2015/12/16 のログ
カレリア > 「手加減をして敗北なんて、無様でしょう♪」
タマモの動きを見れつめる、何やら妙な動きをしているが見ていれば自分が放ったはずの攻撃がそのまま返ってきた
「吸収と放出ですか…厄介ですが、それでは私に勝てませんわよ♪」
恐らく魔鉱石を使った魔術とはまた違う魔術形態の技だろう
通常であればこちらが一方的に不利になるが…今回に限りそうはならなかった
「攻略法は分かってきましたわ…では、もう一度攻撃させていただきます♪」
カレリアに触れる前で停止する魔力弾
込めた魔力がそのまま返ってきたのが功を奏した、自身の魔力を込めた物を操れない訳がない
大きな魔力弾はそれぞれ4つに分裂しタマモの周囲に浮かぶ魔鉱石めがけて再度飛来していく
タマモ > 「むぅ…困ったものじゃ」
加減をしてくれないと、こちらも加減が出来ないかもしれない。
むしろ、そちらの方が心配だった。
「この程度で勝てないのは分かっておる、問題は…その後の対処じゃ」
停止させた魔力の塊を、四方の鉱石に集中させる。
操作をしているという事は、意識がそちらに向いた事を意味する。
すっと少女を見詰めていた瞳が細められた。
…確かに魔力を操るには鉱石の力を借りないと出来ない。
それを認知した事により、間違いなくその鉱石の攻略に出るだろう。
それは思い描いていた通りの流れだった。
ちなみに、鉱石に放たれた魔力は鉱石を弾いて爆ぜるだろう。
ぱしんっと扇子を閉じて裾に戻すと、もう鉱石の用は成したと唐傘を肩に戻す。
すっと素手となった右手を少女へと伸ばし、広げる。
そして…何かを握るような動作。
それに合わせるように、見えない力が少女の体へと強烈な圧迫感となってかかっていく。
念動力による、強制的な身体の拘束…金縛りみたいなものだ。
カレリア > 「っ…成程…」
身体に走る圧迫感、鉱石は全て囮かと舌打ちする
だが功績を請わせたのでまずは良いと判断…動けないのであれば意味はないと槍の魔力を全て霧散させタマモを見下ろす
さてここからどうしたものかと考えながら口を開き…
「どうしたんですの?このまま握り潰せば貴女の勝ちですわよ♪」
彼女の手の動きからそう言ったのもなのだろうと想像し、笑って見せる
同時に魔力を感じれるのならタマモの周囲で魔力の流れに変化があることに気付けるだろうか
タマモ > 「そう、その通りじゃ…加減をして敗北なんてしては、無様じゃな?
…ふふ…だから、妾は妾らしく…人在らざる者らしく、勝利を求めるのじゃ」
少女の先の言葉を復唱する。
その瞳は、見下ろす少女の瞳と見詰めあう形になるだろう。
その表情が、にたりと深いものへと変わっていった。
「物の怪というのは、人の負の感情を糧にする…分かるか、カレリア?」
ゆっくりと、言い聞かせるように言葉を紡ぐ。
そして…魔力の変化には気付かないが、その動きは少女の表面心理が教えてくれている。
それを教えるように、握るようにしていた指が一本、ぐっと押し込まれる。
その途端、ごきんっ…少女の右肩から響く鈍い音。
行った本人は理解する、少女は理解出来るだろうか?肩にかけられた圧力が、その関節を外してしまう。
カレリア > 「くっ……ふふ、やはり…魔物でも変わりないじゃないですの♪」
人でないのならそう呼ばれても仕方ないと笑う
肩に走る激痛、恐らく肩が外れたのだろう…痛みに顔を歪ませながらもまたカレリアは笑う
「負の感情なんて、随分と変わった物を食べますのね?
食費がかからなくてよさそうですわ♪」
嘲りともとれる言葉を吐き、嗤った
痛みには慣れている…ただ耐えながら言葉を出すのみでカレリアは未だ動かない
タマモ > 「魔物はものを深く考えず貪るだけじゃ、それと同等としてしまうならば…相応の覚悟はせねばならぬぞ?」
本当はあまりやりたくはないのだが、相手が加減やら退く事を知らぬならば仕方が無い。
その瞳は鈍い輝きを放ったまま、少女をただ見詰める。
「旨みを求めるならば、それだけではのぅ?
妾は雑食じゃ、食費なんぞ気にせずに、色々と試したいものなのじゃ。
さて…魔法というのは集中せねば使いこなせるものではないのじゃろう?
