2015/11/22 のログ
ご案内:「◇“堅実なる街”フラ=ニス」にイリーナさんが現れました。<補足:女/23歳/銀髪/赤眼/一際目立つ赤コート/黒のスパッツ/ハイソックス/ブーツ>
イリーナ > (開戦から約一週間。 ティルヒアによる電撃的な侵攻により侵略されたフラ=ニス。
王国側の反撃により、今は奪還したものの――。)
戦争の爪あとって、やつね。
(補修が間に合っていない家屋、放置されたままの残骸――。
かつては活気のあった大通りも今は面影なし。
談笑しながら行き会っていた市井の人々は、いまや軍服や鎧を纏った荒くれ者たちにとってかわっていた。)
まったく、仕事とはいえ――。
(王都で受注した「格安」の依頼。
家財を失いながら避難した女性からの頼みは――。
よれよれの紙に記された住所へと歩みを進めていく。)
イリーナ > ……ん。
(ここ、か。 と女の歩みが止まる。
崩れた家屋、とこどころ焦げているのは火矢を浴びたのだろうか。
その中で鎮座するカウンター席、斜めに倒れかけている階段。
中身が空となった壊れた酒樽に、日を反射しているガラス片。
在りし日の賑わいを感じさせる残骸に女の息が重く吐かれた。
足元に転がる小さな看板を拾い上げてその表面を女の指がなぞった。
煤と砂と埃を払うと、たしかな年月を感じさせる歴史が指に伝わって。)
……しょうがないか、戦争だもの。
(とりあえず、他に無事なものはないだろうか。
廃墟の前に佇みながら視線を動かして。)
イリーナ > (小脇に小さな看板を抱えたまま。
一歩、残骸の中へと足を踏み入れる。
頑丈なブーツの靴底から伝わる感触は決していいものではない。
残骸を足で小突き、手で避けながら踏み入れたかつての店内。
下手したら物取りに見えるかも、なんて苦笑しながらまだ形が残っているカウンター席へと。)
……案外、大事にしていたものが――。
(残ってないだろうか、と期待して中を覗いてみるものの。
ケースや食器棚は略奪された破壊の跡がしっかりと残っていた。
それでもかまわず、一つ一つ引き出しを開けていくのだが――。)
イリーナ > ……ないなぁ。
(果たしてティルヒア側か、王国側か。
どちらかは分からないが目ぼしいものは既にない。
額を濡らす汗を拭いながらカウンターに腰をかけてため息を一つ。)
……まぁ、これだけでも充分か。
(脇に抱えなおした店の看板。
とりあえずこれだけでも――。と、女は店を後にした。
一度、振り返り。 小さく首を振った後で歩みは、王都へと。)
ご案内:「◇“堅実なる街”フラ=ニス」からイリーナさんが去りました。<補足:女/23歳/銀髪/赤眼/一際目立つ赤コート/黒のスパッツ/ハイソックス/ブーツ>