2015/11/18 のログ
ダンテ > 陽が沈んでしまうと、もう辺りは真っ暗だ。
森の中などよりは遥かにマシであるが、それでも今夜は月が細い。
街の中ではそうそう体験できない暗闇が周囲を支配する。
幸いにして夜目は効くし、視覚以外も色々と鍛えられている。申し訳程度の光量の魔石灯をリュックから取り出して腰に取り付け、街道を進む。
「まぁ、あんまりすぐ王都に戻るのも莫迦みたいだし、もう少し稼いでからかなぁ。」
足取りはそれなりに速いが、考えている事は割とのんびりだ。
まだ持って来た食料などにも余裕があるし、もう少し南部で魔物を狩って帰ろう、と。
目当ての村へは、もうそう距離もない。今昇っているなだらかな丘を登り切れば、その灯を遠目に視認できよう。
ご案内:「南部街道」に魔王アスタルテさんが現れました。<補足:外見10歳、身長130cm。黒いワンピースを着て、悪魔の翼を生やす魔王。四天王を引き連れている。>
魔王アスタルテ > (魔物が大量発生する理由は様々ある事だろう。
魔物にとって住み心地の良い土地になっていたり、
魔物の群れが一気に住み歩いてきたり、
そして、間違いなく上がる理由の一つがある。
それは“魔王”なる存在だ。
数多の魔族や魔物を掌握する魔王。
アスタルテの存在そのものが現在、この近辺に野良の魔物を引き寄せているのだ)
(丘の上からだと見えやすいだろうか。
村の他に、この街道の脇には廃墟の古代砦があった。
そのサイズは王城と比べると、あまりに小さい。
魔物達は、その砦を中心に集まっているようだ。
その砦の本丸に入ってすぐのエントランスに、アスタルテとその配下達が陣取っていた。
魔王は、漆黒の翼を生やした全長ニメートル程の宙に浮いたドクロの上に、ちょこんと足を組んで座っている。
アスタルテの周囲に直属の四天王、他に百を超える高位魔族が並んでいる。
そして他にも、大量の野良の魔物が集まっていた。
この古き砦は、今……魔王軍のダンジョンと化しようとしている)
「じゃあ、オリアーブ地方に向かうついでで、ここを我が魔王軍のダンジョンにしちゃおっか~♪
ちょうど良い拠点になるよねー」
(配下達ににこりと笑って語りかける。
さてさて、ダンジョンにはボスが必要だ。
誰を配置しちゃおう)
ダンテ > (丘を登り切ると、考えていた通りに村が見えた。
ただ、もう一つ何か不穏なものも見えた。)
「―――うぇ。」
(何かカエルを潰したような声が漏れる。
背筋がゾクゾクと泡立つような感覚。悪寒とは異なる、何だろう、イヤな感じ。
視線は村ではなく、街道沿いの廃墟、砦跡に向かっている。
遠目にもわかる。明らかに魔物が集まっていた。
村の至近であの状況。村の人間たちは気付いているのか。いるなら、生きた心地はしていまい。)
「しかもあれ……なぁんか、こう……いやぁな感じが……。」
(たらー、と額に汗が滴る。
幼いころからよく知る、そしてつい昨夜も感じたこの感覚。
多分あそこには『いる』。
誰かは知らんが、間違いなくいる。
面識はあるかも知れないし、ないかも知れない。
ただ少なくとも、義母や姉ではないだろう。集まる魔物を見てそう考える。
というか、あの二人があんなところで魔物集める理由がない。
立ち止まって、考え込む。
このままスルーして村まで行くべきか。否、行くべきな気がする。)
魔王アスタルテ > (それはそうと、ちょっと夜風にでも当ってこようかな。
もしかしたら、知りあいとばったり出会っちゃうかもしれないしね!
まあ、それはさすがに偶然すぎるかもしれないけど。
ダンジョン化は着々と進んでいる。
こうやってダンジョンを増やしていくのも、魔王のお仕事だよ。
魔族や魔物達が暮らしやすい環境を確保できるからね)
「あたしは少し外に出てくるよー。
四天王諸君、しばらくここをお願いね」
『『御意!』』
(アスタルテはドクロから飛び降りると、砦跡の外へ。
今はちょっと高いところに登りたい気分だったので、丘に登る。
するとそこに、冒険者に見える一人の少年がいた)
「わぁ~、ダンテ~。
やっほ~う♪
こんな所で、奇遇だね!
お久~」
(アスタルテは無邪気ににこりと笑い、その見知った少年に気さくに手を振る。
ちょっと出歩いてみると、ほんとに知りあいに出会えるものだね!
その少年とは、『色欲』の子であった)
ダンテ > (よし。何も見なかった事にしよう。
そう決意して、いい笑顔で歩き出そうとした瞬間。
己の名前を呼ぶ声が聞こえた。
アウト。
こんなところ己の名前を呼ぶ、可愛らしい声の持ち主になど、そう心当たりはなかった。)
「―――……あ、アスタルテさん……。」
(少しばかし引き攣った笑みを浮かべながら、ショートソードを肩に担ぎ直して、声のした方へ。
その姿を見ずとも、名前はすぐに口から出てきた。
まぁ、何となくそんな気はしていた。こんな所でうじゃうじゃと魔物を集めるのは、彼女くらいしか思いつかなかったからだ。
手を振って来る彼女に、己もまた空いた方の手を挙げて応じる。
そう、彼女は『憂鬱』その人だ。)
魔王アスタルテ > 「こんな所で奇遇だねー。
ティルヒアちゃんの内乱の件で、何かしらやりにきたの?」
(アスタルテは、きょとんと首を傾げて問うてみる)
「お義母さんは元気にしてるかな?
あ……でも、ダンテはちょっぴり家出中なんだっけ。
あんまり、お義母さんに心配かけさせちゃだめだよ?」
(『めっ!』と言いたげに、人差し指を立てる。
アスモデウスにも、最近会ってなかったなぁ。
今度、会いにいっちゃおうかな)
「見たところ、今のダンテは冒険者とかその辺りかな?
あ……もしかして、報告にあった魔物討伐犯は君だね!
