2015/11/16 のログ
ご案内:「ナール大橋」にオーギュストさんが現れました。<補足:大剣を持った将軍。陣頭で指揮を執りながら戦っている>
オーギュスト > 「全軍一斉射の後抜刀! 動ける奴はついてこい!」

陣頭のオーギュストが怒号を響かせ、何度目か分からぬ敵の突撃を食い止める。
王都南、ナール大橋。王都防衛の為の最終防衛線を、第七師団が防衛している。
本来、このような防衛戦向きの軍団ではないが、場合が場合だ。他の広く展開する野戦場よりかはまだマシである。

「神官達も限界です! 後退の許可を!」
「敵後続からの砲撃が激しく、こちらの援護射撃もままなりません!」

将校達のもたらすのは絶望的な報告ばかり。オーギュストの自慢の重鎧にも矢が3本程突き刺さっている。
報告に来た将校の一人の顔が、敵の魔法の余波で吹き飛ぶ。ついに敵魔法使いの射程に入ったようだ。

「――舐めんなよおらぁ!」

突撃してきた斧を持った大男を両断し、オーギュストが吼える。
いまやこの男の蛮勇のみが、かろうじてこの橋を支えている。

オーギュスト > この橋を捨てれば全てが終わる。
敵先遣隊は王都に到達するだろう。

――もしそうなれば、あの腐った役人どもは真っ先に逃げる。
家財道具をありったけ積んで、馬車で王都の大通りを疾走し、我先に逃げ出す。
そうなれば次は商人、そして一般人たち、最後に兵士も逃げ出す。
王都は無人となり、もはや誰もが王を王と認めなくなる。
そして、ティルヒアは宣言の通り新たな王となるだろう。

「――たまんねぇなぁ、おい!」

オーギュストは嗤った。
心の底から嗤った。
彼ほどこの状況を愉しむ者は、この戦場に他に居ないだろう。

「はっ、こんな苦労をするなら、王都の木っ端役人どもと腐れ王族どもを皆殺しにしとくんだったなぁ!」

振るわれた大剣が、しきりに女王万歳と唱えていた敵突撃隊の隊長の頭を砕く。
何度目か分からぬ突撃が失敗に終わった。

オーギュスト > 朝から始まった攻防は既に夕刻。
日が傾き始めていた。
やたらと動きの遅い他の師団も、明日の朝には到着するだろう。
そうなる前にこの橋を陥とす。その焦りがティルヒア軍を無茶な攻撃へと掻き立てる。

第七師団の兵 残り二千
ティルヒア軍 残り一万

数だけで見れば絶望的。
だが、ティルヒア軍には時間制限があり、橋を確保するという使命があった。
この制約が、かろうじて戦場の均衡を保っている。

オーギュスト > 直衛隊に被害が出始める。
オーギュストの近辺にまで白刃と矢と魔法が殺到するが、この男はいささかも気にしない。
突撃してくる兵たちをカボチャの如く叩き割り、女王の信徒たちを地獄へと突き落とす。
いささかの疲れも衰えも見せないオーギュストを、ティルヒア軍は悪魔の如く恐れ、そして憎悪した。

「この橋は通行止めっつったろうが、他所を当たれ!」

ティルヒア軍に対して啖呵を切るオーギュスト。
それを合図としたのか、再び怒涛の如き突撃が始まった。

ご案内:「ナール大橋」にカレリアさんが現れました。<補足:紫の髪にシンプルなドレス>
カレリア > 橋の上を死守する第七師団達、その頭上を子供サイズの光球が通り過ぎる
師団兵達に安全圏から魔法を打ち込むマジックキャスター達
彼等の元に光球が大砲の如く撃ち込まれ…

「自分達だけ安全…そんなのは幻想ですわ♪」

少女の呟きと共に光球は地上の花火となりマジックキャスター達と後方部隊を巻き込みながら盛大に炸裂する

オーギュスト > かなり強力な魔法の援護か、敵の魔法使い達の攻撃がほんの僅かな間止まる。
だが、その僅かな間でも第七師団には十分であった。
一気に戦線を建て直し、防衛線を引き直す。

