通称『黒幌馬車』、正式名称は『フラット=フランダー商会の定期便』。 民間向けの乗合馬車である。
■概要 王都城門を出てすぐの場所にある厩舎を基点・拠点とし、《まれびとの国》の主要都市の多くを相互に結ぶ公共交通網を確立している。 辻馬車・荷馬車などの貸し出しは一切行わず、乗合馬車のみの運用に特化している。しかし、手紙などの小型の貨物を運ぶことはある。 大都市を結ぶ路線は日に3〜4往復、過疎路線も日に1往復は運行している。
競合する他の乗合馬車と比較して、フラット=フランダー商会は『丈夫な幌馬車を低価格で提供』することで差別化を図っている。 運賃は平均的な幌なし荷台馬車の2割増し程度で収まっている。
■馬車について 先のとおり、頑丈な幌馬車を運用している。4頭立て、最大8人乗り(向かい合わせのロングシート)。貨物用のワゴンを改造したものだが、座席はクッション付きで乗り心地は悪くない。 加えて、防水加工を施した頑丈な布地で荷台全体をスッポリと覆い、搭乗者を雨風から完全に防ぐ。後部の昇降口すら二重のカーテンになっていて、両サイドにも隙間1つ無く、御者席との間さえも区切られている。見た目の造形はむしろ現代の幌付き大型トラックに近い。 黒に近い紺染めの幌が特徴的なことから『黒幌馬車』と呼ばれる。
しかし、この頑丈で密閉度の高い幌が災いし、客室内は恐ろしく暗い。昼間でさえ、席の端と端からでは互いの顔を確認できないほど。酸欠や火災を防ぐためにランプの点灯もされない。 この暗さと『安いサービスには悪い客が集う』法則から、快適さを求める客層からの評判はすこぶる悪く、よくない噂も多く立っている。「スリにあった」「痴漢された」という苦情は日常茶飯事。「すれ違った黒幌馬車の中から男女の喘ぎ声が聞こえた」なんて話も。 さらにはタナール砦近辺までも運行する便があることから、「魔族の往来に加担してるのでは」という噂すら立つ始末。検問には応じるため秘密裏に悪者を運ぶことなどできっこないのだが、魔族であれば正体を隠すのも容易であろう。
当の運用会社のほうは、これらの噂を否定も肯定もしていない。まったく評判に上らないよりは悪い噂でも出回ってたほうが得だ、という考えなのである。 そんなわけで、後ろ指をさされつつも、安い旅を望む多くの旅人に黒幌馬車は使われている。
■フラット=フランダー商会について フラット・フィナ、フランダー・フィナ兄妹が連名で代表を務める商会。 しかしその実態はほとんど商取引を行っていないダミー会社。馬車運用も含めてほとんど、兄妹の父である貴族フィナ家当主によって行われている。
■ロールプレイでの使い方 薄暗い公共交通機関で乗り合わせた者同士の痴漢シチュ、そこから発展して密室いちゃいちゃシチュなどにお使いいただけると嬉しいです。旅は道連れ、雑談シチュなども良いでしょう。
■損壊・襲撃について 危険な世界なので、馬車に対する襲撃や交通事故なども日常茶飯事でしょう。 日に何台も壊されたらさすがに経営難になりますが、度を超えなければ黒幌馬車に対する損害などは許容されます。適度にお願いします。 運営会社であるフラット=フランダー商会、その胴元であるフィナ家、および馬車の拠点に対する介入はご遠慮ください。
なお、フィナ家はビスコ(No.1684)の背景としても用いています。 |
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