2015/12/05 のログ
アルフレート > 都か…あー…今あそこは戦場になっている
(この国の人間では無いとは言われたがその口調は案じるようなもの
攻め込む側の国の人間であり、実際に干戈を交えた事もあれば少々気まずげに口にして)
なんていうか、妙だ
どいつもこいつも能力が強化されているように見える
魔法に限らず剣術やその他全体的な力がな
(その後ろめたさからだろうか
本来なら小出しにすべき相手が把握していない情報を口にする)
魔力だけじゃないが…なんだ?貴女…タマモは、魔法が使えない?
しかしさっき…
(自分からすれば術を使っていたように見えたが、しかし言われて見れば魔力の働きを感じなかった
しかし勘違いにしてはこんな場所で一人居たという事と噛み合わない気がして
思わず、不躾な探るような視線を送ってしまう)
タマモ > 「…なんじゃと!?たった数日妾が居らぬ間にそこまで攻め込まれおったというのか!?」
その言葉に驚きを隠せない、耳も尻尾もおっ立てた。
目の前の男子が敵国の者だろうなんて事も考えてない様子だ。
「能力の強化…?…そういえば、妙に疲れがこぬと思うたら…そういう事か」
続く言葉に口元に手を添え思案するような仕草。
理由は分からないが…誰も彼もが強化されている?そして、ずっと感じている物凄く嫌な予感…関係しているのだろうか?
「魔法なんぞ使える訳がないじゃろう?
妾が使うのは………まぁ、簡単に言えば自然そのものじゃからのぅ?」
ないない、という感じにぱたぱた手を振った。
では何を使うか…この世界の人間に超能力なんて言ったって分かる訳がない。
なので、そちらは伏せてもう片方の術について語る。
細かい事を聞かれても、面倒そうなのでそれは答えるのを止めておいた。
アルフレート > ああ、じわじわ押していたところで均衡が崩れたのか
制海権が決した後は一気だったようだな
ティルヒアも民間人を早々に逃がした辺りこの流れは読めていたのかもな
(なら、そこまで読める女王が開戦した理由はなんだ?という疑問がまた首をもたげ、眉根を寄せる
が、ピンと耳と尻尾が立てば驚いたようにそちらに意識が向かう
やはり身体の一部だったか…と)
個人差はあるのか、全ての人間に等しく現れているのか
対象も人間だけなのか、魔物や魔族もなのか、そこまでは調べられていないがな…
というか、自然そのもの?どういう事だ?
まさか…精霊種か…?いやどう見ても実体があるな
(目の前に謎をぶら下げられれば思わず食いついてしまう研究者のサガ
疑問の赴くままに触れようと手を伸ばし…慌てて手を引っ込める
一瞬理性が飛んでいた、こほんと咳払いをして、「すまない」と一言
微妙に視線をそらし気まずげに)
タマモ > 「そうか…もう少しもつものと思うておったのじゃが、考えが甘かったようじゃのぅ」
小さく唸りながら考え込む、民間人を逃したのは…多分、女王ではないだろう。
そういった事をやって居る者達が居るのを知っていた、だからそう考えられた。
相手が自分を見てどう思っていたのか…それは少女には知る由もない事だ。
「うーむ…1度ティルヒアに戻らねばならんな、やはり…
うん?自然の流れを読んだりして、それを操る術じゃが…そんなもの普通に出来るじゃろう?」
考え込むのを1度止め顔を上げると、さも当然のようにさらりと答えた。
というか、少女自身も今の力を手に入れてから出来ていたものであり、その前は術一つ使えなかったはずである。
それを知る者はここには誰一人居ない、ゆえに調子に乗っていた。
アルフレート > 龍だのなんだのイレギュラーはあったが…地力の差が出たな
マグメールに逃げるなら当面の宿くらいは口を利いてやれるが
(これは戦争だ。それも向こうからはじめた
だから罪悪感など沸こうはずもないが…長命の存在であろうが見た目は少女と呼べる相手が考え込み始めれば多少の気まずさも感じてしまう)
いや、出来るか馬鹿野郎
(が、続く爆弾発言に思わず素が出る
信じられない事を言いやがって…とズイと距離を詰め睨みつけるように顔を近づける)
そもそも魔術というのは魔力という構成単位に対して干渉する術式だ。少なくとも俺が納めた魔術はそういう仕組みだ
だから流れを捉えて操るというところまでは頷いてやろう、だが魔力を使わずに行使する?ふざけているのかお前
(不機嫌そうな表情で被っていた猫を投げ捨て言葉の洪水を浴びせかける
ふざけるなと、特別な才能を自慢するならば許そう、いや許さんが
出来て当たり前だろう?という態度を取るのはもっと許さない
嫉妬であった)
タマモ > 「…む?…もしや、お主…あちらさん側の人間じゃったか?」
物言いから、相手がティルヒアでなく、王国の人間だとさすがに感付く。
が、それに関してはあんまり驚いた様子も無い。
少女から見れば、所詮は人間、しかも1人であるからだ。
「お、おぉ…?そんなものなのか?