「おら、相手が怯んだぞ、全軍抜刀!」

師団が突撃を敢行する中、オーギュストはあたりを見回す。
かなり強力な魔法だが、一体誰が……

カレリア > 第七師団の後方、相手のマジックキャスターの射程範囲の外から戦場を見つめる少女が一人空中に浮遊している
高い視点から戦場を把握と相手のアウトレンジからの面制圧

「卑怯と言われても仕方ありませんが…そこは貴方達も数の利がありますので♪」

誰に聞こえるでもなく呟き、ニコリと微笑み相手を見やる…
第七師団や彼らとぶつかる者達には見えなくとも後方の者…指揮官や遠距離攻撃を行う者には見える
小瓶のポーションを一本飲み干し先程の炸裂団をもう一度放つ
自分達の仲間に死を撒き散らした物と同じ物がまた飛んでくる…
この状況下では第七師団に構っている暇などない、後方の部隊が魔力障壁を展開…防御に回り始める

オーギュスト > 徐々に第七師団が推し返しはじめる。
だが、数的不利は如何ともしがたいか、戦況を覆すまでにはいかない。
だが、戦場に均衡が戻る。さて、あと一手……

「……って、誰だあの女」

目ざとく宙に浮く女を見つけると、目を細めその姿を見つめ

カレリア > 「…余裕は出てきたようですわね」

こちらを見ている男を見つめる
放っておくかとも思ったが力を貸そうと決めさせた張本人が…

「まぁ、手ぐらい振っておいてもいいですわね。」

ヒラヒラと手を振り…視線を上げる
どうするかと考える…本来ならあと2~3発で相手は恐慌状態に陥るはずだが
今回の相手にはそれが効かない…かと言って手持ちのポーションを考えると全員潰すというのは無理がある

「さて…どうなるんでしょうね♪」

再度若干の期待を込めて師団の長に視線を戻す
木っ端役人どもと腐れ王族どもを皆殺しにしとくんだった…そんな感動的な事を言い放った男を

オーギュスト > 「――まぁ、いいか」

宙に浮いた女の事は意識から消す。
戦場にありがちな、ありがたいハプニングと思っておこう。

兵達の疲労は限界が近い。
元々耐久に難のある第七師団だ。この時間まで統率を保ったのですら奇跡である。サロメの編成変更が功を奏しているようだ。

「――盾構え!」

敵の弓の一斉射撃を盾を上げて凌ぐ。
そして弓のあとには突撃――単純な戦法だが、兵数差があるとどうしようもない。

「おら、もう魔法は飛んでこねぇんだ、気合を入れろ!」

言いながら騎馬兵を一人叩き落す。
まったく、相手だけ騎馬隊を使えるのは不公平な事だ。もっとも、こちらにあってもこの防衛線では有機的には使えないが。

ご案内:「ナール大橋」にサロメさんが現れました。<補足:氷の魔剣を携えた、灰髪金眼の女魔法剣士。第七師団副官>
カレリア > 「あぁなっては手出しできませんね…仕方ありませんわ」

弓兵と騎馬隊の連携
だが騎馬隊と第七師団が入り乱れている状況で弓を撃つことは…多分ないだろう

「では、私は頭を潰しましょう…」

魔法攻撃をやめ指揮官…部隊に指示を飛ばす者を探す
指令のない軍団など恐れることはない、それらしい者を見つければ指先で狙いを定め…

「動かないでくださいませ…♪」

指先から魔力弾を撃ちだす
派手さはないが先ほどまでに比べれば魔力の消費量は可愛い物
加えて人の肉を少し突き破るだけの事はできる…
音もなく光が走ればティルヒア軍、隊長クラスが一人倒れるか

サロメ > 後方から土煙を上げながら疾走する一団
第七師団将軍の副官であり、副将軍を兼ねるサロメの魔法騎士部隊が、オーギュスト達の側面を重装馬で駆け抜けて征く

その中の一頭が将軍の横で停止する
重装馬に跨った白蒼の軽装備に身を包んだ女性は白煙をあげ結露する魔法剣で眼前を差し、
後方から続く騎馬隊を正面突破の形で差し向けた

