2015/11/23 のログ
ご案内:「オリアーブの主戦場」にタマモさんが現れました。<補足:名簿参照。>
タマモ > 龍の破壊の跡が残る戦場跡、何もないその空間にゆらりと姿を現したのは1人の少女。
ふわりと音も無く地に足をつき、ゆっくりと広がる大地を見渡した。
「ふむ、ここが戦場の一つかの?
なるほどのぅ…本当に派手にやったようじゃ」
傾けた唐傘を肩にかけ、その口元を扇子で覆う。
話によると、このオリアーブの隅々まで破壊の爪痕を残したとかどうとか。
さすがにその直後に争いなんぞは起こさんか。
一歩、二歩と足を進め、その感触を確かめるように辺りを歩き始めた。
タマモ > あちらにティルヒアがあり、こちらに王国があるか。
くるり、くるりと体の向きをティルヒア、王都のある方角へと向ける。
この沈黙もすぐにまた解け、ここは戦場へと戻るだろう。
それならば、少しばかり仕掛けを施してやろう。
くすりと小さく笑い、とん、とんっとその戦場のど真ん中を位置する辺りまで移動をした。
体の向きを王都の側へと向け、ゆらゆらと手にした扇子を波打つように揺らす。
ふわり…そこから湧き出すように浮き上がる、幾つもの光の粒子。
それがじわじわと手元から広がり、ゆっくりと地面へと吸収されるように消えていった。
タマモ > その光の粒子は少女の向いた方向の戦場の半分を覆うほどに広がりながら消えていく。
何度も何度も、湧いては消えてを繰り返す。
どれだけの間をそうしていただろう、しばらくそれを続ければ、次第にそれは数を減らし…元の戦場跡地へと戻る。
「この大地で眠りに沈みし魂共よ、妾の声を聞くが良い。
彼の地より、此の地に迷いし愚か者共をこの大地に引き摺り込め。
生者の魂は主達に温もりを分け与えようぞ。
その力、妾が与えてやろう」
この大地で一体何人もの生ある者達が死していっただろう。
漂う魂達を呼び寄せ、その大地へと留めておいた。
ティルヒアへと攻め込もうとする者達を、この地の中へと引き摺り込む死者の手が掴みかかるように。
タマモ > それが終われば、くるりとティルヒアの方角へと体を向ける。
ゆっくりとした足取りで、仕掛けを施した地から離れていく。
と、ふと足を止め、小首を傾けて少し考え込んだ。
「そういえば、遠方に不死の気配が漂っておったな…あれが来ぬことを祈っていよう、せっかくの楽しみじゃからのぅ」
そう、この仕掛けはあくまでも生者の魂に反応するもの。
死者にはまったく反応しないのだ。
そんな心配はさておき、妾は身を潜め成り行きを眺めさせて貰おうか。
現れた時の様に、その少女の姿はゆらりとその場から消えていくのであった。
ご案内:「オリアーブの主戦場」からタマモさんが去りました。<補足:名簿参照。>
ご案内:「オリアーブの主戦場」にオーギュストさんが現れました。<補足:大剣を持った将軍。黒髪を後ろで縛っている>
ご案内:「オリアーブの主戦場」からオーギュストさんが去りました。<補足:大剣を持った将軍。黒髪を後ろで縛っている>
ご案内:「南海(オリアーブ海)」にオーギュストさんが現れました。<補足:大剣を持った将軍。黒髪を後ろで縛っている>
オーギュスト > オリアーブ海の海上。
オーギュスト率いるダイラス駐留艦隊は、数多の輸送船を率いてオリアーブ海を航行中であった。
神竜の出現により、一時的に艦隊戦力の減衰した隙を逃さず、オーギュストはオリアーブ島へ多数の兵と物資を上陸、恒久的な拠点を築くつもりであった。
島と大陸側、両端に拠点を築いてしまえば、あとは艦隊を遊弋させるだけで良い。
それで一時的に敵の制海権を無効化し、陸から敵港湾を攻め陥落させる。
これが、彼の考案した短期決戦への戦略である。
「敵影無し」
「索敵を怠るな。こちとら鈍重な輸送船を背負ってるんだ、見逃したら一大事だぞ」
オーギュストが厳命する。
しかし船には相変わらずなれない。
第七師団直衛隊といえば、相変わらず船の甲板から海にむかいゲーゲー吐いている。情けない。
