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コンラート公爵家
Last Update:05/27(日) 00:38

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種別王家
所在地王都、ルミナスの森奥深くの精霊の隠れ庵
説明神代の時代からの血筋
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設定共有歓迎/募集中
損壊・襲撃名簿参照
その他特記事項邪眼の騎士
相談用私書箱banana


 ▼Comment
コンラート公爵家。
またの呼ばれ名は『王国の邪眼』。

今は逃亡者、執行者、反逆者、秘密を知る者、王国の良心、脅迫者、正しき眼、雌伏のテロリスト、王の密命、”諸王の王”の1家
……と、色々と噂はあるものの、どれも噂だけしか流れない公爵家。
いい噂も悪い噂も玉石混交です。
一部の人たちからは息子や娘を生け捕りで報酬を払うといった、アンダーグラウンドな依頼もあるようです。

邪眼と呼ばれても、その目は神聖な力を宿しており。心正しい者達からは「邪を露わとさせる眼」と。
邪な心の者達からは「邪魔な眼」という意味での『邪眼』。
その血筋は、古き異形の神の荘園からまだ熟していない林檎の実を盗んだ男を庇い、庇った罰として
その神の気紛れから「人の悪意を見るがいい」と目を無理矢理に取替えられた人間の末裔。
全てを正しく使えていれば、何事も見通すと言われる力。
ただし、人の身では使える力には限度があります。
楽園の外を永劫と放浪し、そして心正しき、優しき、力無き者達を種族関わらず助け。
楽園から零れ落ちた者達の作った小さな楽園、小さな王国の、優しい瞳の力無き王。
ただ、神が見放す時代に、また放浪することになり。
苦難の末に楽園に、民の幸せを、安全を求め。王の身を、邪眼の力を捧げた”諸王の王”の一人。
王族にとも言われたが、身を落とし公家として楽園を支えることを誓います。

王国でのコンラート家の歴史は古く、マグメール王国の創世期にまで遡ります。
代々の王に愚直に使え、国を守るために、そこに住まう者達のために。
始まりは魔の者を、邪な者を露わとして裁くために常に賢王の影にあり。
人の御代になってからは、邪な者を裁くために。
そして時代は流れ、世の秘密を知り、影は陰から出ぬように。光与えるべき者に光を。
時にその時代の王にも諫言をいい。
古の王に与えられた役目を実直に愚直に、国の為にと務める「清廉」という言葉が似合う一族。

市井から見れば立派だろうが、公爵家とすると清貧な生活。
王都の始まりからあると言われる屋敷も華美なものでなく、富裕地区の大屋敷に囲まれた
隙間のような空間に建つ庭もない屋敷。地上に3階、中庭が大きく、透明障壁に屋根を覆った
温室になっているそこには、四季折々の木々花々が年中育ちます。
豪華華美さは無縁、けれど時代を感じさせる上品で洗練された瀟洒な石造りの力強い屋敷。
――そして、地下は未だ底が知れぬ数十数百の地下階。
地上にある建屋より、地下の方が遙かに広く深く迷宮となっています。
世の中に出せぬ文書、記録、魔道具、魔獣など。王国の暗部が、闇が永延と積み重なり。
階を下にするほど、病的なほどに強く複雑に封印されている場所。
今のところ、人の力では7階までが明らかになっています。

<国の為に、市井の為に>

そのコンラート家の家訓そのままに。
王が幾ら変わろうとも、マグメール王国への想いと忠誠を信義としましてに。
光には光を。闇はコンラート家が己が罪とする。
それを貫き通してきました。
代々の当主や一族の平均寿命は短い。
――恨まれ、憎まれ、生も半ばで命を亡くすものが大半です。

その一族に従う、今はもうなく名前だけとなった光と影の騎士団。

光は監査執行する精鋭『国務執行局付真眼騎士団』。
マフィアや邪教団、魔王魔族、貴族や神殿、場合により王族相手に、それを守る兵や他の大騎士団にも
恐れず引かず力強く、猟犬のように監査する百戦錬磨な傷だらけの騎士たち。
近年では25年前の第三師団司令官への魔薬売買事件が有名。葬ろうと真眼騎士団狩りをまでされましたが、
泥を啜り、血反吐を吐き。蟻と象の戦いでしたが、最後の最後に第三師団の司令官及び幹部を悉く捕縛、
王の裁きの前まで連れてきた時は、全員が乞食よりもみすぼらしい姿となり果て、裁きが終わると共に
ほぼ全員が倒れ伏し入院するという事態に。

