2015/12/19 のログ
ご案内:「ティルヒア城 謁見の間」にナルラさんが現れました。<補足:銀髪・褐色肌/身なりの良い礼服>
ご案内:「ティルヒア城 謁見の間」にヴェルムさんが現れました。<補足:黒髪短髪/ティルヒア上級騎士鎧/ティルヒア紋章入り外套/聖剣持ち>
ナルラ > 階段を登り、長い廊下を二人の男が駆け抜けていく。
一人は、ティルヒア軍上級騎士 ヴェルム・アーキネクト。
そしてもう一人は、マグメール国の王子ナルラ・ホーティ・カルネテル。
途中崩れている箇所もあったが、二人はそれらを気にせず一目散に謁見の間の扉へと向かっていった。
「さて、何が待ち受けているか」
扉に手をかけようとした時、その時城が大きく揺れた……
「何だ?」
そして、外で待機している黒天馬隊の視覚をリンクさせる
ヤス湖が震え、そして白き龍が現れた
もうすでに、龍の姿を維持できないほどに消耗しているのにもかかわらずだ。
そして、扉の向こう側から強いプレッシャーを感じた
その次の瞬間、黒天馬隊は目撃する。
黒い混沌を……己が憧憬に焦がれる存在を
扉の前で固まるナルラを見て同行者は何を思うだろうか。
ヴェルム > 結界を破り、ナルラと共に目的の場所へと向かうヴェルム。
本来敵対するはずのお互いだが、何の因果か二人揃って走っている。
結界を解き、ここまでの道を通してくれたナルラへは、少なくともこの状況において強い信頼を持っていた。
目的地である謁見の間、何度も見て出入りしたはずの扉が、今はとても大きく重く見える。
そして扉を開けようとした時、大きな振動が起こる。
「これは…城の外か…」
この廊下には窓らしいものは付いていない、崩れた瓦礫によってかろうじて外の景色が見える程度の状態にはなっているが、
何が起こっているかを把握するためには十分ではなかった。
ただその振動が外からであるもの、そして懐かしい感覚、それに対して大きなプレッシャーにも似た感覚。
「王子、この状況で進むのは危険では……王子?」
外の状況が把握できていないヴェルムはナルラに意見を扇ごうとした。
しかし扉に手を掛けた状態で固まっている。
その目は何か遠くを見ているような感じに見えた。
ナルラ > 頭のなかに入ってくる情報の数々、現状を把握すればナルラはヴェルムの方を見る
「どうやら外では、龍と龍の戦いが始まったようだ……」
扉から一旦手を離し、壁の、できるだけ平坦な部分を選び銃弾を撃ち込む。
そこには映像が投影される、白き龍と黒き龍の戦い
恐らく神話や伝説ぐらいでしか目撃した事のない激しいぶつかり合いが見て取れる。
「同時に、この城内を始め周囲には多くの魔物も湧き出ている……まるで、この世の終わりのようだな」
そう言って、二つの魔法弾を撃ちこめば、ティルヒア軍、王国軍の区別なく襲いかかっている魔物やティルヒア軍人の動く死体の様子が映し出されていく。
「ヴェルム一つ問おう、この戦いは偽王ティルヒアが王位を宣言したがために始まった戦いだ、
元々はティルヒアもまたマグメールの民である……と私は考えている。
今この状況、王国軍ティルヒア軍共に共通の敵としてこれら、正体不明の魔物や動く死体と対峙している
忘れていた肝心な問いだ、お前はこのままティルヒアやこの国の守護龍と呼ばれる、ティルヒアをそそのかした存在と共に滅びるか?
それとも、王国軍と協力し、多くの者の明日を取り戻すか?」
そう尋ねながら、ヴェルムに奥歯に被せるマウスピースのようなモノを投げ渡す。
「私の作った念話装置だ、これを奥歯にはめ、強く噛み締めながら念じれば特定の相手に語りかけることが出来る……
そいつは今リミッターを外したものだ、広範囲にいる多くの者達に同時に語りかけることが出来る
私とともに、この国に残った兵に語りかけて欲しい、王国軍、ティルヒア軍、両軍の戦闘行為は終了した、そして共に協力し、この国から一時避難せよと」
ヴェルム > 「これは…!」
ナルラが撃ち込んだ銃弾、そこに投影された映像は信じられないような光景。
神話の話程度にしか聞いていなかった、巨大な龍同士の戦い。
そして何故だが、そこに映る白き龍にとても懐かしいような感覚を覚えた。
また、ナルラが映した別の映像、魔族とも違う魔物や蠢く屍を見て、地獄とはこういうものかと驚嘆せざるおえず。
…女王ティルヒアがいったい何をしたというのか、ティルヒアの民や兵が何故苦しまなければならないのか、当てようの無い憤りを抱えて拳を握る。
「ティルヒア様その人が原因ではない…けどそんな議論をしてる余裕は無いね…。
ティルヒア様のことをマグメールの民の一人と考えてくれるなら、ティルヒア軍の騎士である僕もまた、王国軍の一兵士とも言える。
無論、こんなところで無駄死にするつもりは無い、残った兵や市民たちも助け出す。」
強い決意を表しながらナルラを見る。
彼から受け取ったマウスピースのような道具を受け取った。
「都合のいい道具を持ってるね、でも今はありがたい…。
残った兵や民たちに語りかける時間を貰うよ。」
ナルラ > 「優しいなお前は……ティルヒアに騙されていたというのに」
議論をするつもりはないが、揺さぶりをかける。
奥歯を噛み締め、この城に、いやこの城を中心とした魔物と戦う者達、そして逃げ惑う者たちへと語りかける。
『皆の者、聞こえるか?
