2015/12/17 のログ
ご案内:「◇“堅実なる街”フラ=ニス」にリナーシェさんが現れました。<補足:男/12~14歳程度/黒い猫耳尻尾のミレー族。>
リナーシェ > 街全体をぐるり、取り囲むように建造された強固な城壁。
建造された目的を果たすことも無く長い時を平穏に過ごしたかと思えば、この短期間の間に役目を得て、また苛烈なひとときを過ぎた今は静けさを取り戻しつつある街……まだ爪痕の生々しさも残る有様を見下ろしてから、オリアーブ海へと身体ごと向き直る。
城壁の天辺、最も高い位置に設けられた通路は天井もなく吹き曝しで。

「…はふ。寒いなあ……」

吐き出す息も白く靄がかる。
両手に吹きかけ、摺り合わせながら黒々と夜の更けた海を見渡すのは警備としての依頼を受けてのこと。
猫科の暗視能力と身軽さを活かし、何かあればすぐに連絡・対応するようにと言うそれを引き受けたのはいいけれど、この時期の潮風は身に沁みる。

リナーシェ > もちろん自分だけが見張るわけじゃない。他にも冒険者や傭兵による臨時の見張りもいるし、元々役割を持つ兵士もいて巡回しつつの交代制だからみんな同じように寒いわけだけど。

「それでもー、寒いものはさむいわけでー……うう、交代までどれくらいだっけ…」

フードをかぶり、マントで身体を包むようにしつつ、冷たい指を絡ませて。暖を取ると言うか寒さに頑張って抗いながら、時間の経過を待ちわびる声音。
ティルヒアの軍勢を押し返し、オリアーブ島へと攻め込んでいる現状は最早大勢も決し、あとは時を待つばかり……と言われているし、それ自体は自分も疑うところはない。
だからって警戒を解いていいわけじゃないし、まだなにか…なにか、はっきりしない予感がある。だからこうして依頼も受けているのだけど。

「…ひぅ」

勢いが強いとまでは言わないものの、マントの裾をめくるような一陣の風は冬の寒さを乗せた潮風。
黒い猫の耳と尾の毛がぞわぞわ逆立つような寒気が走って、城壁の縁を囲う壁に身を隠すよう屈み込んだ。
なんていうかもう寒くって、誰か来てくれたらともかく抱き着きたいくらい。