2015/11/18 のログ
ご案内:「オリアーブの主戦場」にアノーさんが現れました。<補足:@まるで旅人かなにかのような格好>
アノー > (アフリークの戦場にてティルヒア軍を攻略した頃、アノーは早馬にてフラ=ニスへと這入った。様相は近隣の村から逃げてきたという体でフラ=ニスのティルヒア軍に保護を求めた。多くの難民達が突然の宣戦布告と戦争に右往左往している中、決して珍しいわけではない。 そのままナナシ部隊で偽装した国民証を使いフラ=ニスに入った後、ティルヒア国の考えに感銘を受けたとして移住を希望。宗教団体ってのは自らの宗教に阿る者には寛大だった。まして、ティルヒア軍に寝返る諸侯までいるものだから、近隣の国民にとっては逃げる場所に悩むことだろう。決して、珍しいわけではなかった。 そのままオリアーブ島へ撤退する難民船の中に紛れ込み、オリアーブ主戦場近くの湾岸都市に上陸。 そこで難民達に紛れて街の内部へ潜入した。 というのがこれまでの経緯だ。)
アノー > (無論、難民としていち早くオリアーブに潜入するために安くない賄賂を使った。現金では怪しまれるので宝石などを用いた。ジャムの報酬など難民として紛れ込み、難民船に入る頃には消えていた。煙草すら賄賂に使っての潜入劇だった。) ・・・ (煙草がないのがさびしい、と思いつつオリアーブの難民キャンプに入ってから溜息を吐いた。キャンプといっても湾岸都市に立てられたもので、実質戦場に近いし、海戦が終わればすぐに火と鉄と血で埋め尽くされるだろう。 そう、フラ=ニスを取り返し安定を迎えたら王国は次に海戦へと入る。その為に有利になる情報の一つとして必要なのが――海図だ。これはフォンローク家からの依頼にあったものだ。) 普通の海図ならばフラ=ニスにあるな (だが、それは漁船や商船といった船が通るもので、必要なのは軍船をより効率よく動かすことが出来る海図だ。 そこまで詳しいものになると街の航海士から手に入れたものよりも軍が抱えている航海士が製作したものの方が質が良い。 そういうわけで今、アノーは単身オリアーブ主戦場の航海士がいるとされる作戦本部施設内部へと侵入を試みていた。)
アノー > (潜入にとって一番楽な方法は「相手に運んでもらう」ということだ。一番多いのは捕虜になってからの脱出だったりするわけだが、今回は難民と言う手段をとった。では、本部への潜入は? 決まっている『荷物』になることだ。) ・・・・ ( 本部に入ってきた兵士は木箱をいくつか台車に載せて入ってきた。「おい、これはどこへ」「倉庫に突っ込んで置けよ」「そろそろ昼食だ。見張りの交代だぞ」「海戦がまだ起きてないんだからこっちはまだ安全だろう」とかそういった話が聞こえた。そう、アノーは今木箱の中に居た。運ばれるまま倉庫の中に置かれたアノーは気配の有無を確認後、こっそりと木箱から出る。薄暗くかび臭い。どこからか潮の匂いが漂ってきており、湾岸都市であることがよくわかる。) さて・・・ (倉庫内で身を隠すこと数時間。そっと息を潜めて待った後、倉庫の中に一人の兵士が入ってきた。)(どうやら一人のようで「なにか食い物は・・・」などと見回している。どうやらつまみ食いでもしようと干し果実か何かを探しにきたのだろう。 そっと暗闇に紛れて背後から近づき――荒縄で首を絞めた。)