オーギュスト > 「――さて、どうなる事やら」
敵も制海権が生命線である事は分かっているだろう。
すんなり行くとは思っていない。
艦隊はといえば、無言で任務を実行し続けている。
先日の神竜出現は知っているが、怖気づいた者は居ないとか。
海の男の意地か。
「頼りになるな」
この男にしては珍しく、素直に褒める。
ご案内:「南海(オリアーブ海)」にサロメさんが現れました。<補足:氷の魔剣を携えた、灰髪金眼の女魔法剣士。第七師団副官>
サロメ > 「………」
船内から青い顔をしてフラフラと出てくる女性、
第7師団将軍副官のサロメさんである
「オーギュスト将軍…敵影は、どのような感じでしょうか……うぇぷっ……」
彼女も例外ではなかったらしい
ご案内:「南海(オリアーブ海)」にソフィーさんが現れました。<補足:黒い長髪。黒曜石のような瞳。白いブラウスと黒いズボン。第7師団直衛隊>
ソフィー > 「荒い海だから仕方がないとはいえ、流石にこれは…っとと」
基より育った国が海に密接していた地域故か、
船の揺れにはそれなりの経験があるソフィーでも荒い海での航海は事実上初めてだった。
見渡す限りの青い顔から伝染されぬように、遅れて彼女も船内から顔を出した。
ソフィーにとってこれが訓練以外で初めてとなる仕事になるわけだが。
「サロメ副官…ですね、気分が悪いようでしたら、無理はなさらないほうが」
一人際立つ灰色の髪の騎士。初対面ではあれど、どういう人物なのかは耳に入っていた。
ソフィーにとっては唯一気を許せる相手になりそうだと期待しつつも険しい顔立ちで、様子をうかがって。
オーギュスト > 「んだ、情けねぇな」
馬や飛竜などに乗っている事が多いせいか、オーギュストは全く酔わない。
サロメに敵はまだ見えないと告げてやりながら、水平線の彼方を見つめる。
気がかりなのは敵艦隊の動向、そして女王の動きだ。
どうも、ティルヒアの軍を率いる将軍達と女王の間で、戦略の考え方に僅かに差があるような気がする。
それがどういう事なのかは分からない。
こんな時に第九師団がいてくれれば助かるのだが
サロメ > 「い、いや…いつまでもベッドで横になっているわけにもいかない…」
鞘に収められた長剣をカツンと看板に突いて、姿勢を正す
海風にマントをはためかせるその姿は副将軍という位置に相応しい
……顔色は悪いが
「もう大分近づいたはずですが…やはり将軍の読みが通りましたかね」
ソフィー > (人間同士で…争っている場合でも…なかろうに)
嘗て祖国を魔族の影響で失った彼女にとって、この戦争は想定外の出来事だった。
目的のためとはいえ、時間が掛かるであろう寄り道に不機嫌そうに眉をひそめるものの、将軍の地位を上げるには好都合なのだろう。
敵国の見える海面に向けて目を凝らすものの、こういったことに慣れていないソフィーには当然何も見えるわけはなく
「やはり先日の海龍の打撃があちらも深い、のですかね……」
オーギュスト > 「戦場で一番危ない時ってのはな、そうやって物事が全て上手くいく、って思った時だ」
もしかしたら、全て、思い通りに運ぶのではないか。
そんな過信の報いを、オーギュストもまた何度も受けてきた。
物事は多少、上手くいかない時の方がすんなり進む。
こうやって、何もかも上手く行きそうな時ってのは……
「敵艦隊、見ゆ!」
見張りからの報告に、船全体に緊張が走る。
ようやく敵のおでましだ。
サロメ > 「……そう不吉なことを言うからこうやって敵を呼ぶんですよ」
両手を左右に挙げてやれやれのポーズ
「さて、そうそうの海戦で敗走する程度の編成はしていませんが、
後ろに輸送船が控えていますから慎重に動くべきでしょうか」
ソフィー > 「……敵ですか」
魔族を斬る訓練は受けてきた。
しかし人間を斬ることに躊躇があるのか、眉を顰め、迷った節を見せるものの、首を振った。
足踏みしている場合ではない、と。
