2015/11/16 のログ
ご案内:「南部小村」にダンテさんが現れました。<補足:黒の短髪、黒の瞳。ぱっちり眼に長い睫毛。童顔気味。>
ダンテ > 村に着いたのは、日も沈む頃であった。
その依頼を受けたのは、早朝に街へ帰り着いた直後の事。
王都からの遠征組第一陣に、殆ど滑り込むような形で参加した。
個人やパーティーで依頼を受けている者達もいるようで、そちらの動きに関してはわからないけれども、少年が参加したのは多人数の冒険者をかき集めて構成された討伐隊だ。
まぁ、隊と言っても実際に仕事にあたる際には三々五々に好き放題狩り始めるので、一緒に仕事というよりも移動の際に団体行動をとる為の括りである。
だから、こうして拠点の村についたら、各々好き放題に散って行ってしまった。

「―――まぁわかってた事だけど、空気は最悪だな。」

村の広場で、リュックを背負い直しながら少年は嘯いた。
当然だ。最前線に近い村なのである。その上、周辺では魔物の大量発生。
既に襲われた形跡も見える。
そしてそこに雪崩れ込んでくる、傭兵やら冒険者やらのごろつき。
治安という意味では、よろしいとは決して言えまい。
村を捨てて逃げた者もいるだろう。
遠征の冒険者などで未だ人も多い広場であるが、村民の姿は殆ど見受けられない。

ダンテ > 特需狙いなのか、明らかに急ごしらえの娼館……否、売春宿も広場に来るまでに多く見た。
後は、討伐隊の移動に伴っていくつかの娼館も出張娼婦を随伴させている。
戦地というのは、武器だとか薬だとかと同じくらいに色が売れる場所なのだ。
いつも通り右手で担ぐように持ったショートソードで、かん、かん、と自分の肩を二度ほど打つ。
さて、どうしたものか。
ぐるりと広場を見回した。
急ごしらえの売春宿に比べて、通常の宿の数は少ない。意図はまぁ、明らかである。
今は金がないでもないが、とは言え何かそれで適当な売春宿にぼったくられるのも阿呆らしい気がした。

「っていうか、まず腹減ったな。みんな飯は……流石に、自前で調達かな。」

ギルドから幾許かの支給食料はあったが、それは緊急時に置いておきたい。
別段観光客が来る街でもないし、まれびとの道のように旅人が多く行きかう村でもなかろうから、戦時にこれだけの人数の食事を賄える食堂なども期待できないだろう。
結局歩き出す事も出来ず、その場でポリポリと頬を掻いて立ち尽くす事になってしまった。

ダンテ > 突っ立っていても腹が満ちる訳でなし。
ひとまず歩き出す事にした。行く当てもないけれでも。
少年と同じで、やはり急増の売春宿に高い金を払うのが阿呆らしいと感じる者は少なくないのか、単純にそういうサービスを求めていないのか、うろうろと外をうろついている者は多い。
いや、或いは何かよからぬ事を企んでいるような輩なのかも知れないが。
そう考えると、あの売春宿は特需云々というよりも、むしろゴロツキ共のガス抜きの場所なのかも知れない。
人の群れの動きを横目に見ながら、そんな事を考えて歩く。
と、視界の隅では出張娼婦の一団等が広間に天幕を張り始めている。準備が良いものだ。

「……持って来てたパンで済ますかなぁ。」

ぐるる、と鳴る腹に、意識を戻される。
ため息交じりに泣き虫な腹を見下ろし、軽く掌で摩った。急に決めたせいで、ロクな準備ができなかったと言うのもあるし、世間知らずの少年の見通しの甘さと言うのもある。

ご案内:「南部小村」にベルフェゴールさんが現れました。<補足:翡翠の髪と同色の瞳。くるくる寝ぐせ。クマさん柄パジャマ。クマぬいぐるみ。>
ベルフェゴール > (空から砲弾のごとく落下してくる大きな球体
小さな村に迫る。最初に気づいた者がざわつきだしたその次の瞬間に)


――――――!!!!!


