2015/12/02 のログ
ご案内:「ング=ラネク山 採掘場」にタマモさんが現れました。<補足:名簿参照。>
タマモ > 採掘場の奥深く、少女は何かを探している様子でのんびりと歩いていた。
とてとてと静かな採掘場内に足音が響く。
歩いては足を止めて、また少しすれば歩いて足を止める。
何をしに来たのだと問われれば、こう答えるのだろう。
お宝探し、と。
先日出会った者に、この場所でなんでも気に入った鉱石を手に入れたとか、そんな話を聞いた。
そして、他にも何か色々とあるのだと。
ならば自分にも何か気に入るような物がきっと見付かる、そんな安直な目的でこの場所にやってきた。
タマモ > どれだけ歩いても、どれだけ見渡しても、これといった物が見付からない。
そんな調子で奥の奥までこうしてやってきた。
「やれやれ、ついでに気晴らしにもなると思ってやってきたものの…面白そうなもの一つ見付からぬのぅ。
やはりあれじゃ、こういった場所にはどーんっと物凄いアイテムやら、こう、なんかあるじゃろう?
なんでこんなに探しておるのに何もないのじゃっ!」
少女の声が響き…再び静寂。
ふーっと深い溜息をつくと、げしんっ、と八つ当たりに壁を蹴る。
がらがらっと一部が崩れ地面に落ち、その中に変わった色をした鉱石が混じっているのを見付ける。
ひょいっと手に取り、まじまじと見詰めてみた。
「おぉ、あぶないあぶない…
考えてみれば、妾には何がよい鉱石やら何やら分からんかったのぅ。
…もしやこれが魔力やらなにやら込められた貴重な鉱石か!?…な訳ないな、こんな簡単に見付かる訳がないじゃろう」
ぽいっ、その鉱石を投げ捨て再び歩みを開始した。
実は今投げ捨てたのはまさにそれだったのだが、少女には魔力を感知する術はない。
そして、宝石としての興味もない…うん、仕方ないね!
タマモ > 奥へと歩き続ける少女、最奥とは一体どこまで歩いていけば辿り着くのだろう?そんな事を考える。
手持ちぶたさに、今度は別の鉱石を手に取る。
こう、あんまりごつごつしてなくて、持ち易そうな、そんな鉱石。
それをお手玉代わりにぽーんぽーんと上に投げては落ちてきたところを取り、また上に投げて…そんな事を繰り返す。
それも貴重な鉱石なのだが、やはり少女には分かっていない。
そして簡単に探り当てるこの運の恐ろしさである。
そんな調子で進んでいけば、いずれはきっと突き当たりに着けるのだろう。
だがそれは、まだ今ではなかった。
ご案内:「ング=ラネク山 採掘場」に魔王アスタルテさんが現れました。<補足:外見10歳、身長130cm。黒いワンピースを着て、悪魔の翼を生やす魔王。四天王を引き連れている。>
魔王アスタルテ > (この採掘場の最奥にある広い空間。天井もかなり高い。
そこには、先着がいた。
宙に浮き漆黒の翼を生やす二メートル程のドクロに、ちょこんと足を組んで座る魔王アスタルテ。
アスタルテが座っているドクロには羊の角が生えており、悪魔のようなイメージを漂わせる。
そして、アスタルテの直属の配下たる魔王軍四天王、その他には数十もの高位魔族がこの空間にいた。
その部屋の中央に浮いているのは、見るからに禍々しきオーラを発する巨大な漆黒の鉱石だ。
そのでかさは、全長10メートルにも及んでいる)
「これが悪魔の魔力鉱石“アモンライト”だね」
(そのアモンライトは呪いの鉱石でもあり、通常は触れる者を呪いで蝕む。
だが、その呪いを克服できれば膨大かつ邪悪なエネルギーを利用できる。
アスタルテ達がこの場に訪れた目的は、そのアモンライトにあった)
タマモ > さて、いい加減にゴールに着いて欲しいものだが、その思いは叶う形となる。
ただし、結構な数の嫌な感じがそこでお出迎えをしてくれそうな、そんな雰囲気だ。
さすがに数が数か…そう思えば、気配を殺し、そのゴール地点へと近付き物陰から顔を覗かせる。
予想通りだ、かなりの数の何か…すんすんっと匂いを嗅ぐ、覚えのある感じ、多分これは魔族という類の連中だ。
せっかくのゴールだ、この最後の部屋もしっかりと見ておきたいが…さすがに危険だと判断出来る。
さて、どうしたものか?そんな事を考えながら、その様子を眺めるのであった。
ただ、問題があるとすれば…
面白半分で持って来ている鉱石、自身の存在はばれないだろうが、明らかにその鉱石の魔力は分かってしまうと思われる訳で。
魔王アスタルテ > 「それじゃあ、この悪魔の魔力鉱石“アモンライト”を持ってかえっちゃおっか~」
(魔族は大抵、呪いに強い者も多い。
それに加えて、ここにいる連中は魔王にその直属の四天王、他の者達も高位魔族。呪いに関しては、悪魔の呪いに関してはあまり心配する必要もなかったりする。
そんな時、ここにいる全員が何者かこの部屋を訪れた事を察する。
なにせここにいる全員、高位魔族以上であるのだ。
その者は、気配そのものはうまく消したのだろう。だが気配に気づく前に、この部屋に入ってきた鉱石の魔力に魔族達は気付くのだ)
(高位魔族の数体がタマモの方に向く。
魔王及び四天王は現状、気付きながらも反応を示していないといったところだ。
タマモの方に視線を向けた数体の内の一体、ライオンの獣人型魔族が一歩前に出る)
『そこにいるのは分かっている。
出てきたらどうだ?』
タマモ > 部屋の中から聞こえる言葉に、ふと、やはりゴール地点だけに面白そうなアイテムが落ちてたのか、と思う。
そして、その名前に…ふと別の物が頭に浮かんでいた。
と、なにやら妙に中の連中の感覚がこちらに向けられている気がするが…もしかして、隠密術がちゃんと出来てない?