「敵艦隊の編成次第、でしょうかね。そんなことを確認する余裕もないかもしれませんが
……まさか、最初の戦闘が海戦とは思ってもみませんでしたが」
オーギュスト > 「――敵の先遣隊だろう。追って陣形を崩す事もねぇ、本隊が来る、そのタイミングを見極めろ」
敵の船は慌てて船首を返す。
こちらの艦隊は大規模、まずは味方に知らせるつもりだろう。
船長に船足を上げるように命じながら、さらに警戒を厳とするよう指示する。
こちらは輪形陣、すなわち輸送船を陣形内部で守る形だ。
「ソフィー、船戦は足場が悪い分、普段の動きが出来ん。
無理せず、乗り込んで来た敵だけ相手にしろ」
サロメ > 「多くの船を動かす余裕を与えたくはありませんね」
他の船への伝令役に将軍の指示を伝え、自身は船首のほうへと
戻っていく敵の船達を見据えて
「…どうします?敵本隊ではなく例の竜が現れたら」
可能性は低いだろうが、そういった意地悪も言ってみたくなるものだ
ソフィー > 「は、はい!わかりました…!オーギュスト、殿!」
副官が前にということもあり、普段の言葉遣いを控え支持に従う。
勿論、将軍が自分をかばって戦う余裕などない。
今の自分は守ってもらうばかりの姫ではないのだ。
この緊迫とした空気に漸く戦場にいる空気を覚え、今は余裕の有りそうな二人の問答を視界の端で捉えた。
あれほど、強くなりたいものだと。
オーギュスト > 「逃げるに決まってんだろ。なるべく急いでな」
分かりきった事を聞くなとばかりに手を振る。
問題は敵本隊だ。
何時出てくるか、何隻出てくるか。
それによって素早く対応せねばならない。
オーギュストは海将ではないため、細かい作戦は立てられない。
ここは、例の秘密兵器を使った一発限りの奇策でいくしかないだろう。
「敵艦隊の規模、陣形、見逃すんじゃねぇぞ」
サロメ > 「緊張する必要はない、相手方に魔族が混ざっている可能性もあるからな。そうなればむしろ我々の土俵だ」
言葉遣いを変えた所為か、それが緊張しているように見えたらしく、
背後のソフィーへとそう声をかける
たしか、名はソフィー。
将軍が招き入れた剣士だっただろうか…
そんなことを考えつつ
「逃げられれば良いのですけれどねー」
妙に間延びした口調で望遠鏡を覗く
今はまだ、敵艦隊の姿も白い竜の姿も見えてこない
ソフィー > 「ありがとうございます、サロメ殿。そう思うと気が、楽です」
厳しい口調には思えるものの、緊張をほぐす様な言葉に安堵した言葉を返す。
未だ主だった姿の見えない海面を眺め、果たして自分が役立つのかという不安はあれど、
暫くの間直々に訓練を受けて扱かれたのだ。
その感触を疑わず、敵の規模が如何ほどかという緊張を失わないまま海面を見据えた。
「そもそも、あの海龍…一体なぜ、今になって現れたんでしょうね」
オーギュスト > 「ったく、誰に似たんだテメェは」
サロメの言葉に軽口を叩きながら、こちらも双眼鏡を覗く。
未だ敵艦隊は見えず。
はたして、どれ程の規模で来る事やら。
「さてな、あの竜に関しちゃ不明な点が多すぎる。
あんま噂を広めるんじゃねぇぞ」
最悪、士気に関わる事だ。
師団の中でも、緘口令のようなものが敷かれている。
もっとも、荒くれどもには格好の話題なのであまり意味はないようだが。
サロメ > 「さぁ?しいて言うなら将軍の影響が一番私を変えたと思いますが」
望遠鏡から顔を戻し、くすっと笑いかける
開戦前だというのに余裕があるのは、いくらも場慣れしているおかげだろう
「………」
確かにあの竜は謎ばかりだ
出てきたタイミングも、敵味方なく攻撃したことも、その後姿を眩ませたことも
あれだけの竜を召喚・使役できるならば最初から戦局は傾いていたはずなのだ
ソフィー > 未だ、第7師団に入って日の浅い彼女にとって、
荒くれ者の多い師団の空気には何かと慣れていない。
しかし二人のやり取りはなんだか居心地のいいものを覚えつつも、
どこかチクりとしたものを覚えた。あのような顔を、サロメ殿はするのだな、と。