妾としては、さっさと敗北を認めてくれると助かるのじゃが?」
嗤う少女に言葉を続けながら、ぐきり、と今度は左肩が外される。
とりあえず、人間が動けなくなるには四肢をどうにかしておけば良いのだったか?そう考えていた。
つまりは…このままではまだどこかを外す気がある様子を見せる。
カレリア > 「今の貴女と、相違ないですわね♪」
そう漏らし、目を閉じる…息を整え集中し、意識を定める
「いっ…ふ、ふふ…浅慮ですわね♪」
今度は左肩…これは予想できていた
今更集中が途切れるなんて無様な真似はしない、狙いすましたようにタマモの両肩と膝に向けて至近距離、それも前後左右から鋭く透明な魔力矢がその肉を貫かんと迫る
霧散させた魔力を不可視になるほど薄め、タマモの周囲に漂わせ手からの不意打ち
これに対応されれば打つ手なしだが、果たして
タマモ > 「ふむ…そうか…ならば、そうするとしようか?」
目を閉じ、なにやら小細工を行おうとする少女。
やるならば、そろそろといったタイミングだろう…
だからその次、少女が動こうとする直前にそれを伝える。
「ちなみにな、カレリア、お主の考えはすべて丸裸じゃぞ?
ただ、そうじゃな…その痛みに耐え抜く根性は認めてやろう」
ずっと少女を真っ直ぐに見詰め続け、その視界に留め続けていた瞳。
少女にとっては、この不意打ちとなるべきだった攻撃は当然当たるだろうと思っているのだろう。
その姿は魔力の矢が発動した瞬間、ゆらりと揺らぎ…消えてしまう。
その姿がどこへいったのかと探るのならば、少女の背後に浮いているだろう。
カレリア > 「転移術、でしょうか…」
消えたタマモを見ればそう答える
敗北…その2文字が浮かべばふぅ、とため息をつき
「このままでは私の敗北は必定ですが、私に敗北は許されません」
声は背後から聞こえてくる
ならばさらに都合がいい…そう解釈し勝手に話を進める
敗者になり食い殺されるぐらいなら派手に博打を打ってみよう
「このまま私を拘束するのなら、貴女を巻き込む形で自爆いたします。
それが嫌なら…引き分けにしていただきたいですわ♪」
動けないので表情は見えないが一方的にそう告げる
どうせこのままでは文字通り手も足も出ない、どう受け取るかは相手次第だが
タマモ > 「ご名答じゃ、物知りじゃのぅ?」
溜息をつく少女、その後ろから左手が伸び、その体を抱える。
そして、背中に何かが触れる。
この行為に何の意味があるのか、多分、そう思うのかもしれない。
なので、そうしたまま、こう伝える。
「カレリア、お主の攻撃はすべて魔力が込められておる、魔力を主体とした戦い方じゃろう?
つまり、何をするにも魔力が必要という訳じゃ。
さて…お主の二つ目の攻撃、妾は何をした?」
そう呟き、改めて背中へと押し付けた物を主張するように、ぐっと押し付けた…手の平に収まるような、硬い物質。
…きっとすぐに分かるだろう、弾かれていった四つとは別の魔術鉱石だ。
力を込めると同時に、そこから一気に相手の魔力を吸収していってしまう。
人間大のあの魔力の攻撃を一瞬で消した吸収力、どれほどで吸い尽くすのか。
カレリア > 「では、交渉決裂ですわね…」
はぁ、と大きくため息をつく
背中から石に離れていく魔力、彼女は最後まで何か勘違いしている
魔力が込められている、ではなく最初から全て魔力その物を使って攻撃していただけの事
自分の中の魔力…人を超えながらも魔王には届かない
そんな中途半端なものだが吸収などされれば小石の1つや2つ砕くのは容易な事で…
「覚悟してくださいませ…っ!」
覚悟を決め、魔鉱石内に吸われた魔力を一気に外側へ破裂させる
自身は背中、相手は左手…最初の想定とは違うが内から弾けた鉱石によって少なくないダメージを負う事になるだろう
タマモ > 「ほほぅ…?なるほど、お主は魔力その物を使って攻撃をしていた、という訳じゃな?
