【容姿】
肩口までのふわりとした白い頭髪に褐色の肌をしたミレー族の少年。ミレー族は一般的に猫のような耳が生えているというが、インレはウサギのような長い耳が生えており、そこだけは黒い毛並みを持つ。尻尾はない。成人しているが、低身長かつ童顔であり華奢なため少年のように見える。
衣服はハイブラゼールの高級服飾店オーダーメイド品であり、主にウェストコート、ネクタイ、丈の短いズボン、白手袋、ガーターソックスを身に着ける。
さらに、専用のリボン付きのハットをかぶり、飾り気のないステッキを携えていることが多い。
【出自・設定】
ミレー族の奴隷出身であり、母親は港湾都市ダイラスの奴隷娼館の娼婦、父親は分からないが、母親はハイブラゼールに訪れるようないわば最低限ギャンブルに使えるカネを持っている者相手の中〜高級娼館ではなく、船乗りやチンピラ、カジノや酒場の下級従業員が多く利用する低価格帯の宿の、さらに底辺の娼婦として働かされていたため、おそらくは船乗りや南方ティルヒアあたりからの旅人、あるいはさらに異国の民族ではないか、と思われているが、本人は別段、父親を探す気はないようである。
インレも幼少期から娼館の下働きとして掃除や食事の用意などに従事したが、劣悪な環境と言わざるを得ず、身長が伸びなかったのはこのころに満足に食事ができなかったからであろう。娼館働きの小柄なミレー族などと条件がそろえば、当然近所の子供連中からはいじめの対象となり、さらには同じミレー族の奴隷からも、一般的なミレーとは違って(ミレー族が猫のような耳を持つものが多いが、それ以外の動物の耳を持つものも存在するとはいえ)いるためかマイノリティのように扱われ阻害された。そのため、人に媚びながらもだれも信用しないような気質をこのころから持つようになっていった。
ある程度成長したころ、母親が病気で死亡し、その代わりのように客を取らされるようになったが、華奢な体つきと眉目秀麗と言ってよい見た目は、客からのウケがよく、多くの稼ぎを取るようになったが、同時に船乗りや町の者が見聞きし、各地から持ち帰ってくる『情報』『噂』『醜聞』を多く耳にするようになった。
インレは、それを街のギャングなどに切り売りすることで、さらにカネを稼ぐようになった。ギャングは暴力装置として、ハイブラゼールにギャンブルのために訪れた貴族の中でゆすれそうな情報を持っているものをゆすり、時に敵対者に醜聞を売り渡す。
しかし、インレはこの商売が長く続かないことも理解していた。ギャング連中はバカで四方八方をゆすっていたため、敵をつくりすぎたのだ。しかし、インレは決して表に出ず……陰から巧みにギャングを操りながら、本当に危険な相手を敵に回すのを待ったし、そうなるのもさして長い時間はかからなかった。どこかの大貴族を敵に回したギャングは、暗殺者を送り込まれ皆殺しになった。
その大貴族にギャングの情報を逆に流したのは、インレである。コネ、情報網、カネ。すべてがインレの元に集まり……彼はダイラス暗黒街の顔役の一人となったのだ。とはいえ、用心深いインレは貴族に取り入りながら、情報を集め続けている。さらなる権力とカネのためにだ。
現在、彼は大貴族に気に入られて運良く出世した男娼のように一般的には思われており、本人もそう振舞い、自身も2つの娼館を経営している。が、後ろ暗い連中との取引があるならば、彼が情報屋であることを知っていてもおかしくないだろう。
【主な所持品】 ステッキ(芯は鉄であり見た目より重く頑丈、柄にはナイフが仕込まれている) 懐中時計(王都の職人が作った精巧な品だが、細工がしてあり内部に小さなものを隠せるようになっている) 小型拳銃(手の中に隠せる小さな上下二連装拳銃。特注品だが、精度が低く、なおかつ弾薬も高いため本当に危険な場所に立ちいるときにお守りとして持っていく程度で、普段は持ち歩かないことも多い)
【能力】
インレ本人はミレー族が概して有する高い身体能力を持っているとはいえ、小柄で華奢であり当然、戦場で戦う戦士のような高い戦闘能力を持たない。基本的に一般的な成人男性とさほど変わらないか、それよりもやや劣るだろう。魔術的な素養もなく、完全に一般人である。
一応、いつも持っている飾り気のないステッキは鉄芯が入れられており、さらに柄にはナイフが仕込まれているが緊急時の護身用の域を出ない。彼のもっとも特筆すべき点はその情報網なのだ。
【RP傾向】 中文、おおよそ20分程度。 各種記号や淫語、汚喘ぎなども使用します。 |
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