2015/12/01 のログ
ご案内:「荒野アフリークの主戦場」にセイウッドさんが現れました。<補足:簡素な旅装/体をすっぽり覆う程の大きな外套/腰に剣とホルスター>
セイウッド > 主要な戦地の一つとはいえ、地形が地形だけにあまり多くの軍を配置できない入り組んだ地形ばかりの只中。
となれば大規模な戦は自然と別の場所に移り、かと言って放置も出来ぬこの場に投入されるのは
比較的双方共に比較的小規模な軍勢ばかりになるのもむべなるかな。
そう言う小規模な兵力の一つなのだろう黒尽くめの兵隊10人程、明かりも付けずに谷を征く。
「――こんな所までこんな時間に、わーざわざ」
不意に前からかかった声に先頭の隊長らしき兵が足を止めたかと思えば直後、
背後から射掛けられる矢に次々と後続の兵が倒れてゆく。
「おつかれ、さん!」
大勢を立て直そうと声を上げんとする隊長へ、音もなく声をかけた人影が一足で近づけば翻る刃。
外套の下から飛び出した鎖の先端に設えられたナイフが男の首を一瞬で掻き切っていた。
一瞬の攻防で全てが決する。不意打ちを狙う物を不意打ちする音もない暗闘。
それが、荒野だらけの地形における夜の闇夜には蔓延っていた。
セイウッド > 「おう、とりあえず見回り頼むわ。どうもこいつら、ただの先遣隊だな」
つい先程斬り殺しうつ伏せに斃れた男の死体を蹴り飛ばし、仰向けに寝かせて死体を検分。
明らかに少数で敵陣に夜襲をかけるにしては装備が軽装なのを見て取って、
隠れていた仲間に声をかける。それで敵の本隊が見つかれば逆にこちらが攻めることも至極容易になる。
異変に気がつく前が勝負と指示を出しつつも、本人は死体を担ぎあげるなり近くの茂みに放り込みはじめた。
少なくともふと見ただけでは、死体がそこにあるとは気がつかない場所だ。
しかし地面にあたったのとはまた違う金属のぶつかり合う音が響く当たり恐らく先客が居るのだろうが
「これでよし。…しっかし解せねえな。色々と向こうさんは反則があるとはいえ未だに意気軒昂な連中が多いと来たもんだ。
長引きゃしないだろうけど死人は多くなりそうだ。教会が大儲けできるな」
両手を叩いて汚れを落とし、先ほど敵兵達がやってきた方に視線を向ける。
左右を岩肌に囲まれた一本道の見晴らしが良い場所だった。
ただし、不意を打つ隠れ場所には事欠かぬ程度には険しい自然が見える場所でもあるのだが。
セイウッド > 「まとまった数を通すなら確かに最適の場所だろうけど、
待ち伏せくらいは警戒してもよかろうになあ。客が多くておちおち休んでもられねえ」
椅子代わりに近くの岩に腰掛けて、大きく息を吐き出しながら腰に手をやる。
葉巻を一枚取り出して口に加えかけてから、何かに気がついたような表情で手をおろし。
「いっけね。火を使うわけには行かねえなあ。湿気てやがる」
大事そうに葉巻を仕舞いこみながら視線を空に向ければ大きな月が目に入る。
こればかりはいつでもどこでも早々変わる様子もない。
平時と違って相当な血が流れて大地を流れようと、正しく我関せずだ。
「魔族連中なんてのも暴れてるそうだし、さてどうしたもんかねえ」
セイウッド > 「…ン?ああ、やっぱりいやがったか。
そんじゃあもう一仕事行くとするかね」
暫し考え事に耽っていた間にやってくる先ほどの部下。
耳打ちして状況を教えてくれるのに頷いて、重い腰を上げる。
案の定近くに布陣しているらしい部隊の始末を付けるために、
風の如く疾走りだす。未だこの谷間の血腥い夜は明けそうになかった。
ご案内:「荒野アフリークの主戦場」からセイウッドさんが去りました。<補足:簡素な旅装/体をすっぽり覆う程の大きな外套/腰に剣とホルスター>