「……あれほどの大きさは、伝説上の生き物とばかり思っていました」
オーギュスト > 「話に聞く限りの大きさ、力なら、解体すりゃぁ遊んで暮らせるな。
逆鱗一つで国が買えるんじゃねぇか?」
軽口を叩いていると、再び見張りからの報告。
敵艦隊発見との事だ。
「数は!」
「小型の快速艇が5!」
少ない。
少なくとも、この規模の輸送船団を襲う為の数ではない。となれば……
「注意しろ、別の方向に本隊が居るぞ!」
ご案内:「南海(オリアーブ海)」にアーヴァインさんが現れました。<補足:黒髪の短髪に茶色の瞳、細く引き締まった体に身軽そうな冒険者らしい格好。>
サロメ > 「囮、ですかね。
将軍はこちらでこのまま指揮を、私が迎撃に向かいます」
言うやいなや、マントをひらめかせ、術式を詠唱
独自の改良を施した飛翔魔法、ここから隣の船までの間くらいなら跳べるという便利なものだ
そして同時に船の上でちょっと浮いていればいいのだということに気づいた彼女は船酔いを克服した
「では将軍、武運を。
オーギュスト将軍が無理をしないように頼む、ソフィー」
将軍だけでなく彼女にも一礼し、隣の船へと軽やかに跳び乗っていった
ソフィー > 「……やはり不自然、ですよね」
将軍の軽口に眉を顰める。
確かにそれ程の化物と遭遇するのならば逃げるというのが最善策だ。
国の人間も当然この事態に混乱を抱き、出撃している艦隊を最小限にしているのも事実なのだ。
彼らに比べ、凡人に近い自分は頭を働かせないとやっていけないなと、思考を止めずに、と思ったが、
そのまま飛び移っていったサロメ殿にぽかんっと呆気にとられていた。
「……オーギュスト、と一緒か。守ってくれ、というつもりはない
……けど、将軍は随分と素敵な女性を側においているようで」
少し棘のある口調で、普段の言葉遣いを口にしつつ、海戦の準備に備える。
こちらも、漸く気分が解れた、といったところだった。
アーヴァイン > (快速艇が出撃した中、この男は別の船から司令官の予想通りに回りこんでいた。といっても、艦隊などではなく同様の足の早い船だ。船首の辺りに立つ男は遠くに見える王国軍の船団を確かめると、弓を構える。片手には魔力の糸が絡みつき、弦を引く手に生まれる魔法の矢は一層の輝きを見せる。射程ギリギリまで踏み込むように命じた船は、前進を進めていく)
転回、少しだけ持ちこたえてくれ。
(ここなら届くだろう、その瞬間に指示を飛ばす。つがえた矢は白い太矢と変わり、射程に入った船へ向けて放たれた。頭上高く舞い上がり白い矢は、最高到達点へ辿り着くと分裂し、白い小さな矢となる。散弾のごとく撒き散らされていく矢は着弾と共に爆発を起こす。人に怪我はさせられても船には害はなせない。相手の動揺、行動、攻撃力、それらを探るための威力偵察に仕掛けにでる)
オーギュスト > 「ソフィー。女になるのは戦いが終わってからにしろ」
鋭く叱咤すると、再びの報告に顔を別の方向に向ける。
予想通り。
別の方向から撃たれた魔法矢により、艦隊にほんの少し被害が出る。
その方向を見てみれば……なるほど、快速の小型船。
こちらを翻弄する策か。
「隊列を乱すな! このままオリアーブ島まで一気に進め!」
あの規模ならまだ、こちらの作戦に支障を出すほどではない。
砲によるけん制射撃を続けながら、確実にオリアーブ島へと向かう。
「――っかし、魔法矢か」
先日のやり取りを思い出す。
ソフィー > 「ーー……んなっ。そんなつもりは…私はただ…」
鋭い叱咤に思わず声を荒らげようとした所、艦内に走った伝令に顔を上げた。
雨のように放たれた魔法の矢。
「まるで星屑のような矢ですね。しかし、どうもあれで私達を止められるようには……」
サロメ > 数隻の快速艇はやはり囮か、と向こうへ降り注ぐ光の矢を見て僅かに眉を潜める
船に影響は出ていないようだが…
ともあれ向こうは将軍を信じるしかない
「追い回す必要はない、砲撃で近寄らせるな!
