2015/12/15 のログ
ご案内:「南部港町」にダンテさんが現れました。<補足:黒の短髪、黒の瞳。ぱっちり眼に長い睫毛。童顔気味。>
ダンテ > 常よりも早く宿へと戻って、そのまままた街へ繰り出した。
茜色の夕日が、雑多に賑わう港町を赤く染めている。
港が見える広場のベンチに腰掛けながら、遠くに見えるオリアーブ島に視線を投げかけつつ、少年は露店で買った魚のフライを齧っていた。
「落日、って感じなのかな。」
嘯く。
この町で過ごしていると、ティルヒアの内情は色々と耳に入って来た。正直どれも、この戦争の結末を想像するに難くない内容であり、結局それはその予想通りのままに終わりを迎えようとしている。
戦争には直接絡んで来なかったし、多くの冒険者がオリアーブ島へと渡って仕事を始めても、結局少年は渡島する事はなかった。
そしてそのまま、明日には王都に戻ろうと考えている。
サクリと、ここ暫くで食べなれたフライをまた齧り咀嚼する。特に何をするでもなく、ボーっと、町の喧騒の中で島を見つめる。
ダンテ > 最後の一口。尻尾まで口の中に放り込んでもしゃもしゃと咀嚼する。
味付けだの何だのは、王都で食べるものには遠く及ばない。
だがやはり素材の鮮度の問題なのか、味そのものは悪くないのだ。
2日に一度は食べていた気がするフライである。
ぺろぺろと、油で濡れた指先を紅い唇で舐める。
唇の周りについたフライの粉もまた、舌先で舐めとって、あとは親指の背で拭ってしまう。そして今度はまた、汚れた親指の背に舌先を這わせる。
お世辞にも行儀が良いとは言えない所作である。
「ごちそうさま。」
ふぅ、と。マンゾクそうに一息をついて目を細める。
少し濡れた黒い瞳の中に茜の光が反射して、ゆらゆらと揺らめく。
おやつの余韻もそこそこに、ぐるりと周囲を見回す。
相変わらずにぎやかだ。
様々な種類の露店に、春を鬻ぐ者達、冒険者や傭兵、軍人。
人間、ミレー、魔族、何だかよくわからないもの。
ごちゃごちゃと雑多な種類の人々が各々蠢いている。
ダンテ > 日が暮れる頃まで、そうして広場でのんびりと時を過ごした後、少年は宿へと引っ込んで行った。
ご案内:「南部港町」からダンテさんが去りました。<補足:黒の短髪、黒の瞳。ぱっちり眼に長い睫毛。童顔気味。>