アノー > (「ぐえ」というカエルが潰されたときのような声を残し男を気絶させる。そのまま口の中に麻酔薬を放り込み、服を剥ぎ取ると煙草がポケットに突っ込まれているのを見つけた。これ幸いにと此方も回収。その後兵士を木箱の中に放り込み蓋をした。厳重に上から木箱を2つほど重ねて奥にやっておく。願わくは死ぬ前に見つけてもらえ、と適当に流し服装を整えた。 これで格好は難民からティルヒア軍兵士となった。どうやら現地雇用された者らしい。 そのまま倉庫から出ると、煙草に火をつけた。) ・・・まずいな。銘柄はブラットか。安物だな。 (溜息混じりに一服を楽しんだ後、作戦本部施設へと入った。湾岸都市――といっても数多くある前哨基地のひとつで元々は軍港を兼ねていた場所ではなかったらしく民間の文化が目立った。特にオエリエンタルな雰囲気はエキゾチックなものを感じる。よくわからなんが。 とはいえ、この場合必要なことは『軍の施設ではない』ということだ。つまり村長宅や公民館などを接収し軍が使っているということだ。自然、建物内部は侵入者を警戒したつくりになっていない。隠れるところも多く、細く長い廊下などもない。すぐに目的の航海士の部屋は見つかった。)
アノー > (航海士が詰めている部屋を見つけるとアノーはノックをして丁寧にドアを開けて敬礼した。) お疲れ様です! 参謀長より海図を持ってくるようにと命令を受けまして参りました! (年の頃は30代でも新人は新人である。直立不動の敬礼でまじめな性格であるという変装を行う。 航海士立ちはあれやこれやと部屋の中をめまぐるしく動き回っていた。海図の更新だけではなく、島の全周囲――つまり多方面から攻められた場合の海図作りに忙しいのだろう。 その中の一人の航海士が近づき「どこのだ」と聞いてきた。) 南――オリアーブ海のものです! ( 直立不動のまま応えた。あやうく南海と言ってボロを出してしまうところだったのを修正した。 やや怪訝そうな顔をされたが、今や難民や傭兵で人種の坩堝と化しているせいか深くは怪しまれなかった。「ほらよ、急いで持って行け」と手渡された海図を手に入れるとアノーはすばやく敬礼し退室した。これで目的のものは手に入った。後は主戦場から脱出し、難民に再び紛れ込むだけだ。)
アノー > (都市内部を歩きながら駐屯する部隊を横目に大通りを歩いていった。) ――魔族が関与しているという噂だが・・・ (その真偽を今確かめる必要はない。遠めに見た部隊は人間が多いように思えたが、人間に化けているだけかもしれない。大通りからあらかじめ決めていた裏路地に入り、人気のないのを確認するとゴミ箱から難民扮装用の洋服を取り出し、着替えた。兵士の服はそのまま丸めて荷物としてとりあえず次の目的の場所目掛けて裏路地を歩き出した。 ) ・・・・ ( そこは裏路地にある小さな広場だった。かつては洗濯物などを干していたのだろう、干し縄がいくつか張ってあるのがわかる。中央には井戸。そこで再び人気のないのを確認すると、アノーは兵士の服を使って焚き火をこしらえた。 ばちばちと薪が爆ぜる音を耳にしながら煙草に火をつける。焚き火の中の兵士の服が燃えつきた頃を見計らって今度は匂い袋を中に放り込む。 焚き火の煙にそって匂い袋は空にあがり、その人間が嗅ぎ取るには若干難しい香りを伝書鳩の元へと届けた。 場合によっては煙に色をつけることもあるのだが、今回は怪しまれると困るので匂いという手段をとった。 )
アノー > (海図をくるくると丸め、紐で結わう。そしてそれをやってきた伝書鳩に――) ジョンめ。力をいれてるな (今回空を飛んでやってきたのはタカだった。ぴぃと鳴く事が無いのは訓練されているからだろう。タカの運用はナナシでもめったに使わない高級伝書方法の一つだ。素早く体力もある。オリアーブ海を越えるぐらいはできるだろう。) さ、これをジョンに持っていけ (ジョン。ジョン・ドゥ。ナナシ部隊の情報支援班隊長。実質ナナシ部隊の運用などを一手に行う男だ。そいつの愛用しているタカを使っての情報運搬となるとそれだけに今回の作戦に力をいれているのがわかる。タカの足に海図をくくりつけると頭を撫でてやってから空に放った。タカは青空に吸い込まれるように瞬く間に小さくなり、海のほうへと向けて飛びだって行く。 )
