【概要】 ノーシス主教の正当教義と信徒へのあらゆる脅威と逸脱を監視、撲滅、焚書し、正しい信仰を守ることを目的に設立された組織。その対象は異端のみならず、異教徒や魔族、あるいは単に腐敗した主教内の聖職者にも及ぶ。神聖都市ヤルダバオートに本部施設を持ち、そこから各地の教会に人員を派遣している。
所属する聖職者は異端審問官と呼ばれ、捜査官、裁判官、諜報工作員を兼ねている。目的達成の為に多大な権限を与えられており、苛烈な拷問や処刑を含むあらゆる手段を使うことで悪名高い。狂信的とも言えるほどの信仰を持つ者が多く、主教外の人々はおろか本来守るべき主教の信徒達にも恐れられている。
しかし、当然ながら組織の規模が大きいが為に一枚岩とは言い難く、重要な問題を放置して派閥抗争に明け暮れたりは日常茶飯事。また、強大な権力と長い歴史は組織を腐敗させ、使命を忘れその権力を私欲の為に使う者や、逆に狂信のあまり罪なき人々まで害する者も存在する。
歴史の長い組織であり、また禁書目録の作成や焚書を行う関係から、ナルラート王による変更前の主神の名を知る数少ない組織の一つでもある。その為内部には主神の名を元に戻そうとする復古派と呼ばれる勢力が秘密裏に存在し、カルネテル王家の影響を排し、主教をあるべき姿に戻すことを目的に密かに動いている。
【組織と人員】 組織の長官は枢機卿の地位の物が務め、前任者から指名された最も優秀な異端審問官が就任する。その下に下記の三部署を監督する局長が属し、それぞれの部署の異端審問官を監督する。
異端審問官は王国各地の信仰篤き司祭や修道士、修道女から、または幼少期から主教の教育を受けた孤児達から選抜され、厳しい訓練と修行を経た者達が採用される。
原則として主教内の宗派や信ずる神は問わず、服装もその戒律に準じている。しかし異端審問庁の紋章と所属する部署名が記されている装身具を身につけており、知識があれば一目でそれと分かるだろう。ただし、任務に応じては一般の聖職者や世俗の市民等に変装することもある。
また、任務や己の好みに合わせた聖別武器を装備し、戦闘任務の際は王国軍に準じた甲冑等の防具も着用する。その信仰と鍛錬により、個々の審問官の戦闘能力は高い。更には主教に属する各聖騎士団は勿論、王国の役人や軍部隊にも協力を要請することが可能である。その他にも貴族の私設騎士団や魔術協会、冒険者ギルド等とも協力することもある。
異端審問官は適性に応じて主に三つの部署に振り分けられる。
・啓蒙局 正統な信仰を守護し異端やカルト、主教を脅かす異教徒の取り締まりを専門とする。最も構成員の数が多く、各地に異端審問官を秘密裏に派遣している。 主教に反する書物の焚書や、禁書目録の作成を行うのもこの部署である。 また、最近活動を続けるミレー族の過激派、『星の聖猫派』に対する調査も行っている。構成員の数が多い分、個々の質は比較的低めであり、問題を起こしがち。
・鉄槌局 主に主教を脅かす魔族や、彼らに協力する人間の撲滅を任務とする。性質上、エクソシストとも呼ばれる魔族に対する戦闘能力に長けた異端審問官が多い。 信仰が狂信の域に達している者も多く、魔族に対する戦いを聖戦と見なしている。魔族討伐を主任務とする聖騎士や王国の軍部との関わりも深い。 しかしながら、その信仰ゆえに魔族は全て滅ぼすべきであるとする派閥と、人間に友好的な魔族は見逃すべきであるという派閥が存在し、争うこともしばしば。
・護教局 主教内の汚職や背信、腐敗聖職者の処罰を担当する。当然、その中には他部署の異端審問官も含まれる。三部署の中では最も規模が小さいが、その冷酷さと無慈悲さで恐れられている。 しかし、王国の腐敗の中では汚職聖職者に返り討ちにされることも少なくなく、最も優秀で冷静な異端審問官が求められている。
・その他の部署 それ以外にも小規模ながら組織運営に関わる様々な部署が存在し、中には審問庁長官のみがその存在を知る秘密部署もあるようだ。
・教会衛兵隊 表向きは名前の通り主教の教会を守護する兵士であるが、実際は異端審問庁子飼いの精鋭部隊であり、異端審問官の護衛や補助戦力として働く。 衛兵は信仰篤き傭兵と教会が引き取った孤児から育成された者で構成され、この部隊から異端審問官に出世する者も多い。
【利用について(PL向け)】 組織への参加や設定共有はいつでもご自由に。 また、設定の追加等の相談も歓迎しております。お気軽に私書にどうぞ。 損壊・襲撃につきましては、所属人員に対する敵対、攻撃等は自由です。 本部の壊滅等、組織が存続、再建不可能になる展開はおやめください。 |
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