2015/12/15 のログ
ヴェルム > とりあえず、まずは城の上部にある女王の座所を目指すことにした。
王国兵の話を盗み聞きした限りでは結界が張られていてティルヒア兵ですら出入りできないとか。

「とりあえずその結界とやらを見に行ってみるか…」

戦闘の傷痕が残る城の奥に向かい、まずは階段を目指す。
それにしても気になるのはなぜ魔族兵がいるのか、そもそもティルヒアは魔族と敵対する地。
ならば背後にいるのは魔族の国なのかと思案しつつ、長い廊下を歩み続ければ、それまでとは違う気配を感じ取り始める。

「……やはり何かしらいるのか…」

壁が崩壊して廊下の先はとても見づらい、瓦礫を避けつつ廊下を進めばその気配はさらに増していく、当然その気配の主たちもそれに気づいているだろうが。

魔王アスタルテ > (こちらに近づく気配がひとつ。
 だがアスタルテ達は気配に気づきながらも、会話を継続している)
「無理にティルヒアちゃんの結界を潰しちゃうのもいけないよねー。
 それにあの結界、けっこー強力なものだからね」
『あれだけ強力な結界なのだから、近づく者はまずいますまい』

(辺りは大きな瓦礫が散乱している。
 そんな大きな瓦礫に遮られるため、アスタルテ達は直接ヴェルムの姿を捉える事はない状況。
 だがアスタルテがその紅の瞳を大きな瓦礫に向けると、その大きな瓦礫は一瞬にして木端微塵に消し飛んだ。

 瓦礫が消し飛んだ事によりその向こうにいるヴェルムが見えるだろうか)
『ティルヒアの上級騎士だな』
(四天王ブルートは、ヴェルムの鎧姿を見て、そう判断する。
 そしてアスタルテはヴェルムを見て、にこりと微笑むのだった。
 ちなみに、ティルヒアのいる所に向かうには、ここは通らなければいけないだろう)

ヴェルム > 気配が複数なのはわかったし、なんとなく敵意とかは感じなかったのでこちらから仕掛けるような素振りは無かった。
この瓦礫を越えたら何者かわかるか…そう思っていた矢先、その瓦礫が木端微塵に吹き飛ばされる。
さすがに驚くのは無理ない。

「都に戻ってから驚くことばかりだ…」

瓦礫が粉々になった結果、こちらを見ている複数の人…もとい魔族。
ティルヒア兵に混じっていた魔族兵ではない、もっと高位の魔族。
というかその中でも特に印象的なのは、紅い瞳を持ちこちらに微笑んでくる少女だった。

「魔族……ずいぶんと位の高い者たちのようだけど…ここで何を?」

魔王も魔王軍についても知ってはいるが、直接顔は見たこと無いし会ったことも無いため、その正体にはまだ気づいていない。
ただ明らかに普通の魔族ではない尋常ではない雰囲気に圧されそうではある。
わかりやすく警戒をして、目の前の人物たちを見つめる。
聖剣を握る手はほんのりと手汗がにじみ始める。
だが少なくとも、いきなり斬りかかるようなことはこの男はしなかった。

魔王アスタルテ > (ヴェルムからの質問に、アスタルテはわりと素直に答える)
「ちょっとね、敗北する前に旧知の仲たるティルヒアちゃんの顔を見に来たんだよ。
 旧知とは言っても、別に仲が良かったわけではなかったけどね。
 今やティルヒアちゃんは狂ってしまったとは言え、彼女はいじめちゃいたくなるぐらいにとても可愛らしいからね。
 だけど、ティルヒアちゃんに会うのは、今は無理だよ。
 この廊下を通っているという事は、君もティルヒアちゃんに用があるという事だよね?」
(壁から背中を放した。
 そして、その紅の瞳でまっすぐヴェルムを見据える)

「それで君は誰かな?
 あたしはアスタルテだよ」
(相手に自己紹介を求めて、
 自身もその魔王の名を口にする。
 魔王も四天王も、ヴェルムを警戒している様子は見せていない)

ヴェルム > 「…やはり結界が…、魔族でも通れないのか」

アスタルテの素直で享楽的な答えに少しずっこけそうになる。
たがとても貴重な情報だ、魔族でも通れぬ結界はやはり存在し、その言葉を聞く限り彼女たちもまた、ティルヒアに会えずにいるところか。
そして旧知の仲と言った、なんとなくそう思っていたがやはり女王は人間ではなくもっと高位の存在なんだろうと。

「アスタルテ…魔王アスタルテ…」

彼女の自己紹介を聞いたとき何故か納得してしまった。
それだけのオーラがあったのか、ならば周りにいるのは四天王というところか、まさかこんなところで魔族の大物に会うことになるとは。