野生の魔物達が、怯えていたよー」
(同胞たる魔物が狩られたわけだが怒ってる素振りはみせず、むしろ子供の如き無邪気さ。
魔物が討伐されちゃうのは、よくある事だからね。
まあ、好ましくないけど……)
ダンテ > 「うっす。お久しぶりっす。
―――……うん、姉さんが『会う時には会う』って言ってたのはマジだな。」
(『怠惰』と『憂鬱』との連続邂逅。
以前、『暴食』たる姉に言われた言葉を思い出して、少し遠い目を。)
「あー、まぁ、元気だと思いますよ。
―――ん。まぁ、そッスね。いや、心配はないんじゃないかなぁ……。どっちかっつーと、ベル姉さんとかのが心配してそうだ。」
(ははは、と苦笑しながら頬を掻いて応じる。
自身の家出の事は……、まぁ義母が触れ回っているのかも知れないし、さほど突っ込まずにおいた。それこそ、今頃はベル姉さん、『暴食』のベルゼブルの耳にも入っているかも知れない。)
「まぁ、一人で突然始められる稼業ったら、こんなところっすから。
あー……まぁ、そこはこう、お仕事なんで何とも。
最近、オリアーブ島中心に数が増えてるって話なんで、冒険者はこぞって討伐に出てるから、何も俺だけじゃないかな、と。」
(少し困ったように苦笑しながらも、はきはきと言葉を返す。
結局、いう程物怖じしないのは育ちのせいだろう。魔王に対する脅威というより、怖い親戚のお姉さんに会った時の感覚なのである。
少年には、あまり魔物に仲間意識はない。魔族に対してもなくはないが、どちらかと言えば個人に集約されている節がある。
魔物に対する意識は、人間がその他の哺乳類に対して持つ意識とあまり変わらない感じだ。)
魔王アスタルテ > 「『会う時には会う』っていうのは、ほんとにその通りだよね。
大罪のみんなはけっこー魔族の国の外に出て何かしらやってるからねー。
今の時期は特に、オリアーブ地方に向かおうとする魔王も多いね。
あたしも今ちょうど、オリアーブ地方に向かう途中だよ」
(アスタルテはオリアーブに向かうには、ちょっぴり出遅れ気味かもしれない。
まあ、魔族の国とかで魔王のお仕事忙しかった。
そしてオリアーブ地方に向かうついでに、ダンジョン開拓も進める)
「あははー♪ そっかぁ。
元気ならよかったよー。まあ、アスモちゃんは元気な気しかしないね。
今日もアスモちゃんは『色欲』らしくえっちぃ事、やっちゃってるのかなー。
ベルちゃんは、ダンテの事可愛がってるもんね」
(実は最近、アスタルテにも娘が出来ました。
反抗して家出っぽい事されたら、普通にショックだよ)
「一人でも実力あれば、冒険者にはなりやすいからね。
そうだよねー、冒険者にとってもお仕事だもんね。
まあ、島全体で見れば魔物を討伐する冒険者が溢れているんだけどね。
あたしが聞いた報告はひとまず、この近辺の魔物討伐犯かな。
だけど、ダンテが魔物討伐犯だからってどうこうという事じゃないよ?」
(一応、魔王軍とすれば討伐されていく魔物を保護してあげたいけどね。
アスタルテはダンテの事は、親戚の息子という感じに見ている。
魔王の養子と言えど、ダンテは種族で言えば人間だからね。
魔物に仲間意識がないというのは、しっかり理解していかないといけない)
ダンテ > 「フリーダムな集まりっすからね……。
身の危険とか、不便、とかと基本的に無縁だからなんでしょうけど。
まぁけっこういそうですよねぇ。何でも、賭けをやってるなんて話も聞きましたし。」
(自分の知る面々を脳裏に思い描きながら、言葉を返す。
結局少し遠い眼になってしまうのは、色々と思い出というやつがあるからだ。割とロクでもないものが大半を占めるが。)
「ってゆーか、義母さんにしてもアスタルテさんにしても、元気ないとか有り得ない気がしますけどね。
そんな事ありゃあ、一大事、っていうか。
まぁ、義母さんはそりゃそうなんじゃないですかねぇ。あのヒトが一人寝するとか有り得ないんで。
ベル姉さんには、家出直後に一回会ったんで、大丈夫とは思うっすけどね。」
(能弁さで言えば、知る魔王の中ではかなり上位に入ろう彼女。
頷きながらも言葉を返していって。)
「戦争屋になる気もないですし、士官して義母さんやらアスタルテさんやらと事を構えるなんてのも絶対ゴメンですからね。結局、これが一番かなー、と。
うっす。でもまぁ、この辺も俺だけじゃないですよきっと。いや、俺もけっこうやりましたけど。この辺の村を拠点にしてる冒険者はけっこういるでしょうし。
―――あの、アスタルテさんのダンジョンにも、早晩挑戦者が来るんじゃないかと。」
(苦笑しながら視線を向けたのは、彼女が現在作成中であると思しき砦である。
オリアーブ島もそうであるし、その周辺地域には冒険者が集まっている。発見されれば、標的とする冒険者は多かろう。)
魔王アスタルテ > 「あははー♪ 魔王たる者、自由なものだよー。
それでも過去は魔王同士、けっこー色々あったりしたんだけどね。
だけど、あたしはこれでも忙しい時は忙しいんだよ?」
(アスタルテは結構真面目に、魔王業務やってる側だからね一応。
身の危険や不便に無縁という言葉に『あははー』と軽く笑った後、アスタルテは頷いてみせる。
そして、一瞬だけ無邪気で子供のような仕草から一変し、カリスマを感じさせるような真剣な瞳をダンテに向ける。)
「だからこそ、魔王はしっかり魔族や魔物を率い、導かなければいけない使命があるんだよ」
(使命感が強い魔王の、その紅の瞳は再び先程の無邪気な笑顔に戻る)
「賭けをしてるって話を既に聞いてるなんて、ダンテも情報が早いねー。
既にオリアーブの地に訪れた大罪の誰かから聞いたのかな?
そうだよー、今ね賭け事に興じているんだよ。
ところでダンテは王国とティルヒア、どっちに勝利の女神が微笑むと思う?」
(いささか答えるのが難しい無茶な質問かもしれない。
だけど賭け事の話が出たので、あえて問うてみる。
ちなみにアスタルテは既に、賭ける方を決めている。
遠い目をしているダンテに、アスタルテはにこりと微笑んでみせた)
「そりゃそうだねー。あははー♪
アスモちゃんが元気なくなっているとか、世界滅んじゃうんじゃないかって思うよねー。
もちろん、あたしもいつでも元気に溌剌だね!
自分が元気な方がやっぱり、楽しいよね!」
(『酔狂』ハスターおじさんなんかも、今もハイテンションなんだろうなぁ)
「アスモちゃんはすっごくえっちぃからね。そんな義母に育てられたダンテもまた、けっこー女の子に欲情とかしちゃってるよね? 男の子だもんねー」
(そう言いながら、アスタルテは悪戯気に笑ってみせる)
「という事は、ベルちゃんにどこか美味しい店に連れていってもらえたかな?」
(『暴食』の魔王と言えば、真っ先に食べ物の事が思い浮かぶよ)
「士官とかしちゃえば軍の規律とかあったり、結構無茶な戦に駆り出されちゃったりもするけど、
その点、冒険者は楽で自由なところがあるからね。
あははー♪ あたしだって、大切なダンテに軍勢向けるとか絶対嫌だよー。
そっかぁ、自分でその道を選んだんだね」
(アスタルテは優しく、ダンテに微笑んでみせる。
なんだかんだでアスタルテは、慈愛に満ちている魔王だった。
怖い時は怖いけどね)
「じゃあ自分で選んだ道、冒険者がんばりなよー!