地鳴りのような足音と立ち上る土煙、その数はゆうに300騎を超えている

「お待たせしてしまったようですね、将軍」

オーギュストの脇に停止した馬の上から、サロメが見下ろしていた

オーギュスト > 「ふん、いいところに来やがる」

オーギュストはそう言って、彼なりの言葉で副官をねぎらう。
ここで無傷の騎馬の三百を投入。既に長時間の戦闘でバテている敵には余程きく事だろう。
少なくとも、朝まで持ちこたえる事は出来るはず。

――普通ならば。

ティルヒア軍は散々に掻き乱され、軍の秩序が崩壊し、壊走に移る。もしくは指揮官がこれ以上の侵攻を断念する。どちらかの筈だった。

「……ば、馬鹿な、閣下!?」

参謀の一人が驚愕の声を上げる。
秩序を乱した敵軍は壊走しなかった。
むしろ逆に、最早隊列も何もなく、橋へと殺到してくる。

「――狂ってやがるな」

狂気の魔法か、魔族の洗脳か。
どちらかは知らないが、相手はなりふり構わなくなったようだ。
当然だろう。この奇襲で王都を陥落とせなければ、勝率が一桁は下がる。

混戦と無秩序の中の戦いが始まる。

だが。

それこそが「第七師団の戦場」だった。

「よぉし、お上品に戦うのはここまでだ。
てめぇら、待たせたな! 好きに喰らい尽せ! 一匹たりとて逃すんじゃねぇぞ!」

将軍の怒号に、師団の兵が応える。
彼らももう、会戦に飽きていた。そう、ここからは――

「――戦争の時間だ!」

カレリア > 「なんと…醜悪な……」

指揮官の喪失に敵戦力の増援
普通なら撤退も視野に入れるはずがむしろ我先にと主戦場に殺到している…
質の悪い見世物を見せられている気分になるが男の怒号がそれをかき消す

「っ…ふふ、相手も相手なら味方も味方ですわね」

この状況でまだ戦意が挫けず味方を鼓舞するあの男…
王国軍第七師団司令官、ここで殺していい男ではないとだけ確信する

「微力ながらお手伝いさせていただきますわ♪」

もはや隊列も何もない相手、増援の騎馬隊に対して魔法援護を開始する

サロメ > 地上戦において騎乗兵の存在は大きい
機動力の差が圧倒的な上にただぶつかるだけでも数人を吹き飛ばす程の力があるからだ

妄信的に突撃を繰り返す相手勢力を若干不審に思いながらも…

「総崩れです、この場の大勢は決したでしょう。
 オーギュスト将軍は一旦後退して後続の指 揮……を…」

いない

怒号を上げる自らの部隊と共に既に突っ込んで行っていた

「……はぁ」

頭を抱えつつ、結局自分が後続の指揮に回るのだった

「(……ただ、正直ありがたくはあるな……)」

ずぐんっ、と下半身が疼く
あの悪徳貴族、フェリサ卿に散々甚振られた部分が、まだ違和感を発し続けていた
このまま主戦場で切り結ぶのは些か不安もあった

くるりと馬を向き直らせ、後方の部隊へ向けて走らせる
その途中、魔法による砲撃支援を行う少女に目をやって…

「(…見ない顔だな…派兵、というわけでもなさそうだが)」

オーギュスト > 最早ティルヒア軍に理性は残っていなかった。
ただ王都をめがけ殺到する餓鬼の群れとでも評するのが正しいだろう。
オーギュストと直衛隊は、ティルヒア軍の中央を粉砕、後続へと迫る。

後にティルヒア動乱の緒戦で最も激しいと呼ばれるナール大橋の会戦の大勢は決した。
だが、この戦いには、あと1幕だけ残っているようだ。

「――ドラゴンを目視しました!」
「散開だ、散開しろ!」

参謀達が慌てて報告する。
どうやら敵の後衛の高位魔術師が、最後に第七師団だけでも道ずれにしようと企んだらしい。
暴竜――タイラントの名前を関する風の竜が、暴風を撒き散らしながら師団へと迫る。

