2015/10/09 のログ
■ヘレボルス > 「卑しい面だ。折角の酒が不味くなる。
それとも、その股座から二つに裂いてやったっていい…… いや、そのナリじゃあ生で食っても骨っぽそうだ」
(身を起こし、無遠慮にじろじろとティネを眺める。
酒宴は大いに盛り上がり、誰もヘレボルスとティネを気にする者など居なかった)
「まごころ? は、まごころが腹と金の足しになるかよ。
今の僕には、お前のまごころなんか一欠けらだって見えやしないぜ」
(食われたつまみを取り返すというよりは、目の前のティネを只管にからかってやろう、という魂胆が見える。
『お前に何か出来るのかよ?』と、ティネの背に人差し指を宛がう。親指で、その小さな顎を持ち上げる)
■ティネ > 「ひえっ……」
根拠の無い自信は上から言葉にあっさりと叩き潰された。
冷酷な台詞に、ミニチュアの顔が常人の視線にもわかりやすく青ざめる。
妖精に故郷の村でも燃やされましたか? なんて減らず口すら出てこない。
「うっ……」
顎を持ち上げられて、声が詰まる。
何か出来そうなこと。思いつかない。
口八丁で窮地を乗り切った経験はあるが、
この妖精然とした見た目に絆される余地があるという前提の上でのもとだ。
目の前の若者には生憎とそういうスキが全く見当たらない。
それに、文字通り命を手中に握られている状況で、うまく口の回るはずもない。
「な、なんでもします、からぁ……」
今にも涙が零れ落ちそうな表情で見上げ、
蚊の鳴くような声でようやくそう言った。
■ヘレボルス > (見るからに狼狽するティネの様子に、く、く、と喉で笑う。
その表情は、か弱いものを甚振ることに愉しみを見出すもののそれだ)
「おっと、何でもしますは答えになっちゃいないぜ。僕はお前に、『何が出来るか』訊いたんだ。
言ってみろよ。しゃあしゃあと盗み食いするお前のこと、こんな目に遭ったのは初めてじゃああるまい?
こういうとき、どう切り抜けてきたんだい」
(そのままではティネが恐怖に言葉を発しかねると踏んだか、ぱ、と手を離す。
にやにやと意地の悪い笑みを浮かべながら、カップの酒を煽る。
それをわざとらしくティネの横に置いてみせると、銅の器がかんと鳴いた)
■ティネ > 唐突に手を離されて、カウンタの上でよろめいて一度転ぶ。
側に器が振り置かれて、小さく悲鳴を上げて反対側に転がった。
(いじわる……)
どうやらそう簡単には許してくれそうもないようだ。
身はひとまず自由になったので、とりあえず、すうはあと呼吸を整える。
しかし手の檻からは逃れても、心はいまだ手中にあるようだった。
「えっと……ボクはね。妖精だから……
ちょっとした魔法が使えるよ。
傷を治したりとか、少しだけ幸運を授けたり、
武器の切れ味をよくしたりとか」
座り込んだまま、おどおどと、そう答える。
ちら、ちら、とヘレボルスの表情を伺いながら。
おまじないぐらいの効力しか無いし、若者が魔術の使い手であったなら
取引の材料にはならないだろう。
「あ、それから……
舐めてあげたり、とか、できるよ、いちおう」
最後にそう付け足して、身を小さくよじり、頬を朱に染める。
実際に要求されたことがあった。
■ヘレボルス > (何しろ詫びさせるというよりは、目の前のティネを玩具として認識しているのだ。
が、ティネが扱う魔法の内容を聞くと、愉快げにへえ、と相槌を零す)
「傷の手当ては要らないが……剣を研がずに済むのは便利そうだな。
それじゃあお前、いっぺん僕の仕事について来るか。その腰に、革紐でも括りつけてさ。
明るくて楽しい職場だぜ。いつでも首と矢が飛び交ってる」
(頬杖を突いて、余裕綽々の表情で反応を伺う。
ティネが続けた言葉に頬を染めるのを見ると、唇の端を吊り上げた)
「その小さい口で、ヒトを満足させることが出来るのか?