「私はヴェルム・アーキネクト…ティルヒアの騎士です。初めまして、アスタルテ殿」

こちらとは逆に全く警戒していない彼女らに自己紹介し、平凡な顔立ちの騎士は軽く微笑み、挨拶をする。

魔王アスタルテ > 「あははー♪ そういう事だよ。
 だから、今ティルヒアちゃんに会いに行くのは諦めた方がいいかな。
 君もティルヒアちゃんの配下なのだから、何かしら思う事はあるんだろうけどね」
(アスタルテはどこか愉快気に笑う。
 まあ結界を破壊出来るかどうかも試してはいないけどね。
 “旧知の仲”という僅かなヒントしか与えていない中でティルヒアの正体をどう推測するかは、彼次第だ。
 最も、アスタルテが直接ティルヒアの正体を明かす事はないだろう)

「始めましただねー、ヴェルム。
 こんな戦況化で、多くの兵がティルヒアから離反している中で、君はまだ騎士として女王ティルヒアに忠義を示しているんだね。
 それで、女王ティルヒアに謁見を求めて、君は一体何をするの?」
(アスタルテはきょとんと、無垢な仕草で首を傾げる)

ヴェルム > 「そのほうがいいのかもしれない、元々会えると期待はしてないし。
ただ、一応見ておこうと思ってね」

こちらを騙す必要は魔王にあるとは思えない、しかし遊ぶつもりかもしれない。
ようは疑うつもりはないが信じるつもりもないということで。
もちろん自分自身結界を破れるなんて思ってもいないが。

「…それはごもっとも、自分も何でこうなっちゃったんだろって思ってるよ。
ここに来たのはティルヒア様の真意を問うため…そしてもう一つ、その結界の中にティルヒア様以外にも誰かいるんじゃないかと思ってね。」

ティルヒアから離れて初めて感じた疑問、ティルヒアの変わり様には別の誰かが影にいるのではないか、そう思っている。
確証があるわけではない、その確証を得るためにここまで来たのだと。

魔王アスタルテ > (騙す意図は一切ないし、ティルヒアの結界が強力なのもまた事実。
 遊ぶ事を意図しての発言ではないが、アスタルテが魔族でありヴェルムの立場からして信用できないのは至極当然と言えるだろう)
「そっかぁ。
 まあ、君自身が結界をちゃんと確かめるのが一番納得する方法だよね」
(少なくとも、アスタルテの言葉以上には信頼できる情報になるだろう)

「君は、女王ティルヒアを信頼しているわけだね。
 それで、その結界内にいるティルヒア以外の“何者”かが、女王を狂わせた黒幕。
 つまりは、そう推測しているわけだね?」
(アスタルテが良く知る神話時代のティルヒアから随分と変貌を遂げていた。
 その変わりようからしても、何者かが関与しているのは想像に難くない。
 そしてその影の正体も、神話の時代を直接知るアスタルテは大方、予想出来ている。
 だが、その予想をヴェルムに語る事はない)

「だけど、仮にその“黒幕”がいたとして、
 それは女王ティルヒア程の者を狂わせた存在だよ。
 君がその確証を得たとしても、今の状況を変えられるとはとても思えないね」
 

ヴェルム > 今のところ、アスタルテの存在は信用できるものではないが、子供っぽい語り口調でこちらの真をついてくる。
感覚的には、彼女のことを好意的に捉えていた。

「うん、改めて言われるとこそばゆいけど、その通りだ。」

こんな馬鹿馬鹿しいことを考えているのは自分くらいだと、そう思っていたくらいだ。
だが続くアスタルテの言葉にそれは確信に変わりつつあった。

「ティルヒアちゃんとは呼ばないんだね、ずいぶん真面目に警告してくれるあたり、概ね当たってたのかな…。
確かにティルヒア様を誑かすくらいだ、どうにもできないかもしれない。
ただ、こんなことしてくれたお礼はしたいし…死ぬとしても一発くらいは殴りたいと思う。」

ティルヒアの騎士というより、人として許せんといったほうがしっくりくるかもしれないことを言う。
少なくとも、正体を暴くことで状況は変わるかもしれない。
そしてこの魔王は何か心当たりがあるのではないかという思いも同時に抱いた。

魔王アスタルテ > 「絶望の縁に立たされて尚も主君を信頼し、その忠義を示すために自分に出来る事を成す。
 女王ティルヒアの家臣としての君には、敬意を称するよ」
(それはティルヒアと同じく、“王”としての言葉だった。
 言葉だけではない、本心からの賛美。
 彼のような義理高き者は、アスタルテも嫌いではなかった。
 そんなヴェルムの行いを馬鹿馬鹿しいとは思わない。だが、やり方次第では無謀だとは思うぐらいだろうか)