あたし、応援してるからね」
(ダンテの背中を軽く叩いて、鼓舞する)
「そうみたいだねー。ダンテ以外にも、まだわりとこの辺で冒険者が狩りをしているようだよ。
中には、しくじって魔物にやられちゃってる冒険者もいるみたいだけどね……。
ダンテももしかしたら、死体とか見つけちゃったリしてるのかな」
(魔物は魔物で自分の身を守ろうとしたり、あるいは本能で襲いかかろうとして冒険者と戦う。
それで冒険者も魔物も殺されてしまう。
自然の摂理と言えばそれまでだけどね)
「この様子だと、確かに冒険者が早くも多く押し寄せてきそうだね。
ボスは、もの凄く強い魔族を配置する予定だけど、下手をすれば陥落する危険はあるよね」
(まあ、対策は施すし、ある程度ダンジョンの難易度は高くする。
だけど攻略されちゃう時はされちゃうのがダンジョンだからね。
もしかすれば、ダンジョン化が済んでアスタルテ達立ち去り、あまり整っていない瞬間を狙われるかもしれない)
「それにしても、ダンテ。
少し見ない内に、背が伸びた?」
(この時期、男の子はとっても成長する。
魔族は基本長生きなので、人間よりも時間が早く感じる者も多いだろう。
数年とはまさに一瞬。
その間に、人間の子供はどんどん成長していくよ。
気が付いたら、すっごく大きくなってる。
アスタルテが小さいから、余計にそう感じる)
ダンテ > 「身に染みて知ってますよ。
アスタルテさんが真面目に王様やってるのも、知ってます。」
(少し肩を竦めるようにして応える。
義母は政治家としては随分と適当である。目前の彼女とは違った意味での人望で何とかしているのだろう。つまり、主にエロで。)
「『憂鬱』の面目躍如って感じですね。」
(一転。その雰囲気を魔王らしいものに変えて見せる彼女。
向かってきた言葉に返すのは、そんな言葉だ。
実際、必ずしも魔王にそんな義務などないのだろうが、少なくとも目の前の彼女はそれを使命と感じている。そういうところはまさに、『憂鬱』らしいと感じられた。
『傲慢』にも通じるのだろうが、しかし彼女の場合はやはり『憂鬱』であろう。)
「まぁ、ちょっと小耳に挟んで、さ。
―――俺ですか?俺は……政治とかはよくわかんないし、戦場の状況とかも噂レベルでしか知らないんで、何とも言えないんですけど……。
まぁ、勘でいくなら、王国かな、と。」
(賭けについては、昨日聞いたばかり。とは言え、ソースである『怠惰』たる彼女には自分の身元は知れていない為、ここはボカしておいた。
続けて向けられた質問は、実際問題答え辛かった。
だから答えは本当に、勘で出したものである。―――否、正確には、どちらが勝つ方が『魔族』にとっておいしいのかを考えた上で答えたのだが。)
「大罪のお歴々は、例外なくそーなんじゃないですかね。
元気さには、まぁ個性がありそうですけど。
……いやまぁ、別に義母さんに育てられなくても、男は女の子に欲情するもんすよ。それに、女の子に欲情ってなら、アスタルテさんだってそうでしょう?」
(苦笑したまま彼女に応える。
正直、一般的な人間の男子よりも色々持て余しているのだろうという自覚はある。あるが、それは目の前の彼女に言ってもしょうがないのだ。あらゆる意味で。)
「あー、ベル姉さんとはデートして、その後むしろベル姉さんを美味しく頂きました。」
(少し思い出すようにしながら、頬を掻きつつ正直な答えを。)
「これからもずっと冒険稼業なのか、っていうのはわからないけどさ。
―――いや、普通に考えればそんな道選ばないッスよ。こう言っちゃなんですけど、人間の中では魔王なんてもんの恐ろしさを一番身に染みて理解してる自信があるんで。」
(慈愛に満ちた魔王の微笑み。
ゾッとしない。頭を掻きながら軽く答えるものの、言葉は本気だ。
誰が好き好んで、そんな凄まじい死にゲーに身を投じるというのか。
『死闘』はもうたくさんである。家出直前の一戦で、もう一生分やりつくしたような気分だ。)
「まぁ数が多いですからねぇ。
今日だけで二人ほど埋葬しましたよ。」
(肩を竦めた。
彼女にとっては可愛い大事な同胞でも、野良の魔物など野生動物だ。
そもそも、性質として凶暴な種が大半を占める訳で、被害が出るのも当然である。)
「そーゆー意味では、あそこをダンジョン化してもあんまり旨味ないかも知れないですよ。」
(視線を再度砦の方へと向けて答えた。
敵の只中に作るようなものであるからだ。)
「へ?あ、ああ、この一年くらいで一気に。
義母さんは悲しみながら喜んでましたねぇ。」
(突然話題が自分の身体の事になる。
少しきょとんとしてから、こくこくと頷いて、自分の頭に手をやる。
ちょうど、成長期に入ったのは1年前。本当に、ぐーんと伸びた。)
魔王アスタルテ > 「そりゃよかったよー」
(アスタルテは、ダンテに微笑みかける。
『色欲』のアスモデウスがどうしようもなくエロいのは周知だが、
まさしく彼女がエロで統率していると聞いても違和感が全くない。
あははー♪ アスタルテも可愛い女の子を散々可愛がってきたけど、エロさでアスモデウスに勝てる気が全くしないよー)
「あははー♪ あたしも大罪だからね。
こー見えても、なんだかんだで『憂鬱』なんだよ」
(笑顔を見せつつも、『憂鬱』という言葉をその言葉通りどこか晴れ晴れしない口調で言ってみせた。
アスタルテは、魔王という立場だからと言って導くべき魔族や魔物を簡単に見下したりはしない。
人間に関してもそうだ。
敬意を払える者は、この世の中に多くいるものである。
『傲慢』な考えはあまり持ち合わせていない。
故に、アスタルテの魔王としての使命は『憂鬱』。
悪く言えば、どこまでも使命に縛られし『憂鬱』なる魔王。
普段のアスタルテからは微塵も、『憂鬱』なんて想像できないだろうけどね。
まあ、他の魔王に自身の背負う使命を押し付けたりもしない)
「わぁー、賭けって既に結構広まっているものなんだね」
(まあ、広まっている理由として簡単に考えられる可能性は、
いずれかの大罪の魔王がまず配下に賭け事を言い触らし、その配下がどんどん広めていったというもの。
情報源についてだが、アスタルテでさえも全く配下に賭けの事を語ってないわけでもない。
別に、秘密にするルールとかなかったと思うからいいけどねー。
アスタルテはダンテの意見を聞き、最後に大きく頷いてみせた)
「王国かぁ。
名のある優秀な将兵が多いのもやっぱり王国軍だもんね。
対魔族部隊や対外部隊もみんな駆り出されているぐらいだから、王国もかなり力を入れているよね。
開戦の走りだしも、王国軍側の快勝が目立つよ。
とは言え、ティルヒア軍も決して軟弱じゃないからある程度は王国軍にも対抗できるだろうけどね。
少なくとも、制海権は現状ティルヒア軍にあるよ。
だけど、君の予想はけっこー的を射ぬいているかもしれないよ」
(にこりと、無邪気な笑みをダンテに向ける。
『どちらに付くか』それは魔族の間で対立しているのと同じように、『どちらが勝つ方が魔族においしいか』も意見が分かれるところがあるだろう。
ちなみにアスタルテは『勝つと思う方』ではなく『賭けて面白いと思う方』に賭けている。
賭け事は余興。楽しんだもの勝ちだよ)
「それもそうだね。
『怠惰』のフェゴールちゃんもめんどくさそうにしながら、なんだかんだで積極的なところもあったりするもんね。
怠ける事に全力を注ぐところもあるけどね!」
(そういう所も、元気さの個性だと言えるだろう。
ベルもいつも元気だけど、食べ物を目の前にした時の彼女は一層輝きを増す。
そんなベルの姿を見ているだけで、お腹が膨れてきそうだよ。
その元気さには、ほんとに個性があるね)
(そして、苦笑するダンテの言葉にアスタルテは瞳をハートにさせる)
「あたり前だよ!