が、それは逆効果だった。
第七師団直衛隊は、そのドラゴンを見て目の色を変える。

「――ははっ、ツイてるぜ。こんなくだらねぇ戦で、儲けが出そうだ!」

第七師団は対魔族、魔物の専門部隊。
その相手に単体で竜をぶつけるなど、狩って下さいと言っているようなものだ。

「全軍、対竜陣形! 
今日は取り放題だ、皮膜だろうが逆鱗だろうが、好きに持って行っていいぞ!」

カレリア > 「ドラゴンまで…呆れましたわ…」

もはや自爆に近い暴挙を見てため息をつく
だが彼の口ぶりから心配は無用と判断、今はむしろ後から来た彼女の方が気になる

「淡々と相手を減らしていきましょう」

タイラントはオーギュストに任せ自分はあの灰色の髪の女性とその部下達の援護に回る

サロメ > 後方では神官隊による負傷者の治療が行われている
さすがは第七師団の荒くれ達、動けるほどに回復するや否や剣を引っ掴んで駆け出していく

「剛気なのは結構なことだが命は捨てるな!
 お前たちが命を落とせば落とす程に王国と将軍の顔に泥を塗ることを知れ!」

口調も言い方もキツいが、要するに死ぬな、生きて凱旋しろということだ
そんな言葉を駆け抜けていく兵達の背中へ叩きつける

…と、最前線のどよめきが伝わってくる、何かが出たか。
後方の指揮を一旦信頼できる自身の部下に任せ、馬を走らせる

目に入ったのは…ドラゴンだ
そして伝わる、全軍への指示

「……まったく、簡単に全軍命令を出さないで頂きたい!」

文句を言っても致し方ないのだが、こちらも前線へ赴くために馬を急がせる

オーギュスト > 暴風の如きドラゴンのブレスを、盾と魔法障壁で防ぎながら、果敢に剣を突きたてていく第七師団の将兵たち。
なにせ鱗一枚で一年は遊んで暮らせ、逆鱗を持ち帰れば一生食うのに困らないと言われるドラゴンである。
この個体は知性の無い、厳密には亜竜に分類される類であろうが、それでも大もうけには変わりないのだ。

「おら、爪貰い!」
「っしゃあ、鱗取ったぜ!」

どちらが魔物か分かりやしない。
吹き飛んで大怪我をしたり死ぬ者まで出ているが、ドラゴン相手に一歩も引く気配はない。
その狂気に当てられたか、ついにはティルヒア軍が壊走を始めた。

「――おらぁ、これで最後ぉ!」

オーギュストが大剣を振るい、竜が地に倒れる。
ついに第七師団は激戦を制し、ティルヒア軍を敗走させた。

カレリア > 「…どちらが化け物か分かりませんわね……」

苦笑を浮かべーギュストたちを見つめる
よく言えば剛毅だがどう見ても脳筋部隊である

「ですが、確かに鱗の一つ位は欲しいですわね…」

ドラゴンが倒れ敵軍は敗走…追撃にも注意しつつ
地面に降りドラゴンの…オーギュスト達の元へ歩き出す

サロメ > 重装馬で駆けながら魔法で支援砲撃を続けていたが、特に心配することもなかったようだ
第七師団の本領発揮といった具合で竜はあっさりと討伐された

この勝利は大きい
王都はドラゴンをけしかけようと簡単には落とすことができないということを相手に魅せつけることができた

馬を走らせ、将軍の素に辿り着けばその辛口を開く

「将軍、唐突な全軍命令は控えてください。後方の部隊の動きまでが乱れてしまいます。
 それと、これも何度も言っていますが将軍とは本来最前線に自ら飛び込むものではありません」