「それはどうだろうね」
(概ね当ってた、という言葉を誤魔化しているような言葉に聞こえるが、
 その誤魔化し方は、ヴェルムに当りである事を遠回しに示すようでもあった)
「それは本当に、一矢報いる事も叶わずに返り討ちにあうかもね。
 ただ君が殺されるだけで、ティルヒアも助からず、全てが終わる。
 そうなっても……君は構わないの?
 それが本当に、君が望んだ事?」
(アスタルテは首を傾げて、ヴェルムに問うてみる。
 結界が破られるとは思わない。
 だが何かが間違って、ヴェルムが“黒幕”と対峙しないとも限らない。
 アスタルテは直接ではないが、暗にヴェルムを止めている。
 この男を今死なせるのは、少々もったいないからね)

ヴェルム > 「僕には勿体無い言葉だ、魔王アスタルテ…でもありがとう、嬉しいよ」

ティルヒアの騎士が魔族の王に敬意を称されるなど、しかし悪い気はしない。
寧ろ今は何より暖かく嬉しい言葉だった。
緊張がほぐれたような柔らかい表情で笑い、彼女に礼を述べた。

「…あぁ、きっと触れることも叶わず消されるだろうな…。
ティルヒア様と共に死ねるなら本望…なんて言わないけどさ、
一人で逝かせるわけにもいかないし。」

軽い言葉で言う。
死ぬのを望むわけではない。
それでも強い力を持ったティルヒアをただ一人孤独の中で逝かせるのはやはり忍びない。
どうせ最期なら、そのときくらい一緒に居て差し上げるべきと。

「止めてくれてるんだろ?
でもやっぱり行きたいんだ…。
まぁ結局何もできず戻ってくる可能性のほうが高いけどさ。」

けらっと笑って歩みを再開する。
廊下に立つ魔王と四天王の間をすり抜け、その先にある結界のある場所へと進むことになった。

ご案内:「◇“千年の女王の都”ティルヒア2」からヴェルムさんが去りました。<補足:黒髪/ティルヒア上級騎士鎧/ティルヒア紋章入り外套>
ご案内:「◇“千年の女王の都”ティルヒア2」に魔王アスタルテさんが現れました。<補足:外見10歳、身長130cm。黒いワンピースを着て、悪魔の翼を生やす魔王。四天王を引き連れている。>
魔王アスタルテ > (ティルヒア城内の廊下。
 横をすり抜け、通り過ぎるヴェルムを魔王と四天王は見守る。
 強く覚悟するヴェルムに、アスタルテはそれ以上何も言わなかった。
 この先にいるのは、ティルヒア。
 そこには強力すぎる結界が張られている)

「神龍ティルヒア。
 君とは懐かしき神代からの仲だったけど、
 ヤルダバオートにより穢されてしまった君の行く末を最後まで見守らせてもらうよ」
(アスタルテは、四天王にすら聞こえない小さな声でそう呟いてみせる。
 アスタルテが見つめるその先、そこにティルヒアがいた。
 それを見ていたアスタルテの表情はどこか儚げなようにも見える)

ご案内:「◇“千年の女王の都”ティルヒア2」から魔王アスタルテさんが去りました。<補足:外見10歳、身長130cm。黒いワンピースを着て、悪魔の翼を生やす魔王。四天王を引き連れている。>
ご案内:「◇“千年の女王の都”ティルヒア2」に魔王レヴィアタンさんが現れました。<補足:チューブトップのような露出度高い服装。>
魔王レヴィアタン > 倒壊する前は良い景観だったのだろう、背の高い塔の屋根の上に腰かけていた。
町並みを見下ろす。すっかり見る影も無い。

「……中々見ごたえもあったが…これにてお終いかねぇ」

ふぅん、と小さく鼻を鳴らして城を見遣る。
緩く瞳を細めて笑う。

魔王レヴィアタン > 「……ま。諦めてないのがいるってのは中々、見てて面白いけどね」

言いながら視線を投ずるのは、とある路地。
王国軍とティルヒア軍が一戦一退、攻防を繰り広げる。
目につくその闘志やら、戦いぶりを可笑しげに見つめる。

「船に帰った時の良い土産話になりそうだ……」

ふと、手に何か触れた。
瓦礫の欠片を拾い上げ、それを見つめる。
興味無さそうに眼下、町並みへとそれを放った。

魔王レヴィアタン > 「……さて、そろそろ帰らにゃ」

部下に小言やら何やらを言われるのは避けたい。
ゆっくり立ち上がれば、屋根の上のバランスも気にせず伸びをして。

「……最後の最後まで、せいぜい足掻くと良いかもねぇ」

そう言って笑えば、ひょい、と飛び降りた。
あとはただ闇に溶ける―――

ご案内:「◇“千年の女王の都”ティルヒア2」から魔王レヴィアタンさんが去りました。<補足:チューブトップのような露出度高い服装。>