2015/11/21 のログ
ダンテ > しかし、ここも戦火に巻き込まれる可能性は十分にある。
それでもこれだけの人が集っているのだから、凄いものであると思う。今は王国側の街であっても、ティルヒア側に取られれば、あっという間に略奪が始まりかねない。
というか、噂に聞くティルヒアの内情を考えると、十中八九略奪開始だろう。

「みんな逞しいな。……俺はそろそろ、一回戻るか。」

ぼんやりと人込みを眺めながら、呟いた。
相当数の魔物は狩った。レートが辛目ではあるが、南部でもある程度換金しているが、残りをギルドに提出すれば、依頼報酬としてけっこうな額が貰える筈である。
戦争そのものに巻き込まれる前に、さっさと後方に下がりたいというのは、ヘタレた考えであろうが。無論、こんな所まで出てきている以上覚悟はしているけれども。だが、巻き込まれぬならそれに越した事はないのだ。

「―――あれ?」

と、そんな事を考えながら林檎を齧っていると、広場の一角が何やら騒がしい。
もめ事か。それとも芸人のパフォーマンスでも始まったのか。
視線をそちらに向け、注視。

ダンテ > 何の事はない。
酔っぱらった傭兵と冒険者の喧嘩であった。
こうして見ると、本当にゴロツキ以外の何者でもない。
いや、今は少年自身も同類なのだけれども。
喧嘩は、まぁ運よく近くに真面目な兵隊らが居たらしく、彼らによって沈静化されていく。
この程度の騒ぎなら、今この街では日常茶飯事であろう。

「んー……そろそろ行くかな。」

こくこき、と首を鳴らしてから、また歩き出して雑踏に分け入る。
ひとまず今日は宿で休んで、早朝に王都に向けて発つ事にしよう。

ご案内:「南部の港街」からダンテさんが去りました。<補足:黒の短髪、黒の瞳。ぱっちり眼に長い睫毛。童顔気味。>
ご案内:「オリアーブ島・王国軍最前線拠点」にヴィクトールさんが現れました。<補足:黒の短髪に金の瞳、黒色の戦装束に身の丈ほどあるクレイモア>
ヴィクトール > (兄へ現状報告の知らせを送ったのだが、帰ってきた内容は予想外過ぎて固まってしまうようなものだった。第7師団の司令官に手痛いダメージを与えたというのに…兄の命令は、王国軍の将兵をあと3人ほど叩きのめしてこいという、無茶苦茶な内容である。そうして、男は両軍が激突する戦場、そこに構えられた最前線の拠点へ姿を表した)

マジイカれてやるがよ兄貴よぉ…知らねぇぞ、マジ知らねぇからなぁっ!!

(煌々と輝く金の瞳は血に飢えている。何だ貴様はと門番の兵士が怒鳴り散らすも、返答は大剣で叩き返す。力任せの袈裟斬りが、人間をパンのように千切り、血しぶきを撒き散らす)

何だって? テメェらの頭をボコりにきたんだよっ!!

(傍に居た他の兵士も切り捨て、意志の魔法を広げる。斬り殺す、全てを壊す。その思いを刃に宿し、いっそう深い黒が生まれれば、王国の陣営へと飛び込んでいく)

ヴィクトール > (何事だとざわつく兵士達へ、一足飛びに近づくと大剣が牙をむく。横薙ぎに切り捨て、傍に居た輩を蹴り飛ばし、よろけたところを貫いて、刃にくっついた兵士をフルスイングで放り投げ、飛び出してきた兵士達へ叩きつける。5~6人ほどまとまっている固まりの前で横薙ぎの構えを取り、一瞬だけ燃え盛る闘争心を抑えこむ。冷静なイメージでその力を絞込み、研磨し、刃に込める。覚えた頃に比べれば、全力の技でない限りは徐々に早くなってきたこの工程、一秒と掛からず溜めた力を一気に振りぬいた)

死ねぁぁぁぁっ!!

(真っ黒な魔力が刃となり、放たれる。4~5mはあろう破壊の黒が飛翔すると、兵士達を飲み込んで切り裂き、肉片が飛び散る)

ヴィクトール > (だが、兵士達もおいそれと引く気はなく、男へ反撃を仕掛ける。大技を振りぬいた後の隙をついて、二人の兵士が一斉に飛びかかってくると、慣性を押し殺して体勢を整えている今は、反撃が難しい。たまらず地面を転がって避けると、追いかけてきた一人を不格好なまま片手で横薙ぎを放ち、切り捨てる)

くそがっ!