我はマグメールはカルネテル王家、ナルラ・ホーティ・カルネテルである。
此度の戦いは、ティルヒア第一軍のグスタフ老が最期まで勇敢に戦い、そして散った
それにて人の戦いは幕を閉じようとしようではないか?
今現在、皆も見ているように、ティルヒアの守護龍、白き龍が暴れておる。
皆も先日の龍の出現を覚えてるであろう?
あの龍はティルヒアの民の味方ではない、その証拠に敵味方問わず破壊の限りを尽くした。
あの白き龍こそティルヒアをそそのかした存在であり、此度の戦争の原因である!
現在、あの強すぎる力を抑えこもうと世界はバランスを取るため、神は黒き龍を遣わした
白き龍はあろうことか、やけになり、混沌の魔物を呼び出し、今諸君たちを襲わせている。
あの日、白き龍が現れ、王国軍ティルヒア軍問わず、破壊の限りを尽くしたように!
諸君、今こそマグメール王国軍、ティルヒア軍の戦争を集結させ、今は白き龍とその下僕たる混沌の魔物を追い払い、人類の勝利を掴みとろうではないか!
だが疲労したもの、負傷したものも多いだろう
無理はするな、そして決して死ぬではない、ティルヒア軍の兵であろうと
今は我がマグメールの臣民である
疲労したもの、負傷したものは無事に避難してくれ。
犬死をするではない!
今から我が白天馬隊が向かい、治癒魔法の砲弾を放つ
それで療養を行ってくれ!
勘の良い者は判っていると思うが、この治癒魔法の砲弾はティルヒア軍の技術である
多くのティルヒア軍の者達はすでに王国軍に戻ってきておる、だから恥じることはない、お前たちはマグメールの兵である
あとティルヒア軍の者中心ですまない、わが愛する王国軍の兵士たちよ
聞いてのとおりだ、目の前にいる人間は友人であり、ともに戦う仲間だ
今こそ協力し、目の前の脅威を排除していってくれ
諸君、生きて王国で再会しよう!』
念話による演説が終われば、白天馬隊は後方に下がり、治癒に特化した魔法銃で兵士や傷ついた民の治療をはじめることだろう。
そして黒天馬隊は、他の兵士たちの援軍に向かう
上空で繰り広げられる神々の戦い、この国に生き残った民や兵は生き残るための反撃を開始した。
「さて次はヴェルム、お前だ。 私の言葉だけでは信用せぬ者もおるだろうからな、よろしく頼むぞ」
ヴェルム > 「…騙されていたのはティルヒア様も一緒…そのはずだ…。」
実際のところ、正常であったティルヒアと会ったことはない。
ただティルヒアと離れて始めて違和感を覚えたからここまで来ただけのこと。
そしてティルヒアを信じているという根拠の無い理由があったから。
それを揺さぶられたとき、顔には出さないヴェルムの心は僅かに揺れた。
ナルラが王国軍だけでなく、ティルヒア軍、この場にいる全ての者に語りかけている。
腹の内が読めない男だが、実力はある。
たとえ自分がいなくてもこの男ならティルヒアの兵も動かすことができるだろう。
ナルラの演説が終わり、自分の番になれば、道具を噛み締める。
「…ティルヒアの民、そして兵たちよ…聞こえるだろうか
私はティルヒア軍上級騎士、ヴェルム・アーキネクトである。
今私はマグメール王国、カルネテル王家、ナルラ・ホーティ・カルネテル閣下と共にいる。
最後の将、グスタフ司令が討たれ、武官・文官の閣僚、将軍、騎士たちもみな息絶えた。
略式ではあるが、現ティルヒア軍最高司令として皆に話をしたい。
先ほどの閣下のお言葉を聞いたであろう。
現在上空では龍同士の戦いが始まり、そして地上では魔物の軍勢が現れ、両軍の兵を、そして民たちを襲わんとしている。
人間同士の戦いは終わったのだ、だが戦いはまだ終わってはいない。
まだ都の中には逃げ遅れた民が、負傷した両軍の兵が残っているのだ。
ティルヒアの兵たちよ、王国軍に合流せよ!