オリアーブ島までの進路を変える必要はない!」
言いながら、アイスブランドを抜き放つ
「我々を煽ったんだ、多少の被害は被ってもらうぞ」
抜き放たれた魔剣が結露してゆく
海上では無類の強さを発揮する氷結の魔法
「ふっ…!!」
一閃、白く輝く銀閃が海の表面を凍てつかせながら快速艇を追う
向こうからすれば予測不可能の出来事、船の周囲の海に流氷が生まれたのだ
嫌でもその動きを阻害される
ソフィー > 「……ともあれ、私達の方はまだ被害は出ていないようですが。
オーギュスト殿、私は一度艦尾の方に回ってきます
……無理、しないでくださいね」
約束のことを再三確認するように口にして、訝しげに眉を顰めつつ、
彼の安否というよりは自らの目的のため、そう口にした。
踵を返せば、艦尾に回り、さらなる別方向への展開が行われているかを伺いに行く。
最も、彼と同じ甲板なのだから安全は約束されているようなものに近いのだが。
一先ず敵艦の様子と、被害の確認を急ぐため一度後方へ回ることに……
ご案内:「南海(オリアーブ海)」からソフィーさんが去りました。<補足:黒い長髪。黒曜石のような瞳。白いブラウスと黒いズボン。第7師団直衛隊>
アーヴァイン > …っ!
(砲撃による反撃が襲いかかる。直撃こそしないが揺れる船から振り落とされないように、しがみつきつつ相手の動向を見やる)
…来ないか。
(戦いを目的とするなら砲を集中させるなり、確実に当てるような攻撃を仕掛けてくるはず。それがなく、牽制だと引っかかるものを覚える)
……っ
(さらに海上に流氷を作っての足止め、なるほどと納得すれば再度矢の準備に入る)
信号弾を、緑1、赤1。
(仲間へ合図を飛ばす。すると緑色の光の礫が空に上がり、続けて赤が上がる。他の高速艇からも赤の信号弾が上がっていく。整った意思疎通をする中、再度矢を放つ。太い矢を限界まで強化した魔法矢は、再び空へと舞い上がる。今度は分散せず、着弾すれば船にも被害を齎すであろう破壊力だ。曲射攻撃を仕掛けるも、流氷で追いかけるのは難しそうだ。)
……後はあちらに任せるとしよう。
オーギュスト > 「む」
魔法矢が次に打ち出したのは色のついた矢。
あれは……信号弾!
「くるぞ、こっからが本番だ!」
鋭く叫ぶと艦隊に警戒を促す。
本隊を呼んだのだろう、本気で来るのはここからだ。
魔法矢には対空防御を命じつつ、艦隊はオリアーブ島へ向かい進む。
「いいか、雑魚を追っかけるんじゃねーぞ、目標はあくまで上陸だ!」
サロメ > 「(あれは…何かの信号か)」
打ち上げられる光を見上げる
何か動きを変えるつもりかと一応の警戒を
そして目に入る、巨大な魔法の矢
「あれは……被弾すれば船に被害が出るぞ!撃ち落とせ!」
しかし直下にある船の砲門はそんな高角度には向かない
やむなし、と砲撃に合わせ自身も振り降りる矢に向けて魔法剣から銀閃を放つ
しかし距離がある、当たるかどうかは難しいところだ
アーヴァイン > (この時点で彼の仕事は終わっていた。敵は小物を始末するのではなく、まくことを選んだ。つまり、戦いたくない何かがあるのだろう。誘いということも考えられたが、入念とすら思える氷の足止めが決断に至らせる。司令官の予想通り、じわじわと水平線の向こうから、本隊が近づいてくるのが見えるだろう)
動けるか? 可能なかぎりでいい、追いかけてくれ。あれを落とすなら尻からも仕掛けてやれば…やりやすくなるだろう?
(船員へ飛ばす指示。元々着弾速度を強化した白い魔法矢を使っている。重力に導かれるように落下する矢はかなりの速度だ。矢が大きいとはいえ、的確な迎撃が行えなければ矢は船に降り立ち、小さな砲撃でも食らったかのような被害を齎すだろう)
オーギュスト > 「ちっ……」
船団に護衛を命じつつ、あたりを見る。
……いた、主力艦隊だ。
ガレオン級の戦艦2、それに随伴艦。
かなりの大艦隊だ。
「おいでなすったぞ、戦闘準備!」
サロメ > いくらか掠りはしたものの、魔力の矢を破壊することはできず、一隻に命中する
それなりに威力は削げただろうが、被害は小さくはない
「……!」
しかも主力艦隊がお目見えた
振り切ろうとした故に背後からも快速艇が追う
挟撃、これはまずい
一部の船の速度を落とし、輸送船を護るように指示し、自身もそちらに飛翔魔法を用いて跳ぶ
途中でオーギューストの船へと一旦降り立ち
「背後の船は私が」
それだけ言い残して再び飛翔する
迷ってはいられない、動きを阻害できればいいと思っていたが…
これ以上邪魔をされては困る
海上に流氷を撒いたかいがあった、それを足場に跳躍を続け、敵の快速艇の一つに直接単身で乗り込んでゆく
アーヴァイン > ……張り切ってるな、向こうも。
(大艦隊を連れてやってくるとは予想はしておらず、目を丸くして観測手の報告に驚いた。だが、これが戦えない船団であれば、大手柄だろう。艦隊も王国軍を潰そうと展開しつつ、射程に入ろうものならば砲撃を暴雨の如く仕掛けてくるだろう)
…何?
