2015/12/17 のログ
魔王アスタルテ > (異世界の存在。
会うのはタマモが初めてではない。
魔族の中にも、《冥軍》と呼ばれる異世界の技術を扱う者達がいる事も知っている。
というより、《冥軍》とアスタルテの《魔王軍》は《大罪》と呼ばれる同盟関係にある)
「それで、タマモちゃんはング=ラネク山の魔術鉱石の事もよくは分かっていなかったんだね。
タマモちゃんのいた世界って、どんなだった?」
(アスタルテはきょとんと首を傾げて、そんな質問をしてみる)
「そっかぁ。召喚事故に、不運にもタマモちゃんは巻き込まれてしまったんだね。
そうなると……タマモちゃんは、元の世界に戻る方法とかはどうしてるの?」
(召喚事故。
事故と呼ばれるだけにやはり危険な一面もある事をアスタルテは知っている。
例えば召喚獣がこの世界に顕現されたまま、元の世界に戻れなくなってしまうリスクなどが該当する)
「あたし? そうだね。
ティルヒアとはちょっと古い付き合いなんだよ。
決して、仲が良いとは言えない関係だったけどね。
だけど、そんなティルヒアの最後をあたしは見届けようと思うの」
(はっきりとは語らない。
ティルヒアの正体は、この場では伏せていた。
だがアスタルテの語る事は、真実でもあった)
「やっぱり、君も嫌な予感がしているんだね。
君の嫌な予感通り、きっと何かが起こるよ。
あたしは、それを強く感じてる」
(古く懐かしき“あの時代”以来の光と闇がこの島で震え始めている。
アスタルテはそれを強く感じ取っていた)
「タマモちゃんもまた、危険を承知で“真相”を知りにいくわけだね。
随分と前にも、ティルヒアが狂ってしまったその“真相”を確かめたいと覚悟を決めた勇敢な者がここを通ったね」
(タマモ程の者ならばと思う反面、やはり何かが間違って“黒幕”が彼女に何かしらする可能性を否定しきれない。
それ故にアスタルテは、大切なタマモを気にかける)
タマモ > 「仕方の無い事じゃな、そもそも妾の世界で魔術鉱石なんてものは見た事も聞いた事もないのじゃ。
…もし存在しておったとしてもな?
さて…答えるになかなか難しい質問じゃのぅ…?
妾自身、妾の世界すべてを知っている訳でもない。
だが、そうじゃな…どうしても知りたいならば、次の機会にでも見せてやろう」
口元に手を添えて難しそうな表情。
言葉の通りすべてを知る訳で無いのもあるし…口で説明するのが苦手なのだ。
なので、今でなくとも次にでも、見せる事を約束しておいた。
…準備してある着物もあるのだから。
「まったく不運過ぎるといったら…本当にのぅ。
あー………とりあえずは王国側の伝手も出来たし、そちらに留まりつつ手探りといった感じじゃ」
少女が考えていたそのままが己の現状だった。
しかも、呼び出した者はこの戦で行方知れず、という最悪の状況。
呼ぶ為に何をしたのか、といった本当に初歩の初歩から探さねばならぬ状況である。
本当に困ったものだ。
「ほほぅ…魔王であるアスタルテと知り合いなのじゃな?
………ちょっと…そうか、ちょっとか…むむむ…
まぁ、知り合いであるならば…そういうものなんじゃろう」
人間ではない、魔族でもない、この地で見たどういった者達とも重ならぬ存在だったのを覚えている。
魔王との知り合い…となると、同じ何かの王とか、神とか…そんな感じなのだろうと考えた。
ともあれ、種族は関係なく知り合いというのだから…気にするのは当たり前なのかもしれないか。
「うむ、そうじゃな…あの大きな湖に、何かが飛び込んだ辺りからのぅ?
…それが原因やもしれぬが、違うかもしれぬな。
何が起こるのか…さすがに、遠い先を見る事は出来ぬ、残念な事じゃ」
この世界の出来事は、まったくといっていいほど疎い。
長い年月を生きていようと、それは別の世界の話。
過去に同じような事があろうと、知る事はなかった。
「…心配してくれておるのかのぅ?
