2015/12/01 のログ
イーゴリ > 男が問いかけてくるのに、狼の二つ目が瞬いた。
それからゆっくりと、弧へと歪むように眇められた赤。
小さく獣の耳が揺れ。
「いやなに、新しい陣幕が出来ていたからな、何処のどいつが作っているのかと野次馬をしにきただけだよ。」
子供のような、老人のような。
女のような、男のような。
それどれもが混ざったような声が、狼の口から吐き出された。
オーギュスト > 「マジで喋りやがった」
多分そうだとは思ったが、実際狼が喋るのには目を見張る。
なんだってまた、こんなとこに喋る狼が居るのか。
魔族かとも思ったが、それにしては敵意が無い。
「あぁ、んならまぁ、こんな奴だよ」
ガシガシと髪をかきながら
イーゴリ > 「なんじゃあ、カマかけか。」
引っ掛かってしまった、だなんて言いたげな調子で不服を告げる狼の豊かな尾がふさりと揺れた。
髪を掻く男を、先までの不動が嘘のように状態がゆらゆらと揺れ、男の体躯のあちらこちらへと分かりやすく視線を動かし
「おぬし、『閣下』と呼ばれとったのー。偉いンかね。」
オーギュスト > 「まぁ、こんな所に居るくらいだ。十中八九、言葉は分かると思ったが、それでも驚く」
ふぅと溜息をつきながら。
ゆっくり視線を向け姿勢をただし。
「第七師団長、オーギュスト・ゴダンだ。お前は?」
イーゴリ > 「この世は不思議に満ち溢れておるものなあ。」
己の事は棚上げに老獪を思わせるような掠れた笑い声を響かせた。
そうして、告げられる身分と名前。
数年間で得た知識を脳裏に巡らせ――ああ、と相槌を打つ。
「南――いや、北か。国境えンところで戦り合ってるとこのお頭さんだな。
俺はイーゴリ。ただのイーゴリだ。」
オーギュスト > 「イーゴリか」
ふむ、と頷く。
名のある者と見たが、さて。
流石に獣の格までは読みきれない。
いずれ会う事もあろうか。
門から出てきた参謀が呼ぶ。
どうやら、軍議の時間のようだ。
「また今度、尋ねてこいや。茶でも出すぜ」
はて、獣は茶が飲めたか?
そんな益体も無い事を考えながら、オーギュストは陣営地へ戻った。
ご案内:「オリアーブの主戦場」からオーギュストさんが去りました。<補足:大剣を持った将軍。陣頭で指揮を執りながら戦っている>
イーゴリ > 「どうせなら一等良い酒で持て成しとくれ。」
再び、然し今度は機嫌の良さを訴えているのか尾が左右にぱた、ぱたりと振られた。
笑う様に歯を剥きだしに嘯いては陣営へと戻りゆく男の背を見送る。
――暫し、狼は陣営を見詰め遣る。観察するように、検分するように。
下ろしていた腰が持ち上がり、其処から離れるのは数刻後のことで。
ご案内:「オリアーブの主戦場」からイーゴリさんが去りました。<補足:狼姿>
ご案内:「荒野アフリークの主戦場」にアルフレートさんが現れました。<補足:身長171cm 銀髪翠眼 切れ長のややツリ目気味 神経質そうな表情 小振りの眼鏡 黒地に銀糸のインバネス>
アルフレート > 全く、酷いものだな
(荒野を形成する小高い丘の一つ
主戦場からは稜線で隠され視界の通らない場所で吐き捨てるように悪態をつく
ティルヒアの斥候か、密偵か、少数の部隊を捕捉し、撃退し、死体には谷間へと消えて貰ったところだ
血の匂いは未だに色濃く、土の匂いの混じる風の中に完全に溶け消えるまでは今しばらくの時間はかかるだろう
男の手に持たれたのは1.8mはあろうかという鈍い銀色の杖…というよりもシンプルな造型は棍に近い
そして銀糸の装飾が走るインバネスの下には何かしらの甲殻で作られたシンプルな胸甲
足元こそ頑丈なブーツに包まれているがその服装は戦場よりも宮廷にこそ相応しい
が、それらは一つ一つが魔術の品であし、彼が魔術師である事を示している)
アルフレート > こんな戦争になんの益があるのやら…
(普段は宮廷闘争に明け暮れるぼんくらどもも明確な敵が出てしまえば結束の一つもしよう
自分のような宙ぶらりんで権益を持たない代わりに好き勝手していたような魔術師が戦場に狩り出されているのもその証拠だ
宮仕えの悲しいところ、ここで妙な反感を買えば今後の活動がやりづらくなる
適度に働き、適度に手を抜き、目立つ事もなくやりすごすのが一番だろう
どうせコネもない自分が戦功をあげても出る杭になるデメリットを飲むだけのメリットもありはしないだろう)
さて、どうしたものやら
(察知してしまったから対処したまでだが、流石に敵が迂回路を探索していたという情報は重要だ
握りつぶしてしまい後で露見すれば面倒だ
とはいえ素直に報告してもいい物か
貧乏な農村生まれの彼にとって「関わらない」以外の政治的判断力は低い
なにせ想像すら出来ない政治の怪物どもの胸の内まで読まねばならないのだ
眉根にシワを寄せ、神経質そうな顔つきをいっそう歪めてため息を吐き出す)
アルフレート > ああ、嫌だめんどくさい帰りたい
屋敷のベッドで寝たい…というか食事が不味い…
(だんだんと愚痴の比率が増えていく
というかついに10割に達してしまった
普段の冒険なら気にもならない、不確定な未来とはいえ自分が先に進むために必要な事だ
砂塵に汚れ、湯に干し肉を浮かべたようなスープで腹を温める事も厭わない
しかしこれは仕事だ
趣味と仕事どっちで苦労するのがいいかと問われれば前者に決まっている。
そもそも金にあかせた保存食やら空間倉庫やらで冒険の時もそんな貧しい食事等した事無いのだが
心に棚が出来すぎて棚田になっている彼にとってはどうでもいい事だった
戦陣でいい食事をすると疎まれる事だしいっそここで自炊でもしてやろうかという思考すら浮かんでくる)