可愛い女の子に欲情しないとか、失礼だよね!
オリアーブ地方に向かう理由の一つを教えたげるよー。
それは、可愛い女王ティルヒアちゃんも見に来たんだよ!!」
(なんかテンション高い。
ティルヒアを見るのが今からわくわく、ゾクゾクしているようだ。
まあ、あくまで理由の一つではあるが、思いっきりガチ。
実際見られず終いになっちゃうかもしれない)
「女の子に欲情しちゃうダンテも、立派に男の子してるよねー♪
えっちぃ事とか語らっちゃう?」
(幼女は視線をおろし、男の子の股間あたりを悪戯気な笑みを崩さずに眺めるのだった。
この魔王ガチレズだ。だからこそ、場合次第で男子とエロネタで盛り上がれたりもする)
「ベルちゃんをいただいちゃうなんて、やっぱりアスモちゃん養子だねー。
ベルちゃん、すっごく愛らしいもんね! 可愛がりたくなるのも無理ないね!
あと、胸がでかい!
『色欲』の子に違わぬえろっぷりだぁ~。
それで、ベルちゃんを美味しくいただいちゃってどうだった?」
(まあベルゼブルはベルゼブルで、すっごくえっちぃんだけどね!
ベルゼブルのえっちさは、アスモデウスの影響も大きいかもしれない。
興味津々に、ダンテに問うてみる)
「ひとまず食いつないでいくために冒険者になってる感じかな?」
(首を傾げて、質問してみる。
そーいう人は、若いと結構多いよね)
「あははー♪ さすがは『色欲』の養子になった頃から、色んな魔王と接しただけはあるね。
君程、魔王と接してきた人間も珍しいからねー」
(まあ、ダンテに軍勢を向けたくないというのも、彼が大切だというのも真実)
「そっかぁ。魔物だけじゃなくて、当然人間の方も犠牲者は出るよね。
仕方がないと言えば、仕方がないんだけどね」
(笑顔だが、あまり晴れ晴れとしない様子で言う。
魔物が討伐されているだけではなく、もちろん人間も死ぬ。
まあ、アスタルテは残虐性ある魔族だし割り切っているから、必要とあらば人間なんていくらでも殺しちゃうけど。
何なら、都市単位で壊滅させる事すらある)
「探索する冒険者が多いならそれだけ、逆に返り討ちにした時に金品が得られやすいのがダンジョンのシステムだからね。
だからハイリスクハイリターンで、簡単に攻略できない高難易度のダンジョンにしちゃえばいいんだよ。
それでね、あのダンジョンのボスを誰にするかをさっきまで配下と共に話合っていたんだけどね、
候補が三体出ているんだよ。
エントリーナンバー1番。黄金の皮膚を持つ暴君の竜。
エントリーナンバー2番。雷を纏いし二つ首の巨人。
エントリーナンバー3番。冷徹なる殺人古代魔導機械。
ダンテは、どの子がいいと思うかな!」
(あえて、目の前のダンテにもボスが誰が良いか問うてみる。
強さは全員大体同じ。能力は大幅に変わるが、大方名称のイメージ通り)
「やっぱりー。すっごく背が高くなったよね!
あははー♪ アスモちゃんもけっこー複雑なんだね」
(アスタルテは、ダンテの頭に手を乗せようとする。
どうやら、ダンテと自分の身長を比べているようだ)
「わぁー、手を伸ばさないととどかない程大きい~」
(アスタルテが小さいともいう……)
ダンテ > 「アスタルテさんは、割といつも憂鬱そうですよ。」
(辛気臭くないだけだ。
他の者がどう見ているかは知らないが、少なくとも少年にはそう見えた。幼い頃からずっとだ。
彼女と初めて会った時の第一声が、「お姉ちゃん、どうしたの?」だったのを彼女は憶えているだろうか。)
「いや、まぁそんなに広まってるかは知らないッスよ?
俺もたまたま聞いただけなんで。」
(あはは、と苦笑しながら手を左右に振った。
誤魔化し切れているとも思えないが、まぁ彼女なら深く追及もするまいと。)
「いや、あくまで俺のは勘ですから。勘。賭けてる訳でもないですし。
それに……アスタルテさんの言う通り、実際問題、海戦はしばらくティルヒア優勢でしょう。
そのまま行く可能性だってある。」
(やはり苦笑したまま彼女に応じる。
少なくとも、内部に敵がいなかった島国の海軍が脆弱である理由がない。
戦術も、装備も、王軍の方が優れているとは考えられなかった。
王軍が優秀であるのと同じように、ティルヒア軍とて優秀な筈だ。
とりわけ海戦において、一筋縄でいくと考えるならそれは楽天的に過ぎるというものだろう。
この少年は確かに『色欲』の養子だが、面白がってこの少年に色々仕込んだ者は少なくないのである。)
「……確かに。8割がた寝てるような感じで、ちゃっかりお出かけはしてるみたいッスからね。」
(件の『怠惰』については、昨夜の様子を思い出して思わずうなずいた。
面倒くさそうな割りには、わざわざこんなトコまで飛んできたのだから。
ベル姉さんの言う通り、何だかんだ友達付き合いは大事にしてんのかな、とは心中にとどめ。)
「かわいい女の子見物の規模がデカいよ。
―――あー、うーん、遠慮しとこうかなぁ、今は。
アスタルテさんが男に興味ないの知ってるけど、それとこれとは別問題だって。アスタルテさんみたいな女の子とエロい話してたらムラムラしてくる程度には、俺は『色欲』の息子だから。」
(少し下半身をズラして彼女の視線をかわして、そう答えた。
彼女自身が男を相手にする事がないのと、男である自分が可憐な少女である彼女に欲情しないのとはイコール足りえないのである。
まぁ、普通に欲情するには幼い容姿ではあるが、そこは魔王。『色欲』とは言わずとも、妖艶な魅力はあるし、何より実年齢の年輪がある。
彼女がどう見ても男にしか見えないような容姿であれば、まぁそれも違ったかも知れないが。)
「まぁ、ベル姉さんとは訓練とかっつって何回も義母さんにヤラされてたのもあるけどな。
ああ、うん。でかい。でかいし可愛い。
まぁ……うん、可愛いよね。すげぇ可愛かったし……、いいよね。ベル姉さん。
―――ああ、飼いたいなぁ。」
(彼女の問いかけに、その時の事を思い出す。
少年の大きな眼が細まり、一転して切れ長な印象へと転じる。
長い睫毛が陰を落とし、大きな黒瞳と相まって、その眼をどこか昏い色へと変えて。ただ、薄い月光を受けて潤んだ瞳が揺らめくように光を湛える。
心なしか上気した頬。薄く紅を引いたような赤い唇。
ちろりと、唇とよりも赤い舌先が唇を這った。
ほぅ、と、吐息が漏れる。
それは先ほどまでの、少年の貌ではなく。
中性的な顔のつくりとも相俟って、女優のようでもあった。)
「とりあえずはねぇ。
やりたい事、ってのも今はないすから。」
(独り立ちそのものが目的である。
故に、ひとまず冒険者、なのだ。まぁ、ゆっくり探すつもりではあるが。
色んな魔王と、というくだりは、まぁそういう事です、と苦笑したまま頷く。)
「しょーがないでしょう。そこは、相容れないですよ。
人間にしろ魔物にしろ、そーやって生きてる訳ですし。
俺だって……、いや。」
(仕方ない。どこか晴れない笑顔で言う彼女に、少年の口調は軽い。
魔王でも政治家でもない少年には、そう言う事しかできないのだ。
ただ最後に告げようとした言葉は、途中で濁す。
そう。
自分とて、必要であれば魔物も魔族も殺す。
敵対する。
それは魔王とて例外ではない。
だが、では完全に人間という種の味方かと問われれば、そうではない。
曖昧なのだ。己は。)
「うーん……それにしても今の時期はリスクのが大きい気もしますけど……。
って、また豪勢なのが上がりましたねぇ。
個人的に一番厄介なのは3番かなー。」
(顎に片手を添えながら首を傾げ、彼女の三択に応じる。
そのどれも、相応に厄介には違いないのだが。
個人的に、強いてその中から選ぶなら3番かな、と。)
「成長期、ってやつでして。
やー、まぁあのヒトはガキな俺……いや、今でもまだガキですけどね?