いやなに、そうは言われてものぅ…現にこうして妾が出来ておるのじゃ、仕方あるまい?」
こう、ずずぃっと詰め寄る相手にちょっと引いた感じに。
どうも強気に投げ付けられる言葉に弱いか、びくーっと肩を跳ね慌てたようにぱたぱた両手を振り回す。
少女に到っては最近のようにこう言ってはいたが、実際に使えるようになるには人間から見ればかなり長い時間をかけているのだ。
言い終えれば、はふーっと落ち着くように深呼吸していた。
アルフレート > 冒険者にして研究者、その片手間に宮廷魔術師もやっている
こっちに来たのは…従軍義務だ
(問われれば馬鹿正直に答える
負い目がそうしたのか、彼女の態度がどこかこちらの警戒を崩すような物だったのか
リスクとリターンを考えれば明らかに前者に傾くはずが、するりと口から出てしまっていた)
無知は罪じゃない、貴様がどんな生まれでどんな境遇で魔術の事を知らんのかは追求しないが知識という尺度を持たないのなら誤るのも仕方ない
が、才というのは泉だ、汲めど尽きぬ泉だ
せめて誇れ
(泰然とした態度が崩れぱたぱたと慌てたようにすればまるで自分が苛めてでもいるようで、チッと舌打ちを一つ
しばらくジト目を送ってから詰め寄るのをやめてやろう)
タマモ > 「なるほどのぅ…冒険者やら研究者やら色々やっておるんじゃな?
なかなか大変な事じゃ、妾にはよぅそんなにいくつもの事に手は伸ばせんものじゃ」
自分もあれだが、相手も敵側の者と知ってここまで答えるのも大したものだとある意味感心する。
まぁ、自分からしてみれば、どちらも国としてはあんまり知らぬが故なのだが…
もしくは、たまに居る嘘を付くのを妙に嫌っている人間か…いや、それはさっきの態度を見れば少々違うな、と思う。
なにはともあれ、どうやらお互いに敵と知っても身構えるタイプではないようだと、それだけは理解した。
「む、むむむ…なんとも難しい話じゃな?
えーっと…あれか?とりあえず、この力を使えるのは自慢しとけって事かのぅ?」
実にあんまり物事を難しく例えて語るのが苦手なお頭だ。
額に指をあて難しそうな表情を浮かべて…首を傾けつつ、こういう事か?といった感じに問うた。
それは耳や尻尾にも体現されており、へなりと垂れていた。
アルフレート > 宮廷魔術師になったのは金が良いからだしな、正直うちの王宮はごたついてるから権勢求めなければ最低限やってりゃいくらでもサボれる
(つまり宿主として選んだだけなので忠誠心や愛国心のような物は欠片も持ち合わせていないのだ
だから他国の人間であろうとも情報フルオープンで自分の好奇心を満たすほうが重要なのだ)
研究対象は古代遺跡と霊薬だが、その辺の木っ端冒険者より俺の方が強いしな、一人でやる方が手間が無い
(そして自分と同等かそれ以上の相手に「お願い」して取って来てもらうなど反吐が出る
報酬が発生するので正確には雇用関係なのだがそんな事は重要ではない)
俺の前ではしなくてもいい、ムカつくからな
価値を知れということだ、大した事でも無いように言われれば腹がたつ
(腕組みをしてフンと鼻を鳴らす
神経質そうな顔つきはそのままだが、張り詰めているものがなくなったからか稚気が垣間見える仕草だ
しかし最初は泰然とした態度だったのがこうもへなりとしたところを見せられると…少し心地良くなってしまう
相手が自分には到底真似できない才を持ち合わせているからだろうか?あの尻尾と耳のせいもあるかも知れない)
タマモ > 「おぉ…食っちゃ寝で金も良いとは羨ましい限りじゃの!?」
いや、それはかなり違う。だがそう思ったのは事実、はっきりと言ってしまう。
少女から考えてそんな仕事にありつけている相手が羨ましいか、ぱぁっと輝いているような瞳で見上げる。