ふふ…確かに知りたいが、無理はせんつもりじゃ。
ちゃんと引き際程度は見極めてみせよう…あわよくば解決じゃがのぅ?」
ふふんっ、といつもの偉そうな態度。
そうは言っているが、つい先日無茶をやらかしたばっかりである、反省を生かせるかは謎である。
気にしているのだろうか?そう感じれば、そっと手を伸ばし髪を梳くように頭を優しく撫でた。
魔王アスタルテ > 「元の世界になかったものは、アンノウンにもなるよね。
あたしも未知の世界に飛ばされちゃったら、知らない事だらけになっちゃうよ。
そっかぁ。難しい質問しちゃってごめんね、タマモちゃん。
やっぱりあたしも、異世界に関しては興味ないなんて事はないんだよね。
それにあたしの大切なタマモちゃんの世界だから、気になっちゃうんだよ。
まあさすがに、自分の住んでいる世界だからと言って、全てを知るのは難しいよね。
あたしも、この世界について知らない事……どれぐらいあるのかな」
(世界は広大であるが故に、その全てを知りつくすのは難しい。
どれだけ永く生きようと、それは変わらぬのだろう。
アスタルテは今日初めて、タマモににこりと笑顔を見せる)
「分かったよー。それじゃあ、タマモちゃんの世界が見られる事を楽しみにしてるねー。
着物も楽しみにしているからね!」
(今はじっくり、タマモの世界を見る状況でもない。
なので次の機会をアスタルテは楽しみにする事にした)
「王国には優秀な魔術師も多くいるから、何かしらの帰る手掛かりは見つけられるかもしれないね。
そうなると、あたしもタマモちゃんが召喚されたフロアに向かって調べてみるのもいいかもしれないね。
もしかしたら、何かしらの手掛かりが見つけられるかもしれないよ」
(アスタルテは強大な魔王。
当然、魔術にも大賢者なんかより深く精通している。
どれだけ僅かな痕跡でも見逃す気はないけど、はなっからそのフロアに痕跡が一切残ってないなら、徒労で終わるかな)
「そうだよ、“魔王”のちょっと古い知り合い。
思い返すと、随分と懐かしく思えてくるね」
(アスタルテは懐かしむ様に天井をしばらく見上げていたが、
すぐにタマモへと視線を戻す)
「一体……何が起こるんだろうね。
あるいは、多くの者が予感するだけで、実際は何も起こらないのかもしれない。
タマモちゃんは、そんなところまで把握しているんだね。
そうだね、ヤス湖に“何者”かが飛び込んで、それから都はさらに奇怪な空気に包まれた。
そういえばタマモちゃんは、この地で力が発揮し辛かったりはしないの?」
(旧き神の加護により、人間は力を増し、逆にアスタルテのような魔族からは力を奪っていく。
ならば、目の前のタマモはどうなのだろうか?)
(タマモが引き際を弁えると聞いて、アスタルテは僅かに微笑む)
「そりゃ心配だよ。タマモちゃんは、あたしの大切な友人だもん。
タマモちゃんの身に何か起きちゃったら、あたしだって悲しくなるんだよ。
だけど、ちゃんと引き際を見極めてくれるなら、ちょっと安心かな」
(そして、解決という言葉にアスタルテは愉快に笑ってみせる)
「あははー♪ タマモちゃんがもし解決に導いたとしたら、今や穢されてしまったティルヒアちゃんも少しは報われるのかな」
(アイオーンに生み出されし“神”ティルヒア。そんな彼女が魔王たるアスタルテと友好なはずもなく。
だが、同じ時代を共に生きた“強敵(とも)”の最後が報われるのならばそれもいいかな、とも考える。
タマモに頭を撫でられれば、アスタルテはだんだん無垢で無邪気な表情に変わっていく。
そして嬉しそうに、笑みを浮かべるのであった)
タマモ > 「うむ、まぁ…それはそれで知る楽しみは増えるんじゃろうが、妾は深く考えるのはどちらかと言えば苦手なのじゃ。
いや、妾とて知ろうが知るまいが聞きたい事は山ほどある、気にする事なんぞないからのぅ?