(観測手から接近する影の報告、そちらへと視線を戻すと小柄な女剣士が近づいてくるのが見えた。いくら小さな船とはいえ、それ相手に単騎で突撃するとは…と、弟の事を思い起こすような光景にうっすらと笑った)
気は引けるが…仕事だからな。
(再び矢を構える。一旦手に集めた魔力の糸を解除し、威力と性能を抑えると、今度は青白い太矢を放つ。彼女へ向かって直進し、5mほどの距離まで近づけば分裂するだろう。分裂すれば、小さな矢は緩やかな追尾を持って左右と頭上へ回りこむ軌道で襲いかかることになる)
オーギュスト > 「あぁ、頼んだぞ」
一言サロメに告げると、合図を出す。
そう、これが切り札――
「竜騎士団、発艦開始!」
輸送船の一隻に合図を出す。
そう、これが切り札。
輸送船に偽装した空母による、航空攻撃!
竜騎士たちが一斉に飛び立ち、主力艦隊を目指す。
サロメ > 自身を狙ってくる魔法の矢
魔法剣で以って打ち払うのは容易い
が、繰り出したのは魔法による、自身を囲うようにカバーする氷の球体
分散した矢全てを受け止め、氷が砕け散る
それと同時に跳躍し、敵艦船へ降り立ち、フッと笑う
「初見ならば、今の一撃で海の藻屑だったかもしれんな…残念、と言ったところじゃないか?」
長剣を構え、白いマントをはためかせる
当然ながら囲まれつつあるが、意に介した様子もない
アーヴァイン > (輸送船らしき影は、予想外の武器となる船だった。飛翔していく竜騎士達が見えれば、参ったなと表情が曇る)
もう一度信号弾を、赤3つだ。
(空中からの攻撃となると、矢を放つぐらいしかないが向こうは動きまわれるが、こっちはいい的だ。危険と撤退を意味する信号弾合図を放つと、他の高速船も同様の信号弾を放つ。空一面が赤くなるような、危険を空に描く。艦隊も信号と竜騎士を見やれば、そそくさと撤退しようと反転を始め、近付く敵へ弓矢による対空攻撃を行うだろう)
いや……君の姿を見れば納得した、第7師団の副官だろう?
(軍に居た頃、仕事の最中に彼女を見かけたことがあった。それにあの氷の攻撃で何となく思っていたぐらいだが、こうして間近で姿を見れば確信を得るに十分だ。自分の部下には素早いハンドサインをみせ、下がらせていく)
弟が君の上司の世話になったらしい、ありがとう。それで……挨拶だけではないだろう?
(手に集めるのは青白い矢、両刃の刀身らしきものが出来たそれを弦につがえながら問いかける)
オーギュスト > 「ま、航空戦力には勝てんだろうな……だが、そいつらは逃げられねぇだろうよ」
オーギュストはガレオン級の戦艦2隻に攻撃を絞るように命ずる。
巨大な戦艦は回頭に時間がかかる。その隙をつき、竜騎士たちに攻撃を敢行させる。
竜の分厚い皮膚は弓矢程度は通さない。間もなく亜竜に乗った騎士たちが戦艦上空に取り付くだろう。
「他も沈めようなんて色気出すんじゃねぇぞ!
