2015/11/30 のログ
ヴィヴィ > 裏通りとは言え、人の気配が全くないわけではなく、建物の壁に凭れて座り込んでいる者や、俯いて力なく歩いている者もいる。
だが、その誰もに覇気がない。
疲れているのだろう。戦争に。
そんなことを思いながら角に差し掛かり、どん、と鈍い衝撃が走る。
ぐらついて、数歩後ずさることとなる。
見れば角から走り出てきたらしい男が自分を見ていた。
にたにたと、下卑た笑みを浮かべて。

「すまな……ごめんなさい」

一応は潜入している手前、あまり目立ちたくはなくて、下手に出た。
しかしそれが悪かったのか、男は高圧的に詫びるなら態度で、などと言い出し。
あまつさえこちらへ手を伸ばしてきて。
戸惑った振り、あまり上手くはない演技をして、踵を返し走り出した。

ヴィヴィ > 裏通り、十字路を曲がり、細い路地に入り、男を撒こうと闇雲に駆けた。
目的は、どうやら果たせたらしいが、結果として。

「……迷った」

困り顔で辺りを見回してみても、目印になりそうなものはなく。
ため息を吐いて恐る恐る歩き出す。
立ち止まっていても状況は改善されないことだけは確かだから。

ヴィヴィ > 「まったく、何をしているんだ。私は……」

自嘲するように呟いて、その場を後に。
出来うる限りの情報収集をして、仲間と合流してフラ=ニスをも立ち去るのだろう。

ご案内:「◇“堅実なる街”フラ=ニス」からヴィヴィさんが去りました。<補足:銀髪、碧眼、古びたワンピース>