それでも、知って何があるのかと思うておったのもあるのじゃ。
すぐに戻れそうであるならば、だったんじゃが…こうなると、色々と知るのも良いやもしれん、と思えだすのぅ」
下手をすれば、戻るどころの話ではない。
そうなれば、必然的に知らねばならなくなる。
己の世界以上に異世界に詳しくなるとか、それはそれで…考えさせられるもので。
「…あんまり期待し過ぎても困るからのぅ?ある程度でよい、ある程度で。
うむ、そちらは楽しみにしておるが良いぞ?」
果たして自分の選択はどうだったか…そんな不安が少しはあるも、にこーっと笑顔を返しておいた。
「そうなんじゃがのぅ…その優秀な魔術師様が、おいそれと動いてくれるか…と問われれば、難しい話じゃがな?
おぉ、手伝ってくれるならばありがたい話じゃ。
何せ些細な事でも見付かってくれねば何も無い状態じゃからのぅ」
正直、魔法の何の知識もない自分が言ったところで何があるとも思って無かった。
それを知る者が向かってくれるなら、それはとても助かる。
が、すでにその場所は痕跡一つ残らず破壊されているのを知るのは、もう少し先の話だろう。
「妾のちょっとと、アスタルテのちょっとの感覚が同じならば、どれ程救いがあるものか…
………あぁ、いや、気にせんでも良いからのぅ?」
ふ…と少し遠い目。
ちょっと、と言うものの、随分懐かしく思えて…の辺りでとてもよく理解出来た。
「何も無ければ越した事はないが…こうも誰しも気付いているとなると…何も無いのは望めぬじゃろうな。
妾が把握したのはここ最近じゃ、その…ヤス湖?とやらでちと見てきたからのぅ?
さてはて…人間には力を与え、魔族の力は奪う、じゃったか?
妾の本質は狐じゃからのぅ…これといった変化はないようじゃ」
不思議な感じを受けて、何か変わったような気がする事が一応はあったのだが…色々と試し、何もない事が分かっている。
こういった状況に対する強みとも言えなくもない。
「むむむ…そう言われてしまうと、尚更気を付けねばと思ってしまうのじゃ、不思議じゃのぅ」
とはいえ、どこまでをもって無茶というか…それも難しいところなのかもしれない。
そんな事を考え、また難しそうな表情を浮かべた。
「ふふんっ、何をして解決とも分からぬが、出来ればめっけもん程度で良いのじゃ。
…いやいや、報われるってまだそこまで何かあったと決まった訳でもないんじゃからのぅ?
案外、何事も無かったかのように戻ってくるやもしれんではないか、ん?」
魔王との知人、そんな相手がどうとかなっている状況だ。
はてさて、自分で何とか出来るのか…まぁ、うん、難しいだろうなと思う。
そして、穢されたティルヒア、に対しては…狂っていく様子を近くで感じていたのだ、分からない訳がない。
それでも、戻る可能性も皆無ではない。
もしかしたら…という可能性も考えつつも、自身もそれは無いだろうと思いながら伝える。
撫でれば機嫌良さそうになっていく少女。
最後にぽんっともう1度頭を触れてから、手を離す。
とりあえず…あれだ、まずは自分が呼び出された部屋へ向かおう、と。
付いて来てくれるならば、一緒に向かうだろう。
来るにせよ、来ないにせよ…それからしばらくもせず、城内に悲痛の叫び声が木霊するのであった。
魔王アスタルテ > 「知る楽しみが増えるっていうのは、楽しい事ではあるよね。
タマモちゃんを召喚したティルヒアの者達の結末はちょっと悲惨なものだったかもしれないけど、
だけどこの世界も素晴らしいところはいっぱいあるものだよ。
あたしでよければ、タマモちゃんにこの世界を色々案内させてほしいな」
(元の世界に戻るまでの間、タマモもこの世界で暮らす事になる。
それなら、この世界で楽しい思い出をタマモにつくってほしい、アスタルテはそう思う。
嫌な思い出を残して元の世界に帰っちゃうのは、とても悲しい事だからね)
「だって、タマモちゃんの世界だもん。
期待に胸を膨らませたりもするよー」
(タマモの世界って、どんな素敵な所なんだろう。
やっぱり、東方の国と近い雰囲気だったりするのかな?
