《概要》 王都に本拠を置く魔導機械研究機関。 それなりに歴史ある組織で、創立はナルラート朝滅亡の直後。 初代主任技師であるアデリーナ・クルシンスカヤは発掘された魔導機械を簡素化して 民間に普及させることに尽力していたが、数代前から一気に軍事に方向性を転換。 現在の主任技師であるアデリーナ・"ヴィクトロヴナ"・クルシンスカヤは 王国軍と密接に結びついた兵器開発者である。 主任技師が軍事に傾倒したことで、研究局自体も 魔導兵器廠としての色を強めつつある。 指導者はアデリーナ・ヴィクトロヴナ・クルシンスカヤ(No.1468) という事になってこそいるが、研究員は各々のテーマを好き勝手に研究しているため 組織としての上下関係はほぼ存在しない。
《施設》 王都の富裕地区郊外に居を構える窓のない、 規則正しく切り出された石材で組み上げられた石造りの巨大な建物を本拠とする。 近隣住民からは灰色の威容を「石箱」と揶揄されており、 内部をうかがい知る事は難しい。 警備として一日中敷地内をゴーレムが巡回している。
《製品》
・○一型魔導長杖 外観は機械仕掛けのトリガー付き長杖。 現実世界におけるライフルに似る。 魔術師等が事前に魔力を充填しておくことで、 予め設定されている攻撃魔法を規定回数まで行使できる。 一本につき設定できる攻撃魔法は一種。 複雑な高位魔法は設定できず、また一度設定された魔法を書き換えることもできない。 が、再充填することで繰り返し使用は可能。 魔法の魔力消費量にもよるが、フル充填時で最大20回程度の魔法行使が可能。
・○二型魔導短杖 ○一型長杖の難点である重量と取り回しを改善した短杖。 グリップの底にトリガーのあるトンファーのような形状。逆手持ち推奨。 用途は○一型と同一だが、充填容量と使用できる魔法の質で劣る。 下位の単純な攻撃魔法を約15回程度行使可能。 軽く、隠し持ちやすいため王都内で活動する貴族の護衛や 治安維持部隊などに供給されている。 が、多数が不穏分子にも流出している模様。
・○三型魔導短槍 熱兵器搭載型魔導機兵のパーツをもとにでっち上げられた番外兵器。 一般に流通している品ではなく、この世に一点しか存在しない"失敗作"。 高熱を帯びた穂先と伸縮機構、 そして刺突した対象に魔力爆発を誘発する術式を組み込まれている。
・一一型魔導兵 当代主任技師"ヴィクトロヴナ"クルシンスカヤの研究成果。 高度な戦闘能力を持つゴーレム。 外観は製作者の趣味で魔導機兵に似せられている。 材質により性能に差はあるものの、平均して王国正規兵1.3人分の戦闘力を有する。 また、前述の魔導杖で武装している場合が多い。 都度詳細な命令を要する従来型ゴーレムと違い、 事前の指示に従ってある程度の柔軟性を持った自律活動が可能。 例えば、撃破を命じられた敵部隊が投降した場合、 対象の殺傷から捕縛、無力化に目標を切り替えるなど。 通常のゴーレムよりは高コストながら、 使い捨て可能な戦力として一部の戦線では王国軍の一翼を担っている。 |
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