2015/12/16 のログ
ご案内:「ティルヒア城内」にタマモさんが現れました。<補足:名簿参照。>
タマモ > 結局はヤス湖をちゃんと調べれぬまま戻ってきた。
手土産は、いまだに痺れの切れない左手か。
すでに何者かの侵入を許したのだろう、どこもかしこも戦の跡を残している。
少女はゆっくりとした足取りで、城内を歩き続ける。
目的は…城内の奥、自分が呼ばれ出でる事となった一室だ。
「ふむ…こうも変わってしまうと、本当にまるで別の場所みたいじゃのぅ?」
どこもかしこも破損している、むしろ無事な場所の方が少ないかもしれない。
はふ、と溜息をつきながら進み続ける。
とりあえず、どちらの連中と出会っても誤魔化しようがある、その点は安心だ。
ご案内:「ティルヒア城内」に魔王アスタルテさんが現れました。<補足:外見10歳、身長130cm。黒いワンピースを着て、悪魔の翼を生やす魔王。>
魔王アスタルテ > (城の最奥に続く唯一の廊下。
大きな瓦礫が散乱しており、戦いの傷跡が残っている。
そこに魔王アスタルテは、壁を背に預け、瞳を閉じている。
この場所を通りすぎて、奥に進んだのは二人。
強力な結界も、既に破られていた)
(同じ時代を共に生きた“強敵(とも)”たる神龍ティルヒアの運命を最後まで見届けるため、アスタルテはまだここに残っている)
「戦乱の終焉は、静かなものだね」
(ぽつりと、そう呟いてみせた)
タマモ > そろそろ目的の場所も近いだろう、そこを通る廊下を歩いている時に、ふと目の前に人影が見えた。
はてさて、王国側か?ティルヒア側か?そんな事を考える。
その人影がはっきりと見える位置まで歩み寄ったところで…
「………のぅ、アスタルテや。
どちら側と出会えても誤魔化せるような事を考え、安心していた妾の安心感をどうしてくれるのじゃ?」
目の前の少女がどう思い、その場に留まっていたのかは、まだ分かってない。
そんな少女を前にして、がくーっと項垂れた。
「ま、まぁ…ともあれ、ここももう終いじゃのぅ?」
こほん、咳払いを一つ、気を取り直し改めて声をかける。
魔王アスタルテ > (かけられた声に、アスタルテは瞼を空けて、その紅の瞳を輝かせる。
そして、壁から背を放して、声の主であるタマモの方へと向く。
その仕草からは、まるでそこに何者かが訪れる事を予感していたかのようにも見えるだろう。
今のアスタルテは、いつものような無邪気で無垢で甘えたがりな子供ではなかった)
「誤魔化す必要がなくなった事を安心すればいいと思うよ、タマモちゃん」
(アスタルテは、タマモを見据える)
「そうだね。
かつては美しかった“千年の女王の都”も制圧されて、女王ティルヒアが起こした動乱は終焉を迎える。
あたしは結構、“千年の女王の都”の風景は好きだったけど、終戦時ともなればもうかつての輝きは消えてしまったね」
(街にあった、破壊された龍の像を思い返しながら、そんな言葉を発する)
「それでタマモちゃんは、制圧されるこの城の奥に、何の用なのかな?
最後に、女王ティルヒアへの謁見? あるいは、この動乱の“真相”を知りに来たの?」
(“真相”……つまり、ティルヒアを狂わせた“黒幕”なる存在が、この一件に関わっているのだ)
タマモ > 少女の言葉に、ふむ、と頷く。
確かにどちらでも無いのなら、別の意味で安心出来る。
「そうじゃな、まぁ、そういう事にしておこうかのぅ?」
そう言葉を返し、足を止めればちょうど目の前辺りになるだろう。
「そうみたいじゃのぅ?妾が呼び出された時は、よもやこちら側から戦を仕掛けたなんぞ気付きもせんかったのじゃ。
自業自得といえばそれまでじゃが…さてはて、何と言ったものやら…
この都の風景か…まぁ、悪くはなかったのぅ」
ふと呼び出されたばかりの頃を思い出す。
確かに、少女の言う通りに悪くはない風景ではあったと思う。
もっとも、その頃にはすでに都内の治安は乱れていた頃ではあったが。
「そうじゃのぅ…気軽に入れなくなる前に、今一度だけ妾が呼び出された場を見ておこうと思うての?
