2015/12/05 のログ
ダンテ > 売りに出ているものは、非正規軍である傭兵や冒険者、海賊などが鹵獲した敵軍兵器の類であったりとか、略奪の末に流れ着いたであろう奴隷の姿も王都などより遥かに多い。
寧ろ、ここで買い付けて王都に売りさばきに行く商人の為の市場という事なのかも知れない。
以前来た時より、春を売る類の店や嬢も通りからは多く見受けられた。
「特需ここに極まれりってか。みんな、本当にたくましいな。」
ティルヒア側が盛り返せば、一転ここは地獄絵図である。それでも、傭兵や冒険者に限らず、明らかに非戦闘要員である商人やその手伝いであろう一般人の姿も多い。
通りにあふれる露店や客の人通りを眺めながら、向かう先は今夜の宿である。
ダンテ > 昼よりは随分人通りも少ないのだろうが、それでも十分に多い。
歩くのに難儀する程ではないにしても、見通しは悪い。陽が落ちている分、それは余計にそうなのかも知れない。
あちこちで魔導灯やカンテラの灯、建物の灯りが漏れてきているので、王都から離れた港町の夜とは思えないくらいに明るくはあるのだけれども。
常のように、肩に担ぐようにして持ったショートソードで、かん、かん、と肩を叩くようにしながら人波を縫うように歩む。
「―――にしても、多いなぁ。娼婦。」
道沿いに並ぶように立っている立ちんぼの娼婦を見やる。流石に時間もあって、今はかき入れ時なのだろう。かなりの数が出ている。
もともと娼館もないではないのだろうが、この特需に乗るために急ごしらえでできた売春宿の嬢や出張娼婦、或いは娼婦というよりも個人的に春をひさいでいる類の女性が、やはり圧倒的多数を占めているのだろう。
ダンテ > 「よさそうなお姉さんがいたら、買ってみるかなぁ。」
そんな事を嘯きながら。
そのまま少年は、夜の港町の雑踏の中に紛れて行った。
ご案内:「南部港町」からダンテさんが去りました。<補足:黒の短髪、黒の瞳。ぱっちり眼に長い睫毛。童顔気味。>