実際にはその隠密術はちゃんと出来ているのだが、持っている鉱石がいけない。
声がこちらへとかけられれば、あ、やっぱり見付かってる、がっくりと肩を項垂れさせた。
「やれやれじゃのぅ…ちゃんと隠れておったはずなのじゃが、よぅ分かったのぅ?」
気を取り直し、どうせ見付かっているのなら、と堂々と部屋へと足を踏み入れた。
偉そうに胸を張って現れるも、手に持ってたり着物から落ちかけている鉱石のせいでどうも威厳とか、そんなものが感じられない。
魔王アスタルテ > (姿を現した少女に、高位魔族は各々振り向いていく。
続いて四天王がタマモの方に向き、最後に乗っているドクロごとアスタルテは身体をタマモの方に向ける。
わぁ~、キュートな狐の女の子の登場だよ~♪
一瞬だけ、その紅の瞳を輝かせる)
(アスタルテは、タマモの疑問に答えた)
「君は、隠密術そのものは上手くできていたよ。
だけど、君が持っている鉱石。
魔力を含んでいるという事には、気付かなかったかな?
その魔力まではちょっと隠し切れてなかったね」
(なぜ魔族達がタマモに気付いたか、その理由を説明する)
「それで、君は誰かな?
見たところ、東方の“妖狐”と呼ばれる存在だよね。
あたしは、アスタルテだよ」
(アスタルテは子供っぽい無邪気な笑顔を見せ、
堂々とその魔王の名を口にする)
タマモ > 姿を現したのは良いが、なんというか…この光景はどうにかならんか?まず少女はそう思った。
なんせ、目に映る魔族という魔族がこっちに一斉に振り向いたのだ、見ていて色んな意味で怖い。
そして一番奥にある大きな真っ黒の石、何といったっけか…アンモナイト?うん、ちょっと違う。
「のぅ…一応は聞いておくが、お主がこの連中を率いておるんじゃよな…?」
さっきから聞こえた発言と、その立ち位置、雰囲気からそうは思う。
思うのだが…その相手の発言と仕草に一瞬、自分の感じた感覚間違えてない!?とか考えてしまい、ついそんな言葉が口から紡がれた。
「………なん…じゃと…!?」
がーんっ、そんなSEが聞こえてくるような少女の反応。
しかし、つまりこの今持っている鉱石に魔力があるという事が分かった、なのでこそこそと懐へとしまい込んだ。
「む、むむむ…名乗られてしもうたからには名乗るのが礼儀か。
いかにも、東方というのがよく分からんが妾は妖狐、九尾の狐とも呼ばれておる、名はタマモじゃ。
なるほど、アスタルテか…はて…アスタルテ………まぁよいか」
とんと西洋等の話には疎い少女、せっかく名乗ってくれた相手の名前は覚えたが、魔王と気付いてはいない。
とはいえ、その雰囲気からこの中のトップだろうとは思っている、笑顔を返してはみるが油断はしない。
魔王アスタルテ > (タマモの質問に、アスタルテは首を縦に振り、短く返す)
「そうだよー」
(そしてまた、にこりと笑みを浮かべる。
タマモのその反応に、アスタルテはクスっと笑う)
「あははー♪ 魔力鉱石だからね、大切にしておくといいよー。
もしかしたら、ここに来るまでにも君は魔力鉱石を知らない内に見逃しているかもだねー。
だってここに来るまでにも、落ちている魔力鉱石はけっこーあったからね」
(無論、その多くは配下の魔族達が拾っている。
だが、全て拾えているわけではない)
「あれ……? 君は、ずっと東方から来たわけじゃないの?」
(きょとんと、無垢に首を傾げる。
鬼や、妖狐、天狗など、その辺りは東方の妖怪に多いものだと思っていたけれど。
そういった知識がアスタルテにはあるので、タマモが異世界の存在である事には気付いていない)
「そっかぁ、タマモちゃんだね~。
なら愛称は、タマちゃんだね!」
(勝手に、愛称を決めようとしていた。
魔王たる自身の名は口にするが、直接自分が魔王だと口にするわけではない。
ちなみにアスタルテは全く敵意を見せていない。
そんな魔王に忠誠を誓いし四天王や高位魔族達も、タマモには特に敵意がなかった)
タマモ > 「そう、そうじゃよな?…うむ、ならば良いのじゃ」
疑ってしまったがどうやら自分の考えはあっていたらしい、ほっと胸を撫で下ろす。
そんな事をあんまり気にする必要はないのだが…やはりどうしても気になるのだ。
「ほほぅ、これが魔力鉱石か…」
感慨深そうに呟く少女、だが、頭の中ではこう思っているのだ。
これがそうだと言われても、やはり分からん、と。
しかし、何個か繰る時に投げ捨ててしまった、後で拾わないと勿体無いな、なんて事も考えていた。
「む…あ、いや、それで良い、東方という事にしておくのじゃ。」
不思議そうに問われ、おっといけない、と手をぱたぱた振って誤魔化しておいた、あやしい。
さすがに別の世界なんて言ったところで分からないだろうと思っているからだ。
「………待つのじゃ、アスタルテや。それだけはいかん」
なんとなく出るとは思っていたが、やはり出た、タマちゃんという愛称。
ぴしり、待ったと手を突き出しそれを止める。
そして地味に呼び捨て、いつも通りだ気にしない。
もちろんの事だが、相手が変な気さえ起こしていなければ、こちらも敵意はない。
ゆえに、大人しく姿を現したのだから。