2015/12/19 のログ
タマモ > 答えは簡単に出た、理由がいまいち見付からないと見送ったそれだ。
いや、でもどうして急に戻っていったのだろう?
過去を見ればいけるだろう?と思われるが…あれは映像しか浮かばない。
しかも、長くその場に留まっている水の類が必要だ。
所持品が手に入るなら、正確にその場の会話も聞けるが…そんな都合の良い物が落ちている訳もない。

とにもかくにも、身を寄せていた師団は王都へと戻っている、これだけはほぼ間違いないだろう。
となると困ったものだ、こうして設置したテントやらは破棄して戻ったという事は、そうとう慌てて戻ったんだと思われる。

まぁ…その理由は後にでも聞くとしよう。
こうなると、自分はどうしたものかと考えねばならない。
第七師団が居ないとなると、ここに留まっていて大丈夫なものか?
もしかしたら、用事が終わるまでは他の場所を見繕っておくべきなのか…

タマモ > 海を眺めながら、再び考え込む少女。
1度王都へと向かう手もあるのだけど、それをすると距離が開き過ぎて監視役が無意味になる。
そうなると…このオリアーブ島のどこかの村とか街が良いのかもしれない。

そうと決まればと、テントへと戻っていく。
かなり短期間での撤退の決断、何かしら持ちきれず置いていったものがあるだろうか?
それを拝借して、その間をもたせよう、そういう考えだ。
テントへ着けば、さっそくと中を漁り始める。
そこが終われば他のテントを、そして、執務室代わりにしていた場所。
気分は火事場泥棒だ、火事場でも何でもないが。

タマモ > こうして、結構な時間をかけて色々と漁る。
出てくるものは…実はそう大した物は出てこなかった。
見て価値があるものは持ち去られてる、飲食料は船の中でとるだろう。
そうなると、残ったものというとどう見ても持っていって何かある、というような物が無かった。

ふーっ…深々と溜息をつき、最後に調べた場所から出てくる。
がっくりと項垂れた様子、ただ無駄に時間を使っただけだった。
すー…はー…ゆっくりと深呼吸。深々と息を吸い込んで…

「妾を置いていくなら、せめて何か一つくらい残していっても良いではないか…!
おーちゃんのばかーっ!」

海に向かって大声で叫ぶその声が海に木霊した。
この地に来て何度目だろう…気にしても仕方がないが。

タマモ > ふぅ…一息つき、気を取り直そうとしたその瞬間。
ばぢんっ!と手に小さく弾ける衝撃が走る。
慌てた様子で意識を研ぎ澄ます…そこに映るのはかなり前にティルヒアの周りへと張った結界。
多分、今弾けたのは湖に置いた監視役が弾け飛んだから。
そして、結界を通して映ったものは…

「………起こったか、やはりあの場所…!」

一番当たって欲しく無い予想だった。
あの感じから、ティルヒア上空に見える白いのがティルヒア自身だろう。
そして、黒いのが…纏わりついていたと思われる黒い影だ。
更に地上では阿鼻叫喚の地獄絵図、とも言わんばかりの出来事が起こっている。

上空は…ティルヒアと黒い龍とやりあっているか。
あの様子から、ティルヒアは相変わらず感情が昂ぶったままに見える。
…とはいえ今は下手に手は出せまい、タイミングはいずれあるはずだ。
妾を散々振り回してくれた礼くらいは欲しいものだが…まずは地上を鎮圧しておこう。

そう思えば、ゆらりとその姿はその場から消えていって。

ご案内:「オリアーブ島 湾港基地跡」からタマモさんが去りました。<補足:名簿参照。>
ご案内:「ティルヒア都内」にタマモさんが現れました。<補足:名簿参照。>
タマモ > もうどれだけの化け物達を喰らってきただろう?
何十回、何百回と移動を繰り返し…まだ群れる化け物達の中央へと大きな狐が着地する。
これだけの力を放ち、尚その力は失われない。
永遠の循環は止まらない。
声鳴き叫びを轟かせれば、またも周囲の化け物達が弾け飛ぶ。

「………馬鹿者め…!」

そこで感じる波長、テレパシーの類、それを過敏に聴き取る。
波長から、発信元は…ティルヒア城の方向だと分かる。
そして、今の声、聞き覚えがある。
確か…己に王国軍への誘いを向けた人間だ。
その言葉の内容を理解すれば、短く言葉を吐き捨てた。

何を勘違いしておるのか、それとも、狙っての行動か?
どちらにせよ、嗤えない。

タマモ > 黒き影から発する禍々しい感覚、それも感じれぬほどに人間は落魄れたか?
確かに白き龍から発する強烈な怒りも決してよろしいものではないが…

それにしても…
ふと上空を見上げる、その視線の先は、黒き影。
大量の死者を操り、化け物を呼び出し、それだけしながらあれほど戦えるものなのか。
あれを打ち倒し、この地を支配する…という戯言にしようとも、あまりに現実味に薄く感じてしまう。
どんな力を使いこんな芸当をしているのか、まずはそれを認識すべきなのかもしれないか?
それに、今のテレパシーの誤解もどうにかせねばなるまい。