ちっこい俺とヤるのも気に入ってたみたいなんで。……まぁ、ぶっちゃけ姿、特に外見年齢なんて殆ど自在みたいなもんなんで関係ないんですけど。」
(表情はやはり苦笑である。
義母の姿が変幻自在であるように、少年もまた性魔術の一環としてその姿を変えられる。
義母ほど自在ではないが、少なくとも外見年齢程度ならどうとでもなるのだ。
まぁ彼女と違って、己の本来の姿を忘却するような使い方はしていないが。基本的には、本来の姿を好んでいる。
と、彼女が手を伸ばして来ると、少し屈んでその手を頭に届きやすいようにする。)
「アスタルテさんは小柄だからなぁ。」
(まぁ彼女とて姿くらいなら魔法で自在なのだろうが。
と、空を見上げる。
月の位置を見て、ああ、と声を漏らし。)
「―――アスタルテさん、俺、そろそろ行きますね。
もういい時間だし。」
(ショートソードを担ぎ直しながら、視線を村の方へと向ける。)
「久しぶりに会えて、まぁその、愉しかった。
またどっかで会いましょう。……ええもう是非とも敵同士にならないシチュエーションで。」
(後半は、苦笑で。ただ、心底本気で。
そのまま、ひょいと片腕を上げて歩き出す。
予定通り、村の方へと。
彼女が色々と親切な申し出をしてくれるかも知れないが、それは基本的には断って。
独り立ちを志す少年は、自分の脚で村へと歩いて行った。
旧知たる魔王に、いくらか大きくなった背中を向けながら。)
ご案内:「南部街道」からダンテさんが去りました。<補足:黒の短髪、黒の瞳。ぱっちり眼に長い睫毛。童顔気味。>
魔王アスタルテ > (ダンテの言葉に、アスタルテは一瞬だけ目を見開いた後、にこりと笑う。
割といつも憂鬱そうかぁ♪
あはっ♪ あはは♪
なにせ『憂鬱』を司りし魔王だからねー)
「そっかぁ。ダンテには、そう見えちゃうんだねー」
(しかし正直に言うと、アスタルテは普段から憂鬱だという気はなかったよ。
ダンテから指摘されれば、いつもは無自覚な憂鬱なんだという事を知れるかもしれない切っ掛けになったという感覚)
(ダンテと初めて会った時の記憶……。
アスモデウスが連れていた小さな少年だった。
その少年がアスタルテにかけた第一声は、なんだっただろうか。
確か……。
……。
憶えていない……)
(ベルフェゴールが賭け事の情報源である事は当然、ダンテが暈している以上アスタルテには知る由もない。
しかし、苦笑するダンテは少々誤魔化しているようにも見えてしまう。
情報源に関しては話せない事情でもあるのかな? とアスタルテは無垢な仕草で首を傾げる。
だけど誤魔化す理由があるなら、別にそれ以上追及する事もないと判断する)
「あー、そっか。
何かの弾みで偶然知っちゃったんだね」
(やっぱりオリアーブで、大罪の誰かと接触したのかな?
だとすれば、隠す理由が不可解ではあるけれど……。
まあ、そこはダンテを信頼して深く考えるのはよそう)
(島である地方だから、海軍に力を注ぐというのは当然ある。
それともうひとつの理由とすれば、この内乱がはじまるちょっと前にアスタルテ率いる魔王軍に属するクラーケンという魔物が、国王軍の戦艦を多くズタズタにしているのだ。
そのクラーケンは、オーギュスト将軍率いる第七師団やフォンローク家のオルヴァ率いる部隊、そして海軍により撃退されはしたが。
実際問題、現状はどちらが勝利に傾くか分かり辛い。
それでもアスタルテは、どちらが勝利するかの予想だけは立ててはいる。
それが、賭けている方とは限らないけどね)
「少なくとも、ティルヒア軍が海戦だけでそのまま王国軍を押し切るのは無茶じゃないかなぁ……。
しばらくの間優勢なのは変わらないけどね。
現状ではどちらに転ぶか、戦術や兵力、装備だけじゃなくて天気のような不確定要素でいくらでも覆るけど、その勘というのも捨てたものではないんじゃないかな」
(実際の戦略及び戦術において、“勘”なんてものはあまり使わないが)
(『怠惰』なる魔王は一世紀以上眠っており、目覚めたのはつい最近で約半月程前。
つまりアスタルテの知る限り、人間の少年たるダンテとベルフェゴールの面識は皆無なはずだった。
だがあたかもダンテは面識あるように語ってみせ、ちゃっかりお出かけしている事まで知っている。
つまりダンテはベルフェゴールが目覚めてからの半月間のどれかで、お出かけしている最中の『怠惰』魔王に出会ったとい事だろう)
「わぁ~、ダンテはフェゴールちゃんとも面識あったんだね。
『怠惰』はその名通り、ここ一世紀以上眠っていたんだよ。
あたしもこの前、すっごく久しぶりに会えて嬉しかったよ」
(ティルヒアを見に来たと言えばダンテにつっこまれて、てへっと笑ってみせる)
「あははー。そっかぁ♪
あたしとえっちぃ話をして、ダンテがムラムラしちゃうんじゃあ仕方がないねー。
さすがは『色欲』の子だね」
(ダンテの股を眺めていると逸らされたので、楽しげに微笑む。
男同士のエロネタは盛り上がれても、片方がレズな女に変われば男の方が欲情するなんて事はあるものだ。
アスタルテ自身、それで欲情した男子に迫られた事があった。
もちろん、男を性的に見れないから突き放したけどね)
「分かるよ、それ!
ベルちゃん飼いたくなるよね!
