「そろそろ休憩しませんか? 私、ちょっとお腹がすいちゃいました♪」 シェンヤンよりもさらに東の島国からの旅人。 『月祈の巫女』と呼ばれる祈祷者であり、巡礼の旅の一環としてナグアルにやって来た。 各地の聖地を巡る使命があるらしいが、彼女は実にのんびり旅をしている。 彼女曰く種族は人間らしいが、気を抜くとふとした拍子に耳や尻尾が現れる。 仕草もどこか猫っぽいが、ナグアルの情勢を鑑みて、彼女は当然否定している。 ……が、実際のところ、ただの人間ではないのは明白である。 本質的にかなりのんびり屋でマイペース。 けれども、巫女の使命には忠実で、困っている人を見捨てられぬ性質。 好物は甘いもの。ナグアルの洋菓子に目がないらしい。 「月祈の巫女って何か…ですか? えーっと、説明するとちょっと長くなりますけど…」 一覧 月祈の巫女 恵みを齎す月の神様へと仕える巫女の総称。 ここで言う月とは空に輝く月…だけでなく、月齢で巡る季節の事。 空に輝く月と、巡る十二月…併せて十三の神を指す。 そんな月祈の巫女は、十三の神の祝福を受け、その地に恵みを齎す使命を帯びている。 十三の聖地を巡っているのはその為で、各地の神へ祈りを捧げて加護を得るのである。 現在、彼女が授かった加護は二柱。 主神とも言える『天の月の神』と、その始まりの月たる『弌の月の神』である。 月夜の下で、彼女は月の輝きたる白銀に染まり、その力を発揮する。 「私の力? うーん…ま、知りたいならどうぞ?」 一覧 巫術 神や精霊といった、神聖なるものに祈りを捧げ、力を借り受ける術。 その場所次第ではあるが、自在に自然に存在する力を間接的に操る事が出来る。 封術 悪しき力や邪なる力を封じる術であり、巫術の対となる術。 文字通りの術で在り、厳密には力の種類を問わず封じる事が出来る。 体術 機敏な身のこなしが可能で、旅のお陰か相応に体力や力もある。 特に護身の為に取得した柔術を得意としているらしい。 その機敏さで、すっと懐に入り込んで投げ飛ばすのが彼女の十八番。 加護 二柱の神から賜った加護。ざっくばらんに言えば浄化と癒しの加護である。 有害な毒や病であれば浄化する事が可能であり、多少の傷も癒す事が出来る。 ただし、これらの加護は月の下でなければ効果が弱まってしまう。 「にゃっ!? あ、あはははは…バレちゃいました?」 一覧 半現人神 その正体は神の祝福を受け、人から神に近付きつつある半現人神。 現状でも常人よりも長生きで、頑丈で、老が極端に遅くなっている。 耳や尻尾は月の神の力を得ている証なのである。 尚、旅の果てには完全な現人神になるとされるが、この旅路を果たした巫女は居ない。 そう、『月祈の巫女』の祝福の旅路とは、そもそも神に近付く為の旅路なのだ。 ただし、現状では完全な神ではなく、ちょっと神性を帯びて若作りな人間に過ぎない。 致命傷を受ければ死に至り、食事も睡眠も必要な身体である。 「お知り合いは、沢山いて損はしませんよね」 一覧 |