2015/12/22 のログ
ヴェルム > 「やっぱり、偉い地位にいるといろいろ詳しくなるみたいだね。
正直関わりたくないぐらい厄介そうだ…。」

聖剣をただの長剣に戻し、鞘に収める。
王族のナルラと魔王のアスタルテ、二人のいろいろ知っている振る舞いに気が重くなる…知らないほうがよかったと思えることが身近に起こるとは。
恐らく各地にある文献を紐解いていけば、今回の黒幕についての知識を得る事はできるだろう。自分に向いているかどうかは別として。

「勇者かぁ、改めて言われると気恥ずかしいものがあるけど、
女の子に無事を祈って貰えたのは役得かなー。」

勇者な要素がどこにもなく、状況に流されただけであったが、少なくとも同じ事をする者はティルヒア軍にいなかった。
それがティルヒアにとって少しでも救いになったのなら嬉しい。
そして魔王とはいえ女の子に心配されるのも嬉しい。

きっとあの光で彼女の仲間も多くが消えただろう。
だがどうでもいいから笑っているようには見えない。
きちんと覚悟を持っているから笑えるのだろうか。

「魔族が敵とか味方とか、短絡的だと思うな、
少なくとも僕はアスタルテの敵にはならないよ
笑い合えるならそれでよしってね。」

大雑把だが自然な答え、魔族という大別で敵味方を判断するより、
個々の意思を持って判断するのがわかりやすい。
魔族戦に長けたヴェルムだが、問答無用で魔族を斬ることはしないと。

「王子のことは信頼してる、だから偽りを混ぜてでも王子に任せることにするよ。
…噛まないようにね?」

演説を始めようとするナルラを改めて信頼し、その言葉に託す。
最後に軽口を言ったのはその信頼の現われ。
そして彼の演説を最後まで黙って聞く。
ようやく、この戦争が終わった…。
だけどまだ闇は消えない。

ナルラ > 演説が終われば、軽く息を吐き、今後の予定を考える
停戦調停、国葬、戦争追悼式典、手配するものは色々必要だ

ティルヒアは運よく遺体は残ってくれている、彼女はヤス湖の辺りに
慰霊塔と墓を用意しよう。

「偉いと敵も多いからな……私はこれからある意味戦争だよ。
それと最高司令官殿、貴方もこれからやることは山積みだぞ
停戦調停に、戦後処理の手続き、一応フォローはするが、ある程度は自分でこなしてくれよ」

今回の件もあり、政争は激しくもなり、彼自身も敵が多く増えることは予測できる
だが通すべきことは通さなければならない。

「いいのか? 魔王が“勇者”と認定すると、それなりの加護が私達二人に与えられるぞ?」

文献であった、魔王の天敵である勇者、力のある魔王が勇者と認めたのなら
勇者もまた、その魔王の願いに見合った力を得るともある。

それが真実かどうかは、眉唾ものではあるが。

「まあ、あの力はまだ私の中に残っている、私の血筋、そして名前
其れがあるかぎり私は逃れることはできないからな」
つまり、またヤルダバオートの手駒にされる可能性は、残っている
それに対抗するには、アイオーンの加護を強めるしかないのだが
方法は見当がつかないでいる。

「アスタルテ姫、できれば次は戦場ではお会いしたくはないな
可能であれば、一緒に茶でも飲んでゆっくりできれば良いのだが
だが、その時が来たらお互い全力を尽くそう、それが勇者としての使命なのだろうから」

魔王アスタルテ > (聖剣を鞘に収めるヴェルムは、やはり多くを知らないのだろう)
「君は、一時的にとは言え最後にはティルヒア軍の最高司令官を宣言して名乗りを上げたわけわけだよ。
 偉い地位と言うなら、もしかすればいずれ君もそうなっちゃうかもだね」
(今回の戦争におけるヴェルムの功績は大きいだろう。
 そして、あれだけ大胆に大演説をかますヴェルムとナルラの知名度が嫌でも上がる事は想像に難くない)

「大胆な大演説をかましたわりには謙虚だね、ヴェルム。
 そう言えるのもまた、君も立派な男の子だね」
(遥かに年下に見えるアスタルテは、ヴェルムを男の子と称して少し茶かす。
 こんな大胆な事をしたのは、この戦乱においてヴェルムとナルラの両名だけだ)

(続くヴェルムの言葉に、文字通りアスタルテは笑みを浮かべる。
「あははー、あたしも笑顔でいる事は好きだよ。
 ヴェルムにそう言ってもらえるのは、嬉しいね。
 まあ魔族と言っても、人間と同じようにこの世界で生きていて、それぞれ個性があるものだからね」
(魔族にもまた様々な者がいる。
 人間を憎む者も知っている。あまり人間に手を出さない者も知っている。
 そして、人間に対して友好的に接しようとする者も知っている)


(ナルラの問いに、アスタルテは答える)
「あたしは、自分が正当と思う評価をしているに過ぎないよ。
 故に、あたしが君達を勇者と称した事で、君達が加護を授かるならば、それもまた正当なものだとあたしは考えるよ」
(一度認定した事を簡単には取り消さない。
 加護が与えられれば、それもまたアスタルテにとっては正当なものだ。
 それだけの敬意を称して、二人を“勇者”と呼んだのだから。

「カルネテル王家の闇もまた、深いからね」
(ナルラの言葉に、アスタルテはそんな言葉を残した)