舐めたところから腐り落ちる、なんてことは無いだろうな」
(酒器に熱を奪われて冷ややかな人差し指を、ティネの口許へ向けて伸ばす。
輪郭の形を探るように、唇をなぞる)
■ティネ > 「それ結構高い確率でボク死なない?
もう、やだやだ、戦う男(……男?)ってのはヤバンで……。
あんまり粗末に扱うと呪われるんだからねっ」
うへえ、と辟易した様子で口元を曲げる。
口を回しているうちに幾ばくかの余裕が生まれたらしい。
ちなみに、呪われるというのは実体験である。
「……キミは妖精をなんだと思っているの? もう……んっ」
突き出された指で唇をなぞられると、びくり、と震える。
恐怖とは別の感情がティネの中心を奔った。
「……」
ティネにとっては柱のように巨大な指を、
ちょうど胸の中心に来るように、両腕で抱く。
そして、顔を指の裏へと近づけ……
小さな桃色の舌を出し、第一関節から指先へと這わせていく。
「…………っ」
全身にほんのりと帯び始めた熱を、ヘレボルスの冷たい指に伝えようとするように
しっかと抱きしめて、愛しい人へとするごとく、丹念に、無心に、
指先、爪の間を、かすかな水音を立てて、舐め続ける……。
■ヘレボルス > 「僕の知らないうちに死んでることもあるかもな。
気付いたら、お前を繋いでた紐だけ垂れ下がってたりして。
ふん、呪いが何だ。僕に怖いものなんかありはしないさ」
(妖精を何だと思っているのか、と問われると、嘲笑うかのように目を細める)
「妖精? 全く卑しい種族だね。見掛け倒しと、小賢しい魔法の使い手……」
(そうして、声のトーンが僅かに落ちる。
女めいてほっそりとした長い指の表面を、ティネの舌が這う。
口を閉ざし、冷たいまでの眼差しで相手からの奉仕をじっと受ける)
「………………」
(舐められた指の皮がしっとりと湿り気を帯びる。
何の前触れもなく、ティネからするりと指を離す)
「最初から、そういう顔してろってんだよ。矮人が」
(歯を剥いて笑う。
残っていた少しの酒を煽って飲み干し、止まり木から立ち上がる。
舐められた指を拭きもせずに、その手でティネの身体を引っ掴む。
握り潰さず、それでいて逃げられぬほどに指を絡め付ける)
(空いた左手で、腰の鞄を探る。
飲み代よりいくらか多い金をカウンタへ支払うと、クロークと長剣をその手に掴む。
どうやら部屋代らしい。一人分の)
「来いよ。遊んでやる」
(手の中のティネを見下ろして、有無を言わさず二階へ続く階段に足を踏み出す)
■ティネ > (いつかひどい目に遭え……)
聴こえないようにそう呟く。
あいにくとこの性悪な若者を能動的に呪い殺す手段を、
今のティネは持ちあわせてはいなかった。
「うひゃ」
さしたる抵抗もなく掴まれる。
何かのはずみで落ちないように、しっかりと指へと枝のような手足を絡ませる。
逃げるチャンスはなくはなかった。
しかし万一失敗すれば本当に佃煮にでもされかねない。
胸中を支配するのは、情けなさ、諦め、恐怖、……そして何かへの期待。
それらを噛み殺すようにして唇を結ぶ。
「ぼ、ボクにはティネって名前があるんです、けど……」
ただでさえ小さい身体の出す弱々しい声は、酒場の喧騒にすり潰された。
■ヘレボルス > (ティネの呟きは、そのエルフめいた耳にも届きはしなかった。
ブーツの靴底で、宿の階段を踏み鳴らしながら登ってゆく)
(階下に遠ざかったはずの喧騒は、それでいて未だ耳へ届くほどには騒々しい。
だがその只中に比べれば、二階の廊下はずっと静かだった。