言っても聞かないのだろうなと思いつつもつい言ってしまう
結果的にオーライだったとはいえど、これでは兵法の立つ瀬がない

「…追撃を出しますか?捕虜を確保できれば有用かと思いますが」

オーギュスト > 「ばっかおめー、あんな獲物前にして全軍参加の権利与えなきゃ、俺が恨まれるだろうが」

くくっと笑いながらオーギュストが応える。
参戦した後方の魔法使いや神官達にも分け前が与えられる。支援してくれる後方の者達へ報酬を必ず分け与えるのは、オーギュストが徹底している事の一つだ。

「あぁ、追撃はいらん。どうせロクな事を知ってるわけがねぇよ」

ついでに追撃をする余力も無い。
追い返せただけで良しとするしかないだろう。

前線に行くなというのは完全に無視する。
どうせ相手も本気で止められると思っているわけではないだろう。

「――よう、助かったぜ」

やってくる紫髪の女に軽くそう声をかけ

カレリア > 「お疲れ様でしたわオーギュスト将軍、そして今回の勝利…おめでとうございます♪」

ニコリと笑顔を浮かべお辞儀をする

「にしても、ドラゴンに突撃とは…噂に名高いとはいえここまでとは思っていませんでしたわ。」

地面に転がり既に爪や鱗を剥がされ始めてドラゴンを見ながら苦笑する
まさか本当にあの数でドラゴンを切り伏せるとは…と素直に称賛しながら

サロメ > 「……はぁ…わかりました。
 では私の部隊はこのまま周辺の警戒に当たらせます」

残兵や伏兵がいるとは思えない状況だが、念には念をいれる徹底ぶりがこの副官の有能さである
将軍からみれば堅すぎる判断なのだろうが、動かすのは自分の直衛である。文句は言わせない

とはいえ、この将軍だからこそ指揮があがり、皆がついていくというのも否定はできず
それで第七師団が成り立っているといっても過言ではない
結局小言を言いつつも好きにさせるしかないのだ

「…後方支援感謝いたします、ええと…貴女は…?」
少女に目を向ける
騎士団の人間にはやはり見えない

オーギュスト > 「むしろドラゴンの方がありがてぇな。
俺の部下は人間相手の方が苦手だ」

苦笑しつつ素直に述べる。

「おう、あのドラゴンの始末が終わったら俺達も撤収だ。
今後の事を話さなきゃならん」

さしあたり、王都の即時陥落は無くなった。
これで叛乱の成功の芽はほぼ費えたと言っていい。ただ……

「――この機に乗じた魔族の侵攻、あるいはティルヒアと連携したどこぞの軍隊にだけは注意しねぇとな」

カレリア > 「失礼、私はカレリア…ただの冒険者ですわ。
ここへは様子見だけのつもりだったんですが…オーギュスト様の気迫にあてられまして♪」

カレリアの問いに答えまた一礼
そして人間の方が苦手と聞けば

「あの戦いぶりを見ればその通りですわね。」

ドラゴンを相手取った動きを見ているので素直にその言葉に頷いた

サロメ > 「今後のこともそうですが少しは休んでください将軍」

ずっと最前線で大剣を振り続けていたのに、どれだけタフな化物なのか
呆れたようにそう言って

「ではカレリア殿。第七師団のほうから何かしら報奨を用意させてもらう」

突発的偶発的な参戦といえど、
戦局の維持と均衡打破に一役買った彼女には相応の金品を包まねばならないだろう

オーギュスト > 「あぁ、軍議が終わったらな……流石に少しくたびれた」

肩をゴキゴキと鳴らしながら言う。
戦争は愉しいが、今は帰って酒でも喰らって寝たい気分だ。

「おう、好きなもんを言いな。
こっちで用意出来るものなら何でもいいぜ」

オーギュストは剛腹に笑いながら言う。
彼はケチではない。戦場で助けてもらった相手には出来る限りの事はする。生きていれば。

――そういえば、あのアンデッド事変の時に居た賞金稼ぎは無事だったろうか。

カレリア > 「あぁいえ、私はそこのドラゴンの鱗を数枚いただければそれで結構ですわよ?」

怪我もしていない上に使ったのもポーションのみ、安物ではないが高級品と言うわけでもない

「では…あのドラゴンの鱗を数枚頂きたいのです。それと血液を少々」

何でも家と言われたのでとりあえず言ってみる
戦闘には参加したがドラゴンにはノータッチだったので少し心配だが恐らく大丈夫だろうと考えながら

サロメ > 「この戦場は一旦落ち着くでしょうが…相手が相手。
 一本調子で攻め入ってくるとは思えません。
 『不要にお酒など飲まれぬように』十分な休養をとってください」