ベルちゃんがえっちぃのは、アスモちゃんの影響も大きいからねー。
あの胸の揉み心地が最高でね、今でも手にあの柔らかい感覚が残ってるよー。
えっちぃベルちゃんがほんとに愛らしくてね!」
(ベルのえっちさを力説しながらも、中性的な顔に変貌するダンテに微笑む。
まさしくダンテは、色欲の子だなぁ)
「ダンテはまだ若いからね。
世界の色んな所を見て、冒険して、自分の本当にやりたい事を見つければいいと思うよ。
何か迷った事があるなら、あたしでよければいつでも相談に乗るよ」
(そのダンテの本当にやりたい事を応援していけたらいいなぁ、って思う。
軽い口調で返してくるダンテに対し、アスタルテは無邪気な笑顔に戻る。
アスタルテは決して、人間が嫌いではない。
むしろ、好きに分類されると言ってもいい。
魔族や魔物はもちろん、愛すべき同胞であり、導くべき存在だと認識している。
だが、だからと言って人間を『そこら辺の虫けら』同然には見ないのだ。
それでも魔王アスタルテは明確に、人間よりも魔族や魔物の味方であるが)
「あははー♪ そうだねー♪
我が道の邪魔になればぶっ潰す。それが一番手っ取り早いよ。
君がそう決意するなら、
それでいいと思うよ、ダンテ」
(ダンテの言葉を肯定する。
実際、アスタルテは必ずしも力のみで解決させようとは思わない。
時には知略や人脈、カリスマなどあらゆるものを使う)
「三番の冷徹なる古代殺人魔導機械だねー。
分かったよー、じゃあボスとして配属しておくね。
古代砦跡というイメージにもぴったしだね!」
(この魔導機械兵器を候補にあげたのは確か、四天王の一角たる拷問機械メカルトだったかな。
紅き鮮血で床や壁が染まる狂気のダンジョンになっちゃいそうだね♪)
「まあ、リスクが大きいのは確かだよね。
ダンテの意見も是非とも参考にするよー」
(ダンジョン化するだけして、不都合ならそのまま放置するという事もできる。
もしそうなれば早速、野良の魔物しか集まらない魔王軍管轄外の低難易度ダンジョンの完成だよ)
「人間の成長期って、ほんとにその名通りすぐ成長するね。
少し間経ったら急に身長伸びてるから、あたしもびっくりするよ。
小さかった子が、すぐあたしより高くなるんだよ! なんか悔しいよね!
アスモちゃんなら、そーなりそうだね。
あははー♪ 色んな意味でえっちぃ事楽しんでいるなぁ♪」
(苦笑しているダンテに対して、アスタルテはやや愉快気に笑って見せる。
身長差を比べるためにダンテの頭に手を伸ばしたはずが、届き辛くなって屈まれてしまい、なんか余計に悔しくなったよ!
さらに背伸びして、ダンテの頭に手を置く)
「んー……! とどいたよー。
あ、あたしはきっと、まだ成長期じゃないんだよ……!」
(びしっと指を立てて、言い訳っぽく言ってみる。
アスタルテは太古の昔より魔王として君臨しており、もう気が遠くなるほど長く生きても身長は伸びなかったので、もう成長は絶望的かと……。
ちなみにアスタルテは、元の姿を大事にしたいと思う側の魔族なので、変化魔術で姿を偽ろうとはしない。
故に、第二形態とかない系魔王。
天を見上げたダンテは、何かを思い出したかのように声を漏らす)
「もう行くんだねー。
あたしとしても、久しぶりに成長しているダンテが見れてよかったよー。
またね~♪
て、物騒な事言うね、ダンテ」
(無邪気な仕草で、大きく手を振って見せるアスタルテ。
まあ、出来る限り大切なダンテの敵に回らない方向に立ちまわりたいと思う。
だけどアスタルテとて魔族一大勢力の王という立場だからね。
ちなみに、村で何かご馳走するよー、という提案はダンテに断られた。
ダンテが村まで歩いていく後ろ姿を見送った。
男の子らしく、その背中はとっても逞しいものになっていたので、アスタルテは思わず優しく微笑んでみせる。
その後アスタルテは逆方向たる、そろそろダンジョンと化した砦跡に戻る。
ちなみにそれからしばらく。
近辺の魔物はダンジョンにつられるようにしてさらに増えた。
そのダンジョン、古代砦跡も凶悪な高難易度ダンジョンと化していた。
魔物や罠も強力で、深い。
ボスはもちろん、冷徹な古代殺人魔導機械である)
(後日……。
ダンジョン内の古代殺人魔導機械がいる部屋が大量の死体で埋め尽くされる事態となった)
ご案内:「南部街道」から魔王アスタルテさんが去りました。<補足:外見10歳、身長130cm。黒いワンピースを着て、悪魔の翼を生やす魔王。四天王を引き連れている。>
ご案内:「オリアーブ島・王国軍拠点」にヴィクトールさんが現れました。<補足:黒の短髪に金の瞳、黒色の戦装束に身の丈ほどあるクレイモア>
ヴィクトール > (新たな力を手に入れた大剣を携え、やってきたのは血の踊る戦場。王国軍だろうがティルヒア軍だろうが関係ない、強ければ誰でもいいと、愚直なほどに戦いを求めていた。島に辿り着いて早々、王国軍側の拠点が近かった。それだけの理由で喧嘩をふっかけていた)
ザコばっかじゃ意味ねぇんだよ、大将連れてこいや。じゃねぇと……っ!
(闘争本能をぐっと胸の中に押し込める。壊す、切り裂く、そのイメージを冷静に研ぎ澄まし…真っ黒な大剣に乗せると横薙ぎに振りぬいた。真っ黒な刃が5mほどの長さを持って放たれ、傍にあった見張り櫓に吸い込まれる。急ごしらえとは言え、木材の折り重なったそれを切り潰し、崩落させていく)
てめぇら全員ひき肉にすんぞっ!
(ギラついた目で男は笑う。さぁ出てこい、俺の剣の餌になる奴。俺にもっと進化を齎す強者。……出来れば女がいいなと、少し邪な思いがまじると、自身の闇が強まり、我ながら分かりやすいと苦笑いが溢れる)
ヴィクトール > (しかしながらこんな島くんだりまで出向いて戦おうという王国軍の兵士達も腰抜けばかりではない。各々得物を構えれば、血迷った愚か者だと男を罵りながらも一斉に迎撃にやってくる)
はっ、根性は一人前ってか。いいぜぇ、何事も心からってなぁっ!
(大群に向かって男は剣を構えて突撃する。盾を構えながら突撃してくる槍兵の切っ先を半身になって避けると、兵を蹴り飛ばし、その反動で少し下がる。勢いの乗る切っ先が丁度あたる距離、そこでザンッ!と兜ごと兵士を叩き切る。脳漿をぶちまけ、崩れ落ちる仲間の姿は兵士に同様を齎すだろう。怯えれば怯えるほど、彼の思い通りになるとも知らず)
……っ!