(もう一人が顔面狙いの突きで追い打つ。咄嗟に首を傾けて避けるも、頬に赤い筋を描く。後少し遅かったら殺されていただろう。この間合いでは大剣で攻撃がしづらい、傍らに転がった兵士の死骸から片手剣を奪うと、大剣を手放し、飛び込むようにして相手に組み付く)

うらぁっ!!

(柔術の様に相手を後ろへ倒すと、そのまま間を開けずに追いかけ、喉元に剣を突き刺す。絶命させると刃を抜き、投げ捨てようかと思ったが…相棒を悪魔に変化させると得物がなくなるのを思い出す)

…だから予備の武器を持てってことか。

(主体となる武器が使えなくなった時のためにと、兄に注意されたのを思い出す。先ほどの兵士の死骸から鞘を奪い取り、収めると適当に腰のベルトへ結びつけ、大剣を拾う)

ヴィクトール > (しかし前回の拠点と異なり、兵士の士気も練度も数も、すべてこの拠点のほうが上回っている。あっという間に鳴り響いた警報で、次々現れる兵士達を見やれば舌打ちをした)

雑魚はいいんだよ、早く大将つれてこいよ…。

(肩慣らし程度にはいいが、こんなのばかりでは何も意味が無い。ともかく、大将を出したくなるぐらいには暴れないといけない。大剣に真っ黒な靄をかけると、双剣へと変化させ、四肢に黒い魔力を圧縮していく。兵を食い殺す獣、手にしたのは牙、そうイメージし、地面を滑るように低くなり、敵の群れへ走った。一気に振りぬかれた刃は、噛み千切るように兵士の肉を刳り、突き刺す牙は血を啜るかの様に赤を散らせ、無遠慮な蹴りが足の関節を痺れさせて、動けなくなったところで、鉄板入りのブーツが首をへし折る。狙われる前に殺す、それをひたすらに繰り返し、黒い影が走り回っていた)

ヴィクトール > (敵兵の一団の中で暴れまわる男、突き抜けるように走り、正面立ちはだかった一人を大剣に戻した刃で切り払う)

……。

(ふと、この殺し方をしてから思い浮かんだものがあった。この間の激しい戦いの中、何気なく無意識に使っていた双剣から大剣へ変化させての、フェイントじみた攻撃だ。新たな変化も増え、3つの手札がある。にやりと思いつくと、再度敵へと跳びかかっていく。受け流し、切り払い、受け流し、切り捨て、と双剣で俊敏に立ちまわると、増援に近づいてくる兵士を見やる。その一団へ大剣に変化させた相棒を投擲したのだ)

いってこいやぁっ!

(だが、狙いはそれだけではない。大剣にかかった靄は広がっていき、敵の目の前で悪魔へと変わったのだ。腰に下げた二振りの剣を引き抜き、✕字に刃を放ち、切り捨てた後、小さく跳躍する。同時に靄が掛かっていき、大剣へと戻った。そこへ走ってきた男が剣に飛びつくと、勢いと重力を載せ、刃に魔力を込めて一気に地面へ叩き込む。黒の衝撃波となった魔力が散弾のように撒き散らされ、兵士達を叩きのめして吹き飛ばす)

ヴィクトール > (それぞれの状態から技を繋げるかのように一気に攻撃を叩き込める、これは相棒たる大剣の進化によって生まれたもの。もっと色んな力が使えるようになれば、もっと戦えるようになる。胸が踊るような思いだが、血の匂い耐えぬここで、ニヤニヤしているわけにもいかず、再び兵士達と対峙する。兵士達のレベルに対して、自分が劣ることはないのだが、絶え間ない戦闘、時間は彼の持久力を奪っていく)

どうした! その程度かぁっ!?

(煽り立てる声は自分に活を入れるもの。今度は大剣の状態のまま構えると、相手の動きを注視しつつ、ゆっくり近づいていく。踏み込んでくれば、大剣で受け止めてからの反撃。カウンターを主体にした動きへ変えていき、体力の消耗を抑えつつ、その場に踏みとどまろうとしていた)

ヴィクトール > (動きを最小限にしたとて疲れるものは疲れるもので、徐々に動きにキレがなくなってきた。こうやって弱るところを高みの見物か?などと、何処かで思いつつも、弱っている事を悟らせる訳にはいかない)

……っ!

(一旦態勢を整えようと判断すれば、大剣に魔力をまとわせていく。再び地面を刀身で叩けば黒い魔力が散っていくも…それは先ほどのような破壊力はない。靄となって兵士達を撹乱する、僅かな目潰しだ。数秒もすれば消えてしまう時間稼ぎの合間に、一気にテントが並ぶ区画へと走った。細い通りなら複数の敵とも交戦せずに済む、そしてテントの一つへ飛び込むと、室内の状態を確かめる)