一言そう付け加えてオーギュストに笑みを向ける

「特に不満を言うものもいないでしょう。貴女がそれで宜しいのならば」

彼女がいなければ第七師団はもっと多くの被害を被っていたはずだ
それは戦場にいた誰もが感じていることだろう

オーギュスト > 「――わーってるよ、うっせぇな」

小姑かてめぇと小さな声で言いながら。
ドラゴンの解体を終えた師団が引き上げ始める。
被害は小さくないが、それでも勝利だ。凱旋する兵達の顔は明るい。

「――あぁ、んなもんでいいなら、ほれ」

オーギュストが自分の取り分から鱗と血を分け与える。
彼にとってみれば、取るに足らないものだ。金に困ってはいない。

カレリア > 「ありがとうございます…それと……」

そっと近づきサロメの耳元に口を近づけ

「痛むなら無理をしない事ですわ、貴方も休息を…」

そっと囁く
立っている姿勢や歩く動き、そこから予想ができた…かつての自分に重ねるように思い出しながら

「あら…ありがとうございますわ♪」

鱗と血を受け取る
どちらも金に換えることも貴重な研究資料として錬金術師に渡すこともできる…金銭よりもこちらの方が自分にとっては都合がいい

サロメ > 「私以外に将軍にこういったことを言う者がいないもので」

にっこりと笑いかけて
きっと第七師団では将軍を恐れず小言を言える唯一の人材である


「……!」
耳元で囁かれて内心ドキッとするものの、なんとか平静を装って

「で、では周辺の異常もなさそうですし、私の部隊も引き上げさせます。
 それと…馬に関しては王都の近衛兵団からもお借りしているので、次も同じ数を用意できるとは限りません」

オーギュスト > 「近衛の連中のをかっぱらって来たか。
よしよし、お前も俺のやり方が分かってきたじゃねぇか」

満足そうに笑いながら、オーギュストは撤収を命じる。
会戦は終わり、これから戦役が始まる。

「……長い時間はかけられねぇな」

馬上でオーギュストが呟く。
何としても短期間で終わらせなければ、王国の屋台骨を揺るがす事態になるだろう。

「何かあったら第七師団の兵舎を訪ねてこい。
戦友はいつでも歓迎するぞ」

カレリアにそういい残すと、彼は馬を駆って王都へと凱旋の途についた。

カレリア > 「はい、機会があればぜひ…」

第七師団の撤退を見送る
自分も長居は無用と王都へ徒歩で向かう…ここは男が多くて少し居心地が悪い

「ふふ、思わぬ見つけものですわ♪」

面白そうなそれでいて不快ではない人材…そんな貴重な発見をできたことを素直に喜びながら足取り軽く帰還した

ご案内:「ナール大橋」からカレリアさんが去りました。<補足:紫の髪にシンプルなドレス>
サロメ > 「王国の危機とあらば喜んで貸してくださいましたよ…。将軍の粗野なやり方と同じにしないでください」

不満気な顔をしつつそう答え、

「では、私もこれで」
カレリアに一礼してオーギュストの後へ続く

初戦で防衛に成功したのは束の間、戦いはまだ始まったばかりである

ご案内:「ナール大橋」からサロメさんが去りました。<補足:氷の魔剣を携えた、灰髪金眼の女魔法剣士。第七師団副官>
ご案内:「ナール大橋」からオーギュストさんが去りました。<補足:大剣を持った将軍。陣頭で指揮を執りながら戦っている>