我らはそも魔物と戦うために訓練を重ねてきたのだ。
今こそその力を振るい、民や仲間を助け、都ティルヒアを解放するのだ!
…ただ、無理はするな、負傷したら王国軍陣地まで撤退するんだ。
いきなりのことで混乱していることだろう…
だが、私を信じて欲しい…頼む。」
演説を終えると少し恥ずかしそうに笑う。
こんなことはしたことがないし、上級騎士が全軍の指揮を取るなど前代未聞だ。
だがティルヒアの兵たちはこの危機に対し、予想よりも早く王国軍との連携を取り始める。
「こういうのは苦手だ…王子様ほど上手いことは言えないな。」
ナルラ > ヴェルムの言葉を黙って聞いている。
彼の演説があってからこそ、ティルヒア軍の生き残り達は大義名分を得たのである。
軍の最高指揮官の命という、兵士にとって重大な大義名分を
「いや、嘘偽りのない良い演説であったよ、ティルヒア軍最高司令官殿、さてこれからどうする?」
先程から外での龍の戦い、さらに下の階からは山を抉るほどの魔力が射出されもした
正直この場所に留まるのは狂気の沙汰ではない……何の目的もないのであれば
「できれば他の兵と合流し、そのまま王国軍の領地まで撤退するのが懸命だろう、だが私は少々野暮用があってな、少しだけここに留まろうと思う」
もし、何のために残るのだと問われればこう答えるだろう。
「龍殺しは、英雄の名声を挙げるにはこれとない機会であろう?」
そう狂気の沙汰のような事を口にする
ヴェルム > 「やめてくれ、これで将の一人でも生きていたら赤っ恥だ。」
目下の兵たちのためとはいえ、大分大見得を切ったのだ。
上級騎士といっても兵士は兵士、だがそれだけティルヒア軍は軍としての体をなしていない状態でもあった。
「さっきから龍の争いで、この辺り…城の天辺付近はいつ吹っ飛んでもおかしくない状態だ、おまけに下からは魔物がひしめいている…。
だがティルヒア様の安否…そもそもいらっしゃるのかどうかすら確認していないのに逃げることはできないな。
それで、王子の野暮用というのは…?」
ヴェルムの目的はまだ達成されていない、ならば危険であっても前に進むしかないのだ。
だが聞いていなかったナルラの目的、ティルヒアの首かと思ったが違うようだと。
そしてナルラが発したその野暮用というのを聞いて、笑ってしまう。
「なら余計付いていくしかないな、王国軍には恩を売っておかないとね。」
ナルラ > 「まあ、兎に角先ほどの演説で最高司令官の座についたのだ、私が許す」
そう言って、面白そうに男は笑う。
そして男の言葉、生真面目なのだろう、その言葉を聞き何度か頷く
「ティルヒア公は、あくまでも私の推測だが……あの白き龍に囚われているかもしれんな
あの手の龍は、人界にいるものもいれば、はたまた精神世界や神の領域で実体を持たぬものもいる。
あくまでも仮説だ、あの龍はティルヒア公を唆し、此度の戦を引き起こした
そして多く流れた血、そしてこの国に狂気をもたらし、その力を利用しこの世界に現れたのではないだろうか?