固く閉ざされた部屋の扉は、しんとしたもの、何らかの話し声の漏れ聴こえてくるもの、寝台の軋む音の響いてくるものなど様々だ。
辛うじて聞き取った名乗りの声に、じろりとティネを見る)
「ティネか。面構えと名前はいっぱしの娘だな。
僕はヘレボルス。好きに呼べ」
(部屋の一つに足を踏み入れる。
後ろ手に扉を閉め、申し訳程度に備えられたテーブルの上にティネを置く。
その手つきよりかは大分無造作に左手の荷物を寝台の上に放り出すと、事もなげにチュニックを脱ぎ捨てた。
男の薄い背がティネへ振り向くと、女の乳房の膨らみが小さく揺れる)
「矮人に、僕は見ての通りの半陰陽だ。まるっきり妖精めいてるじゃあないか」
(然したる感慨もなく言い捨てると、机の上のティネへ、再び手を伸べる。
その細く小さな脚の間に、人差し指をするりと滑り込ませる)
■ティネ > 扉の閉まる音に、ああ、いよいよ逃げる余地はなくなったな、と
胸裡に諦めが落ちる。
机にちょこんと立ったこの時、ようやくティネはヘレボルスの全身を観察する余裕を得た。
恐怖に踊らされた小さい身体では、手や表情といった、
部分部分にしか目が届かなかった。
近すぎる巨大なオブジェとは、そういうものである。
「半陰陽……」
珍しい物を目にした、そんな感慨が丸出しの視線を向ける。
自身もそれなりに珍奇な存在であるという事実は頭から抜け落ちていた。
(肌が白いダーク・エルフ(闇妖精)かな)
なかなかうまい思いつきに感じた――が、小さく呟くだけにとどめた。
「ひう」
貫頭衣の下に、大蛇のように滑り込んだ長い指。
その先がしとりと湿る。
下着などという上等なものをティネはつけていない。
何の遠慮無く触れられたことと、
すでに濡れてしまっていることを知られたこと、
その二つの羞恥で、腰が砕け、滑りこんだ指の上に座り込んでしまう。
■ヘレボルス > (ティネに舐められて濡れた指に、唾液とは異なる粘り気が絡み付く)
「へえ。話が早いな。
それともお前のような妖精というのは、淫魔も兼ねるのか」
(まるで常人の指の股ほどしかないティネの股座を、滑らかな指の腹が探り出す。
人間の女を愛撫するのと同じように、濡れた粘膜を柔らかく掻いて擽る)
(テーブルと同じほどに粗末な作りの椅子に、浅く腰を下ろす。
右手でティネを弄ぶ傍らで、左手が手馴れた様子でボトムの紐を緩める)
「ほら、動いてみろよ。突っ込んだっていいんだぜ」
■ティネ > 「ち、ちがう……そんなんじゃ……ぁ、」
反論は愛撫によって妨げられる。
その言葉とは逆さまに、ティネは耳まで赤くする。
妖精のような小さな身体――しかしその耳は、ヘレボルスのように尖ってはいない。
(なんで……)
(なんでこんなにひどくいじめられてるのに……)
ティネの言葉と意思はともかくとして、上気し、潤んだ瞳を求めるように
ヘレボルスへと向けるその姿は、まさしく欲情した娘そのものだった。
「わ、わかり、ました……」
ヘレボルスの言葉に従順に頷いて、指に抱きつくようにして腰をこすりつける。
手の上で乱れるそのさまは、情交とは程遠いが、自慰とも言いがたい。
やがて、腰を浮かせ――そろそろと、指先に股座をあてがう。
「……っ、ふぅッ……!」
かすかな、しかし淫らな水音を立て、ゆっくりと、
ヘレボルスの指先を呑み込み――生暖かさが包む。
それが深くなるにつれて――ティネの息も荒くなる。
まるで不出来な指人形だった。
■ヘレボルス > (壁に掛けられた魔法仕立てのランプは、そのくせ図ったように茫洋とした光を発して仄暗い。