この思考がまともに働かせれぬ状況で、こうも問題を抱えさせられる。

タマモ > 少々の歪みがあろうが人間だ、あちらの言の方が人間達にとっては聞き入れ易い。
ここで己が何と言っても、所詮は化け物の戯言となるだろう。
それならば…

ゆっくりと、己の身の回りを散りばめられたような薄明るい輝きで覆い始める。
どうせ妖狐という存在を知る国の者達ではあるまい。
こうして上空で戦う光の龍のような姿となる事で、生き残るだろう人間達に目に見えるように認識をさせるのだ。
…どちらの側が、この化け物を敵としているのか、を。

そうなると、目に見えぬ使い慣れた強力な念動力は使えない。
目に見える力…威力は劣るが、術の方を使うしかない。
再びその姿を舞わせると、次なる目標地点へと移動する。

着地をし、今度は己の身から放つのを見せるように陽の光を解き放つ。
何本もの線状の閃光となり、それは化け物達を刺し貫く。
…が、やはり一撃では倒せない、致命傷にはなろうとも。

効率は下がるが仕方あるまい…余計な行動をしてくれた人間達に心の中で舌打ちをした。

タマモ > 今、周りの化け物を一掃し終えれば、一度その足を止めた。
…精神的な限界だ、これ以上やれば負の感情に飲まれ切ってしまう。

都の周りに置いた式達に召集をかけ、そして、その姿を本来の姿から元の人型としての姿へと戻していく。
ただし、身を覆う輝きはそのままだ。
ごそごそごと懐から幾つかの魔術鉱石を取り出し、ふわりと浮いたそれが周りへと留まる。
そうしている間にも、十の折鶴が集まってくる、それも合わせ少女へと戻る周りを護るかのように留まった。

これで少しの間はやり過ごすか…少なくとも、このまだ心の中を渦巻く衝動が収まるまでは。

タマモ > …なんて、のんびりとさせてくれる程に相手も悠長ではないか。
そんなに移動もしていない間に、数匹の化け物達と遭遇してしまう。

「やれやれ…もう少し休ませようとか、そういう心の余裕はないのかのぅ?」

ぼそっと愚痴を零しながらも、少女は突っ立ったまま視線での合図を送る。
それに合わせるように一匹に一つの折鶴が化け物へと飛来していく。
それを打ち落とそうとする攻撃を避け、両の翼を模する部分でその体を切り裂き始めた。
折鶴を無視しこちらへと向かおうとすれば急所を瞬時に切り裂かれる、折鶴に集中すれば、その動きを制する少女に触れる事は出来ない。
中には魔法を放ってくる者も居るみたいだが、その魔法は周りを護る魔術鉱石を加えた吸収の力によって掻き消されていった。
下手な数で攻められさえしなければ、一方的には変わらない。
ただやはり、効率面は激減してしまっているのは否めないか。

タマモ > 「面倒じゃ…まったく面倒じゃ…」

ぎり、と歯軋りをさせる。
懐から今度取り出すのは、何度も使っている色紙だ。
周りの処置は式に任せ、その数を更に増やそうと折っていく。
ただ、その折った折鶴は己の敵に向かう事はなかった。
浮上し、それが飛来していく先は…龍と影の戦う城の元だ。
何個も、何個も折っていく…それが一つの命令に従う為に舞っていく。
その命令は…白き龍を余計な外敵から護れ。
今周りを護るものとは違い、それだけの為に作られる存在だ。
複雑なものをこなせない代わりに、非常に強度は高め。
要するに消耗戦向けのもの、それらすべてを相手にするならば…本丸に辿り着く頃には疲労困憊になるだろう。
手元にあった最後の一枚を折り終わり…ふぅ、と深い溜息をついた。

タマモ > まったく気に入らない…
己を利用するに到った根源である黒い影。
それが呼び出した化け物。
混乱により混乱を生じさせる存在。

ティルヒアがどうなろうと己には影響は無い…ならば、放置でも良いではないか、そう思うかもしれない。
だが、己をこの地に呼ぶ結果を生み出し、出会いの切っ掛けを作った者だ。
それに、己には影響は無いにしても…彼の者はほんの少しでも心を痛めるかもしれない。
それが何と無く自分にとっては嫌だ、要するに子供のような我が侭だ。
それだけは理解している。
理解しているが、止めるつもりはない。

タマモ > 「さて…」

ちらりと視線を先に向ける、勝敗は決した、地に伏せた化け物達が見える。
それを確認すれば、再び歩みを進めだす。
歩みを進めれば、また何匹もの化け物達と出会う。
そして、また倒す…結局はそれの繰り返しだ。

随分と数を減らしているが、そろそろ他の者達でも対応出来る程にはなってきているだろうか…?
意識を集中させれば、戦況は人間達に優位に傾いてきているのが分かるだろう。
それを知る事が出来るならば、少女は目的を決め、そちらへと足を向ける。

悪いが、人間の好きにはさせれないんでのぅ?
己の動くべき方向性は決まっている、少女はそのまま激しい二匹の争いが続く場へと向かっていった。

それは本当に願いとしては小さなものではある。
だが、それは少女にとってこの地に望む数少ない願い。
それを叶える為ならば…

ご案内:「ティルヒア都内」からタマモさんが去りました。<補足:名簿参照。>