(息をつく間もない殺し合い。直ぐに距離を詰めてきた剣士、剣を振りかぶった瞬間、大剣に似つかわしくない素早い刺突で喉を抉る。崩れた屍を回し蹴りで押しやると、巻き込まれた兵士二人が尻餅をつく。力強く地面を蹴り、飛び上がるとグルリと捻転し、速度と重力を重ねて剣を叩きつけた。血肉が爆ぜ、拉げた軽量な鎧が宙を舞う。その背後を狙った敵も、直ぐ様振りぬかれた横薙ぎに切り捨てられてしまうが)
ヴィクトール > (敵襲を知らせる鐘が鳴り響く。敵襲と見に来れば男一人の殴りこみという、敵襲とも言いがたいものだろうけれど。このまま包囲殲滅を仕掛けてくるのが、通常の潰し方だろう。しかし敵は正面180度の範囲から仕掛けてくるだけになり、妙だなと男も多少感づいた)
やべぇっ…!
(敵兵の隙間に見えたのは、後ろで弓矢を構える軍勢だ。ここら一帯に矢を降らせるため敢えて正面で壁を作り、さとられないように動いていたのだろう。逃げるには間に合わない。前衛が一気にさがると矢が降り注ぐ。雨のごとく着弾する矢が、砂煙を巻き起こす。やったか?煙が晴れたところには、何故か膝から崩れ落ちる事切れた仲間の屍。先程男の背後を狙った兵士だが、その体は矢にうめつくされている)
あぶねぇだろっ!
(死骸の裏で身を縮こませてしゃがんだ男が叫ぶ。獣のように高く跳躍する…それを意識し、イメージし、冷静に精錬する。ズダンと地面をければ、投石器に放り出されたように飛び上がり、一気に裏にいる弓矢部隊へ落下していった)
ヴィクトール > (跳んでここまでくるとは弓兵達も予想外だったことだろう。慌てて次の矢を番える兵士達だが、一手遅い。着地のクッション代わりに兵士の上に着地し、踏み潰しながら逆手に持った剣で兵士の顔を突き潰す)
そういうのはいらねぇんだよ! すっこんでやがれっ!
(轟と吠えるように怒りをぶち撒けると、引きぬいた剣を順手に握り直して、なぎ払う。胴体を首を、腕を、足を…切り捨て、潰し、抉る。急ごしらえの弓兵部隊10人を一気に始末して振り返ると、前衛部隊が迫るのが見えた)
どうしたぁ!? ここの大将は腰抜けかっ? 可愛い部下が全員死ぬぞぁっ!!
(ここまでやっても姿を表さない大将首に苛立ちを覚えつつ、再度叫ぶ。こんな普通の歩兵を斬り伏せたところで、男にはなんの価値もないからだ)
ヴィクトール > (未だに闘志の潰えぬ前衛部隊と、再度の交戦が始まるが…男の剣は凡人では対応しきれない。元々何もない人間だった頃に、魔族の女を殺せるだけの力があった。魔の力を食らい、さらなる研鑽…というよりはただの殺し合いだが、それに熱を上げる男は簡単に止まらず、ついには兵士達が逃げ出した)
……おいおい。
(化け物と罵られてもなんとも思わないが、これだけ争っても何も出てこないのは腑に落ちない。もしかしたら出払った後なのだろうか、考えても仕方ない。興ざめの結果にため息をこぼすと、剣を収めていく)
ヴィクトール > (肩透かしを食らった結果に落胆しながらも、点在するテントを見やる。そこそこ大きいものから小さなものまでいろいろあるが…ふと昔話を思い出す)
そいや兄貴が…。
(兄の過去の話、といっても軍にいたころの事を少しばかり酒の肴に聞かされただけだが、司令室という単語を思い出したのだ。ここの拠点にも命令を受け取り、処理する部分があるかは分からないが、そこを見つければ強い奴の居場所が分かるかもしれない。にやりと男は笑うと、テントを1つずつ確認しに歩き出す)
ヴィクトール > (最初に目をつけたのは大きいテントだ、ざっと暖簾状の仕切りを払い、中へと入る。寝袋が無数に並び、簡単な仕切りで覆われたそこは、どうやら兵舎のようだ。外れかと思いつつも、入念に辺りを見渡して確かめていく)
……。
(ふと、一つだけ捲られたままになった寝袋に気づいた。片手を剣の柄に掛けたまま近づき、隠れている奴がいないかと辺りを一瞥すると、寝袋の内側に触れる。僅かな熱がある、逃げたか、それとも先程戦っていた中の誰かか? その正体が現れないかぎりはわからない。ともかく警戒を強めたまま建物の隅から隅まで探りを入れていく)
ご案内:「オリアーブ島・王国軍拠点」にオーギュストさんが現れました。<補足:大剣を持った将軍。黒髪を後ろで縛っている>
オーギュスト > 「ったく、何の騒ぎだ!」
オリアーブに上陸した先遣軍の様子を視察しに来てみれば、何やら騒ぎの真っ最中。
先遣隊だけあって異常事態には慣れているはずだが、何が起こった事やら。
「魔族でも出たってのか、ったく」
ぶつぶついいながら大剣を担ぎ様子を見る。
襲撃のようだが、掃討戦に移って居ない。敵の斥候に荒らされたか?
ヴィクトール > (兵舎の中にはどうやらなにもないようだ。まったく、全部外れかと傍らにあったツボを蹴り飛ばす。けたたましい音を響かせ砕ける壺、意気消沈のまま再び兵舎の暖簾をくぐる。逃げ出した兵士達が、僅かに様子が変わったように見える。叫び声に交じる、助けを乞うような音声。つまり…頼れる誰かが来たのだ、男は目を輝かせて笑う)
おせぇよ、もっと早く来いってんだ……ザコの相手ばかりじゃ、胸糞わりぃったらありゃしねぇんだからよ。
(文句をタラタラ言っている割には、顔は愉悦に染まっていた。試せる、戦えると……喉の奥で押し殺した笑い声を上げながら、男は大剣を引き抜き、敢えて見つかりやすい広い場所へと歩いて行く。将軍には見えるだろうか、崩れた櫓、ズタズタに、力任せに潰された兵士達、血化粧を施されたテント、そして……屍を蹴り飛ばしてやってくる、金の目を輝かす男の姿が)
オーギュスト > 「あ?」
見れば、ボロボロにされた陣営から出てくる男。
かなりの実力者か、狂戦士か……
そんな男を見て、溜息を吐く。
あぁ、こういう手合いか、と。
魔族に多いタイプだ。己の実力を試す目的で軍に喧嘩を挑む男。
まったく、第七師団が手元に居ないのが悔やまれる。こういう相手にこそ本領を発揮するのだが。
「サリファスのヤロー、肝心なときに姿を見せねぇ」
今は非常時だ。こういう手合いは、あいつに任せたかった。
ヴィクトール > …ぁ? じゃねぇよ、みてわからねぇのか? わからねぇワケねぇよな、大将さんよ。
(食いかかるような言葉を呟きながら彼へ顔を向ける、彼の予想通りといったところだろう。金の目が愉悦に染まっている、そのうえ笑っている。狂ってると言われても仕方ない形相だ)
なんだよ、他人任せの大将殿か? それとも、テメェの部下がどれぐらいミンチになったら、お頼りになりてぇ部下ってのは来るんだ?