ならやってみろとやらせれみると面白い、間違いなく少女には無理だから。
「そもそもあれじゃ、研究とかそのものが妾には無理そうじゃ。
あれじゃろ?なんか色々と難しい事を考えねばならんのじゃろ?」
どっちかというと自分は体で覚えるタイプだ…が、そんなものは自慢にもなりゃしない。
頭を使って云々よりも、やはり何も考えずに暴れたりする方がとっても楽だ。
…これでも後衛向きの能力者であるが、気にしない。
「わ、分かったのじゃ…」
むぅ、ちょっと拗ねたような、不満そうな表情で縮こまる。
総合的な能力は少女の方が上のはずだが、これを第三者が見たらきっと男性の方が上に見られるだろう、不思議。
こうした言葉でのやりあいにおいては、少女の敗色は濃厚であった。
悔しい、でも勝てないの、そんな感じ。
アルフレート > 最低限と言っただろうが
無能の烙印押されない程度に仕事して、目付けられない程度に手を抜くのは難しいんだからな?
(チョロい身分扱いされれば腕組みをしてジッと見下ろす
まあ普段から自分でチョロい仕事と嘯いているのだが、自分で言うのと他人に言われるのは違うのだ
何様だと問われればこう応えるだろう、見て判らんのか?と)
ああ、その言葉の選び方で向いてないのはよく判った…
魔術師とは魔術を解き明かし深奥へと高みへと進み続ける生き物だ
難しい事を考えるんじゃない、難しい物を解き明かす事を考えるんだ
ああ、そうだ。お前の自然の流れを操る?そいつを調べさせれば金くらいくれてやる
(そうなれば力の流れを観測するために文字通り弄り回す事になるのだが
言えば断りそうなので伏せて人当たりの良い笑みを浮かべる
擬音をつけるのならばニヤリになるが)
判ればいい
尊大だったりしおらしかったり忙しい奴だな
(拗ねたような表情を見せられればゾクりと快感のようなものすら感じてしまう
どうにも苛めたく、というか弄りたくなる相手のようで
あんまり調子に乗りすぎ無いように深呼吸をして自分を落ち着ける必要があるくらいだ、落ち着こう)
タマモ > 「えぅ…なんじゃそれは、簡単なのか難しいのか分からないのじゃ」
考える、考える…でもやっぱり分からない。
そしてそんな風に頭を使い続けると…頭痛が起こったか、頭を抑えた。
…そして結論、もう分からないで良いや。諦めたようだ。
「うむ、あれじゃな、よく分かったぞ?
………妾に向いてないのがのぅ」
えっへんと胸を張る少女、だがその発言はあまりにも情けないものだった。
まぁ、自身の程度を知ったので良しとしておいてあげよう。
「あー…いや、これは止めておこう。妾はまだちゃんと扱える訳でもないしのぅ?
それが出来るようになったら手伝うくらいはしてやっても良いのじゃ」
そう言いながら、思い出すのは以前やった己の術で己を傷付ける行為。
軽く痛みを…と思ったのに、回復してもらう必要が出来る程に大きなダメージを叩き出してしまったからだ。
力を目一杯に引き出す事は出来るが、微調整はまだまだらしい。
まぁ、教えたりするのはそれが出来るようになってからだろう、そう思った。
「いやいや、お主がむかつくだの腹が立つだの言うたからじゃろう?
脅かしておいてそれはちょっと酷くないかのぅ?」
ぷぅっと頬を膨らませ今度はちょっとお怒りのご様子。
まぁ、あれである、だから怖いかって言われれば怖く無さそうだ。
と、ふと空に視線が向けば、結構日が傾いてしまっているのが見えた。
ちょっと話し込みすぎたか、といった感じだ。
すーはーすーはーと深呼吸をして落ち着こう…よし、落ち着いた。
「さて、妾はもうそろそろ行かねばのぅ。
それではの?あるれふ…じゃない、あれふとれ…あれる…
………のぅ、あっちゃんじゃ駄目かのぅ?」
別れようとし、名前を最後に言…おうとしたっぽいか?