何にしても、楽しみでたまんない!
アスタルテは、瞳を輝かせるのであった)
「あー、そうだよね。
王国の魔術師が、タマモちゃんに協力的とは限らないよね。
それじゃあ、一応タマモちゃんが召喚された部屋を調べてはみるけど、正直期待薄かな……ごめんね。
今のところ、ここから先のフロアで、召喚魔術の痕跡なんて感じ取れないからね。
そうは言っても、その部屋が数少ない手掛かりなんだし、そこ自体は念の為隅々まで調べてみるよ」
(アスタルテは、召喚の痕跡一つ残っていない事をこの時点で察していたが、念の為部屋自体を調べてみようとは思うのであった。
こんな放れた場所から察知しようとするのと、直接部屋をしっかり調べるのとでは言うまでもなく後者の方が確実な情報が手に入る。
タマモの救いがある、という言葉にアスタルテはにこやかに笑ってみせる)
「あははー♪ その感覚はもしかしたら同じかもしれないねー」
(アスタルテはタマモの言葉で何かを察したのか、あるいは全く察してはいないのか、
そんな言葉を返すのであった。
だが気にしなくていいと言われれば、それ以上踏み込む事もなかった)
「これだけ異質な力がこの地を包んでいるからね。
もちろん、このまま何も起こらないなんて、思えないよね。
そっかぁ。それもまた、タマモちゃんの不思議な力なわけだね。
そうだよ、魔王であるあたしも平然としているようで、実のところその力を大きく奪われているんだよね」
(特にアスタルテは邪悪も邪悪、“純粋なる魔王”であるが故に、アイオーンの力を諸に受けており、並の魔族よりもその効力が大きかった)
(そしてタマモにその影響がないと聞くと、やはり彼女はアイオーンの力には左右されない存在であると改めて把握し、納得したかのように頷いてみせる)
「だって、タマモちゃんには気を付けてほしいんだからねー」
(そう言って、アスタルテはにこりと笑うのであった)
「あははー♪ 解決と言っておきながら、その解決の具体的なプランを全く立ててないのもタマモちゃんらしいね~。
もぉ~、先が思いやられるよー。
どうかな……ティルヒアちゃんは既に逆賊に成り果ててしまったからね。
もし何事もなく戻ってきたとしても、その後はどうなっちゃうんだろうね。
だけど、タマモちゃんの言うようにティルヒアちゃんに残されている希望は皆無ではないのかな」
(結局、先の事は分からない。
タマモの言う通り、ティルヒアが戻ってくる可能性は皆無というわけではない。
だけど、あれだけ穢されて狂ったティルヒアがこのまま無事で済むのだろうか。
もちろんアスタルテも、ティルヒアの運命は絶望だと思っている。
タマモはアスタルテの頭を撫でる。
アスタルテは嬉しそうに無邪気に笑うが、時期に頭からタマモの手が放れる)
(もちろん、アスタルテはタマモと共に召喚部屋へと向かう。
その場所は予想通り、痕跡一つ残さず破壊されていた。
だが念の為、アスタルテは術式を展開して破壊された後の部屋を隅々まで調べてみる。
やはりと言うべきだろう、もはや調べる事すら困難な程に痕跡という痕跡を一つたりとも残していなかった)
ご案内:「ティルヒア城内」から魔王アスタルテさんが去りました。<補足:外見10歳、身長130cm。黒いワンピースを着て、悪魔の翼を生やす魔王。>
ご案内:「ティルヒア城内」からタマモさんが去りました。<補足:名簿参照。>