(切っ先を向け、挑発じみた言葉をかける。先程の戦いで若干息が残っていた兵士が、少しだけ身じろぎしたのを男は見逃さない。彼の前で…敢えて虫の息の兵士を蹴り飛ばし、彼の方へと転がすだろう)
どした? 早く手当してやれよ…出来ねぇなら無駄死の仇ぐらい取りに来いよ。
(煽りに煽る、勿論引き締まった体をした貫禄ある彼がただの将兵だとは思っていない。喧嘩をする理由を存分に作り、戦いを求めていた)
オーギュスト > 「……はぁ」
溜息を吐く。
将軍ともあろう者がこんな安っぽい挑発に乗ると思ってるのか、それとも単に自分の顔を知らないのか。
まぁ、両方かとあたりをつけつつ。
「騒ぐな犬っころ。きゃんきゃん吼えても骨付き肉はやんねーよ」
言いながら大剣を構える。
「腕試しでなら闘技場でやれ。ここは戦場だ」
ヴィクトール > (最近この周辺に連れてこられたので、顔は知らない。ただ…何故か名前だけは教えられている。酒の肴に聞いた昔話、そんな思い出の語りに現れた人物が、目の前にいるとは思っていない。大剣を構えるのを見やれば、冷たい言葉に動じもせず、剣を横に構えた)
俺には変わんねぇよ、どこもかしこも…一緒だ。
(ふいに声が落ち着きを取り戻す。荒々しく舞っていた闘争意欲をぐっと胸の中へ押し込める、意志の魔法として揺らめいていた真っ黒な魔力も、静かに男の中へと消えていく。一瞬で振りぬくイメージ、一瞬で切り裂くイメージ、意識し、意志にし、剣に黒をまとわせる)
オーギュスト > 「……あぁ、なるほどな」
よく分かった。
こいつはガキだ。
まだ見た事の無い世界を求める、一人の子供だ。
世界が己の手の中に収まってしまい、想像の果てよりも小さな世界で生きて来た。
違う、世界はもっと広く、楽しい事に溢れていると信じているから、己の手の中に世界が収まってしまう事が我慢出来ない。
夢見る少年。そんな風に、オーギュストには見えた。
「――ったくしょうがねぇなぁ」
そういうのを導くのは、大人の役目だ。
非常時だが、それくらいはしてやらにゃなるまい。
「おら、来い。久しぶりに戦争じゃなくて、喧嘩をしてやるよ」
ヴィクトール > (何やら勝手に納得している声が聞こえた。だが返事はない、相棒を手にした日の一撃、あれを放つために荒れ狂う闘争本能の炎を絞っていた。酸素を受けて見えなくなるバーナーの炎のようにだ。そして、自ら一つ超えるための工夫を想像し、刀身を包んだ黒い魔力が圧縮されていく)
おい……避けろよ?
(喧嘩をしてくれるらしい。しかし返事にはそんな命令で答えてしまう。同時に男は横薙ぎに大剣を振りぬいた。人とは思えぬ速度、人とは思えぬ破壊、それを込めた大剣は轟音を置き去りにするほど。ほんの僅かなズレをおいて、ゴァッ!と風斬りの音が響く。至近距離の技を更に超える、その斬撃にまとわせた真っ黒な魔力が飛刃となって横薙ぎに彼へ迫るだろう。櫓を破壊した時より強烈な力、速度で彼を試すために)
オーギュスト > 「――――!」
避けろと言われて避けられる速度でもない。
咄嗟に大剣を構え受けたが、火花が散った上に踏ん張っていたはずが、靴跡をつけながら後退する。
それでも何とか受けきりはした。が、衝撃に身体が揺らぐ。外は無事だが、内臓にダメージも来ているだろう。
「……ちっ、口だけじゃねぇな!」
言いながら呪文を詠唱する。
かつて時の魔神が使った魔法。加速の呪文を。
「心震え、失われた時間の輝石を、螺旋の相に還さん!
翻りて幾重にも我が時を刻め! ヘイスト!!」
オーギュストが瞬時に加速し、お返しとばかりに大剣を繰り出す。
上と横から二太刀。そちらが力なら、こちらは技巧だと言わんばかりに。
ヴィクトール > ……酔狂で殺し合いなんかしねぇよ! っざけんじゃねぇっ!!
(常人ならぐちゃぐちゃになってくたばるであろう技が受け止められた。それに興奮したのもつかの間、続く言葉が憤りを煽る。爆ぜるような黒い魔力を散らしつつ、剣を構え直した。魔法の詠唱から…馬鹿なりに力技でない事を察すると、相棒に黒い靄を掛けた)
ぐっ……!!
(加速しての攻撃、並ではない速度に目ではなく、迫る空気と気配で察するしかない。上からくる一撃目を靄がかかった大剣で、横の追撃を靄から引きぬかれた双剣の一振りで受け止める。小回りが聞くその剣では勢いを受け止めきれない。切り裂かれこそしなかったが、峰を脇腹にたたきつけられ、グラリと体が揺れた)
オッサンもやるじゃねぇか……!
(上の一撃を受け止めた大剣は、靄が消えると双剣の片割れになっていた。まだ傍にいれば、体に響いた痛みをこらえつつ、蹴りを入れて押しやろうとするだろう)
オーギュスト > 「誰がオッサンだ!!」
ここ最近で一番頭に来た。
ケリを入れられると一瞬顔を顰めてから後ろに飛び、体勢を立て直す。外部よりも内部にダメージが溜まっているのを感じていた。
相手に隙を与えず、主導権を握り続ける。戦争でも戦闘でも同じだ。
大剣とは思えぬ速度で技を繰り出しながら、オーギュストは叫ぶ。
「いいや酔狂だ! お前は命の取り合いの意味が分かっちゃいねぇ!」
ヴィクトール > じゃあ何だテメェは! いってみろやぁっ!!
(蹴りで押しやるものの、更に速度と技で連続攻撃を繰り出されれば、双剣を並べるようにしてそれを受け止める。一本でダメなら、二本で受け止める。取り回しが言い分、彼の技巧に武器の利点で補って追いつく守りを見せていく)
はっ、強ぇ奴が勝って弱ぇ奴がくたばる! それ以外に何があるってんだ!!
(今度はまもりから攻めに転じ、剣を受け流しながら踏み込む。二つを束ねた双剣を振りぬくように見せかけ…剣がモヤに包まれる。大剣から切り替わった時と同じだ、今度は大剣に戻し、両手で握ったそれを振りぬくのだが、双剣の射程よりも長い。速度、タイミングを双剣に合わせていれば、脇腹を叩き切るフェイントを交えた反撃だ)
オーギュスト > 「俺に勝ったら教えてやるよ!」
技巧といえども大剣の重さと破壊力を防ぐ彼の剣捌き、並大抵のものではない。
こうなるとオーギュストの大剣は取り回しがきかない為に攻め手が単調になる。彼の防御を崩せない。
「それがガキだって言うんだ! 世の中に、強い奴が弱ぇ奴に殺られた例なんざ、ゴマンとあらぁ!」
攻守交替。だが、いくらヘイストがかかっていても双剣の早さに追いつけるはずもなし。
さらに変幻自在の武器の攻撃を受ければ、必死に身体を捻って避けるも、脇腹を浅く裂かれる。
まったく、重鎧をつけてこなくて良かった。あれがあったら避けられない。それほど巧みな攻撃だ。