アノー > (これで任務完了である。海図はこれで王国軍のオルヴァ・フォンロークの元へとジョンを通じて届くだろう。) ・・・さて (愛用の煙草の一つである『幸運的中』を吸いながらアノーは空を見上げた。) 次は戦力調査か。――軍に潜り込むのが手っ取り早いか (それも今回のようにではない。兵士としてティルヒア軍に潜入する。外から軍の動きを見て報告することも出来るが、それだけではその戦場のことしか分からない。その基地の戦力。例えば今いる湾岸都市の戦力ならばすでに下調べは済んでいるが、他の都市にどれだけいるか。全体としてティルヒア軍はどの程度の規模なのか。寝返りを希望している諸侯はどこなのか。魔族とのつながりは本当にあるのか? そして――) なぜ、結界を解いたのか、だな (実質、ここは魔族の国と成り果てたのかもしれない。そう思いながらアノーは『幸運的中』を踏み消し井戸水で焚き火を消してから歩き出した。) 詳しい内容はやはり軍に潜入だな。間諜として (そう呟いた。次のアノーの活動は決まった。あとは難民からティルヒアの教えに感銘を受けたとか王国の悪政苦しんだとか理由をつけて兵士に志願するしかない。) ま、こことは別の部隊に、だがな (ここでは顔を見られているし海図を盗まれたと分かったときに疑われてしまうから。そっと難民に紛れ込み、アノーは活動を再開した。)
ご案内:「オリアーブの主戦場」からアノーさんが去りました。<補足:@まるで旅人かなにかのような格好>
ご案内:「荒野アフリークの主戦場」にグスタフさんが現れました。<補足:ティルヒア軍を率いる老将。老齢にも関わらず指揮能力は衰えない>
グスタフ > 荒野アフリークの一角、渓谷。
グスタフは苦労して王国軍の一部をここに誘い込み、そして反撃に出る。
ティルヒア軍は急造で、指揮系統もはっきりしていない。彼への兵の信頼を利用して統率しているが、王国騎士団と当たるのはもう少し後の方が良い。
「良し、あとは料理するだけじゃな」
満足気に頷くと、狭い渓谷にひしめき合う王国軍に向け、一斉に矢を浴びせる。
満足に動けない彼らがひるんだ所で、騎馬を先頭にした突撃。やがて彼らは総崩れになる。
「深追いは厳禁じゃ。ここが敵の土地である事を忘れるな」
敵か。
自分の言った言葉の意味をかみ締め、老将は感慨にふける。
グスタフ > かつて王国軍を指揮していたこの身が、今では叛乱軍だ。
しかも、初戦の勢いは失われ、戦線は徐々に後退している。
こうして局地的な勝利を重ねているが、それで戦略的不利を覆せるわけでもない。
「――やれやれ、こんな事、若いのにやらせるわけにもいかんのぅ」
嘆息しながら敵の掃討を命ずる。
その敵はといえば、つい先日までの戦友だった。簡単に割り切れるものではない。
だが、老将は自分の役割を放棄しようとはしなかった。
いずれこの下らない叛乱が終わった時。
どうしても、責任を取る人間が必要になる。
グスタフ > グスタフはその時の為に生きていた。
王国への最後の奉公だ。
争いの禍根を残さぬ為、彼は生贄の羊の役割を買って出るつもりだ。
そして……
「何の為の叛乱、何の為の戦、何の為の血なんじゃ」
ここには居ない、「彼女」に問いかける。
返事は当然無い。
だが、グスタフは構わなかった。それがどんなに不可能な事だとしても、「彼女」……ティルヒア女王を生かす。それが、彼のもう一つの目的だ。
グスタフ > その時、彼方から鬨の声が聞こえる。