相手の名前を何度か言おうと復唱をするも、なんかどこか違う。
しばしの間…上目使いに見上げると、にこーっと笑顔で誤魔化しながらそんな事をのたまった。
アルフレート > 楽して美味しいところだけ頂こうと思えばめんどくさい努力が必要なんだよ
たまにこうして国のために働かさせられたりな…
ま…まあ、見て判るレベルで適正が無いのはなかなか…貴重だな?
(流石に追い討ちをかけるような言葉は憚られるしょんぼりっぷりで
せいぜい皮肉の一つを投げるのが精一杯だった)
そういうものか、俺としてはどういう仕組みで、というより使う事で何が変化するのか程度がわかればそれでいいんだがな
まあいい、無理強いして手を抜かれてもかなわん、金に困ったら来い
(ここで気が向いた時でいいなど耳障りの良い言葉が出てこないからこの男、友達が少ないのである
なにせ指折り数えられる)
そこで素直に聞くあたりが…なんというか、面白い奴だな、タマモ
(今まで自分の周囲に居なかったタイプだな…としみじみ思う
まあ慣れるほどいっぱい居たらそれはそれで疲れそうな奴だが
初対面でこうも軽口を叩けるというのは我ながら珍しいと言える)
ああ、俺もそろそろ…
アルフレートだ、人の名を略すな
というかちゃん付けをするな
(うっすらとしか残っていなかった眉間のしわがビシっと音を立てて深まり
目を見開き口の端が吊りあがる、笑みの形をした笑顔ではない何かを浮かべ
ピシっと垂れ気味の狐耳を指で軽く小突こうとする)
まったく、それじゃあな
(フン、と鼻を鳴らせば風の結界を自身の周囲に展開し、ふわりと浮き上がれば飛び去っていった)
ご案内:「オリアーブ島 ヤス湖周辺」からアルフレートさんが去りました。<補足:身長171cm 銀髪翠眼 切れ長のややツリ目気味 神経質そうな表情 小振りの眼鏡 黒地に銀糸のインバネス 全身マジックアイテム>
タマモ > 「そ、そうなのじゃな?うむ…えーっと、あれじゃ…がんばれ?」
楽したい、美味しい思いはしたい、でも努力はしたくない。
なんというか、なかなかの駄目っぷりであった。
なんだか気を使わせているみたいな気がした…というか、気を使わせた。
でも気にしない事にして、最後にぽつりと応援を。
「うむ、その機会がきたらやってやるぞ?」
気の利いた台詞に関しては少女も同様だった、あんまりそれは気にした様子もなく、偉そうに答えていた。
「のぅ…お主、それは褒めてないじゃろう?のぅ、褒めてないじゃろう!?」
がしっと肩を掴み、じーっと相手の瞳を見詰めながら今度はこちらが詰め寄った。
勢いがありそうに見えるが、掴まれる肩はあんまり痛くない。
「っ!?…じょ、冗談じゃ、冗談じゃぞ!?
