2015/11/04 のログ
■レティシア > (暫く、己の後を追ってくる何者かと、追いかけっこを楽しんでいたが、その内、飽いたとばかりに溜息を一つ零す。マントの中で擬態を解くと、角を曲がった所でふっと姿を消して――)
ご案内:「王都マグメール 路地裏」からレティシアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区大通り」にクロウさんが現れました。
■クロウ > 昼の光が強い程に、夜の闇と言うのは濃くなるのかも知れない。
昼間は人で賑わっているのであろう王都は、今や寝静まっている。
人通りは殆どない。
見回りの衛兵や騎士、夜通しの酒場を梯子するゴロツキ、闇で暗躍して夜を生きる輩。
そうした者だけが、夜に沈んだ王都で蠢いている。
そんな夜の王都の大通りに、人影が一つ。
「―――また少し、荒んだようだ。」
小さく紡がれた独白も、闇と静寂に溶ける。
人影の主は、深く被ったフードの作る陰の下から夜の王都を見つめて、そして歩いていた。
ゆっくりと。
影が揺れる。
遠くの、遠くの魔導灯がかろうじて作った微かな光に照らされ産まれた影が、ゆら、ゆら、ゆら、ゆら、と揺れる。
踊るように、揺れている。
■クロウ > 細い路地から、野良犬が顔を出す。
飲食店の残飯でも漁っていたのか。大通りまで出てきた彼は、突然慌てたように顔を上げる。
視線の先には男。
ウゥウゥゥゥ、と唸り声を上げる野良犬。
男は気にした様子もなく歩いて行く。
進行方向左手側では、野良犬がこちらを威嚇するように唸っている。
男は気にせず歩く。
歩く。
影が揺れる。
キャイン、と。
悲鳴のような鳴き声と共に、野良犬は突如として路地の中へと走り去って行った。
「―――今日の昼には出港か。」
嘯く。今回の停船は本当にごく短期間のもの。
またすぐに、港湾都市へと戻るのだ。
それまでに狩りに出られれば良いのだが、と。
そんな事を考えるのは、海賊船の船長たる男。
ただ、揺れる影と共に闇に沈んだ街を行くには、もっと異質なナニカ。
遠くの方で、何やら叫び声や破壊音が聞こえる。酔っ払いが喧嘩でもしているのだろう。
ご案内:「王都マグメール 平民地区大通り」にフェリアナさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区大通り」からフェリアナさんが去りました。
■クロウ > 誰も彼もが、とはゆかずとも。
多くの者が夢に沈む時間。
夢のない眠りに沈む者もあろう。
ただ、起きた時に覚えていないというだけで、夢は毎夜のように見ているとも言う。
この大都市には今、一体どれほどの悪夢が犇めいているのだろうか。
「さて……。」
男は少しだけ、歩調を早める。
遠くで聞こえていた騒ぎが、少し大きくなった。
衛兵でもやって来たのかも知れない。
大通りを、幾人もの兵隊が走って来る。
もしかしたら、ただの喧嘩というには大きなトラブルなのかも知れない。
ふと、走って来た兵隊の一人が立ち止まって振り返った。
同僚が、どうかしたのか、と尋ねる。
立ち止まった兵士は首を傾げながら、今誰かがいた気がして、と答える。
兵士たちは一度周囲を見回すが、夜の大通りに彼ら以外の人影は一切なく。
静かに闇に沈む街が、そこにあるだけだった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区大通り」からクロウさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にフォーティアさんが現れました。
■フォーティア > もう日も沈みそうな頃合、二つの袋を胸元に両手で抱えるようにしながら少女は帰路についていた。
時期的にか、日が沈むのも早くなってきた気がする。
そして日中と比べて温度も結構下がってきている。
肌に感じる風が、この時間でもう冷たく感じていた。
そろそろ無くなりかけていたランタンを灯す油を買い、ついでに夕食を買ってきた。
もう少し早い時間ならば材料を買って作るところだが、時間が少々遅かった。
なので、今回はすでに出来上がったものにしたのだ。
今日の夕食に買ったのは手軽にパンをいくつかと、後はサラダ。
袋から漂う匂いを感じながら、家に向かって歩いている。
道の端を歩くのは相変わらずだ。
■フォーティア > 今受けている依頼…というか、頼み事は、もうあらかた終わっている。
そちらは、後は頼んだ人物が現れるのを待つだけ。
その内に受け取った一式を持って図書館に行こうと考えている。
また新しい書物でも探しに行こう、そう考えていた。
前の仕事を終えてしばらくは余裕がある、たまにはどこかに行ってみるのもありだろうか?
とはいえ、そうするにしてそういった場所はどこがあるのだろう。
…その辺り、また誰かに聞いてみようと思う。
■フォーティア > のんびりと歩いている訳でも無いのだが、周りから見ればそういうペースに見える歩調。
気が付けば日も沈み、周りの建物からの灯りが辺りを照らす。
思った以上の冷え込みに上着くらいは持って来れば良かったと考えながら、少し早足に…それでも普通程度の速さだが、歩き出す。
大通りとはいえ隅は灯りが届いたり届かなかったりと薄暗いところもある。
足元に気を付け、なるべく灯りのありそうなところを頼りしていって。
■フォーティア > いつもと同じ、少し開けた通りへと出れば、少し離れとなっている我が家へと残りはわずか。
ここまで来ればもう問題はないだろう、一度だけ周りを見渡し…そのまま家へと向かう。
灯りは…ついてない、ふう、と一呼吸つけば扉を開いて。
誰も居なければ灯りもついてない、月明かりのみが照らす室内が見えるだろう。
だがそこは普段から慣れている我が家、足元に書物やら資料やらあるのだが、踏んだり蹴ったりもせずに入っていって。
手探りでランタンを探し、触れたそれに買ってきた油を注ぐ。
火を点け、灯りで室内が明るくなれば、残ったものを棚へと置いておく。
■フォーティア > テーブルの席に腰かけ、広げられたままの紙片と置かれた筒に視線を向ける。
さて、後は合言葉とやらを見付けるだけ。
料理を広げそれに手を付けながら、残ったものを片付けるのであった。
問題は、この合言葉が見付かる見付からないよりも、頼んだ人物に会えるかどうかである。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からフォーティアさんが去りました。