2015/11/23 のログ
ご案内:「オリアーブ島 湾港付近」にタマモさんが現れました。<補足:名簿参照。>
タマモ > まだ破壊の跡が残った海岸、ゆらりと何も無い空間から少女が現れた。
海岸辺りに散らばる様々な残骸を見渡し、それから、視線を南海の方向へと向ける。
「こちらの海軍が向かったという事は、それなりに近くまで来ておるんじゃろうな?」
とん、と手にした唐傘を肩にかけ、すっと目を細める。
ゆっくりと左から、右へと動いていき…ある一点でぴたりと止まった。
タマモ > 「お、やっておるな…えーっと…あれがこっちの船で、あれがあっちの船かのぅ?」
止めた視線の先をじーっと見詰めながら、くるくると唐傘を回す。
近くはないが、遠くでもない。
あれは抜けられたらこちらに来てしまうか…そんな事をのんびり考えている。
まだオリアーブの地には足を踏み入れては居ない、ならば自分は傍観するのみだ。
手持ちぶたさに懐へと空いた手を差し入れ、ごそごそ何かを漁る。
ごそりごそり…うん、これといったものは何もなかった。
タマモ > 何も無いものは仕方が無い、懐から手を出し、いつの間にかその手には開いた扇子が持たれていた。
ぱたりぱたりと扇子を揺らがせ、遠方で行われている戦闘を眺め続ける。
「おぉ、こちらもあちらもやるものじゃ。
いやはや、こうして見るだけでもそれなりに楽しめるものじゃの?」
とはいえ…
ふぅ、と小さく溜息を漏らす。
「もう少し早う来ておれば良かったか、もう終わりじゃな」
せっかくここまで来たというのに、ほとんどとんぼ帰りになる。
どうしたものか…終わるぎりぎりまで見ようと視線は外さぬまま、小首を傾げるようにしながら考え出した。
タマモ > 状況はこちらの敗北か、あんなものが出ては仕方が無いやもしれぬの?
己の陣営の敗退であるにも関わらず、少女の表情は楽しげだ。
それを体現するかのように、耳や尻尾も小さく揺れている。
「くすくす…さぁ、早う来い。
少しばかりのもてなしは準備してあるからの?」
さて、そろそろ近付いてくるか。
見える場所に来る前に消えておこうかと、くるりと振り返…
ぼすっと足元が沈む、ぐらりとバランスを崩してぱたりと前倒れにすっ転んだ。
現れてから振り返ろうとするまで動かなかったから何もなかったが、ここは海岸、波打ち際の側であった。
当然、足元は柔らかい砂であって…こんな結果である。
タマモ > 「………えぇいっ!せっかくらしく頑張っておるのにこの仕打ちとはどういう事じゃ!?
こんなに足元が柔らかいのならば柔らかいと最初っから教えておくべきなのじゃ!…はっ」
ぺっ、ぺっと口に砂が入ったのは吐き出しながら、ぼすんぼすんっと八つ当たり気味に砂を叩く。
やってきたのは自分の意思であり、教えるも何もないのだが…叫ばずにはいられない。
と、はた、と気付いたように動きが止まる。
いそいそと立ち上がり、ぽむぽむっと着物を汚す砂を叩けるだけ叩き落とす。
こほん、咳払いを一つ。
タマモ > そんな事をしている間にも、海岸線上に僅かながらにやってくる船の姿が見えてくる。
それに気付いたのは頑張って砂を叩き落とし終わり、落ち着いた後であった。
去り際に視線だけそちらに向けると…それが見えた。
大丈夫、今はもう落ち着いた。
と、ここまでの事があればもう分かるだろうか、少女の本質は実のところあの頃とあんまり変わってないのだと。
「さて、今度こそ戻るとするかのぅ」
どこかそそくさといった感じに少女の姿は消えていった。
ご案内:「オリアーブ島 湾港付近」からタマモさんが去りました。<補足:名簿参照。>