冗談じゃから拳固はやめ…ひゃんっ!?」
眉間の皺が目の前で深まった、びくーっとまた吃驚すれば、慌てふためき言い繕おうとする。
それで思い出したのは、ある宿屋で拳固をマスターに落とされた光景。
がばっと頭を反射的に庇うも、耳を小突かれれば不意打ちになって素っ頓狂な声が上がった。
「あうぅ…さ、さらばなのじゃ…」
ちょっと涙目になりながら、少女もその場を後にするのだった。
ご案内:「オリアーブ島 ヤス湖周辺」からタマモさんが去りました。<補足:名簿参照。>
ご案内:「オリアーブ島西岸 王国軍港湾基地」にオーギュストさんが現れました。<補足:大剣を持った将軍。黒髪を後ろで縛っている>
オーギュスト > 動乱は佳境を迎えていた。
千年女王の都を王国軍が幾重にも包囲し、陥落は時間の問題。
各地でティルヒア軍は次々と降伏、逃亡し、最早ティルヒアの勝ち目は無い。
あとは女王の都を陥とし、後始末という事になるだろう。
それなのに、この男は未だティルヒア攻防戦どころか、包囲にすら加わろうとしなかった。
この港湾基地で、前線からの催促にも関わらず、ひたすら港湾基地の防衛、要塞化に専念している。
「――くわぁぁ~」
司令室の中で大きなあくびを一つ。
のんきな事この上ない。
オーギュスト > 見かねた参謀が近寄ってくる。
「閣下、あの、宜しいので?」
「何がだ」
「その、前線からは第七師団も攻城戦に参加するようにと矢のような催促が……」
オーギュストは手を振って参謀を退ける。
参謀もそれ以上は言わず、無言で物資の確認作業へと戻った。
この男、最初からティルヒア攻防戦に興味は無い。
もちろん、女王ティルヒアが溜め込んでいる財貨や、あるいは女王ティルヒアの首を獲り戦功第一になる野心が無いわけではない。
だが、それ以上に。
この男は都から不穏な空気を感じ取っていた。
あと一幕、何かある。
それを感じたオーギュストは、港湾基地から動こうとはしない。
「まぁ、今頃はグスタフの爺さんが張り切ってるだろう」
そう、あの老将の相手も面倒だ。
第七師団向けの任務とも思えない。
というわけで、今日も彼はこの港湾基地に居座ったまま、無為に時を過ごしていた。
オーギュスト > 「あー……」
とはいえ、あんまりにもやる事が無いと暇だ。
鉱山の調査を一応命じているが、あそこは今戦後を見越した貴族どもをはじめとした各勢力、それにティルヒア残党と魔族まで入り乱れてひどい事になっているはずだ。
オーギュストはあの場所については対策を一つ打ち、あとは流れに任せるつもりでいた。
「女でも呼べばよかったな……」
どうせティルヒア攻防戦はもう少し時間がかかる。
なら、女衒でも呼んで陣内に娼婦でも呼び込めばよかった。
この男にしては珍しく後悔する。
ご案内:「オリアーブ島西岸 王国軍港湾基地」にアーヴァインさんが現れました。<補足:黒髪の短髪に茶色の瞳、細く引き締まった体に身軽そうな冒険者らしい格好。>
アーヴァイン > (司令室へ掛かるノックの音、その後兵士がこう彼に伝えるだろう。客人だと、それからドアの向こうから彼へと語りかける)
先日、海の上では世話になった…届け物は無事届いたと思うが、その時の話を聞きたい。
(副官を怪我なく彼の元へ送り返した時のことだ。入ってもいいか?と確かめる言葉を続けて、答えを待つ)
オーギュスト > 「んぁ? ――あぁ、入れ」
ぶっきらぼうに言いながら姿勢を正す。
成る程、向こうから来たか。
オーギュストは入るのを許可し、兵士たちに下がるように命じる
アーヴァイン > 失礼する。
(ドアを開けて司令室へと入る男の姿は、傭兵というよりは冒険者を思わせる身軽な格好。兵士達が下がっていくのを気配で確かめつつ、彼へと視線を向けて)
お初にお目にかかる…かな、オーギュスト将軍。アーヴァイン・ルグゼンブルグだ。
(うっすらと笑みを浮かべながら簡単に自己紹介をすると、早速というように軽く首を傾けて言葉を続ける)
彼女から話は聞いていると思うが…進捗を伺いにきたんだ。この戦争も、もうそんなに長続きはしないだろう?
(あとは残ったティルヒア軍をじっくりと潰していく消化試合のようなものだ。最後のあがきは、多少王国に痛手を与えただろうけれど、それも時間の問題。戦争が終わる前に話を付けないと、ゴタゴタに紛れて無くなっても困ると思えば今に至る)
オーギュスト > 「あぁ、その事か」
オーギュストは机の中から書類を取り出す。
あの第九師団副団長、真竜を巻き込んで製作したものだ。
「九頭竜山の一部を第九師団副団長、ウスジャリル・ディナームの所領とし、独自の権限を与える書類だ。
あいつの許可は取ってある、領内は好きに使え。時々財宝をあいつの為に溜め込むのを忘れるなよ」
彼の求める全ての種族が平等な所領。
それをこの男は「一匹の竜以外の全てが下僕であり対等」である所領として実現した。
何せ、竜の巣である。王国の法とて及びはしない。
討伐するくらいなら、好きにさせておいたほうが余程効率的だ。しかも、あの竜は第九師団として王国に協力的でもある。
「どうせ巣に帰ってくる事の方が稀だ、お前の好きにしろ。
ただし、きちんと協力はしてもらうがな」
アーヴァイン > (そのことだと小さく頷けば、書類を受け取る。第9師団副団長、軍属だった頃に名と噂を聞いたことはあったが…彼の言葉に、どうやらそれは本当なのだろうと思いつつ笑みをこぼす)
ありがとう。財宝か…定期的に金を献上していけば良さそうか…?
