とある道具屋に拾われた少女
いつ捨てられたのかは覚えてない ゴミ箱を漁り、ものを盗み、畑を荒らし、物乞いをして生きてきた ふと、身体が重くなって倒れて動けなくなった 後から知ったが、人間はお腹をみたしていても栄養が足りないといつか倒れて動けなくなってーー最後には死ぬらしい 道端で倒れてーーそのまま死ぬまで目を閉じてた このつまらなくて面倒でいきるのが大変な世界 ようやく死ねるならゆっくり寝たいと思っていた でもーーー偶然、そこを通った魔族に助けられた 助けてくれた理由は知らない。でも温かいスープを口に入れたら、涙がボロボロ溢れて止まらなくて、必死にそのスープをすすってた 私は死にたくなかったんだ……こうして、美味しいものを食べて、ただ生きていたいだけなんだ。 ボロボロ泣きながらスープを飲み、パンを頬張る私を、主さまは何もいわずずっと見つめてた。
その時からボクは主さまのものになった 主さまは自由に生きて良いって言ったけど、ボクの世界はあまり魅力的じゃなくて だから僕はそんな世界より主さまが幸せだったり、嬉しそうな方が重要だった 小さな道具屋を手伝う事しかできないけど、僕は今日も店番をしてる 道具の知識を一生懸命勉強して、主さまに教わって。ぼくは必死に毎日生きてる でも、その毎日は主さまがいるからとても幸せ
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