どうやら王国軍が苦境にある友軍を救う為に援軍を繰り出してきたらしい――思う壺だ。
「右翼後退、敵を引き込め。合図をしたら伏兵は矢を射かけるんじゃ」
冷静な指揮と同時に、兵がグスタフの手足の如く動き、敵の援軍を同じように隘路へと推し込める。
地形を利用し兵の数の差を埋める。グスタフの得意技だ。
「逃げたい奴は逃がしてやれ。こんな戦で命を落とすのも馬鹿らしいからのぅ」
実際、捕虜を取る余裕も無い。
本来なら皆殺しが妥当なのだろうが、グスタフにそのような思考は無かった。
憎悪を煽っても、王国が傷つくだけだ。
グスタフ > この日、グスタフの指揮で王国軍は敗北を喫した。
だが、動乱はまだまだ序盤。
この戦いも、本格的な戦闘の前の前座に過ぎなかった。
ご案内:「荒野アフリークの主戦場」からグスタフさんが去りました。<補足:ティルヒア軍を率いる老将。老齢にも関わらず指揮能力は衰えない>
ご案内:「荒野アフリークの主戦場」にシドさんが現れました。<補足:分厚い漆黒の全身鎧。兜の隙間から銀髪が覗いている。>
シド > ティルヒア軍の鬨の声で震える渓谷。司令官は既に逃げ果せたのか、命令無き軍勢は蜘蛛の子を散らすかに渓谷を後にする。
急増の軍所以か、老将の静止の声があったにも関わらず幾許の騎馬が追走に出る。
戦争の勝利でも満たされぬ凶刃は今にも逃げ遅れた兵士の首に掛かろうとした最中、一機の騎馬がそれを阻む。
馬上での槍を何合か打ち終え敵兵を落としたものは漆黒の鎧を纏うマグメールの貴族。
兜の目庇をあげて遠い渓谷の上の敵軍を睥睨する
「やるじゃないか。ただの反乱軍だと思っていたが、敵将はまともな奴がいるな。もう少し早ければご尊顔を拝めたものの。
――皆聞け!これより敗走する軍の殿を務める。逃げ果せるまでここを動けると思うな。」
叫ぶを待ったかのように飛ぶ矢尻を盾にて弾き、貴族に追従する騎馬が追手の馬群に何度もぶつかりゆく。
シド > 勝ち戦の流れに乗ってるとはいえ、統率に従わぬ愚かな軍勢。方や遅れて参戦し気力精神ともに充実した騎馬隊。
決着は刃を交える前から分かっていた。
追走する軍勢を横槍に何度も掻き回し、散り散りとなった所で1人1人打ち倒す。
騎馬が走る所で軍勢は乱れ、騎馬が止まる所に血が舞う。対には押し返して刈り取ろうと貴族の槍が次々に葬る。
最期の悪あがきと突き出された刃、首筋に鋭い風を感じながらも馬上で身を反転させて突き倒した。
敵軍の撹乱、各個撃破――それに忠実に従う貴族に敗走戦は分があった。
「深追いはするなよ。渓谷に入れば矢の雨を受ける。
――それにしても、つまらんな。戦争の基本しかしてないのに。
これほど歯応えがないとは。やはり将軍があっての、軍の力か。」
思い耽るは地形を利用した敵将―― 己が指揮官ならばあの場で勝利に花咲かせただろうか。
そんな思惟をするほど、余裕も、滾る血も抑えきれない。
再び此方に向かいゆくティルヒア軍の追走に銀の髪波を荒野に靡かせながら馬を走らせる。
シド > 四刻ほど経ったとき、騎乗する馬の息が上がっていく。
幾度もぶつかりあったティルヒア軍は、視認できるほどばらばらに……武器も投げ捨て渓谷へと走り去っていく。
潰走に近い……と見積もる葡萄色は背後にと再び纏まりつつある自軍を一瞥してから馬を反転させ。
「王都に帰還する。」
もう少し戦いたい……が傭兵率いる麾下の軍だけではあの渓谷にたどり着くのも困難。
兜脱ぎて額に張り付く髪を獣の如く振り払いて、清涼な空気に晒しながら貴族の軍勢もまた撤退していった。
ご案内:「荒野アフリークの主戦場」からシドさんが去りました。<補足:分厚い漆黒の全身鎧。兜の隙間から銀髪が覗いている。>