ティルヒアは…この場に居るのかのぅ?真相に関しては、確かに知る事が出来るならば、知っておきたいところじゃ」
ヤス湖で見た光景が頭に浮かぶ。
あれがティルヒアとは断定出来ないだけに、確認はしておきたいところだ。
そして、真相。
ティルヒアらしき者と共に見えていた、あの黒い影は確かに気になる…
うぅむ…と小さく唸るも、小さく頷いた。
魔王アスタルテ > (タマモは、アスタルテの目の前で足を止める。
そんな彼女の言葉を聞いて、魔王は一度頷いてみせる)
「想像はしていたけれど、呼び出されたという事はやはりタマモちゃんはこの世界の者ではないね?
タマモちゃんが使っている妙な術も、あたしの知り得るものと少し違っていたからね。
確かに結果を見れば、ティルヒアは紛うことなき逆賊だよ。
君の話を聞いている限りは、タマモちゃんはティルヒアあたりに召喚されし召喚獣と言ったところなのかな」
(結果を見ればティルヒアは逆賊だ。
だがそのティルヒアが何者かに狂わされているとすればどうだろう。単なる自業自得で片づけられる問題になるだろうか……?
それに神龍ティルヒアは、アイオーンに生み出された諸神の一柱だ。
ティルヒアの正体を知る者とすれば、ヤルダバオートの影響力が強くなっているマグメール王国に嫌気がさすのも頷ける話である)
「制圧されてしまえば、この城にも気軽に入れなくなるかもだからね。
ティルヒアがこの奥にいるかどうか、それはタマモちゃん自身の目で確認するのがいいかもだね。
幸か不幸、先にこの奥に進んだ二人が、城の最奥に続く強力な結界を既に破っているよ。
“真相”を知るのは、それこそ安全だとは限らないね」
(“真相”に関しては、ティルヒアと同じく神代を直接知るアスタルテに予想出来ない事はない。
だからこそ、タマモに警告する。
確かにタマモは不思議な力を使えて強いのは分かるが、だがどうなるかは誰にもわからない)
タマモ > 「ふふ…ご名答じゃ、今更…お主との関係上、問われて隠す事でも無いじゃろう。
ここの者達に妾の術が分からぬのと同じくして、妾も魔法やらはさっぱりじゃからのぅ?
正確には少々違うのぅ…妾は呼ぶつもり無く呼ばれた者じゃ。
要するに…事故みたいなものじゃな」
1度とはいえティルヒアを前にしているだけに、妙な違和感は感じていた。
その正体が神龍などというものという事なんて知る訳もない。
そして国と国の間の事も同等に知らない。
「間違いなくそうなるじゃろうな?
ティルヒアか…そういえば、お主はどうなのじゃ?単にこんなところでぼーっと突っ立ってるだけ、という訳ではあるまい?
ちと確認はしておきたいところではあるが…何とも、嫌な予感が止まらぬのがのぅ…?
呼ばれたのは事故じゃが、巻き込んだのは連中じゃ。
真相なんてものがあるならば、知らねば気が済まんというものじゃ」
警告は素直に受けてはおくも、少女がここに居る理由も気になるところ。
かくん?と首を傾げ、見詰めながら問うてみる。
この国の事も、ティルヒアの事も、真相の事も、本来はそんなに気にしても仕方の無い事だ。
それでも、やっぱり知りたいと思う好奇心には勝てないようで。
それによって何かが起こるか…そんな事を考えていては始まらない、といった感じに。