机上に手の甲を向けて置いた手の上で、ティネから溢れる滴が指を濡らす。
人間よりもずっと小さな穴が自らの指を飲み込んでゆく様を、さも愉快そうに眺める)
「は。本当に入るのかよ。
僕の指は長いぞ。うっかりはらわたまで掻き乱さないようにしろよ。……」
(嘲笑。熱を孕んで柔らかく蠢く肉のうちを、指がゆっくりと動いて入り込む。
娘さながらに上気した顔を見下ろす目尻に、やがて胡乱な熱が浮かぶ。
短く吐息を零して、左手の指先を自らの服のうちへ差し入れる。
テーブルの陰で、小さく衣擦れの音がした)
■ティネ > ひい、ひい、と苦しげな吐息が漏れた。
人の縮尺に換算すれば到底受け入れられないはずの彼の指を、
第一関節を越え、第二関節――そして根本までくわえ込もうとしている。
あるべき臓物や骨の手応えは、不思議な事に、指に伝わらない。
まさしく肉の孔だった。
「っは、ひぃ、はぁっ……」
じゅく、じゅくと媚肉が蠕動し、蠢く指を歓待し、締め付ける。
それとは反対に、ティネの全身はかくかくと指の動きに合わせて無様に揺れる。
異物のもたらす苦痛と――快楽に、
指人形の見開かれた双眸からはらはらと涙が溢れた。
地獄のように熱い身体に、笑い声の冷たさを心地よく感じていた。
空いたティネの両腕が、寄る辺を探してぶらぶらと振れた。
「も、もう、ゆるしてよぉ……」
これ以上されたら――壊れてしまうのではないか。
そんな恐怖が、ティネのなかで持ち上がっていた。
■ヘレボルス > (獣の腑分けにも似た、どこまでも入り込んでゆく肉の感触。
笑い声に、いっそ驚嘆と感心とが交じる)
「あはッ……何だ、こりゃあ。本当に……突っ込むための孔じゃないかよ。
とんだ淫売も居たもんだ」
(非対称に吊り上がった唇の端から、深く息を吐く。
もう許して、という懇願の言葉に、下卑た笑みを浮かべる)
「甘ったれたこと抜かすな。イクまで止めてやらねえ」
(言いながら、ティネの孔からぬるりと人差し指を引き抜く。
どことなく汗ばんだ手のひらがティネの身体を包み込み、掬い上げる。
寝台の枕元にティネの身体を横たえると、ブーツを乱雑に脱ぎ捨ててゆく。
束ねていた髪を解いてかぶりを振ると、プラチナブロンドがばさりと音を立てた)
(長い髪が張り付いた胸元は、まるきり女のように見える。
それでいて寛げたボトムの布地からは、充血した男の性器が覗いている)
(四つん這いの格好で寝台へ上り、利き手らしい右手が自らの下半身へ伸びる。
先ほどまでテーブルの陰に隠れていた左手が、代わりにティネの孔を再び求める。
その指先は、ティネの唾液でも愛液でもない水気にねっとりと濡れていた)
「僕を満足させてみろよ」
(灯りを背にした顔が、逆光の暗がりの中で笑う。
その頬に血の気の赤みを滲ませて、ティネの小さな身体へ分け入ってゆく――)
ご案内:「大通りの酒場」からヘレボルスさんが去りました。
■ティネ > 「ふッ……」
杭のように深く挿し込まれていた指が抜かれ、一度身体が跳ねる。
一時的に、再び彼女の身体は自由になった。
ぐる、ぐる、と視界が回る。
ヘレボルスの指と相貌にのみ向けられていた極小の視野が、再び広がる。
自らを覆うようなその身体の影となり――別種の恐怖に震えた。
その声に、その視線に、その笑いに――
竦んだように、あるいは見惚れたように、動けない。
いびつな肉体の檻に閉じ込められてしまったことを、ティネは悟った。
「……あ、あっ――!」
恐怖の溶けた嬌声が、仄暗い部屋の隅へと吸い込まれて消えた。
ご案内:「大通りの酒場」からティネさんが去りました。