王城に住まう古風な言葉遣いが特徴的な未亡人。 かつては異国の王女としてカルネテル王家へと嫁いだが、最愛の夫を30年前に喪い、それ以来ずっと独り身のまま王城に留まっている。 しかしその姿は30年前と何一つ変わっておらず、その神秘的な美貌と稀代の魔力を持つことから人々は彼女を 《白魔女》 と呼ぶ。 かつては戦局を揺るがす程の魔法使いとしても名を知られていた。 現在はあまり表舞台には出ず、王家の魔術顧問として若き王子や王女の教育や相談役を務めており、要請次第では王立学園で教鞭をとることもある。 享楽的な一面を持ちながらもこの国の未来を案じており、王城の陰で暗躍する者たち、そして彼らの犠牲となる無垢な少女たちの行く末を憂いている。
無論それを快く思わない者も少なくはなく、 「エリザベートは若き王族の血を啜り、不老を保っている」 「血の湯浴びを繰り返し、永遠の美を求めている」 そんな根も葉もない噂が王城の貴族たちの間では囁かれている。 彼女を邪魔者と考える者たちが流した戯言だと知りつつも一切気にした素振りを見せず、むしろのらりくらりと嘲笑を浮かべ今日も王城を闊歩している。
趣味は世直し。 王城に巣食う悪しき魔族、企みに満ちた貴族たちを暴き出し粛清すること。 そのため、王城の中には味方よりも敵の方が多い。
美貌は時を超えても衰えを知らず、血に宿る龍因子の恩恵であるにもかかわらず「若者との交わりこそが若さの秘訣」と豪語して憚らない。 自由気ままな性格がさらに拍車をかけ、その興味は男に留まらず年齢も性別も種族さえも超えて果てしなく広がっている。
【経歴】 古の血を継ぐ巫女、亡国の姫。 「古代種」と呼ばれる、龍の血を受け継ぐ希少な存在。 その血筋ゆえに、無尽蔵に湧き上がる芳醇な魔力を宿し、時を超えてなお若く美しい姿を保ち続けている。 かつての故郷は疫病によって滅び、王族としての立場を失った。 亡国の姫となった彼女はカルネテル王家へと嫁ぎ、新たな居場所をマグメール王国に移すこととなる。 しかし自らの出自を決して他言はせず、希少な古代種として強欲な者に狙われることもなく長い時を静かに過ごしてきた。
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