そして、相当な魔力を持っている…ふむ。
やっと疎い妾にも分かり易い答えを出してくれたのぅ…?」
つまりは、自分でいう自然その物を操る陰陽五行の術と同じ、という訳だ。
なるほど、納得がいった。
ただ、相手もこちらの事を理解しきってはいなかったのだろう。
先に言ったはずだ、考えはすべて丸裸なのだ、と。
その覚悟を決める一瞬の間が、こちらにとっては十分な逃げを打つ暇を与える時間なのだ。
…が、その根性と、覚悟は立派だ。
大層な値段で売れると聞いたが…勿体無いが…1つは諦めよう。
自身の代わりに、派手な音を立てて砕け散る鉱石。
そして、己の身は…爆発の衝撃は、その一瞬で張った力によって阻まれていた。
…ただ衝撃が予想以上に強かったらしい、少し手元がひりひりする。
そして、思ったよりも強い力を使ってしまった。
カレリア > 「分かっていますわよ、考えた所で無駄…恐らく思考を読んでいるのでしょう?」
魔矢から逃れられた時点で思考を読まれているのには気づいていた
だがそれでも尚こうして手が離れたのだからこれでいい
自身の背中にはなるべく傷をつけないように魔力を操作しながらも痛々しく血が滲んでいる
「思考を読む術と転移、そして魔術に似た技…これだけ知れれば大満足ですわ♪」
大方の情報収集は済んだ、はじけ霧散する魔力は全て自身へと還元され…新たに魔術を組み上げる
「非常に残念ですが、勝負はお預けにさせて頂きます。
次回は負け越す事の無いよう、頑張らせていただきますわ♪」
両肩が外れ背中には血が滲んでいるが、魔術を扱うのには何も困らない
転移術…相手とは方法が違うが魔術を使いその場から逃走する
壮絶な笑みを浮かべながら、次は捕まえる、ではなく殺す気でやる…そう心に決めながら魔族の国の方へと逃げていく
タマモ > 「ふむ、それもご名答じゃ」
隠す気は無いらしい、正解を引き当てたのならば、あっさりと白状する。
相手の姿を見れば、どうとも痛々しい姿、自分では耐えれないだろう、とか思った。
「…ん?それだけで良いのか?…まぁ、それで満足したのならば良いのじゃが…」
確かに読心術、転移、念動力の一部は知られたみたいだ。
まだまだ手の内は明かしてないが、それを言う必要はないだろう。
「いやいや、勝負に拘らんでも良いんじゃがのぅ?
………あぁ、うん、頑張っておくれ…?」
じっとその方角を見詰める…やろうと思えば、きっと追うなり、千里眼を使えば逃げた場所が分かったりもする。
だが今回は良い、見逃す事にした。
多分、あのタイプは1度熱が入るととことんやるタイプだから…
そして、その後姿を見詰めながら、ぽつりと呟いた。
「ネスの匂いが混じっておったのぅ…関係者じゃろうな、多分。
あの手の輩は、どうしても勝負事を仕掛けたくて仕方ないんじゃろうか…?」
ご案内:「オリアーブ島 ヤス湖」からカレリアさんが去りました。<補足:紫色のサイドテールにメイド服>
ご案内:「オリアーブ島 ヤス湖」からタマモさんが去りました。<補足:名簿参照。>
ご案内:「オリアーブ島西岸 王国軍港湾基地」にオーギュストさんが現れました。<補足:大剣を持った将軍。黒髪を後ろで縛っている>
オーギュスト > 王国軍港湾基地。
ティルヒア陥落間近にもかかわらず、オーギュストはここに陣取って動かなかった。
何をしているかといえばこの男、冒険者連中を船で大陸と輸送し、そのマージンで儲けているのである。
さらには冒険者連中が手に入れた物で、換金しにくい美術品などを買い叩いて儲けていた。
「そろそろ終わりか……面倒だったなぁ」
後半はロクに戦いもしなかったくせにこの言い草である。
オーギュスト > 「――――」
だが、この男は浮かない顔をしていた。
何かがおかしい。
まだもう一幕ある。
彼の勘が警告を発してやまない。
天幕を出て外の空気を吸う。
さて、何が――
オーギュスト > その時。
激烈に嫌な予感が彼を貫いた。
「――総員撤収だ! ありったけの物を船に乗せろ!!」
参謀が目を白黒しながら彼の真意を問うが、知った事ではない。
オーギュストは急き立てるように船に戦利品を積ませ、撤収の準備を始めさせる。
「急げ! 荷物になるもんは置いてって構わん!!!」
オーギュスト > テントなどは廃棄し、冒険者から巻き上げた美術品や重要な装備を船に積み、出航を急がせる。
師団の兵たちはうろたえながらも、彼の意に従う。
オーギュストの勘働き、特に戦場での悪い予感は当たる事で有名だ。
「もたもたすんな! 風は!?」
「王都までの追い風です!」
オーギュストは30分後の出航を命じながら、女王の都の方角を見やる。
他の師団の兵など乗せている暇は無い。
彼は第七師団だけで撤退を強行する気だった。
オーギュスト > こうして第七師団はオリアーブ島より撤退。
彼の勘が当たったかどうかはまた、別の話。
ご案内:「オリアーブ島西岸 王国軍港湾基地」からオーギュストさんが去りました。<補足:大剣を持った将軍。黒髪を後ろで縛っている>