(まさに砲弾のごとく衝撃をまき散らしながら立ち尽くす少年が居る場所から割と近い場所。砂塵の中から姿を現す、名付けて「完全自給自足汎用シェルター部屋 Heaven,s Room」である。通称、お部屋だ)

ダンテ > 「―――は?」

ぞくりと。
背筋に悪寒が走る。そうこれは、義母が迫って来た時の感覚と同じ。
続けて、周囲がザワめく。
一瞬早く、少年の視界が上空へと向かった。

「おああぁぁ!!?」

次の瞬間には、響く炸裂音。空いた左腕で顔を覆うようにしながら、炸裂した衝撃をやり過ごす。
幸運にも、誰かや何かに直撃したような様子はなく。
もくもくと立ち上る砂塵。
ざわめく周囲の注目を集めながら、果たして現れたのは……何だろうこれ。
正直、見慣れないものだ。少年にとっても、辺境の村の住民にとっても、一冒険者にとっても。

「ま、魔導機械……?え、ナニ?え、と……て、敵襲?」

何せ戦時下。首を傾げながら嘯き、先ほどの箇所から動かずにそれを見つめて。
周囲からも、敵襲?敵襲か?などとの声が聞こえ始める。

ベルフェゴール > (「ギィッ」と駆動音と共に球体がパカッと開けばぬいぐるみを抱いて眠っているパジャマ姿の少女。ゆっくりと目を開けて、周囲をきょろきょろ見渡し)

『…着いた…っぽい?……』

(それから欠伸をひとつした後にンーっと背伸びをすれば。球体から外に浮き上がるようにでる)

『ちょっと、座標がずれた…初めて来る土地だし…仕方ない…か』

(ふわふわ浮きながら空を見て、着弾する場所が数十キロほどずれたのを確認する。流石に街中に堕ちる気はなかったので。)

『まぁいいか…』

(周囲のザワつきを気にする様子もなく、熊のぬいぐるみの背中のファスナーを開ければ、容量を無視するような形で、巨大な球体が、見えない手に持ち上げられ。ぬいぐるみの中に押し込まれていった)

ダンテ > (あ、これやばいやつだ。
肌が泡立つような感覚と共に、直感する。
だってこの気配というか感覚は、物心つく前からよく知っている感覚にそっくりなのだから。
掌に汗がにじむ。それだけではない。体中に。
よく知っているからこそ、他の者よりも少年の反応は大きく、そして早い。
そんな戦慄の中、球体が音を立てて、開いた。
も、もうダメだ!?と顔が引き攣り、そしてその球体から恐怖が形を持って這い出して来た。)

「…………えーと……。」

(這い出して来た。
はい、何か可愛い女の子が。
いや、見た目はそんなでも十分アレなオーラ的サムシングをビシバシ感じる訳だが。訳だが。)

「あのー……」

(とりあえず、どうしたもんかザワザワと遠巻きに彼女を見つめる周囲をよそに、恐る恐るという風に、少年は声をかけた。
降って来た球体は、ぬいぐるみの中へと収納されていく。周囲は何か驚いているが、もはや少年には驚くに値しない。)

「もし違ったらもーしわけないんですが……、どっかの魔王さんでいらっしゃる?」

(後半は周囲に聞こえぬよう声を潜めて、口元をひきつらせた笑みで彼女に問いかけた。)

ベルフェゴール > 『?……』

(ぬいぐるみに球体が押し込まれ切ったところで声をかけられるとそちらを見る)

『……………………』

(ぼんやりした様子で凄いじーっと見ること5秒)


『………ない…しょ……ね?』

(人差し指を立てて、しーっと言う仕草をして見せる。)


『…お忍びだから…』

(言い切った)

ダンテ > 「全然忍んでねーーよっ!!?」

(この間、0.1秒。
魔王への畏怖とか恐怖とかは一瞬でお星さまになった。すぐ戻って来るかも知れないけれども。
全然忍べていない彼女のお忍び道中。いや、凄い目立ってますよ。凄い注目浴びてますよ。
何か殺気立ってる連中も出てきましたよやだー。
いやはい、人差し指立てるその仕草は可愛いけど。)

「―――あーっと、色々周囲りが大変なので単刀直入に聞きたいんスけど、ここに来たのは……、人間狩りとかその辺のブッソーな感じの理由だったりします?」

(更に彼女に近寄って、小声で会話を試みる。
『おい、小僧!』
と野次馬の方から声がかかるが、これは片手で制した。ひとまず任せろ、と。
とりあえず、彼女が魔王であるのはそうなようであるが、彼女の人格も目的もわからない。
と、少年が近寄ると、その体からはほんのりと彼女も知っている魔王に似た匂いが仄かに漂っている。)

ベルフェゴール > 『……ッ!!!?……』

(ビクゥッ!となった。攻撃への防御力は鉄壁なのだけどツッコミ用の防御障壁は持ち合わせがない。)