影は暗部を司る『王国情報局付贋眼騎士団』。
潜入、情報収集、王国を裏で守る、001〜099までの番号を割り振られた本名を捨てた一匹狼の集団。
こちらは近年で有名なのは17年前、邪教団と魔物の大軍勢との攻防で、それが知られたのはほんの1年前、
初めて公表された記録からです。
魔王と近年まれにみる魔族の大軍が、複数の軍を混乱に陥れ各地方に足止めをする邪教団の手引により
タナール砦を瞬く間に奪い、その連絡が王都に届く前にさらに進ませようとした時。
たった29人の贋眼騎士団員がありとあらゆる手を使い、時間を稼ぎ、タナール砦に魔族を押しとどめ。
13人の騎士団員が邪教団を内部崩壊させ。事が落ち着いた時にはその42人は全員亡くなっていました。

各々100名程度…でしたが、今はコンラート公爵の王都出奔のおりに謀殺しかけられ、
護衛に付いた者たち以外には生き残った者はとんどおらず、生き延びた者も監視されているか、
拷問されたか、捕まっているか、地に潜ったか。

コンラート公爵家の名が地に落ちたのは、14年前。
突然に、その時の当主、エラン・コンラートが家族と共に王都を去り、僅かな郎党を連れ彷徨い。
タナール砦に近い精霊の隠れ庵に腰を落ち着けたのです。
様々な憶測、噂、そして後から付けられる冤罪。
信じる者も、信じない者、様々に。
その場所を知る者は王を含め僅かですが、庵の周囲にある村々を守る為に時折現れるために、
徐々に居場所が判っており、王都への招聘状が近隣の村に来ることも。
今の噂は、コンラート家は死に絶えた、当主が無くなった、魔族に下った、など様々。

事の真相は、ある血筋の少女を人の世の地獄のような場所・境遇から助けたエラン。
その少女、当時の当主がマリアに恋をし、愛し、娶った20年前からことが始まります。
その神に愛され過ぎ命を落とせば魂さえもが神々に捧げられ、晩餐のデザートとされる血筋。
その血は常にか細く、時の権力者や、邪な力を求める者、魔王などに囲われ、幸せを知らぬまま自死もできず
なかなか死ぬことも許されない力。苦しみと悲しみと、そして僅かな幸せと喜びが、ほろ苦く、ほろ甘く、
触れれば崩れそうになり、舌の上で溶けていく極上の魂に。
既に神代の時代の御伽噺然とされていた一族の奇跡のような生き残り。
それを守りたい、愛おしいと思ったエランは、初めて国よりも市井よりも『家族』を大事にした男が、
その女を守る為にと動き、逆に知ることになる王国に深く広く枝葉や根を伸ばした『王国の闇の歴史』。
王の側近の方に報告し相談したところ、僅かでも眼の力を持つ数少ない親戚筋は順番に不審死となり、息子には
毒を盛られ(妻の力で一命をとりとめましたが)たこと。
そして妻のお腹に娘が宿っており、その妻の力を継いでいく宿命にあること。
妻を、息子を、そしてまだ生まれていない娘を守る為に、今までの全てを捨て(それでも王と国と市井への
誓いは心から捨てきれずに)王都を後にしたのです。
供は、ほとんどが昔からの部下たちでエランより年上が8名、まだ若い騎士は光が3名、闇が2名。

精霊の庇護の元、小さなしかし強力な結界でもある迷いの森の中にある、大木と泉の傍に建つ古い古い
大きな庵を放浪の末に住むのは、精霊に慈しまれた女たちとその家族、コンラート一家のみ。
その他の者は許されずに、森の外に小さな村を作り住む。
エランとマリアはとても平穏と思え幸せな14年間を得るのです。