そして、その具現化するための触媒として、ティルヒア公を選んだ……
つまりだ、あの白龍を捉え、その力を封じればティルヒア公を取り戻せるやもしれん
あくまでも様々な文献や伝承から推測するものだ、間違っているかもしれないが」
そう、この説は間違っている、だがあの白龍を捉え力を封じ、ティルヒアが現れたとしても
違和感のない説を提唱する、ヴェルムが口に入れたマウスピースを介し、彼の思考に多少のズレを生じさせ、
今この瞬間だけでも、この嘘を信じ込ませようとした
「軍ではなく、あくまでも私の個人的な用事だ……
あの龍を捉え、運良くティルヒア公を保護できればいいのだがな
このままだと、責任を取らされ断頭台行きだ、それを阻止するには
我が保護し、その身を守るのが得策だとはおもうが、どうかね?」
ヴェルム > 「はは、王子の許しがあるのなら多少気は楽になりますよ。」
かいかい半分で笑う。
生真面目、と呼ぶには冗談を言ったりする。
真面目すぎるわけではないらしい。
「龍に囚われて…ふむ…。
だが少なくともその手の知識は王子のほうが上、
ティルヒア様の正体がなんであれ王子の仮説を信じるほか無い。」
思考のズレに違和感はなかった、ティルヒアのことをよく知っているわけではない。
神の文献についての知識も豊富ではない。
ナルラの言葉を信じるしかなかった、少しの疑いも無く。
「あの龍に勝つ見込みがあるということ?」
断頭台以前の問題として、今上空で戦う龍とやりあうことなどできるのかという疑問が浮かぶ。
ナルラ > 「だからこそ野暮用なのだよ……できれば巻き込みたくは無かったのだがな」
そう言って空間が歪み、ナルラの身を黒い鎧が纏っていく
彼の指揮する騎士団の面々の黒鎧にも見えるが、ところどころ龍の意匠が施されている
龍の鱗が所々に使用されている鎧、それを纏った姿は龍人といったところである。
「実は私は以前より、とある黒龍、とは言っても外にいるあの龍ではないぞ。
その黒龍に打ち勝ち、嫁に迎えようと対龍兵器の研究をしていたのだよ、
要は、それらの実戦における、検証を兼ねてのもの、勝算は無ければしようとせぬな」
そう顔の見えない兜の下で、ケロッとした表情を浮かべる
「一緒に戦うのは構わんが、自分の身は先ほどと同じように自分で守れよ
さすがに龍相手では、余裕はないからな」
ヴェルム > 「尚のこと、もしやられたら救助なり、亡骸の回収なりする者が必要でしょう。」
さすがに共に手出しするつもりはない、ただナルラの行いを見届けるだけに勤めようと。
さすがに神同士の戦いにちょっかいをかけようと思うほど命知らずではない。
「は…嫁…?…はぁ…、それはなんというか…意外かな…。」
ナルラの身体が纏っていく黒い鎧。
騎士がつけるものと違い遥かに有機的なそれを纏ったナルラは、別の生き物のようにも見える。
その姿に驚きを隠せないが、その鎧を作った理由が嫁を手に入れるためとは恐れ入った。
「私が戦うのは龍ではありませんよ、ここからの退路も確保しておかないと。」
そう笑って自分たちが駆けてきた廊下、その奥から魔物が迫ってきていた。
恐らく地上での戦闘は王国・ティルヒア合同軍が優勢に進めているのだろう。
押し込まれた敵が城の上へ上へと流れ込んできていた。
ナルラ > 「ならば、後方支援を頼もうか?」
そう言いながら、一応己の身にまとった武装の確認を行う
耐龍兵器といえども、あの白龍は想定外の敵ではある
加護が弱まり、疲労困憊になっているからこそ、勝機はあるのであろう
「ほう、そうだなできればこの城は損傷を控えて、入手はしたい
強引に退路をこじ開けるより、露払いをしてもらったほうが助かる」
そんな時、この国の本当の守護龍が現れたとの連絡が入った
上空で戦っている白龍と同じ姿をした龍が現れ、化物達を駆逐したという話である。
ならば地上にいる者達には次の言葉を流布する
『上空にいる白龍は、誠の守護龍ではない、やはり偽りの守護龍である
その証拠こそ、魔物を駆逐した龍である、
あの偽りの守護龍を倒し、いざオリアーブの平穏を取り戻す!』
と
ヴェルム > 「仰せのままに!」
ナルラの目的がなんであれ、今のヴェルムにはナルラを疑う余裕は無いし、己の命を守ることもあった。
聖剣を構え次々と突進してくる魔物たちの群れへ、
剣を払い、魔法を放ち、魔物を消していく。
魔と戦うために訓練されたヴェルムの剣は、美しく魔物たちを切り伏せていった。
ナルラ > そんなさなかである。
この謁見の間の天井が砕かれ、白き龍が傷つき降ってきたのだ。
黒き龍との戦いの中、白き龍は城にたたきつけられ、全身を血で濡らしている。
「何ともはや好機!」
まるでお膳立てをされたようなこの光景、ナルラは腕を龍に向けて魔法弾を打ち込み、右手の巨大な鉤爪で白き龍に襲いかかる。
思わぬ伏兵に白き龍は、対処できたのであろうか?
白き龍の返り血を全身に浴び、ナルラはそのまま鉤爪を振り下ろした
ヴェルム > 激しい振動と共に白き龍が城の上層、
つまりナルラとヴェルムがいる場所に落ちたのだ。
「白い…龍……うわっ!」
直接間近で龍を目撃することになった。
そしてそのとき、白き龍にティルヒアの影が見えた気がしたが、
崩れる床に巻き込まれ、大量の魔物と共に、一つ下の階層へと落ちてしまうのだった。
ナルラ > (この続きは最終章の更新後ティルヒアの運命やいかに)
ご案内:「ティルヒア城 謁見の間」からナルラさんが去りました。<補足:銀髪・褐色肌/身なりの良い礼服>
ご案内:「ティルヒア城 謁見の間」からヴェルムさんが去りました。<補足:黒髪短髪/ティルヒア上級騎士鎧/ティルヒア紋章入り外套/聖剣持ち>