『……だって、あんまり長距離だから…1ミリずれるだけで……着弾が凄いずれるんだもん』

(ブスッとふてくされた感じでブツクサ言い訳する。普通に怒られた子供のように。ちなみに九頭竜山脈付近から飛んできました)

『んっと………………』

(何しに来たか聞かれると、また停止した。なんだっけ?という顔をして首をかしげる事また8秒ほど)

『余興の下見』

(色々と説明文が端折られているので何が何やらだろうが。今回の戦争の勝敗を使って、大罪の魔王同士でちょっとした賭け事をしようと言う提案があったので。その下見ということだ)

『…ん?……キミも?………違うかな…』

(君も魔王なのか?という意味。すいっと近寄り、ダンテの髪の辺りの匂いをクンクンかいでみようと。けど、別に獣人系でもないので確証は得られない。単に、魔力的な気配と言うかそういう意味合いだ)

ダンテ > 「いや、どういう形で飛んできたのかわからないんだけど……。
そんなに危ういならもっと気を付けてよ。下に誰かいたら超危ないから……。」

(ため息交じりに、何だか言い訳じみた事を言う彼女に言葉を返す。
完全に口調はタメ口になりつつあった。なれって怖い。)

「よきょ……ああ、うん、なるほど。あー……はい。」

(詳しくはわからんが、ロクでもなさそうだ。
とは言え、下見というならば今すぐどうという事はあるまい。)

「ん……あー、いや、俺は……。」

(少し口ごもる。ここで義母の名前を出すのは何となく躊躇われて。
軽く頬を掻きながら、近寄って来る彼女を見下ろす。
少年の纏う薫りは、甘く、苦く、妖しく、煙たい、東洋の沈香を思わせる薫り。ほんのりと汗の臭いも交じって、少年独特の薫りとなっている。)

「と、とりあえずお忍びってなら、目立つとマズいよな?移動しよう。
……あ、えーっと、ダイジョブっす!このコ俺の、はい、知り合いです!いやマジでマジで!
魔導機械の実験とかやってるコなんだって!」

(彼女の手を取ろうと、片手を伸ばし。
周囲の面々には、非常に苦しい嘘をぶちまけだした。)

ベルフェゴール > 『……ぅん、ごめんなさい……』

(素直に謝る。基本的に、おらー魔王だぞー偉いんだぞー。
と言うタイプでもない。
単に生まれた時から魔王になるべくしてなっただけで。
何かと面倒くさがっているから、謝罪もまぁ「謝っとけばい~や」くらいには思ってるけど)

『……ん~、最近かいだ覚えがある匂い……』

(それは最近会ったアスモデウスの匂いなんだが、他にも色々混ざってるので思い出すには至らない。手を引かれると元々風船みたいにふわふわ浮いている少女を引き連れていくのに殆ど抵抗はないだろう)

『あ~、そっか…そうだった……え~っと、ペオルです』

(引っ張られながら、周りで見ている周囲の人たちに、昔別の信仰で愛と知恵の女神とあがめられていたころの名前を名乗りつつ。空いている手で敬礼)

ダンテ > 「うん、俺もそうだけど、ちゃんと周囲りの人に謝らないとダメだって。
多分、村長さんとかその辺に来てるから、キチンと謝ること。」

(自分はなぜ辺境の村で、初対面の魔王にお説教しているのだろう。
何か微妙な気持ちになりつつも、とりあえず遠慮はせずにそんな言葉を向けた。
何だか自分の匂いに覚えのある様子の彼女。あえてそこはスルーして、ふわふわしている彼女の手を引いて行く。)

「と、ぺオルな。ペオル。ペオル……。んー……、覚えがないなぁ。」

(魔王としての彼女の名であれば、或いは聞き覚えもあったかも知れないが。
残念ながら、義母からそちらの名前までは聞いていないようで、首を傾げた。
ともあれ、周囲の人間へ意識を戻して。)

「だー、もう、知り合いだっつってんだろ!あん?弁償?いや、まぁ確かに……こう、微妙に色々ぶっ壊してるけど……。」

(微妙に揉める。ああ、これからこの村が暫く拠点なのになぁ、と内心で涙を流して。
しかし、彼女の着弾時に派手に抉れた地面やら何やらについて指摘されると、う、と声を漏らし。件の場所に一瞥をやった。
後に、彼女を見る。)