――人は、住むところを望むままにはできず。
タナール砦の周辺にも小さな村々は存在しており、彼らが困ることがあるたびに助けに駆けつける
『邪眼の騎士』と一党。その「困ったこと」は魔族だけでなく、人であることも少なくありません。
それが続き、国に、魔族にと居場所が徐々に知られていきます。

星を読む眼、己が命が残り少ないことを知ったエラン。
精霊の声が、もう時間がないことを伝えてきて知るマリア。
息子と娘のために、二人はよく話し合うのです。
その眼は、受け継がれていく。その血の濃い者に。
その血筋は、否応なしに祝福する。善悪を問わず。
ずっと、この庵に隠れ住むことはできない。いつか、息子も娘も、外に出ることになるだろう。
娘と息子を人質にされたら、自分たちは堕ちていくのを厭わないだろう。
親を人質にされたら、娘と息子は堕ちる道を恐れず進むだろう、躊躇いもせず。
――そういう風に育てたのは自分たちなんだから、と。
長く話し合った末に、二人とも納得したのは。
……自分たちの命、これを捨てれば。
ただ一人秘密を知ることになる息子の命は、守りたい者と、奪いたい者と、葬りたい者の
駆け引きの中で生き延びることができるだろう。
か細い血筋の娘の命は、たとえ辛いことがあろうとも、命を奪われるまではないだろう。
替えがきかない便利な道具として扱われるかもしれないが、エランのような男の助けがあるだろうと。
――昔、エランが視てきた子供たちが。

出奔して13年目。今からいうと1年前。
老兵8名とエラン、その傍には初めて戦いの場に同行するマリア。
魔王の前で、軍の前で。
エランはその眼の力で、神にもマリアの魂を渡さないように砕き。
その身体も焼き灰にします。
そして、血の涙を流す眼で妻が灰になるのを見届けたあと自身の目を剣で斬り壊し、その眼の真の力を
息子に受け継がせ終えると、妻を灰にするまで命を捨て時間を稼ぎ亡くなった騎士たちの遺骸に囲まれながら高らかに笑い、その喉をも剣で貫き。
――怒れる集団から、剣に、槍に、矢に、斧に、爪に、角に、牙に。
体を貫かれ、斬られ、割かれ、引き千切られ、噛みきられ、喰われて命を落としたのです。
血筋が絶えた、とおもわせる為に。

エランが眼を無くしたので、その正しい眼の力を引き継ぐのはケイン・コンラート。
眼の力は、エランの直前までの視てきた事を、代々の眼が視てきた事を、その強い力を
伝えてくるのです。父が手紙として眼で見ていた遺言も、真意も。
その強い眼の力は血筋だけの力とは段違いで、制御できるまで目を開けるのも辛い力。
体が力に蝕まれ、立つのも苦しく。眼に馴染もうとする身体は伏せることも多く。

――裏切りは突然に、光だったはずの騎士の一人。
流行り病にかかった妻と息子の為に、命を守る為に。
コンラートの血筋が途絶えておらず、息子と娘がいることを王都に伝えたのです。
そして、公爵家を継ぐために騎士になれ、という幾つもの召喚状が届けられたのです。
要請もありましたし、脅迫もありましたし、心からのものも、罠と明らかに判るものも。

その召喚状の一通を偶然に見たケインの妹は突然言い出したのです。
「わたくしが、お兄様の代わりに行きますわ!。お父様とお母様が帰ってこれなくなったのは、
 どなたかが意地悪したからですのね!」
唖然としている間に、庵を飛び出す妹。
まあ、すぐに迷いの森の中で迷子になって帰ってくるだろう。王都がどこかも知らないし。
と、ケインは思ったのだがぜんぜん帰ってこない。
なんと。
精霊と仲の良い妹は「あらあらまあまあ」と精霊の親切で、精霊に見送られながら森を出て。
動物と中の良い妹は「わふっ」「ひひーん」と動物たちがリレーして案内され王都に辿り着いたのです。
慌てたケインは、少しずつ慣れてきた身体で、精霊を説得し、残った騎士4名と共に追いかけ‥‥
王国軍に襲われたところを、某方に助けられたのでした。

<損壊・襲撃>
損壊はご勘弁ください〜。
襲撃はいくらでもです。

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Pass:
Miniりすと v4.01