「そうだね。あたしも君と次に会う時は、ゆったりと平和に寛ぎながら過ごせたらいいなって、そう思うよ。
 だけどね──」
(アスタルテは、ほんの少しだけ邪悪がこもった笑みを浮かべる)

「──あたしの玉座に訪れた“勇者”を絶望に突き落とすのもまた、魔王にとって至高の喜びの一つだと心得ているよ」

(すぐに、その邪悪は消えて元の笑顔に戻る)
「それはさておき、戦後処理などこの後の事は白き龍も言ってたように君達人間の役目だよ。
 あたしが白き龍と君達人間を見届けるのは、ここまでだね」
(アスタルテは飛び立つ準備をするかのように、翼を広げる)

ヴェルム > 演説が終わればナルラに拍手を送る。
ハッピーエンドではなかったが、バットエンドではなかった。
ティルヒアの名は逆賊として歴史に名を残すことは無いだろう。

「えぇ!?政治の話をするために名乗ったわけじゃないのに…。」
戦うのが仕事で政治のことなんて考えたこともない。
やっと落ち着ける、と思っていたのにナルラの言葉で肩を落とす。
最高司令官を名乗った以上、しばらく落ち着くことはなさそうだ。

「地位が高くならなくても黒幕のことは調べるよ、
また同じことが起きないとも限らないし、ティルヒア様の分仕返ししたいし。
まぁ…ここで生き残った以上見て見ぬふりはできないかな。」

知名度のことなど考えてもいないだろう。
だがヴェルムにとってここで終わりにするつもりはなく、
復讐ともまた違った、やるべき事を見つけたらしい。
アスタルテに笑って答えた。

「目立つのはあんまり得意じゃないから…元々密偵だし。
…男の子…あぁ、うん。」

魔族と人間じゃ寿命が違う。男の子といわれて納得したが、
逆を言えばこの世から消滅させられてしまうだろうか。
少なくとも女の子の前で年齢の話はしないほうがいい。
ヴェルムは自己完結した。

「僕も笑っているほうが好きだね。
だからアスタルテ、また会うときは戦いの場でないことを祈るよ。」
翼を広げるアスタルテに素直な気持ちでそう伝えた。

「王子、とりあえず今は一休みできるかな…。」
これから忙しくなるとはいえ、今は一時でも休みたいと。

ナルラ > 「まあ、今後やることが山積みだ、残された人間でやるべきことは人間で済ませておく
まあ、ご期待に添えるかどうかは、これからの私の成長次第かな?」

そう言えば、目を細めてアスタルテを見送る。
できれば次も、敵ではないことを祈りながら。

「まあ、そんな顔をするな、多少は手伝うとは言っているんだ
大船に乗ったつもりで、判らないところは頼ってくれ」

一休みの件に関しては軽く頷き

「まあ、一休みするには同意するが、ティルヒア姫と臣下の人たちを安全な場所に運ぶのが先だ、ココは崩れてもおかしくない。
便利な道具を出すから、しばらく待て」

そう言って、城の安全な場所にティルヒア姫をはじめとする、この国の最後の官僚たちの遺体を運んでいく。

ティルヒア動乱はここでひとまず集結する。

ここからは、やることは山積みで残っている、その話はまた別の機会でもされるだろう。

魔王アスタルテ > (ティルヒアが逆族として名を残さない。
 かつての宿敵が、人間達に汚名を被せられる事もなく安らかに眠っていく事に、
 アスタルテも嬉しく思う)

「そっか。ヴェルムは改めてこの戦争の“真相”を自分の眼で確かめるんだね。
 だけど、その“真相”を知るには強い覚悟を決める必要があるよ」
(“黒幕”の正体を知るという事は、このマグメール王国に隠された重大な“真実”を知るという事でもある。
 なにせ、マグメールが神聖としているのはヤルダバオートであり、
 そして禍々しき黒き龍もまた、そのヤルダバオートの化身なのだから。

 アスタルテにしてみれば、通常の人間の寿命などあまりに短い。
 故に人間というのは、結構若々しいのだ)


(そして、ナルラとヴェルムの言葉を聞き、
 アスタルテにとって大切な存在になった二人に、最後に優しく微笑む。
 次に会う時、敵ではない事を心から祈りつつ、
 実際に敵として出会う事はないだろうと、アスタルテは予感していた。

 そしてアスタルテは二人に手を振った後、天へと舞い、消えていった)

ご案内:「ティルヒア城最上部」からナルラさんが去りました。<補足:銀髪・褐色肌/龍鱗で強化された鎧>
ヴェルム > 「どんな覚悟が必要になるかわからないけど、それはその時考えることにするよ。
でも、ありがとう。」

黒幕について恐らくよく知るが故に忠告をしているのだろう。
ただそういったことに前向きなヴェルムにとってそれは障害になるかどうか。
天に飛んでいくアスタルテを見送るその表情は明るかった。

「まぁ、王子の命令なら逆らえないなぁ。」

一応はティルヒア軍も王国軍の一部、その王子が言うのであれば否応なしに引きずりこまれていくだろう。
一休みできそうだが、その後しばらくは事後処理に追われる日々が続く。
それはまた別の話。

ご案内:「ティルヒア城最上部」からヴェルムさんが去りました。<補足:黒髪短髪/ティルヒア上級騎士鎧/ティルヒア紋章入り外套/聖剣持ち>
ご案内:「ティルヒア城最上部」から魔王アスタルテさんが去りました。<補足:外見10歳、身長130cm。黒いワンピースを着て、悪魔の翼を生やす魔王。>