(自分が描いた未来とは多少違うが、夢の一つがかなった書類の内容を確かめつつ、実際の対価を問う。逆に言えば金で済むなら…とても良い関係が築けるだろうと思えて、落ち着いた気配は変わることもなく)
わかった、好きに使わせてもらう。それは勿論だが…先に行っておくが、基本は兵站を担うことになる。抱える戦力の頭数は軍に及ばないからな…偵察、諜報は別途王国軍のみに働く班を準備する。
(補給、輸送、訓練、警備に警護。偵察もすれば給仕もする、矢面に立って暴れるというよりは、静かに王国の戦力を押し上げる業務だ。基本はそれになると先に伝えたのも、ティルヒアでのように暴れることを主体としないといいたいのだろう)
オーギュスト > 「金、宝石、まぁそんな所だ。
あいつは強欲だ。逆に言えば、対価をきちんと払えば変に口を挟んでくる事もない」
あの竜の事だ。自分の仕事に彼らを巻き込むかもしれないが、それは自分の管轄外だ。彼ら同士で解決してもらおう。
「十分だ。特に、この戦いの後……北方、タナール方面で力を貸して貰う事になる。
魔族との戦いには、いくら頭数があっても足りねぇからな」
ひとつ頷き、こちらも対価を提示する。
補給や偵察に彼らの力を借りれれば、相対的に師団の負担が減る。
悪い話ではない。
アーヴァイン > なるほど…色々と話をしてみるとする。
(強欲ということなら、育てば育つほどに金を生み出すものを抱えられるのだから、お互いにメリットが有る。納得したように頷き)
タナールか…あそこほど兵が摩耗する場所はないからな、それに…前に警備を請け負った時、そこの司令官が兵士をおいて逃げ出した時には困ったよ。
(あまりにきつい最前線故に、権力のみにしがみつく輩はそんなものになってしまうが。苦笑いを浮かべながら昔話を呟くと、小さくたたまれた地図を取り出す。それは魔導鉱石が眠る山脈の地図、青い丸が3つ、赤いバツが1つ付いたものだ。併せて洞窟の見取り図らしいものを3つ取り出すと、彼へ差し出す)
山脈にある坑道の位置と内部の見取り図だ、バツの部分はすまないが触れないでくれ、こちらが先に手を付けさせてもらった。
オーギュスト > 「よくある事だ。
タナールに関しては、こっちも恒久的な要塞化するつもりはねぇ。
あくまで緩衝地帯、ついでに監視、練兵などの為の砦と割り切ってる」
魔族がタナールに興味を示すうちは、餌として置いておけばいい。
それがオーギュストの持論だった。
「構わん。どうせこれからあそこは争奪の為の権力闘争に巻き込まれる。
面倒なのは御免だからな――手は打ってあるしな」
が、洞窟の見取り図は何かと役に立つだろう。
ありがたく頂戴する事にする。
「俺からは以上……あぁ、もう一個あったな。
第七師団では、亜竜、いわゆるワイバーンが不足してる。
捕らえてきてくれりゃ、高く買うぜ」
アーヴァイン > 緩衝地帯か…無理に維持し続けるのも、力の消耗を無駄に早める可能性があるだろうしな。練兵だったらこっちに寄越してもらいたい、今後はそれも仕事としていく予定だ。
(最前線といえばそうなのだが、如何せん火力が集中しすぎる場所なのは、何度か赴いて実感していた。同意するように頷き)
予想通りか…あぁ、役立ててくれ――…ワイバーン?
(船上での戦いを思い出す、あの輸送船と思って仕掛けた時に飛び出した航空部隊かと頭の中で繋がると、ふと思ったことが言葉となり)
捕らえるのはいいが…そちらで増やさないのか?