艦隊は直進! 一気にオリアーブ島に上陸しろ!」
サロメ > 「私のことをご存知とは、ならば名を名乗る必要もないな…」
ちらり、と背後を見れば
なるほど既に撤退を始めた
戦力を見抜き交戦すらしない、頭がまわることだと感心する
「ふむ、弟君が?それは知らない話だな。
…無論、後続の憂いは断たせてもらう」
左手に持つ蒼鋼の長剣が結露し、白靄を帯びていく
部下を下がらせたのは良い判断だ
一対一は勿論、一対他でも、副官として相応の実力を魅せるに至っただろう
今回の目的はあくまでも島への上陸
後ろに敵を控えさせたまま、というわけにはいかない
アーヴァイン > (部下達は下がると、戦いに集中する彼の目となり、手足となるように援護に徹していく。戦艦に攻撃が集中していると観測手の部下が叫べば、彼女から目をそらさずに指示を飛ばす)
信号弾オレンジ1、緑1、続けて紫1。
(声に呼応して上がる信号弾、氷で速度を落としていた高速船も緑の信号弾を上げていく。氷で足止めされていた船は王国軍を追いかけるのをやめて、ガレリオ戦艦へと突っ込んでいったのだ。迎撃行動も程々に船員の退艦を行うためだ。大型船は存在感も強く、当てやすい的だが、小型で速い船なら飛行状態から狙って攻撃するには難しいだろう。早い段階で船より育てるのが大変な人員の保護へと走る)
合っていればだが、薄氷の騎士だろう? あぁ、多分言わなかっただろう。野良犬みたいな男に…手負いにされたとはね。
(剣の変貌からも、これは間違いなく面倒な相手が来たと思う。矢を持つ手に再び魔力の糸をまとわせていくと、素早い動作で魔法の矢を放つ。狙いは彼女の胴体、続けて生成するのは同じく両刃の矢、今度は青白いが太い形状をしている)
オーギュスト > 「――なるほど、やるな。
戦艦の継戦機能を奪ったら撤収だ」
戦果でも戦略でもなく、まずは兵の命を助けるか。
相手は良い指揮官のようだ。
――先日聞いた、あの男の兄とやらの事が思い出される。
「このままの陣形で進む。
全艦、進め!」
後に艦隊は戦略目標を達成する。
さて、二人の一騎撃ちの結果は……?
ご案内:「南海(オリアーブ海)」からオーギュストさんが去りました。<補足:大剣を持った将軍。黒髪を後ろで縛っている>
サロメ > 「(……とりあえず将軍達の船はこれでいいか)」
ちらりと後方を確認する
これなら、もしこの船団が全速力で追いかけたとしても追撃は不可能だろう
そして他の快速艇の動きは…なるほど、判断も早ければ正確
優れた指揮を行う人物だ
手負いにされた、と聞けば僅かにその眉をぴくりと顰めて
「否応なく目立つからな、覚えられていてもおかしくはないが…王都の人間か?
……オーギュスト将軍を?……面白い冗談だな。あれは正真正銘の化物だぞ」
言い終わるか、それよりも早く
つがえられた矢が放たれる
反応して剣で打ち払う真似はしない、至近距離といえど、分散を警戒したからである
横に靡くように躱し、そのまま上体を捻りつつ跳んで長剣による横薙ぎの一閃は放つ
白靄を尻尾のように残す剣跡、斬られれば、触れれば瞬く間にそこを氷結させる、氷の魔剣
アーヴァイン > (自分の部下はともかく、雇用主たるティルヒア軍の兵士達は殺気立っている。あんな隠し玉で船を二隻潰されているのだ、挙句に果敢にも単騎で突撃してきた副将がいる。空気のよどみを感じると、良くないなと思いながらも今は戦いに集中する)
遠目に見かけた時も、その灰色の髪と美しさはよく目立っていた。あぁ、元は特別遊撃偵察隊 スペクター にいた。
(軍人でなければ知らない、どの師団にも属さない部隊の名を口にする。今までは語るのも避けていたが、今は彼女に知られることに意味がある。続けた言葉に疑るような言葉かかかれば、うっすらと笑ってみせる)
弟は俺と違って馬鹿で強い、君とは真逆だろう。自分は化け物ではないが、メテオサジタリウスという名前はもらった。それぐらいの弟なら…噛みつくぐらいは出来るだろう?
