれば、
彼の甘美的な笑みに、目が思わず移り。少しだけ頬がほんのり
桃色にへと浮かぶ。)

……霊薬、とは……飲むと、私はどうなってしまう、のでしょう……。

(命に別条はない、と聞いても。
やはり霊薬である以上、何かしら変化が起きてしまうのだろう。
不安が混じった表情で、もぞもぞと彼を眺める。
取りあえず、効果はどんなものかを聞いておきたい。)

アルフレート > 知恵がある分魔物よりもたちが悪い
権力という終わりのない物を求め奪い合い、使うのは武力ではなく目に見えない何かだ
血が流れる事よりも体面が傷つく事を恐れ闘争する姿は理解が及ばん
(立場上宮廷闘争という物に身近な彼はそう断ずる
 もっとも平民、それも貧民の出である彼にとって生まれつき富という力を持つ貴族という人種は敵意の対象であり
 大幅に偏見が混じっているのだが)

冗談だ
そもそもお前のような小娘にどうこう出来るものか
(その慌てようが面白く、思わずくっくっと笑い声を漏らしてしまう
 あれほど恐れながら試みるだけで打ち殺されるとは想像が付かないのだろうか
 ああ、庇護欲と嗜虐心をくすぐってくれる)

簡単に言えば魔力の増強薬の試作品だ
お前の未熟な魔力経路を霊薬の力で押し広げ、そしてそこに魔力を流し、経路や変化を記録するわけだ
もっともまだ試作品だからな、数時間もすれば効果も失われる
デメリットと言えばそうだな……魔力を強引に流されるのは体を内側から撫でまわされるような物、というところか
魔術の才はあるか?無いほどに効果は強い
報酬はそうだな…100ゴルド銀貨で50枚支払ってやる
(彼女のみなりをみて、彼なりの感覚で安めの報酬を提示する
 社会的弱者であれば大金など持ちすぎても逆に狙われる理由にしかなりえない
 とはいえ中流階級の市民が一日200もあれば生活を維持できると言われているので相応の大金ではあるはずだが)

ジュリア > (宮廷に仕える彼は、きっと貴族の汚い部分を沢山見て来たのだろう。
紡がれる言葉に、不思議そうに眸を瞬かせて。)

……沢山、ご苦労されて来られたのですね……。

(只一言、そう呟いて。にこ、と柔らかく微笑を浮かべて。
声を出して笑う彼の姿に、思わず此方も表情が柔らかくなる。
からかわれているとは思っていない様だ。)

……つまり、魔法が使えるようになる、という事、でしょうか…?
私、全然魔法使えないので、使えたら嬉しいですけれど、も。
身体を内側から撫で回される……全く想像が、つきませ、ん……。

(彼の言葉に、しばし思考を巡らせるが、やはりどういう感じか
想像がつかずに。眉間を少し歪めて。
只、金銭の事が出てくると少しだけぴく、と眉が動く。)

……そ、そんな、に……頂けるの、です、か……?
あ、あの……でも私の様な者が頂いても、良いのでしょう、か……。
効果が出るのか解らない、ですけれど、に……。

(申し訳無さそうに、視線が下に向いて。)

アルフレート > ああ、面倒だとも
今日も面倒を避けて路地裏にでも逃げ込んでやろうと思ったらお前に…
うん?そういえば名前を聞いていないな
(自分だけ名乗るというのもなんだか損をしたような気分になる
 名乗れ、と尊大な態度で顎くい、と)

まあそうなれば成功になるんだがな
現状は無理に開いた魔力の経路は定着せずに霊薬の効果が切れれば元のままだ
これが成功すれば魔力の増強薬として使えるんだがな…
だから今はその結果を観測して変化や薬効を記録して試作を繰り返しているわけだ
ふむ…まあ、悶え散らしはするだろうな
(現状の霊薬では本来以上に流し込まれた魔力の流れに翻弄されるだけ
 それも鋭敏になった感覚の中でそんな事が長時間続くのだから強烈な媚薬とでも言ってしまった方が早いくらいだ
 まあそこまで直接的な表現をすれば逃げられるだろうと実験台を募集する時は伏せているのだが)

構わん、人の体質は千差万別、その中で個人差というものを潰してデータを取るためには数こそが最重要だ
それに俺にとってはそこまで大金というほどでもない
どうする?別に断っても妙な因縁は付けんしりんごの弁償くらいはしてやる
(さあ、どうする?と腕組みをして下を向く娘を見下ろす
 迷うようならさっさとリンゴの代金を握らせ屋敷の場所でも教えて去ってしまおうかという気分になってきた)

ジュリア > 逃げられていた途中だったのですね、申し訳ありません。
あ、そうですね……私は、ジュリアと言います。

(そういえば名乗っていなかった、と今更乍気づいて。
名乗れば、柔らかく微笑を浮かべ軽く頭を下げる。
然し、其の後聞いた言葉の数々、説明に少しだけ眉尻が下がる。)

……魔法が使えれば、成功なのですね。
悶え散らす、のですか……。

(暫し、思考を巡らせ、覚悟を決めたのか、ほんの小さく頷いて。)

………解りました。貴方様の、お役に立てるのなら……。
成功すれば、良いのですけれど……。

(失敗しましたら、ごめんなさいと付け加えて。
緩く笑みを浮かべれば、引き受ける事を承諾して。
どんな結果に為っても、苦しんでも、彼のお役に立ちたいと願う故の。)

アルフレート > ん?ああ、見付かる前に逃げただけだからな
姿を隠してしまえば気付きはしないだろう
ジュリア、か市民にしては立派な名だな
(褒めるでもなく貶すでもなく
 ただ思った事を口にしただけでそれ以上追求する気も無く
 奴隷身分であることには気付きもしないようで)

ふん、変に気負う必要なんてないぞ
研究というのは旅路と同じだ
さっきまで影も見えなかった街が一歩進むだけで急に現れるはずも無い
今はデータを蓄積していく段階だ
(そうは言いながらも表情は苦々しげで
 この研究を始めて一年以上は経過しているが未だに思うような実験結果すら出ておらず
 そのため手を変え品を変え、手ごたえを手探りで探しているのが現状だ)

行くぞ、ジュリア
(コートの裾を翻し、屋敷に向かう道を先導し歩き始める)