オーギュスト > 「そりゃ助かるな、せいぜい鍛えてやってくれ」
練兵の一環として、いくばくかの兵を預けるのもいいだろう。
変な思想を吹き込まれても困るので、大勢を預けるわけにもいかないが。
「亜竜の成長には時間がかかる。そんな悠長な事はしてられないんでな。
俺はあと10年以内に魔族どもを滅ぼす予定なんだ」
剛毅に言い放つ。
ワイバーンの育成には時間がかかる。繁殖では限界もあるし、施設も予算も足りない。
一番早いのは、外から買い付ける事だ。
アーヴァイン > (分かったと頷き、亜竜の特性を聞けば少し驚きを見せるだろう。思っていたより手間がかかる存在なのだなと、だからあれだけ大事に抱えて最後の最後まで隠したのも、ここで繋がって納得がいく)
……戦う気がないものや、友好的なものもか?
(弟から聞いていた通りの事を聞かされれば、表情が曇る。確かめるように問うのは、彼の魔族へ対する意志を確かめたかったからだ)
オーギュスト > 「種族の生存闘争ってのはそういうもんだ」
一切隠す気なく、オーギュストは応える。
迷いも憂いも無い。
それが当たり前の事だというように。
おそらく、お互いはいずれ決着をつける事になる。
その事を確信しながらも、オーギュストは彼に対し憚る事はなかった。
アーヴァイン > …そうか。
(誰もが平等な世界、生まれ持ったもので決まることのない世界。似たようなものを求めたが、彼と相容れぬ決定的な違いを感じさせられる、苦笑いを浮かべて呟き)
俺は国に嫌な思いをさせられ、裏切りも受けたが、貴方は魔族に何か恨みでもあるのか?
(この将軍ほどに優秀なものが、何故に魔族を滅ぼそうとするのか。敵と思うよりも先に、彼の意志の理由をしりたくなり、静かに問いかける)
オーギュスト > 「無い」
はっきりと告げる。
魔族に偏見が無いといえば嘘になる。
数え切れぬ同胞を殺され、辛酸を舐めさせられた。
だが、それは恨みではない。
「俺は俺の理想の世界を作る。
その為に邪魔なものは全て排除する。
それだけの事だ」
結局、そういう事だ。
彼がやらなくても、何時の日か、どこかで魔族と人族は決定的な破綻をきたし、お互いを滅ぼしあう。
ならば、己の後の世代に託す事はしない、この手で滅ぼす。
それが、オーギュストという男だった。
アーヴァイン > ……誰の中にも魔物は住み着いている、欲であれ、血であれ、なんであれ。将軍、その理想を叶えたとして…誰かに討たれないように気をつけたほうがいい。
(無いと、いいきり、恐ろしいほどにまで鋭くなった彼の意思に困ったように笑いつつ語りかけると、言葉を続けて)
その時は、きっと貴方が…魔族になっているからだ。
(どこかの哲学者がいっていたことだ。怪物と戦う時、その深い闇を覗くことになる。それは怪物が住まう闇も、戦う者を見つめる。静かに心を闇に染めぬようにと告げたのは、嘲笑や哀れみでもなく、夢を追う者として心配しての言葉)
今日はこれで帰るよ。土地の件、とても助かった…ありがとう。
(軽く頭を下げて礼を告げると、ドアの方へと歩いて行く。相反するとも、相容れるとも言わず、言葉を受け止めるて男は去っていくだろう)
オーギュスト > 「その時は誰かが俺を殺すだろうさ」
はっきりと。
もし魔物になっても、勝つのは「人間」だと、男は言い切る。
それが彼のスタート地点であるのだ。魔族と人族、戦った時、勝つのは常に人族だという自信。それが、今日までの彼を支えていた。
「期待しているぞ、『スペクター』」
それだけ彼の背中に投げかけると、再びオーギュストは視線を書類に向けた。
ご案内:「オリアーブ島西岸 王国軍港湾基地」からアーヴァインさんが去りました。<補足:黒髪の短髪に茶色の瞳、細く引き締まった体に身軽そうな冒険者らしい格好。>
ご案内:「オリアーブ島西岸 王国軍港湾基地」からオーギュストさんが去りました。<補足:大剣を持った将軍。黒髪を後ろで縛っている>