2015/11/20 のログ
ご案内:「南部の港街」にダンテさんが現れました。<補足:黒の短髪、黒の瞳。ぱっちり眼に長い睫毛。童顔気味。>
ダンテ > 何のかんのと、魔物駆除を始めて数日。
徐々に戦線を押し返す王軍の動きに合わせるようにして、少年の活動域も南下して行った。
結果として、こんな最前線近くの街に逗留する事になった訳であるが、これまでの村と違って宿などは充実していて、随分と助かった。
「とはいえこう……、うん、特需って感じだ。」
通りを行きながら、嘯く。
本来は、もっと平和な港町であろうに、今では武装した傭兵や冒険者、そして兵隊や騎士がその通りの殆どを占める。
前線が近い故に、軍の駐屯場も臨時で拡張されて、けっこうな偉いさんも入っているようである。
戦時下とは思えぬ明るい賑わいは、まぁ戦況が悪くない事の表れであろう。
まだ日も高いと言うのに、向こうの酒場で飲んだくれているのは冒険者だろう。
ダンテ > 「開戦からこっちだけで、随分経済回ったんだろうなぁ。」
眼を細めながら、零す。
見回してみれば、確かに消費層は軍関係者や冒険者が大半を占める。だが、特需景気に乗るためにかなりの数の商人が王都方面から出張っているようでもあった。
武器商人はもちろんの事、食品、薬品、そして奴隷や色。
様々な者が、種族問わず、この最前線の港町に集まっている。
通りや広場がここまで露店と客でごった返しているのは、そういった側面もあるのだろう。
その分、スリだ何だと細かい犯罪も多そうであるが……軍部も、そんなものをいちいち取り締まっている余裕はあるまい。
「これちょーだい。どーもー。」
通りかかった果物屋の露店から青い林檎を一つ掴んで、ゴルドを投げて会計終了。
袖で拭って齧り、歩く。
ダンテ > 甘い林檎だなぁ、と。
暢気な感想を抱きながら、シャクシャクと果実を齧る。
当たり前のように、高かった。まぁ、戦時下であるし、当然と言えば当然だ。
それでも売れるのが、戦時というものである。
通りの向こうの広場でやっている奴隷オークションも、常より高い値が付いている事だろう。
人込みの向こうに見える広場の方を注視する。進行方向である。
程なく広場に出れば、そこは通りよりも尚色々な露店が並んでおり、喧騒に包まれている。
「あー……すっごいなぁ。って、うわぁ、昼間から娼婦のお姉さんまで立ってるし……。」
人通りの邪魔にならなさそうな所へ避けて、広場を見回す。
傭兵や冒険者向けの酒や色の売り込みが凄い。軍人は、流石に大っぴらに真昼間からとはいかないのだろうが。裏路地に入れば、知れたものではなかろう。