(過去に功績を上げた存在がここにいると、戦場に自身の痕跡を残す為に語る。そして、放たれた矢は刃に触れると凍てつくと同時に魔力を維持できなくなって消滅する。ならばと再度矢を放つ、先ほどとは違い、太さを増した矢は再度彼女の胴体を狙うだろう)
サロメ > 「メテオサジタリウス…そうか、貴方が」
何度か名前を耳にしたことがあった
しかし、その弟とはそれほどのものなのか
鍛えられた脚力を活かし、跳躍でその矢を避ける
周囲からの殺気もすさまじい、こっちへも気を払わなければいかないが…攻め手を休めない
「───はっ」
矢の分裂を警戒し、リフレクトスペルを構築しながら再びその剣を振り抜く
海面を凍てつかせたものと同じ、極低音の銀閃が飛翔する
アーヴァイン > 覚えておいてくれ、あと数カ月後には…おそらくもっと身近になる。
(意味深な言葉を語ると、再度矢を放つが簡単に避けられてしまう。矢は爆発を起こし、船に傷を付けてしまうも沈ませるほどのものではない。斬撃を素早く飛びのいて回避すると、同時に手投げ弾を転がした。爆発すると同時に煙幕が撒き散らされ、薄紫の鱗粉のような撒き散らされる。魔法を使う彼女なら直ぐに察しがつくだろうが、魔力や魔法のコントロールがうまく行えなくなるはずだ。厄介な魔法剣と魔術、魔力、それを封じる作戦だ。とはいえ、こちらも代名詞たる魔法弓は使えなくなる。脇差しを抜くと、煙に紛れて接近しようと地面をける)
サロメ > 「くっ…これは…」
撒き散らされた鱗粉らしきものから逃れようと後ろへおおきく飛び退く
銀閃は見事に避けられた
「素早い反応だ、それを期待していたが」
放たれた銀閃の射角は僅かに上向き
避けられた銀閃が向かう先は…マストだ
極光を放ち、マストが氷に覆われる
「(…あとは)」
撒き散らされた中を滑る影を捉える
魔力を集中しようとするがうまく作用しない
そういった類の魔道具か
小さく舌打ちすると煙から逃れるように駆ける
後手にまわった、逃れられるかどうかは…怪しい
アーヴァイン > (噂通りであれば氷の魔法と剣を使いこなす優秀な魔法剣士だ、射手の自分が間合いに入られた時点で不利となる。ならば再度自分の得意な土俵で戦わせる他ない。鱗粉はゆらりゆらりと広がっていき、狭い船の中では、後ろで控える兵士達の壁の向こうにでも抜けねば、範囲外到達は難しいだろう)
……。
(逃げる彼女へ放たれるスローイングナイフ、風切る音が聞こえれば矢を防いだ動体視力を持ってかわすことは容易いだろう。本命は、その間に回りこんでの偵察と潜入の本領たる不意打ちだ。脇差しを抜いて斬りかかると見せた後、戦闘用のナイフに武器を持ち変えていた。得物を変えて、予想を裏切ろうと図り、彼女に組み付いてナイフを突きつけようと背後を狙う)
サロメ > マストを凍らせた、あとは離脱で十分、なのだが……
「っ!」
ダメだ、このエリアではこの煙幕を抜けられない
そう判断し、足を止めて…放たれたナイフを視認すると迷わず薙ぎ払う
長剣を短剣のように扱う瞬発力は人間業とも思えないが、その分戻りは遅い
脇差しを抜くのが見えた、起こりが大きいこれならば刃の戻りも間に合うだろうと、剣の腹を叩きつける、所謂バッシュを放つが……
「しまっ……!」
煙幕に目もまだ慣れていないのもあっただろうか
素早い動きに組み付かれ、ナイフを突きつけられてしまう
「………不覚、だな。…目的は達成した、殺すといい」
そう言ってだらりと両手を下げた
アーヴァイン > (放ったナイフが一瞬で叩き落とされる様は、敵ながら恐ろしい実力だと思わされる。しかし、至近距離での一瞬なら職業柄の分がある。バッシュを必要最低限の動きで良ければ、持ち替えていたナイフを突きつける。やった本人が一番肝を冷やしていた、失敗したら殺されていたなと思うからだ。剣を離せと、命じ、口笛を吹いて部下を呼び寄せる。賞金稼ぎが使う、鱗粉と同様の効果を与え続ける首輪の拘束具を手にやってくるのが見えるだろう。何もしなければ、乱暴はせず拘束を施そうとする)
すまないが…
(殺せという言葉に答えようとした瞬間、兵士達の熱気が爆ぜた。殺せだの犯せだの、中々に聞き苦しい内容ばかりだ。こちらが受けた辛酸を味あわせてやれと、短絡的な言葉ばかりである)
…言う事を聞いてくれれば、互いにメリットがあることをする。こちらはあくまで商売だ、従わないなら…不本意だが殺さないといけなくなる。
(周りの塀に悟られぬように、静かに囁くのは捕まえた相手への取引。殺さず捕まえようとするのもその為なのだろう。後は彼女が従うかどうかだが)